Permalink
Find file
Fetching contributors…
Cannot retrieve contributors at this time
77 lines (56 sloc) 11.1 KB
layout title
post
コメント返し(スタートアップに転職する時に最低限知っておくべき株の話)

前の記事が予想以上に人気がありました。ありがとうございます。 Twitterやはてなブックマークでのコメントが面白かったので、いくつかコメント返しをしておこうと思います。

会社がどのステージにあるかを知るには、中の人に聞くしかないのかな

基本的には中の人、それも創業者レベルに聞かないとわからないことが多いと思います。投資を受けたことを大っぴらにしない会社も多いです。ただ、CrunchBaseというサイトに情報が記載されていることも多く、もし記載されている場合は大変に参考になります。例えば日本だと、Tokyo Otaku Modeさんの情報などが載っています。このサイトによると、TOMさんはシード期に投資を2回受け、シリーズAで$2.64M(約3億円)、シリーズBで$13.7M(約14億円)の投資を受けていることがわかります。

なお、投資額を公開することはありますが、一般的に時価総額は公表しないのが普通ですので、ネット等で調べても各投資家の具体的な株の持ち分まではわからないのが普通です。

日本のスタートアップはエコシステムがショボいのでファウンダーや役員で生株とかじゃない限りあってないようなものだと思いましょう。

スタートアップのエコシステムがベイエリアに比べてしょぼいというのは事実かもしれませんが、日本でもここ5年くらいでスタートアップのM&Aが明確に増えております。リスクを取ってかなりのアーリーステージ(シリーズAより前)に会社に参加した場合、ある程度でも株を持っていれば大きなリターンに繋がることも十分にあるんじゃないかな、というのが私の感覚です。

IPOにもexitにもたどり着けなかった場合の末路が気になる。。

exitを目指して会社を設立したけれどもexitに辿りつけなかった場合、大きく2つに分かれます。一つは会社を清算してしまうことで、真っ当な投資契約を結んでいる限り(日本ではこれが実現されていないことが多いのですが)起業家の個人負債になることはありません。投資家もそのリスクを取っているからこそ大きなリターンの可能性があるわけで、ビジネスの芽が無くなった場合に清算することは(大変残念ではありますが)何ら恥じることはない、と私は考えています。

もう一つは、受託開発などを請け負い、将来の成功を信じてとにかく会社を存続させることです。受託開発は社員のモチベーションを下げる危険もあるのですが、メンバーの心が離れない限り、会社を存続させることは十分意味のあることだと思います。ただ気をつけないといけないのは、ベンチャーキャピタル(VC)から投資を受けている場合、彼らに時間期限があるのが普通です。一般的にファンド組成のタイミングから10年であり、その期間の内に彼らは何らかの方法で現金化しないといけません。会社が上手く行っていれば他のVCに売ることも出来るのですが、そうでない場合はVCから起業家に株を買い取るようにプレッシャーがかかったり(もちろん起業家にその義務はないのですが)、色々と辛い体験をすることが多いようです。

シードの頃にJoinしてきちんと成長できて売上も立ちSOも良い条件でもらっていたが、上場できなかったことがあった。社長が9割以上の株を持っていて、更に第三者割当なしでやれたから。上場しなくてもいいという悲しい 

投資を受けるスタートアップの場合は、ほぼ確実にexitが目標になります。一方で投資を受けない場合はexitの必要が全くありません。他人に株を持たれ経営に口を出されるリスクを嫌う経営者がいるのは自然なことで、そういう人に取ってはIPOに何ら魅力を感じないでしょう。入社時に「将来上場を目指しているのでストックオプション(SO)が価値を持つ可能性がある」と説明をしてSOを付与しておきながら上場出来るのに上場しないというのは信義にもとる行為だと言えますが、上場は非常に難しい話なので、私の直感ですが経営者の方に上場したくても出来ない理由があるような気がします。

夢しか語ってない。売上上がらない会社がシリーズBとか地獄だぞ。風呂敷広げないと投資して貰えないからね。

実際の所、スタートアップ界隈で地獄は頻繁にあります。私も現在で3社目の起業ですが、地獄は何度も経験しました。夢はあるのかもしれませんが、毎日きつい話だらけです。

売上が上がらない会社だからといって、では会社をたたみます、とは中々いきません。既存投資家からしたら、会社が潰れたら可能性がゼロになってしまうので、それであれば何としてでも会社を存続して欲しいと思うのは自然です。資金が尽きそうな時に、大風呂敷を広げようとも何とか資金調達して、とりあえず生きながらえてくれ、と経営者に圧力をかけるのは(残念ながら)理にかなった行為といえます。

スタートアップの社長は日々こういったプレッシャーとの戦いです。以前の記事で少し書きましたが、私は最後の方で遺書(過労死してすみません)を持ち歩いていました。私は今までの経歴もあり頻繁に起業の相談をされるのですが、他人に起業を勧めることはまずありません。

あと、入る方はいわゆるexitを目指す「スタートアップ」だと思っていたら、創業者は普通に自営業として起業しただけでその気が無かった等ということもるんじゃね。ユーザや顧客はこっちの方がありがたい事多いし 

自営業として起業するのは一切悪いことではないので、入社時にexitを目指すか(投資を受けているかどうか)を確認するのが大事だと思います。最も、自営業を目指して設立した会社の経営者が社員に株を渡すことは滅多に無いと思いますが。

なお、前の記事で「株を現金化する方法が主に2つ」と書きましたが、実際はもう1つ「株の配当を受け取る」という極めて真っ当な方法が存在します。急成長を期待して投資したスタートアップの投資家にとっては「配当を配っている余裕があれば事業拡大に投資しろ」というのが自然な話なので、スタートアップのアーリーステージで配当が出ることはまずありません。一方で、会社運営が安定してくれば、株主が安定して配当を受け取りたいと思うのはこれまた自然な話です。

ベンチャー界隈に居るけど、ストックオプションのことは考えなくていいよ。あれは宝くじであり釣り餌。高確率で手に入らないか安いから。本当に考えなきゃならないのはファウンダー側になる時だけ

高確率で手に入らないのは全く同意ですが、宝くじは完全に運任せなのに対して、スタートアップの株は自分たちの努力で行く末を左右出来るのが大きな違いだと思います。あくまで金銭的な観点から見れば、ストックオプションなどを受け取らずにスタートアップに行くのであれば、同じ給料(もしくはより高い給料)で福利厚生がしっかりしている大企業で働く方がよいと思います。

最も、スタートアップは大企業に比べて責任範囲が広く、新技術に寛容であり、働き方の多様性が認められていることが多いので、個々人の成長や働きがいという意味でスタートアップの方が優れている側面も多いと思います。スタートアップにいて株を持っていないからといって間違いということは一切ないと思います。

日本人は自分の意見を主張して交渉するのが苦手だから創業者の言われるままになって、エコシステムの中での相場が形成されないっていう問題もありそう

単純に創業者と労働者双方の知識不足でエコシステムが上手く回っていない側面もあるんじゃないかな〜と感じています。資本政策(株を誰のどの程度配分するか)を一度間違えると基本的には取り返しがつかないので、テクニカルなミスでexitが出来なくなってしまう会社も多いという印象がありますね。

これ、転職じゃなくて創業の話だよね? 前んところは創業直後にはいっったけど1株もわけてくれなかった。

転職のつもりで記事を書いていました。株を従業員に渡すかどうかは完全に経営者の判断なので、渡さないからといって絶対に駄目だというわけではないです。

最初からSOの話してくる会社は給与上げたくないだけでしょ。

中にはそういう会社もあるかもしれませんが、そういう場合でも「ストックオプションいらないのでその分給料を上げてください」という交渉をするのは理にかなっていると思います。ベイエリアで見たのですが、「ストックオプション一切なしだが給料高め」「ストックオプションあり、給料普通」「ストックオプション大量、給料低め」という中から選べる、という制度を持つ会社がありました。

起業家としては自社の成功を疑っていない(ことが多い)ので、ストックオプションは「成功体験を皆で分かちあおう」という意思として付与することが多いと思います。一方で求職者にはそれぞれの事情があり、会社の成功にはさほど興味がなく、単純に傭兵として働きに来る方がいるのも不思議ではないです。どちらも一方的な視点にならず、お互いの要望が一致する落とし所を探るのが良いでしょうね。



皆さんの色々なご意見ご感想、面白かったです。たくさんコメントして頂きありがとうございました!