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Inferno

ダンテの『地獄篇』は、14世紀に書かれた叙事詩『神曲』の第一部である。ダンテがローマの詩人ウェルギリウスに導かれ、地獄の9つの輪を巡る想像上の旅を描いたものである。『地獄篇』は、地獄を精巧に組織化された領域として鮮やかに描き、そこでは罪人たちがその罪を映す皮肉な罰を永遠に受ける。

『地獄篇』は、罪を寓意的に表す暗い森に迷い込んだダンテから始まる。ダンテは獣に襲われるが、ウェルギリウスに助けられる。ウェルギリウスは、ダンテが天国にいる最愛の人、ベアトリーチェの使いだと言う。ウェルギリウスは、ダンテの唯一の道は地獄を旅することだと言う。二人は地獄の第1圏であるリンボに入るが、そこは高潔な異教徒と洗礼を受けていない赤ん坊の住処である。そこは陰惨というより、むしろ物悲しい場所である。

第2圏では、欲望にまみれた者たちが強風にあおられ、激しく往復する。第3圏では、大食漢は泥の中に横たわらなければならない。第4圏には、貪欲で浪費家の者たちが重たい岩で馬上槍試合をする。第5圏では、怒りっぽい者たちが泥だらけのスティクス川で戦い合う。

下位の輪では、罪と罰がますます下劣で非人間的になっていく。異端者たちは、第6圏で燃える墓に閉じ込められる。第7圏では、凶暴な者がフレゲトンの煮えたぎる血の川に沈められる。第8圏では、さまざまな詐欺師が10の嚢に幽閉される。

裏切り者は第9圏の4つの円に住む: 家族を裏切る者はカイーナ、国を裏切る者はアンテノーラ、客を裏切る者はトロメーア、領主や恩人を裏切る者はジュデッカだ。サタン自身はここで腰まで氷の中に閉じ込められている。サタンの体を降りたダンテとウェルギリウスは、再び星空を見に現れる。

ダンテは、崖、川、嚢、峡谷、裂け目など、地獄の変化に富んだ地形に、想像力豊かな罪人たちを配し、その多くは名指しされている。罰は、その罪を象徴的に映し出したり、似せたりして、コントラパッソとなるように精巧に、さらには悪魔的に考えられている。生き生きとした感覚的描写が地獄をリアルに感じさせる。

『地獄篇』は、キリスト教における地獄の重要な概念を確立した。ダンテの豊かで象徴的な描写、想像力豊かな風景、特定の罪人の配役は、死後の世界に関する西洋のイメージに絶大な影響を与えた。この作品は、神の正義に関する深遠で創造的なビジョンであり続けている。

Canto 1

語り手は暗い森に迷い込み、ヒョウ、ライオン、雌オオカミに出会って行く手を阻まれる。そしてローマの詩人ウェルギリウスの霊に出会う。ウェルギリウスは語り手を死後の世界の旅に導くために遣わされたと言う。ウェルギリウスは、雌狼は貪欲と欲望の象徴であり、いつか雌狼を倒す予言された英雄が現れると説明する。ウェルギリウスは語り手を地獄と煉獄に案内することに同意するが、自分は異教徒なので天国には入れないと言う。語り手はウェルギリウスに、地獄と煉獄を見て、できれば天国に行けるように、この旅に案内してほしいと懇願する。ウェルギリウスは承諾し、二人は一緒に旅に出る。

Canto 2

語り手は、同じような旅をしたアエネアスや聖パウロのような伝説上の英雄たちに比べてふさわしくないと感じ、死後の世界の旅に出ることをためらっている。ウェルギリウスは、語り手が生前愛した女性ベアトリーチェの使いであり、彼女は今天国にいて、ウェルギリウスにこの旅を案内してほしいと望んでいるのだと断言する。ウェルギリウスは、語り手が道に迷って怯えているのを心配してベアトリーチェが彼を遣わしたと言う。

ウェルギリウスは、ベアトリーチェが聖女ルチーアに語り手を助けることを話し、ルチーアがラケルに話し、3人で神に願い、ウェルギリウスが語り手を助けに来ることを許可したと説明する。ウェルギリウスは、自分は霊であり、炎に傷つけられることはないから、地獄を通ることは怖くないと言う。この励ましを受け、語り手はウェルギリウスを案内人として地獄の旅を続ける決意と勇気を新たにし、旅を続けることに同意する。

Canto 3

暗い森に迷い込んだダンテは、ウェルギリウスと共に地獄に入る前に、すべての希望を捨てなければならないと警告している地獄の門に刻まれた碑文を読む。

  • ダンテとウェルギリウスは地獄の門に到着する。門には、ここですべての希望を捨てなければならないという警告が刻まれている。ダンテは躊躇するが、ウェルギリウスは彼に勇気を持つよう促す。
  • 二人はリンボと呼ばれる、異教徒と高潔な非キリスト教徒が住む地獄の第1圏に入る。ここには肉体的な苦痛はなく、ただ神から引き離された悲しみだけがある。
  • ダンテは、哲学者や詩人など厳粛な霊たちの群れを見る。ウェルギリウスは、ここは高潔な人生を送ったが、キリストより先に生まれたために天国に入れなかった者たちの住処だと説明する。
  • さらに地獄に進むと、ダンテは恐ろしい嘆きの叫びを聞く。ウェルギリウスによれば、ここは第2圏であり、欲望にまみれた者たちのための場所である。
  • ダンテはここで、セミラミス、ディド、クレオパトラ、トロイのヘレン、アキレス、パリス、トリスタンといった罪人たちに気づく。
  • アケロン川のほとりで、ダンテは冥界へ魂を運ぶ船を見る。渡し守のカロンは、ダンテがまだ生きていることを理由に入船を拒むが、ウェルギリウスは説得する。

Canto 4

恐怖と疑念に打ちのめされたダンテは、ウェルギリウスの、この地獄の旅は神の意志によるものだという推論に励まされながら、高貴な異教徒たちが集うリンボの外輪に降りていく。

  • ダンテが目覚めると、そこは地獄の果てだった。ウェルギリウスはダンテに最初の輪であるリンボに降りるよう促す。
  • リンボには肉体的な苦しみはなく、悲しみだけがある。ここには、高潔な異教徒や、罪を犯していないが天国に入ることができない洗礼を受けていない幼児が住んでいる。
  • ウェルギリウスは、自分もリンボに住んでいると説明している。他の立派な魂もそこにいるが、自分自身の功績によってそこにいる者はいない--ただキリストだけが、ある者を救うためにかつてリンボに下ったのだ。
  • ダンテは遠くに輝く光と、そこに住む高潔な魂を見る。ウェルギリウスは、彼らがホメロス、オウィディウス、ホラティウスなどの哲学者、詩人、英雄、学者であることを明らかにする。
  • 彼らはダンテを自分たちの仲間として歓迎する。さらに進むと、草原が広がる美しい城があり、神話上の人物や歴史上の人物など、さらに多くの輝かしい魂がいる。
  • 別の場所でダンテは、ソクラテス、プラトン、アリストテレス、ユークリッド、セネカなどの哲学者や思想家を目にする。
  • ウェルギリウスはダンテを光の射さない場所へと連れ去る。

Canto 5

第2圏に入ると、ダンテは、肉欲に溺れた罪人たちが、ミノスの裁きの中で、それぞれの陰の地獄への配置をめぐって、無力な情念を象徴する激しい風にあおられるのを目撃する。

  • ダンテとウェルギリウスは、欲望にまみれた者が罰せられる地獄の第2圏に降りていく。
  • 裁判官のミノスは、それぞれの魂に罰を言い渡す。彼はダンテに、この輪は食欲に理性を支配された者のためのものだと言う。
  • この輪の中で、魂は激しい嵐に激しく揺さぶられ、休む暇もない。
  • ウェルギリウスは、セミラミス、ディド、クレオパトラ、トロイのヘレン、アキレス、パリス、トリスタンといった苦しむ魂の名前を挙げている。
  • ダンテは、フランチェスカとその恋人パオロという二人の魂と語り合う。二人はランスロットの伝説を読んでいるうちに打ちのめされ、恋に落ちたが、フランチェスカの夫に二人の関係を知られて殺された。
  • ダンテは、フランチェスカが苦悩の中でもパオロを想い続けていることを聞き、憐れみのあまり気を失う。

Canto 6

第3圏の冷たい雨が降り続く中、ダンテは同郷のチャッコとフィレンツェの争いを予言し、ウェルギリウスが幸運の気まぐれな贈り物について講義する。

  • ダンテとウェルギリウスは地獄の第3圏に入り、大食漢は汚く凍てつく雨と不潔な雹の中で罰せられる。
  • 怪物ケルベロスがこのサークルを守っており、嵐を避けようとする魂たちを爪と歯で引き裂く。
  • ウェルギリウスはケルベロスの口に土を投げ入れて黙らせ、彼らが通り過ぎることができるようにする。氷雨の中、魂たちは惨めな姿で地面に横たわっている。
  • 一人の魂が起き上がり、ダンテに語りかける-それはフィレンツェの大食漢チャッコだった。彼は、フィレンツェでは対立が流血を招き、一方の派閥が他方の派閥を駆逐した後、順番に打倒されると予言する。
  • チャッコは、フィレンツェの正義の味方の名前を挙げるが、聞き入れられないと言う。彼はまた、他の罪のために地獄で罰せられた悪名高いフィレンツェ人の名前も挙げている。審判の日の後、苦しみは増すばかりだと言う。
  • 続けて、ダンテとウェルギリウスは地獄の次の階層まで回り、悪魔プルートゥスに近づく。

Canto 7

ダンテはウェルギリウスと共に三途の川を渡り、ディスの城壁に近づくと、敵のフィリッポ・アルジェンティが怒れる沼の精霊に引き裂かれるのを見て喜ぶ。

  • ダンテとウェルギリウスは、地獄の第4圏に降りていく途中、富の悪魔プルートゥスが行く手を阻むのに遭遇する。
  • ウェルギリウスは、彼らの旅は神の思し召しだと言ってプルートゥスを黙らせる。二人は、放蕩者や吝嗇者が重い錘を転がしてぶつけ合う罰を受ける輪に入る。
  • ウェルギリウスは、これらの罪人たちは生前富を浪費し、溜め込んだため、死後は富をめぐって無意味な戦いを強いられるのだと説明する。ダンテはここに個人を認めない。
  • ウェルギリウスはダンテに、神の計画に従って人知を超えたこの世の富を無作為に分配するフォーチュンについて説教する。
  • 二人は、泥まみれで怒りに満ちた魂たちが互いに戦い合う三途の川に沿って下り続ける。ウェルギリウスによれば、彼らは生前、怒りに燃えていたという。
  • 水面下では、不機嫌な魂たちがゴボゴボとため息をついている。ダンテとウェルギリウスは、塔に辿り着くまで汚れた沼地を一周する。

Canto 8

ディスの城壁から、堕落した天使たちがダンテの通過を叱責するが、天使の使いが素早く到着し、反抗的な門を開いて下界へのアクセスを許可する。

  • ダンテは塔から2つの火の手が上がり、3つ目の火の手が応えるのを見る。ウェルギリウスは、それはディスの町からの合図だと言う。
  • フレギヤスの操縦するボートが、三途の川を渡ろうと近づいてくる。ウェルギリウスは反対を押し切り、渡るだけで、留まるつもりはないと言う。
  • 泥沼の中で、一人の罪人が舟をつかむが、ウェルギリウスは、それはフィリッポ・アルジェンティの死刑囚の魂だと言う。ダンテは、彼が苦しめられるのを見て悦に入る。
  • 三途の川を渡り、鉄壁に囲まれ、堕落した天使たちが守るディスの城壁に近づく。天使たちはダンテの立ち入りを拒み、ウェルギリウスをそこに閉じ込めておくと脅す。
  • ウェルギリウスは怯えるダンテを見捨てないと約束する。彼は天使たちに内密に話すが、天使たちは彼に門を叩きつけてしまう。
  • 落ち込むダンテに、ウェルギリウスは天使たちの頑固さは今に始まったことではないと言う。しかし、ウェルギリウスは別の道を知っている。

Canto 9

城壁の上でメデューサの石化したまなざしを垣間見た後、ダンテはディスにある異端者たちの燃え盛る墓に入り、同郷のファリナータが炎の墓から蘇るのに出会う。

  • 苦悩するウェルギリウスを見て、ダンテは彼らが地獄に囚われているのではないかと心配する。ウェルギリウスは、天の使いが助けに来るとほのめかす。
  • ウェルギリウスは、かつて魔女エリクトによって地獄の最下層に召喚されたことを明かす。今、彼はディスを取り囲む闇と悪臭のこの領域を通り抜ける道を知っている。
  • 彼らは復讐を叫ぶ憤怒たちが塔に現れるのを見る。ウェルギリウスはダンテの目を覆い、ゴルゴン・メドゥーサの石化するような視線から彼を守る。
  • 天の使いが到着し、難なく波を分ける。ディスを守る堕天使たちは彼の前に逃げ出す。
  • 使者は天使たちの不従順さを叱りつけ、杖を振るだけで門を開く。ダンテとウェルギリウスは無抵抗のままディスに入る。
  • 城壁の中、彼らは異端者たちが眠る燃え盛る墓の平原を見つける。ウェルギリウスは、異端の度合いに応じて熱の度合いも変わると説明する。二人は燃えさかる墓の間を通り抜けながら進む。

Canto 10

誇り高きファリナータの影とフィレンツェの確執について会話していたダンテは、息子のグイドが詩人と一緒にいないことを取り乱しているカヴァルカンテ・デ・カヴァルカンティに出会う。

  • ダンテは、墓を開けて中にいる異端者を見ることができるのかと尋ねる。ウェルギリウスは、最後の審判があるまで封印されると言うが、ダンテの疑問はすぐに解けるだろう。
  • ダンテが生きていることを認める声がする。ダンテの一族の政敵ファリナータだ。彼は墓から起き上がり、ダンテの先祖を軽蔑しながら問いただす。
  • ダンテは自分の正体を明かす。ファリナータは、フィレンツェでダンテの一行を二度も散らしたことを認める。ダンテは、彼らは二度とも戻ってきたと言い返す。
  • ダンテの友人グイドの父、カヴァルカンテ・デ・カヴァルカンティだ。息子の姿が見えないので、ダンテはグイドが死んだと思い込む。ダンテは彼がまだ生きているとほのめかす。
  • ファリナータは、影は未来を見ることができるが、他者から知らされない限り現在のことは何も知らないと説明する。ダンテは地上に戻ったら、息子について混乱しているカヴァルカンテの誤解を解くと約束する。
  • ダンテの約束を聞いたウェルギリウスは、天国の門で自分の人生の歩みを知ることになると言い聞かせる。二人は墓の間を地獄の奥の谷に向かって進む。

Canto 11

ダンテとウェルギリウスは異端者のいる第6圏に入り、教皇アナスタシウスの墓を見る。

  • ダンテとウェルギリウスは、異端者が罰せられる地獄の第6圏に降りる。悪臭がひどく、彼らは墓の後ろに隠れる。
  • ダンテは墓に刻まれた碑文を読み、フォティヌスによって真の信仰から迷い込んだ教皇アナスタシウス2世のものであることを知る。
  • ウェルギリウスは、汚れた空気に慣れるためにゆっくりと下らなければならないと言う。そして、地獄の構造を説明する:
  • 第7圏は暴力的な者を罰する。第1の環は殺人者、戦争屋、略奪者、暴君、第2の環は自殺者と浪費者、第3の環は神を冒涜する者、淫行者、簒奪者である。
  • 第8圏は詐欺師のためのもので、最初の袋には誘惑者と媚びを売る者、次の袋にはシモニスト、占い師、バレーター、偽善者、泥棒、邪悪な助言者、偽り者である。
  • 第9圏は裏切り者のためのもので、それぞれの地域が異なる種類の裏切りを罰する。
  • ダンテは、なぜ暴利を貪る者が他の凶暴な罪人たちと共に、より深い第7圏で罰せられないのかと尋ねる。
  • ウェルギリウスは、高利貸しは芸術や自然に対する暴力の罪であり、他者に対する肉体的暴力よりも神に不快感を与えない、と説明する。
  • カントが終わりに近づくにつれ、二人は下降を続ける。

Canto 12

ダンテはミノタウロスと、暴力的な者が罰せられる血の川を見る。

  • ダンテとウェルギリウスは、暴力的な者が罰せられる地獄の第7圏に降りていく。地形は危険である。
  • 二人はミノタウロスに出会い、怒りに身をかじる。ウェルギリウスはミノタウロスをなじり、二人は先へ進む。
  • ウェルギリウスは、この輪はキリストの死後、崩壊して創造されるまで存在しなかったと説明する。
  • 彼らは沸騰した血で満たされたフレゲトン川にたどり着く。
  • ケンタウロスが川岸を巡回し、川から離れすぎた罪人に矢を射る。
  • 3匹のケンタウロスが近づいてくるが、ウェルギリウスはキロンと他の2匹を確認し、安全な通過を交渉する。
  • ケイロンがネッソスをガイドに任命し、沸騰する血の川を渡る。
  • ネッソスは、アレキサンダー大王やシラクサのディオニシウス1世など、血に浸かった暴君や殺人者を特定する。
  • ダンテは、罪人たちが眉間まで浸かっているのを見る。ネッソスは、川が中心に近づくにつれ、彼らはより浅くなると言う。
  • ダンテは川を渡って引き返す前に、沸騰する血に浸かった裏切り者を確認する。

Canto 13

自殺者が木になった森で、ダンテは枝を折って血を流し、人間の過去を語る。

  • ダンテとウェルギリウスは、黒くねじれた木々が生い茂る森に入る。
  • ダンテは木だと思って枝を折るが、血を流しながら苦痛の叫びを聞く。
  • 木の魂は、かつてフレデリク2世に忠実に仕えた男だったが、廷臣に裏切られて自殺し、木になったと説明する。
  • ウェルギリウスは、木に幽閉された魂は解放されるのかと尋ね、木は死後、ミノスによってここに割り当てられ、木に姿を変え、ハーピーの餌食になるが、裁きの後に肉体を取り戻すと言う。
  • 二人の裸の血まみれの魂が、一人を引き裂く黒い猟犬に追われて通り過ぎる。
  • 一人はもう一人をパドヴァのヤコポ・ダ・サント・アンドレアと名乗り、その血まみれの枝は彼の街を裏切ったことを語っている。
  • ダンテは、この惨めな暴力の森の中で、樹木の姿に閉じ込められて苦しんでいる魂に哀れみを感じる。

Canto 14

ダンテはブルネット・ラティーニをはじめとする淫婦たちに出会い、フィレンツェの過去を讃え、ウェルギリウスに促されて足早に先へ進む。

  • ダンテはヤコポ・ダ・サント・アンドレアの魂が宿る木の出血した枝を集め、その苦しみに同情する。
  • 第7圏の第3の環に到着する。そこは灼熱の砂漠で、凶暴な罪人たちが燃え盛る砂の上に横たわったり、延々と歩き続けたりしている。
  • 火の粉が雪のようにゆっくりと降り積もり、魂を苦しめている。ダンテは、テーベを包囲した王の一人、カパネウスが炎の影響を受けずに砂の上に蔑むように横たわっているのを見る。
  • ウェルギリウスはカパネウスの傲慢さを叱責する。彼は、カパネウスは神々を軽蔑したためにゼウスの稲妻に殺されたと説明する。
  • 二人はクレタ島の巨大な老人の涙でできた赤い川にたどり着く。川は地獄の底のコキュートスに流れ込む。
  • ダンテは、なぜここだけ川が現れるのかと尋ねる。ウェルギリウスは、まだ地獄の円錐の一部しか回っていないからだと説明する。
  • ダンテはレテについても尋ねる。ウェルギリウスは、そこはディスの壁の外で、罪を悔い改めた魂が沐浴する場所だと言う。
  • 二人は灼熱の砂漠を去る準備をし、涼しい川の縁を歩く。

Canto 15

ウェルギリウスは怪物ゲリュオンを指し示す。ゲリュオンは彼らを詐欺の世界へと誘い、ダンテはパドヴァの商人たちを見る。

  • ダンテとウェルギリウスは、近くの川からの霧に守られながら、燃える砂の縁を歩く。ダンテは、フランドルやパドヴァで川をせき止めるために作られた堤防と比較する。
  • 一団が通り過ぎるたびに視線を送り、ささやく。ダンテに見覚えのある者が一人いる-それは彼の昔の師ブルネット・ラティーニだった。
  • ブルネットはダンテと話がしたいと言う。彼は、歩みを止めた者は100年留まる罰を受けるが、ダンテと一緒に歩いて戻ると言う。
  • ダンテは、自分の才能を育ててくれた老師に敬意を示す。ブルネットは、なぜダンテが地獄にいるのかと尋ねる。
  • ダンテは人生の道を見失ったが、ウェルギリウスに導かれて戻ってきたと説明する。ブルネットは、ダンテが天職に従えば栄光を手にする可能性があると賞賛する。
  • しかし、邪悪なフェソーレの血を引くフィレンツェが、ダンテの美徳を妬んで反対することを警告する。彼はダンテに、彼らの悪徳を避けるよう忠告する。
  • ダンテは、幸運の歯車に対して良心を誓う。ブルネットはダンテに追放の予言を与え、罪人仲間-事務員、文人、同性愛者-を紹介する。
  • ブルネットは、自分をヴェローナのレースの勝者になぞらえながら別れを告げ、他の罪人たちと合流するために逃げ帰る。

Canto 16

ダンテは暴力で罰せられた3人のフィレンツェの貴族と話す。

  • ダンテは前方で滝の音を聞く。3人の影が輪になって近づき、ダンテに地獄を安全に旅するために自分の名を名乗るよう求める。
  • 一人はグイドグエラ、もう一人はテグヒアイオ・アルドブランディ、三人目はヤコポ・ルスティクッチで、いずれも尊敬するフィレンツェ人だった。彼らの体は炎に焼かれ、傷だらけだ。
  • ダンテは彼らを抱きしめようとするが、炎に阻まれる。ダンテは彼らに、自分はフィレンツェから来たのであり、悪ではなく美徳の果実を求めているのだと告げる。
  • 彼らはフィレンツェについて、そして市民が今でも武勇と礼儀を重んじているかどうかを尋ねる。ダンテは過去の美徳を賞賛するが、今のフィレンツェは高慢と過剰を生み出していると言う。
  • 罪人たちは車輪を壊し、ダンテの満足そうな返事に素早く飛び去るように見える。
  • ダンテとウェルギリウスは、フィレンツェ郊外のアッカチェータ川が形成する滝に近づき、地下に沈む。
  • ウェルギリウスはダンテの紐を奈落の底に投げ入れ、何かが湧き上がるだろうと言う。ダンテは泳ぎ上がってくる人影を見るが、それは彼の心を驚嘆させる。

Canto 17

ウェルギリウスはダンテに、詐欺師ゲリュオンの人間、獣、蛇の姿を見せる。

  • ウェルギリウスが指摘する怪物ゲリュオンは、顔は温和な人間だが、体は節くれだった鱗と盾に覆われた蛇のようだ。尾には毒がある。
  • 彼らはゲリュオンの近くの砂の上に座っている使用人たちに近づく。ダンテは彼らに見覚えがなかったが、彼らがそれぞれ象徴的な色と紋章の入った袋を首から下げているのを見る。
  • 一人はパドヴァのヴィタリアーノ・デル・デンテと名乗り、隣人はフィレンツェの傭兵ジョヴァンニ・ディ・ブイアモンテだと言う。
  • ダンテはすぐに彼らのもとを去り、ウェルギリウスを見つける。ウェルギリウスはゲリュオンという翼のある獣に乗り、彼らを第8圏まで運んでくれるという。
  • ダンテはためらいながらもウェルギリウスの前に乗り込み、ウェルギリウスはダンテを励まし、守りながらゲリュオンは飛び立ち、下界を旋回し始める。
  • ダンテは奈落の底を見下ろし、眼下に広がる炎と悲鳴に怯える。
  • ダンテは何周も下を回り、ゲリュオンは2人を第8圏の端に降ろすと、猛スピードで走り去った。

Canto 18

マレボルゲで、ダンテはヴェネディコ・カッチャネミコを含む欺く者たちが鞭打たれるのを見る。

  • ダンテとウェルギリウスは、同心円状の10の嚢に分かれた地獄の第8圏、マレボルゲに入る。
  • 第1の嚢では、悪魔たちが媚薬と誘惑の者たちを叱りつける。ダンテは、侯爵に妹を売ったと語るヴェネディコ・カッチャネミコを認める。
  • 他にも多くのボローニャ人がここにいて、彼らの方言がこの嚢に浸透している。
  • ダンテが先に進むと、悪魔がヴェネディコを売春斡旋の罪で鞭打つ。
  • 嚢と嚢の間の尾根で、ウェルギリウスは2つ目の嚢で売春婦ジェイソンと他の詐欺師を指摘する。
  • 第3の嚢で、ダンテは人間の排泄物に浸かった媚びへつらう者たちを見る。ダンテはルッカのアレッシオ・インテルミネイを見分ける。
  • そしてウェルギリウスは、この罪のモデルとして、恋人に媚びた恥知らずの娼婦タイスを指摘する。
  • ダンテは第3の嚢の幻影を見て好奇心を満足させ、二人は先に進む準備をする。

Canto 19

ダンテは、教皇ボニファティウス8世が堕落した教皇を穴の中で逆さまに罰するというシモニーを行ったことを叱責する。

  • ダンテは、教会の役職や秘跡を金で売るシモニストたちを、堕落した弟子と呼んで非難する。
  • 第3の嚢では、上半身は岩の中に隠れているが、足が岩の穴から突き出ているのが見える。彼らの足の裏は燃えている。
  • ダンテは、他の者よりも身悶えしている一人の罪人について尋ねる--それは教皇ボニファティウス8世である。
  • ダンテを誰かと勘違いしたボニファティウスは、自分の偽計を認め、また新たな堕落した教皇の出現を予言する。
  • ダンテは、ボニファティウスが貪欲で、権力を濫用し、道徳に反することを非難し、教会の没落としてコンスタンティヌスの寄付を引き合いに出す。
  • 教皇を叱責する間、自分を守ってくれたガイドのウェルギリウスを称賛する。
  • ダンテは、ダンテが教皇を叱責する間、自分を守ってくれたガイドのヴァージルを讃える。ダンテは第4の嚢へと進み、そこが占い師や占星術師で埋め尽くされているのを見る。ウェルギリウスはダンテを慎重に担ぎ、危険な道を嚢と嚢の間に進む。

Canto 20

ウェルギリウスは、有名な占い師や占星術師が、先を見ようとしすぎて首を後ろにひねっているのを指摘する。

  • ダンテは第4の嚢で、頭を後ろにひねっている占い師と占星術師を見る。
  • ウェルギリウスは彼らの歪んだ姿を説明し、アンフィアラオス、ティレシアス、アルンス、マントなど、神話や歴史上の有名な占い師を挙げる。
  • マントはティレシアスの娘で、テーベを逃れてマントヴァを建国した。ウェルギリウスはマントゥアの神話的起源を語る。
  • ダンテはウェルギリウスに、誰か注目すべき罪人がいないか尋ねる。ウェルギリウスは、トロイ戦争に登場するギリシアの予言者カルチャス、魔術師マイケル・スコット、占星術師グイド・ボナッティ、靴職人アスデンテなどを挙げる。
  • ウェルギリウスはダンテに夜が明けていることを告げ、陸の半球を通り過ぎ、海に近づいた彼らは先へ進まなければならない。マレボルゲの中を歩きながら、カントは終わる。

Canto 21

ダンテとウェルギリウスは、悪徳政治家を煮えたぎるピッチに投げ込む悪魔マレブランシュに遭遇する。一人の悪魔が襲いかかろうとするが、ウェルギリウスが叱責したため、二人は悪魔たちに守られながら地獄を進む。

  • ダンテとウェルギリウスは、さらに地獄を下る途中、悪魔のマレブランシュに遭遇する。
  • マレブランシュとは、堕落した政治家のために用意された第8圏の第5の嚢を守る悪魔である。
  • 悪魔たちは、煮えたぎるピッチに浸した汚職政治家たちを熱心に苦しめる。
  • ダンテとウェルギリウスが到着すると、悪魔たちは汚職政治家の一人である無名のナバラ人顧問官を煮えたぎるピッチの中に放り込む。
  • 悪魔の一人マラコダがウェルギリウスを脅すように近づくが、ウェルギリウスは毅然とした態度で彼を叱責する。
  • マラコダは彼らの続行を許可するが、バルバリッチャ率いる悪魔の一団に、沸騰するピッチを安全に渡るよう護衛させるよう命じる
  • 彼らが進むにつれ、ダンテは、煮えたぎるピッチに浸かった腐敗した政治家たちを悪魔たちが苦しめている陰惨な光景を垣間見る。
  • ダンテは、彼らの罪にもかかわらず、その苦しみに大きな憐れみを感じる。

Canto 22

ダンテは煮えたぎるピッチに浸かる罪人たちを見る。一人の罪人が、悪魔に取り押さえられる前に、汚職と裏切りについて語る。ダンテは苦しむ罪人たちに同情する。

  • ダンテは、手柄と堕落の罰として、煮えたぎるピッチに浸された罪人たちを見る。
  • 罪人たちは悪魔のマレブランシュに見張られており、ピッチから逃げ出そうとすると、鉤針で拷問される。
  • 一人の罪人がピッチから現れ、悪魔に捕らえられる前に自分の話をする。
  • 彼はティボー2世の仲間で、接待を行い、公職を売っていた
  • 悪魔たちは、彼を再び水中に沈める前に、罰として鉤で彼を拷問する。
  • もう一人の罪人が現れ、ダンテはそれを賄賂を受け取ったことで知られるゴミータ修道士と認める。
  • ゴミータは、再びピッチに戻される前に、共に苦しむ者たちの名を挙げる。
  • ダンテは、堕落した生活にもかかわらず、苦しむ罪人たちを見て、大きな哀れみと同情を覚える。
  • 悪魔たちの罪人に対する残酷さを、泥棒を襲う犬に例える。
  • ウェルギリウスはダンテに、神の正義が行われているのだから同情するなと忠告する。
  • 二人は前進を続けるが、ダンテは動揺してウェルギリウスに遅れをとる。

Canto 23

ダンテとウェルギリウスはカエルとネズミのイソップ寓話を思い出しながら、黙々と進む。二人は地獄で苦しむ偽善的な修道士に出会い、ボローニャから来た二人と話す。十字架にかけられた罪人が自分の話をする。

  • ダンテとウェルギリウスは、その道を旅する二人の修道士になぞらえて、黙々と歩き続ける。
  • これはダンテに「蛙と鼠」の寓話を思い出させる。
  • 偽善者たちは鉛の外套を着ている。
  • ボローニャ出身の二人の修道士、カタラーノとロデリンゴがダンテに話しかける。
  • カタラーノは、彼らがファリサイ派の人々にキリストを十字架につけるよう助言したと説明する。
  • その近くで、ダンテは十字架につけられた罪人を見かける。
  • カイアファは自分の罪を確認し、同じ運命に苦しむ者たちについて言及する。
  • ダンテは、偽善者たちが金色の鉛の外套を着ているのを見る。
  • これは彼らの外面的な敬虔さが内面的な腐敗を隠していることを象徴している。
  • 一人の罪人が、ドン・ミカエル・ザンチェから賄賂を受け取ったことを話す。
  • この堕落を聞いたウェルギリウスは怒って立ち去り、ダンテもすぐに後を追う。

Canto 24

ダンテは悪魔に取りつかれた罪人を見る。その罪人ヴァンニ・フッチは泥棒で、他人を誤って非難していた。彼は蛇に襲われる前に、ピストイアとフィレンツェの政争を予言する。

  • ダンテは、悪魔の槍に刺された罪人が灰燼に帰し、蘇生して再び苦しむのを見る。
  • 罪人はヴァンニ・フッチで、自分の罪を他人のせいにした盗人だった。
  • ヴァンニは、ピストイアとフィレンツェにおける黒ゲルフと白ゲルフの争いを予言する。
  • 激怒した彼は、卑猥なジェスチャーで神を冒涜した。
  • 神への冒涜を黙らせるため、蛇がヴァンニを取り囲み、口封じをする。
  • ダンテは、生前のヴァンニを血まみれで怒りっぽい男だと知っていたことを明かす。
  • ヴァンニは教会から聖餐品を盗み、別の教会に罪をなすりつけたことを認める。
  • ダンテは、予言は喜びを与えてくれるが、それが自分がここで苦しむ理由だと言う。
  • ヴァンニは、その場にいた他の罪人たちの名前を挙げる。
  • それ以上話す前に、蛇と悪魔がやってきてヴァンニを再び苦しめる

Canto 25

ダンテは罪人たちが爬虫類に変身し、蛇と悪魔に襲われるのを見る。3人の罪人が盗みの罰として奇妙な変身を遂げ、ハイブリッド生物に変身する。ダンテはその奇妙な変身を説明するのに苦労する。

  • ダンテは罪人たちが盗みの罰として奇妙な爬虫類や動物の姿に変身するのを見る。
  • 人間と動物の特徴を奇妙で不自然な方法で融合させたハイブリッド生物もいる。
  • 罪人たちは蛇に襲われ、噛まれながら、穴の中を恐る恐る走る。
  • フィレンツェの3人の泥棒がハイブリッドに変身し、1つの生き物に溶け込む。
  • そのクリーチャーは2つの頭と4本のハイブリッドな手足を持っており、その特徴は常に変形し、変化する。
  • その生き物は双頭の蛇と傷つき苦痛に悶える姿に分裂する。
  • ダンテは、奇妙な変身を説明するのが難しいことを認めている。
  • あまりに異質な変貌に、ダンテは実際に起こったことなのかどうか疑問に思う。
  • 片方の頭は口輪になり、もう片方はより人間的になる。
  • ダンテはオウィディウスから例を引用するが、これらの異変は神話を凌駕していると述べる。
  • 最後には、二人の罪人は融合した姿で性質と外見を交換する。
  • ダンテは不思議に思いながらも、本当に目撃したと言う。

Canto 26

ダンテとウェルギリウスは地獄の第8圏に下り、詐欺師のカウンセラーの中でユリシーズとディオメデスが処罰されているのを見つける。

  • ダンテとウェルギリウスは、詐欺師が罰せられる地獄の第8圏に下る。
  • ユリシーズとディオメデスが炎に包まれているのが見える。
  • ユリシーズは、キルスのもとを去ってからの最後の航海を語る。
  • 彼は部下を説得し、既知の世界を越えてヘラクレスの柱を越える旅に出た。
  • 彼らは未知の海域へと航海したが、陸地に到着する前に旋風によって沈められた。
  • ユリシーズは、この行き過ぎた傲慢と知識欲が彼を破滅に追いやったと言う。
  • テーマは、詐欺、欺瞞、人間の限界を超えた野心などである。
  • ユリシーズの旅は、利己的でプライドに満ちた理由で道徳的な範囲を超えた行為を批判している。
  • トロイ戦争の人物を登場させることで、彼らの二枚舌と策略を批評している。
  • 詐欺がいかに理性と美徳を歪め、罰に至るかを探る
  • 戦争、栄光、悲劇につながる禁断の知識といった叙事詩のテーマを考察する。

Canto 27

グイド・ダ・モンテフェルトロとピエール・ダ・メディチーナの魂がダンテに語りかけ、前者は教皇ボニファティウス8世に不正な助言をしたことを語り、後者は二人の男の裏切りと溺死を予言する。

  • もう一つの炎が現れ、雄牛の咆哮のような混乱した音を立てる。
  • それはダンテに語りかけるグイド・ダ・モンテフェルトロの魂である。
  • グイドは、狡猾さで知られた軍師であり助言者であった彼の生涯を語る。
  • その後、彼は自分の罪を悔い改めるためにフランシスコ会の修道士となった。
  • しかし、教皇ボニファティウス8世は、街を裏切ることを勧めるよう彼を説得し、赦免を保証した。
  • 死後、聖フランチェスコがグイドを迎えに来たが、代わりに悪魔が彼を地獄に連れて行った。
  • 悪魔は、グイドは後で悔い改めるつもりで罪を助言したのだから、赦されるはずがないと言う。
  • 地獄でミノスはグイドを盗人として裁き、グイドは第8圏に入れられる。
  • グイドは、誰も地獄から地上には戻れないと警告する。
  • 話を終えたグイドの炎は、嘆きと身悶えの動作とともに去っていく
  • ダンテとウェルギリウスは旅を続け、別の橋を渡る。

Canto 28

ダンテは切断された魂を目撃する。そのうちの一人はダンテの身元を尋ね、ダンテが生きていることを知ると、異端の修道士に警告するよう告げる。

  • ダンテは第九の輪の中で、スキャンダルと分裂を蒔いた罪人たちが切り刻まれるのを見る。
  • 一人の罪人が、引き裂かれた胸を見せ、悪魔に引き裂かれたのだと言う。
  • 罪人はダンテの正体を尋ねるが、ウェルギリウスはダンテを地獄に案内していると説明する。
  • 100人以上の罪人が立ち止まり、驚いてダンテを見つめる。
  • 一人がダンテに、地上にいる異端の修道士に差し迫った攻撃について警告するように言う。
  • 喉を切られたもう一人は、ピエル・ダ・メディチーナだと名乗る。
  • 彼は、暴君の裏切りによってファノの二人の男が溺死すると予言する。
  • もう一人の罪人は、フィレンツェで暴力を煽ったモスカ・デイ・ランベルティを指摘する。
  • 次にダンテは、首のない胴体が切断された首を運んでいるのを見る。
  • その首は、王に対する反乱を起こしたベルトラン・デ・ボルンである。
  • 父と子を分断したために、ベルトランの首は胴体から切り離された。
  • 全体として、他人の間に深い溝を作った者が罰せられる

Canto 29

ウェルギリウスはダンテに、時間がないのでぞっとするような光景を長居しないよう促す。ダンテは魂の中に親戚のジェリ・デル・ベッロを見かけるが、偽りの者たちの最後の裂け目に到着する前に彼に話しかけることはなかった。

  • ダンテは、切り刻まれた罪人たちの陰惨な光景に気を取られていた。
  • ウェルギリウスは、すべてを見るには時間が残されていないので、先に進むよう促す。
  • ダンテは、親戚のジェリだとわかる霊に心を奪われていたと説明する。
  • ウェルギリウスは、ゲリがダンテを脅すのを見たが、ダンテには話しかけなかったと言う。
  • ダンテは親類であるゲリに同情する
  • 二人は、偽造者と偽作者をめぐる最後の裂け目に到着する。
  • ダンテは、恐ろしい病気の病院のような嘆きを聞く。
  • ダンテは、罪人たちがかさぶたに覆われ、絶えず体を掻いているのを見る。
  • 二人の罪人が互いにもたれかかり、爪で皮膚を引き裂いている。
  • ウェルギリウスが彼らにイタリア人かと尋ねると、彼らはアレッツォとシエナの出身だと答えた。
  • 一人は、自分が空を飛ぶことを冗談で言っていたことを認め、錬金術の罪を着せられて異端の罪で火刑に処せられたと言う。
  • もう一人は、金属を偽造し、過剰で知られるシエナの住民を特定したと言う。
  • 彼は自分が錬金術師カポッキオであり、自然を模倣することに長けていることを明かす。

Canto 30

ダンテは、自分の体を切り裂きながら、恐ろしい病に苦しむ偽物と偽造者に出会う。イタリアの二人の錬金術師と話し、ポティファルの妻とギリシア人シノンの些細な口論を目撃する。

  • ダンテは二人の罪人が裸で走り、獣のように噛み合うのを見る。
  • 一人は死人になりすまして遺書を偽造したジャンニ・スキッキ。
  • もう一人は、変装して父親と近親相姦を犯したミルラである。
  • 彼らは、雨の中、水腫で膨れ上がり、渇きで喉がカラカラになっている罪人を見る。
  • 彼はアダム様で、硬貨を偽造し、永遠の渇きで罰せられている。
  • 二人の罪人が並んで、冬の手のように湯気を立てている。
  • 一人はヨセフを誣告したポティファルの妻、もう一人はギリシア人シノンである。
  • ウェルギリウスがダンテを叱責するまで、二人は嘘について口論し、侮辱し合う。
  • ダンテは前へ進もうとせず、些細な口論に巻き込まれていることを恥じる。
  • ウェルギリウスは、恥じることはないと言う。誰でもこのような口論に巻き込まれる可能性があるからだ。
  • 彼はダンテに、無意味な論争を避け、前進できるときに前進するよう勧める。

Canto 31

ダンテとウェルギリウスは、罪人が氷の中に閉じ込められた凍った湖である地獄の第9圏に入り、ニムロドやアンタイオスを含む巨人たちとすれ違いながら、さらに下っていく。

  • ダンテとウェルギリウスは、裏切り者のために用意された地獄の第9圏に入る。そこはコキュートスと呼ばれる凍った湖である。
  • 二人は巨人ニムロドを見る。ニムロドは高慢からバベルの塔を建てようとした。彼は意味不明の言葉を話す。
  • オリンポスの神々に反旗を翻した巨人エフィアルテスを見る。彼は罰として鎖につながれている。
  • ダンテは巨人ブリアレオスに会いたがるが、ウェルギリウスは代わりにアンタエウスに会おうと言う。
  • アンタイオスはその強さで知られ、ライオンを殺した。ウェルギリウスはアンタイオスに媚びを売り、自分たちを地獄の底に落とすよう説得する。
  • アンタイオスはウェルギリウスとダンテを両手で掴み、ルシファーとユダが氷に閉じ込められているコキュートスの穴へと下ろす。

Canto 32

第9圏の最後の円で、ダンテは、裏切り行為のために完全に氷に包まれたボッカとウゴリーノを含む罪人たちと話をする。

  • ダンテとウェルギリウスは、裏切り者が完全に氷に包まれる地獄の最後の円、ジュデッカに降りる。
  • そこでは裏切り者たちが氷に包まれている。罪人たちは、頭を下に曲げ、涙を浮かべたまま、歪んだ姿勢で固まっている。
  • ダンテは誤って、モンタペルティの戦いでフィレンツェ人を裏切ったボッカ・デッリ・アバーティの頭を蹴ってしまう。
  • ボッカは名前を明かそうとしないので、ダンテは彼の髪を掴み、白状するまで脅す。
  • ボッカは、ジュデッカに凍らされた他の裏切り者、ブオーゾ・ダ・ドゥエラ、テサウロ・デイ・ベッケリア、ジャンニ・デ・ソルダニエリ、ガネロン、テバルデッロ・ザンブラーシの名を挙げる。
  • ウゴリーノ伯爵とルッジェーリ大司教である。ルッジェーリ大司教の裏切りによって、ウゴリーノは投獄され、子供たちは餓死する。
  • ダンテはウゴリーノに、なぜ復讐のためにルッジェーリをかじるのか説明を求める。

Canto 33

ウゴリーノは、ルッジェーリ大司教の裏切りによって、自分と息子たちが牢獄で餓死した悲劇を語る。

  • ウゴリーノ伯爵は、ルッジェーリ大司教によって息子たちとともに投獄され、餓死させられた経緯を語る。
  • ウゴリーノは、ルッジェーリが息子たちを狩って殺し、目を覚ますと息子たちが食べ物を求めて泣いている夢を見た。
  • ウゴリーノは何もできないまま、息子たちは数日間かけて次々と餓死していった。
  • ウゴリーノはこの残酷な裏切りに対する復讐として、ルッジェーリの頭蓋骨をかじる。
  • ダンテは、ウゴリーノの罪のない息子たちを残酷に罰したピサを非難する。
  • ダンテとウェルギリウスは、氷に包まれ、悲しみに包まれながらも涙を流すことのできない罪人たちを見る。
  • アルベリゴ修道士は、裏切りを犯すと死ぬ前に魂が悪魔に乗っ取られることがあると説明する。
  • アルベリゴは、肉体は生きているが魂は地獄にあると主張し、その例としてブランカ・ドリアを挙げる。
  • ダンテはアルベリゴの氷を取り除くことを拒否し、彼のような裏切り者は礼儀に値しないと言う。ダンテはジェノヴァ人を悪辣で貞操観念のない人間だと非難する。

Canto 34

ダンテは地獄の中心でサタンが腰まで凍っているのを見る。サタンの体を伝って地球の核に到達し、反対側の煉獄山のふもとに出る。

  • ダンテはサタンが氷の中で腰まで凍り、羽ばたきながらコキュートスの冷たい風を起こすのを見る。
  • サタンには3つの顔がある。1つは赤、1つは淡い黄色、1つは黒だ。それぞれの顔の下で、ユダ、ブルータス、カシウスといった罪人を噛んでいる。
  • ウェルギリウスとダンテは、サタンの毛皮で覆われた脇腹と脚を伝って地球の中心に到達し、反対側の半球へと通り抜ける。
  • 二人は、サタンが天から南半球に落ちたときにそびえたつ煉獄山のふもとに出る。
  • 岩の裂け目を通り、地獄を後にするために煉獄山を登り始める。
  • ウェルギリウスはダンテに、中心点を過ぎ、今はエルサレムの真向かいの南半球にいると説明する。煉獄に入ると夜が訪れる。
  • 煉獄山に登り、罪を清めて楽園に到達する準備をするところで、このセクションは終わる。