Permalink
Switch branches/tags
Nothing to show
Find file Copy path
Fetching contributors…
Cannot retrieve contributors at this time
48 lines (25 sloc) 5.86 KB
title date
キャリア近況
2018-09-28 00:52:28 -0700

30代も折り返しに差し掛かりつつあるせいか、自分のキャリアというか、いままでと、これからの仕事について考えることが時折ある。

グローバル志向の先にあった平均化

日本にいた頃の私のキャリアには、ぼんやりとだけど、グローバル志向という軸があった。これは、ミクシィの社員として Facebook や Twitter といったアメリカ生まれのサービスが日本を席巻していくのをみていた、苦い思い出からきているのだと思う。

「日本人はインターネットに実名をのせたりはしないのですよ」「自分の近況を随一報告するなんて暇人しかやらないのでは」みたいな予測がどんどん裏切られていくのは『山椒魚戦争』みたいでちょっとコミカルですらあり、それ以来、私は日本人の特殊さというのを信じきれずにいる。

一方で、世界中から人々が集まって作ってるソフトウェアに、東京で日本語を話す人々が集まって作っているソフトウェアが勝つ理由もないなあという諦念もあった。数の論理。目玉の数さえ十分あれば、どんなバグも深刻ではない。同時期に普及しつつあったスマートフォンもその悲観を後押しした。

今になって思うとこれはだいぶ単純な世界観で、当時の私は視野が狭かった。ミクシィはその後モンストで復活するし、メルカリや LINE は日本を主な市場として成功している。製品が成功しなくても会社が成功することはあるし、会社が成功しなくても個人が成功することもある。もちろんその逆もある。

それでも、当時の (やや正確さに欠ける) 現状認識は危機感に、危機感は行動につながって、英語を勉強して、アマゾンジャパンに転職したりしていた。

外資企業を渡り歩く人々はそれなりにいる。日本以外をすべて「外資」とくくるのも乱暴なはなしだけど、投資銀行からアマゾンにきたり、アマゾンからグーグルに行ったり、そういうキャリアはそこまで珍しくもない。日本のスタートアップに入る人々はちょっと珍しくて、経歴から「元グーグル」という肩書がなかなか外れなかったりする。

日本にいたら次の転職はそれで乗り切れたかもしれないけれど、私は結局シアトルにまで引越してしまった。アメリカに来て現地の人々に紛れてみると、私のキャリアはとりたてグローバルといえるものでもないことに気づく。みんな英語はできるし、アメリカ以外の国で教育を受けたり、働いたりしたことのある人は珍しくない。

私は平均的になってしまった。

専門性とその軸

シアトルに来てから4年、何回かチームを移ったりもしたけれど、こうして振り返るとあんまり軸といえるものがない。社内でよく使われがちな技術スタックには詳しくなったし、よく質問したり調べたりしたとは思うけれど、得意を作るよりは苦手を減らす期間になっていたように思う。まわりの評判は悪くないし、all rounder として評価されることもある。でも、このままで良いのかというと不安がある。

そういったわけで、最近は “The Passionate Programmer" を読みながら、今後の方向性なんてものを考えたりしている。昔に “My Job Went to India” というタイトルだった頃に読んだ記憶があるけれど、久しぶりに読んでみると良いことが書いてある。

This book isn’t about struggling to maintain the level of mediocrity required not to get fired. It’s about being awesome.

かっこいいし、かくありたい。

morrita さんは以前に "Soft Skills" との対比を指摘していたけれど、一方で二つに共通する部分もある。自分の専門性を意識して作ること、というのはその一つだ。私はこれがまだ出来ていない。

私は他人の作ったスタックに過剰に肩入れして、インターネットで我田引水の議論を繰り広げる人々があまり好きではなくて、それを専門性をはっきりさせないことや、仕事で好きな言語を使わないことの、言い訳にしていたきらいがある。「製品の成功こそが重要であって、言語は重要でない」と言ってみせるのはかっこいいし、我田引水をする必要はないけれど、過剰な肩入れのリスクはリターンでもって報われることもある、という認識が薄かった。

最近 Rust の話をしたり、それがらみのイベントに行ったりしているのは、言語自体が好みというのもあるけれど、専門性をちゃんと作って、自分を周りから差別化しないと、という意識もちょっとある。

専門性はプログラミング言語に限らない。例えば、プロダクトマネージャーと組んでアプリケーションを作る仕事と、時系列データベースがメモリからディスクに書き出すのをどうこうするような低レベルな仕事のどちらを選ぶかという軸もあるし、国際化やアクセシビリティみたいな分野のうちどこを選ぶかという軸もある。交通や決済といった業界も軸になるだろう。

もちろん全てが出来たら素晴らしいけれど、それは無理そうなので、だんだん意識的に仕事を選ぶようにしたいなと思う。