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3. $1B以上投資資金を持つVenture Capitalが多数Sand Hill Roadに

Andreessen Horowitzは本当にすばらしいが、シリコンバレーには、他にもすばらしいVenture Capitalはたくさんある。Menlo ParkのSand Hill Roadは、有力Venture Capitalが集まっている場所として有名だが、2100番地から3000番地に80以上のVenture Capitalの事務所がある (「シリコンバレー 最強の仕組み」デボラ・ピシオー二著、日経BP社刊)。

Accel Partnersは、Arthur PattersonとJim Swartzが1983年に設立、Fund Sizeは$17.05B(2兆650億円)で、452社に773回の投資を行い、25のIPOと128の売却に成功している。New York、London、Bangaloeにも事務所を設けている。

Accel Partnersは、Facebookへの投資が有名であり、その経緯は、「フェイスブック」デビッド・カークパトリック著、日経BP社刊に詳しく出ていて、非常に興味深い。

Benchmarkは、1995年に設立され、Fund Sizeは$1.25B(1500億円)で、223社に425回の投資を行い、22のIPOと75の売却に成功している。

Benchmarkの主な投資先は、Dropbox、Twitter、Uber、Snapchat、Instagram、Yelp、Zillow、Zipcarである。

また、eBayの投資が有名で、1997年に$8.7M(10.4億円)を投資し、1999年の春に$5B(6000億円)と575倍にもなった。

eBayへの投資の詳しい内容は「eボーイズ」ランダル・ストロス著、日本経済新聞社刊に書かれている。また、そもそも、Benchmarkがどのように設立され、どのような人たちによって運営され、具体的にどこにどういう投資をしたのか、どう支援しているかも詳細に記述している。Venture Capitalの実態を知るには最適な書籍である。

Sequoia Capitalは、Don Valentineによって、1972年に設立された。Fund Sizeは$3.2B(3840億円)で、559社に1028回の投資を行い、53のIPOと116回の売却に成功している。

Don Valentineは、National Semiconductor (1959年設立、Texas Instrumentsに買収された)の創業者であり、Fairchild Semiconductor (William Shockleyが作り、のちのIntel創業者8名が所属していたことで有名)にも勤務していた。

Sequoia Capitalは、インドにNew Delhi、Bangaloe、Mumbai、中国の北京、上海、香港、イスラエルにも事務所がある。

KPCBは、1972年にEugene KleinerとTom PerkinsによってSand Hill Roadに設立された。Kleinerは、KPCBの前にFairchild Semiconductorで働いていた。Perkinsは、Hewlett-Packardで働いていた。

Fund Sizeは、$1.38B(1656億円)で、408社に726回投資し、36回のIPOと75回の売却に成功している。中国の北京と上海に事務所を有している。KPCBの有名な投資先は、AOL、Sun Microsystems、Compaq、Symantec、Genentech、Netscape、Intuit、Amazo.com、Googleである。

「シリコンバレー・アドベンチャー ザ・企業物語」(ジェリー・カプラン著、日経BP社刊)には、KPCBが行ったGoへの投資が詳しく記述されており、1980年代のVenture CapitalのStartupへの投資の実態がわかる。

Draper Fisher Jervetsonは、1985年に設立され、Fund Sizeは$3.16B(3792億円)で、340社に611回の投資を行い、19のIPOと91の売却に成功している。

他に、

2014年のUSAにVenture Capital投資額 (http://nvca.org/research/venture-investmentのよる)は、$50.763B(6兆0916億円)で、4000社以上に投資された(平均は約15億円)。うち、Corporate Venture Capital (CVC)の投資は、$5513M(6616億円)で、全体の10.9%である。2015年の第3Qの投資額は$16Bで、Stageごとに見ると、Startup/Seedは$0B、Early Stageは$5B、Expansion Stageは$7B、Later Stageは$4Bになっている。地域別に見ると、Silicon Valleyが約$8B弱(9600億円)で約半分を占め、社数は330社程度になっている。2014年のExit (Venture Capitalが関与したものだけ)は、IPOが117社、M&A(売却)が482社であった。

つまり、Venture Capitalは、Early StageからLater Stageを中心に投資をしていることがわかる。

USAのVenture Capital Associationの会員は400社以上、日本の日本ベンチャーキャピタル協会の会員は59社である。USAのVenture Capitalistは憧れの職業であり、有力なVenture Capitalistなら、年収が$1Mを超える人が多い。しかも、投資が成功するとCarryと呼ばれる成功報酬があり、$100mの報酬も夢ではない。。だから、すごい人たちが沢山いる。もっとも、Fund Sizeの1%を自分で投資しないといけないので、$1Bなら、Managing Partnerは$10Mを投資しないといけない。かたや日本はほとんどの人が金融機関出身者か起業経験のない人。大成功した人がVenture Capitalistになっていない。年収も普通の企業並みで、成功報酬をもらえる契約がない人が多い。あっても、巨額の成功報酬をもらっている人もほとんどいない。

一般的なVenture Capitalの投資期間は、10年間で、毎年事務手数料として、Fund Sizeの2%(会社によって3%も)をもらえる。$1Bなら、$20M(24億円)。だから、事務所もSilicon Valleyの最も賃料の高い、Menlo ParkのSand Hill Roadにあり、大変立派で、ゆったりしている。資金を調達したら、大抵3年以内にはほとんどを投資してしまう。2年くらいで、次のFundをRaiseするのが、一般的。しかし、IRR(内部収益率)が悪いVenture CapitalはFund Raiseできないので、業界から消えてしまう。いかに高収益な投資を実行するかがVenture Capitalの評価になる。