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多様性
thoughtworks
diversity

http://martinfowler.com/bliki/Diversity.html

ThoughtWorksでの大きなテーマのひとつに、全社的に人材の多様性を促進するというものがある(ここでいう「多様性」とは、ジェンダー・人種・性的嗜好などを指す)。我々は、女性や非白人種など歴史的に恵まれないグループが快適に過ごせ、伝統的なWASPのリーダーと同様の機会を得られる会社にしたいと思っている。 Royも混血であり、彼もこの多様性について気にかけている。

私がThoughtWorksについて述べるのは、会社の名を売ろうとしているからではない(マジで!)。そうではなく、我々が行っていることについて、良い面と悪い面を深く掘り下げようとしているからだ。 Royの社会的実験という大きな目標と泥臭い現実との間には、大きな溝がある。多様性はその一例だ。

私にとって至福の時だったのは、妻のCindyが社員旅行に付いてきたときのことだ。それは私が入社してすぐのことだった。あるThoughtWorkerが自己紹介をしてくれたのだが、彼の(男性の)パートナーも一緒に紹介してくれたのだった。 Cindyは、彼がホモセクシャルであることを会社にオープンにしていることに感銘を受けていた(彼女が勤めているエンジニアリング企業では想像できないことだった)。それだけでなく、そのことについて、誰一人として顔色ひとつ変えなかったのだ。本当の意味で「受け入れる」というのは、単に物事を受け入れるということではなく、そのことがごく普通のことだと思えるようになるということなのである。

これは、ThoughtWorksの光の部分の例だ——私がコンサルタント時代に見てきたどんな場所よりも、ここでの多様性の受け入れは広いと言える。影の部分については、残念なことだが、すぐに分かってしまう。最近の調査で分かったことだが、コンサルタントの女性の割合は15%ほどしかない。グローバルマネジメントチームにおいてはほとんどが白人男性だ。ここで報告することも恥ずかしいことである。

具体的な数字について何か言及するつもりはないが、この結果は我々が正しいことを行っていないこと、そして、何かを変えていかなければならないことを示している。この多様性の欠如が何によってもたらされているのかを理解し、何らかの対策を行わなければならない。

すべての基礎となるのは「態度(attitude)」である。みんなが白人男性主義だと事態は変化しない。多様性に対するみんなの態度はポジティブなものではあるが、なかには例外もある(一部だけがそうであると信じたいのだが)。 2月に開かれたワークショップセッションにおいて、そのひどい状況が明らかになった。耳を覆いたくなるような性差別の話がなされていたのである。 ThoughtWorksではこんな話は聞きたくなかった。

このことについてどう対処すればよいかは分からない。ひどいケースについては対処しなければならないだろうが、どの程度ならば「ひどい」のかを判断するのは難しい。私は、ジェンダーや人種のことで人を傷つけるようなことを言うのはひどいことだと思っている。しかし、知らず知らずのうちに他人を傷つけてしまうこともある。私にとっては何とも思わないことも、誰かにとってはひどく傷つくようなこともあるはずだ。何をすれば傷つくのかを敏感に感じ取ることが重要だが、そう簡単なことではない。また、ポリティカルコレクトだらけになって、みんなが息苦しくなるのも困る。

もっと性質が悪いのは、無意識の態度である。クラシックのオーケストラでは、この無意識の態度によって多様性が損なわれてきた。昔から、女性が男性よりも上手くできないのは、何らかの理由があるからだと思われてきた。たとえば、女性は肺活量が乏しいから金管楽器に向かない、などといったことだ。これにはまったく根拠がない。アメリカの主要なオーケストラの裏側では、こうした態度がずっと続けられてきた。今になって女性が増えてきているのがその証拠である。性差別を意識するようになったからこそ、この変化が起きているわけだ。しかし、未だに無意識の差別は残っている。「小さな女性がどうやってフレンチホルンで大きな音を出すことができるんだ?」

私なら偏見を持たずに考えられる、と言いたいところだが、いつもこの話を思い出してしまう。サウスキャロライナにある多国籍企業の支社を訪れたときのことだ。みすぼらしい格好をした猫背の黒人が会議室に現れた。私は彼のことを掃除のおじさんだと思った。だが彼は、技術部門の本部長だった。私が間違いを犯したことは誰も気づいていない。しかしそれ以来、あの時なぜそう思ったのかを自問するようになった。彼の歩き方が自信たっぷりではなく、猫背だったから?南部にいることを意識しすぎていたから?彼が白人ならそういう間違いをしなかったことは否めない。今なら10年以上前のことだと言って、言い訳することができるが、正直言って、こうした過ちを再び繰り返さないと断言する自信はない。

つまり、意識では先入観を持っていないと思っていても、無意識では先入観に囚われていることがあるのだ。これが多様性の難しさの一因ではないか?これに対処する方法は、私にはまったく分からない。生まれつきの好みで自分との「同一意識」を強めているのではないかと思う。それを取り除くには、意識的に努力する必要がある。

サービス企業としての我々が態度について直面する課題は、我々がクライアントからの影響を強く受ける環境にいるということだ。自分たちの問題を解決しても、顧客が問題を持ってきてしまうことがある。

このことに対応するために、まずはひとつの話をしよう。これは最近の話だ。我々の見込み顧客が、1930年代のアラバマを思わせる人種差別発言をした。みんなはその言葉に感情を害されたが、ある若手の黒人アナリストが最高の台詞を言った。私なりにまとめてみよう。「彼があんなことを言ったからといって、私は怒りにまかせて職場を放棄するようなことはしたくない。彼と一緒に仕事をして、私の能力やプロとしての気概を見せつけてやりたい。そうしたことを誰もやらないから、彼のような人間が変わっていかないんだ。どんなに心地良くないことでも、人は前進しなきゃいけない。変わらなきゃいけないんだ。」

態度について解決されても、他にもまだ疑問が残る。人口の50%は女性だということを考えると、 15%という数字はあまり響きのいいものではない。しかし、ギークなカンファレンスに行くと、15%でも遥かに高いほうだ。どんな理由があるにせよ、ソフトウェア開発の現場に女性が少ないのは事実だ。他の業界と同じような比率だと、何か問題でもあるのだろうか?

このことを指摘すると、もともとそうなのか、あるいは、環境によってそうなったのか、という疑問を避けては通れないような気がする。つまり、女性がギーク界に現れないのは、女性の興味の対象が違うからではないか?、あるいは、ギーク界が女性を追い出しているからではないか?という疑問だ。これらの疑問に対する答えはまだ見つかっていない、というのが私の意見だ。したがって、我々は、女性は男性と同じ可能性を持っているという前提に立たなければならない。何百年にも渡る悲しき慣習的な差別を引き合いにだすまでもなく、我々は、単純な公平さによって、この結論を導かなければならない。

そうなれば、我々は不安を感じぜずにはいられなくなるだろう、というのが私の考えだ。 ThoughtWorksには、これまで日陰の存在だった才能あるグループを我々の業界や社会に引っ張り出すような指導的役割を担ってもらいたい。他よりも女性や少数派の人たちが数多くリーダーになっているThoughtWorksに魅力を感じてもらいたい。 ThoughtWorksにマイノリティがいないことは、我々にとって恥ずべきことである。同様に、業界にマイノリティがいないことは、業界にとって恥ずべきことである。

では、どのようにこの新たなバランスをとるべきだろうか?基準を変えてしまうことには賛成できない。たとえば、女性なら低品質でも認める、というようなことだ。こうした受け入れは逆効果である。やり方は他にもあるだろう。たとえば、女性従業員が働ける場所を積極的に広げたり、雇用基準は同じままで、マイノリティを見つけやすく、引き付けられるように採用プロセスを調整したりというようなことだ。

社内のマイノリティをThoughtWorks内の、あるいは、もっと広い社会でのロールモデルにするための手助けをするということも重要だ。彼らには多少の負担がかかるかもしれないが、長い目で見れば、我々と我々の業界の多様性の問題を解決することで、いかなる背景を持つ人であっても、その人の長所で成功することができることを示すことができるのだ。 Connected with this is to be more determined to provide mentoring★、最近開かれた、オープンソース界に女性がいないという議論では、メンタリングが状況を改善する1つの方法だと考えられた。

しかし、以上すべてのことも非常に限られたものである。理想への道は遥かに遠い。ただし、いつものように、答えを見つけようとしている人が私以外にもいるということが最大の救いだ。我々の雇用モデルの大きなメリットは、私より頭のいい人が大勢いて、彼らがこれからこの問題や解決策について考えてくれることである。だが、それまでは、ThoughtWorksには多様性が足りないと認めなければならない。

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