meeting9 abstract

Toshiaki Katayama edited this page Mar 25, 2017 · 1 revision

3月7日(金)のプログラムは以下の通りです。

場所:北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科講義棟2F中講義室

13:40-14:15 オントロジーとシミュレーションを用いた薬物相互作用予測

講演者:○小長谷明彦(理化学研究所、東京工業大学)、有熊威(東京工業大学)

講演概要:ゲノム情報に基づく遺伝子変異の解析が進むにつれ、計算機による薬物応答における個人差や薬物間相互作用検出が重要性を増している。薬物応答とは薬物投与により引き起こされる代謝反応の連鎖であり、各々の薬物代謝経路を比較することにより、薬物間相互作用を検出することができる。in silico での薬物間相互作用検出を実現するために,オントロジーと数値シミュレーションを組み合わせた新しい枠組みを提案する。この枠組みは,薬物相互作用オントロジーによる薬物代謝知識の体系化を基盤として,複数の薬物投与下でのパスウェイの動的な生成,薬物間相互作用の候補の自動検出,シミュレーションモデルの自動生成,数値シミュレーションによる定量的評価,そして仮想個体群による薬物動態の個人差の評価を行う。抗がん剤イリノテカン(CPT-11)とケトコナゾール(KCZ)の多剤投与では,オントロジーからの推論により、薬物代謝酵素CYP3A4が関係した薬物間相互作用と血中蛋白albuminに関する薬物間相互作用を検出した。さらに、自動生成した連立微分方程式モデルを用いることにより、CPT-11とKCZの多剤投与では,CPT-11の活性体であるSN-38のAUCとCmaxは,単独投与時に比べてそれぞれ108%と105%に留まることが示された。イリノテカンの場合には、薬物代謝酵素UGT1A1の遺伝的変異の影響のほうが大きく、UGT1A1*28/28をホモに持つ患者を想定したシミュレーションからは、CPT-11単独投与時で,SN-38のAUCとCmaxが,UGT1A11/*1(野生型)に対して,それぞれ208%と165%へ増加することが示唆された。

14:15-14:45 遺伝子発現データのクラスタ解析からの遺伝子機能推定

講演者:○宮田祐生(金沢大学大学院自然科学研究科電子情報工学専攻)

講演概要:マイクロアレイデータに対するクラスタリングとは,発現変動パターンに応じた遺伝子のグループ化であり,同期した発現パターンを示した遺伝子群内における機能既知遺伝子の機能から,同遺伝子群内の機能未知遺伝子の機能を推測することができる.そこで本研究ではマイクロアレイのクラスタリングにおける遺伝子機能の推定を考える.マイクロアレイのクラスタリングで一般的に用いられる,階層型クラスタリング,Fuzzy k-meansクラスタリングに着目し,未知遺伝子の機能を推定するうえで有効なクラスタリング手法を提案・検討する.

14:45-15:20 機械学習法を用いたタンパク質ディスオーダー領域予測

講演者:○野口 保、廣瀬修一、清水佳奈(産総研 CBRC)、金井 理 (ファルマデザイン)

講演概要:タンパク質の一部で立体構造を形成しないコード領域(ディスオーダー領域)が存在する。このような領域は高等生物に特に多く見られる傾向があり、転写調節に関するタンパク質やDNA結合タンパク質などに多く存在することが示唆されている。我々は、ディスオーダー領域が、配列全体、その長短で、その性質が異なることに着目し、各々のディスオーダーに対応した予測法(POODLE-W,-L,-S:Wは配列全体、L,Sはそれぞれ長いと短いディスオーダー領域)を開発し、それぞれ、既存の手法の精度を上回る結果を得た。本発表では、POODLE-Lを中心に、我々が開発したPOODLEについて紹介する。

15:30-16:00 後生動物ゲノムにおける、分岐群特異的ドメイン構造の検出のためのドメインコンビネーション比較

講演者:○川島秀一(東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター)、川島武士、和田洋、金久實

講演概要:真核生物の進化の過程で、様々な種類のタンパク質が、エクソンやドメインシャッフリング等のメカニズムにより作り出されてきた。後生動物の進化の過程で、2つの独立したドメインが融合するのは一回だけという仮定のもとで、その融合した時期をおおまかに類推することができる。この目的のために、我々は、後生動物の2つのドメインの組合せ(ドメインコンビネーション)の系統プロファイルを作成した。まず、興味深いことに、このプロフィルから作成した系統樹は、脱皮動物仮説(Ecdysozoa hypothesis)を支持した。さらに、このプロファイルは、分岐群に特徴的な形質に必要とされる遺伝子の候補を示していると考えられる。従って、我々は、ドメインコンビネーションに注目したプロテオーム比較が、後生動物の進化を研究するのに有効な手法であること提案したい。さらに、現在利用できる脱皮動物のゲノムでは、わずか14のドメインコンビネーションのみが共通に見いだされた。このような少数の脱皮動物特異的なドメインコンビネーションは、脱皮動物の進化の過程で、大量の遺伝子欠損があったことに対応すると考えられる。

16:00-16:45 G-language Genome Analysis Environment 2に向けて

講演者:○荒川和晴(慶應義塾大学先端生命科学研究所)

講演概要:ソフトウェア業界では「バージョン1はβ版、バージョン2からが正式版」と揶揄されることがあるように、多くのソフトウェアの最初のバージョンは完成度が低いことが多い。我々G-language Projectでは2001年からバイオインフォマティクス研究における試行錯誤のためのワークベンチを目指してゲノム解析統合環境G-languageを開発しているが、残念ながらこのソフトウェアも、その例外ではなかった。一方で、2007年度中にv.1.8.xまで開発が進んだ現在、G-language GAEはようやく正式版としての完成度を高めて来ている。本講演では、超高速なコア、プラグイン機能、直感的なインタラクティブシェル、インラインドキュメント、PerlData型DB O/Rマッパー、分散コンピューティング機能などのv.2の新機能を紹介する。

16:45-17:05 Genome Projector: zoomable genome map with multipe views

講演者:○河野暢明、荒川和晴、玉木聡志、池上慶太、木戸信博、小川隆、冨田勝(慶應義塾大学先端生命科学研究所)

講演概要:システム生物学において、生体内の動的な挙動を解明するためには、ミクロ・マクロ両視野からのアプローチが不可欠である。同時に、細胞内の生命システムは、ゲノムやプロテオーム、あるいは代謝パスウェイなどの複数の視点から横断的に観察されるものである。そこで、我々は新たな視点を取り入れたウェブベースのゲノムブラウザ、Genome Projectorの開発を行った。Genome ProjectorはGoogle Maps APIを利用したZoomable User Interface (ZUI) を備え、直感的にミクロ・マクロのスケールを切り替えながら全体像と細部の閲覧が可能な他、タブ機能によって同じ情報をさまざまにコンテクストを切り替えながら見ていくことができる(現在はゲノムマップ、環状ゲノムマップ、ロシュ生化学パスウェイマップ、DNA Walkマップの4つのビュー)。Genome ProjectorはGenBankなどのゲノムデータベースから生成されるが、自動再アノテーションにより豊富に各種公共データベースの情報が付加されており、高度な検索が可能になっている。本ソフトウェアは http://www.g-language.org/GenomeProjector/ からアクセスできる。

17:15-17:45 BioHackathon for Web Service の報告

講演者:○片山俊明(東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター)

講演概要:ライフサイエンス統合データベースセンターの主催で 2/11-15 に開催されたウェブサービスのための BioHackathon について、開催趣旨とその成果を報告します。

17:45-18:10 DAS workshop 2008 参加報告

講演者:○中尾光輝(かずさディー・エヌ・エー研究所)

講演概要:DAS workshop 2008に参加してきました。ゲノム配列と遺伝子のアノテーションの共有プロトコルとして、ヨーロッパを中心に利用実績がとてもたかまっていることやサーバやクライアントの実装とその利用や拡張、導入法について報告します。

18:10-18:25 ライフサイエンス統合データベースセンターの紹介

講演者:○河野信(ライフサイエンス統合データベースセンター)

講演概要:本年度から本格的に始動した、ライフサイエンス統合データベースプロジェクトの概要やその目指すところを紹介する。また、ライフサイエンス統合データベースセンターで提供しているサービスや、今後提供予定のサービスについても簡単に紹介する。

オープンバイオ プログラミングコンテスト

3月8日(土)のプログラムは以下の通りです。

場所:知識科学研究科講義棟3F電算室内のパソコン演習室

  • 10:00-12:00 プログラム開発
  • 13:00-14:30 コンテスト発表