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React Queryを用いたHTTP API通信

クライアントコードの自動生成

このアプリでは、OpenAPI Specificationから自動生成したクライアントコード(以下、自動生成コード)を用います。 自動生成ツールにはOrvalを使用します。 Orvalの使用方法は開発ガイドを参照してください。

アプリケーション構造

HTTP API通信部分に焦点を当てたアプリケーション構造を以下に示します。

アプリケーション構造

保守性や生産性、および役割の明確化を理由として、次のルールに従うこととします。

  • 自動生成コードの手修正は禁止します。
  • 自動生成コードは各サービスを介して画面から使用します。
    • カスタマイズする必要のない自動生成コードについては、各サービスがimportしてそのままexportします。
  • 自動生成したデータモデルはどこからでも使用できます。
  • 業務ルールの実装やデータ変換などは、サービスの役割とします。

React Queryのデフォルト設定

React Queryには多数のオプションが用意されています。 これらのオプションは、全てのクエリやミューテーションに適用するデフォルト値を設定出来ます。 また、クエリ・ミューテーション毎にその値を上書きできます。

このアプリで設定するデフォルト値を以下に示します。 なお、ここで示していないオプション、および設定値が空白のものは、React Queryが用意するデフォルト値に従います。

クエリのデフォルトオプション

オプション デフォルト値 設定値 説明
queryFn Default Query Functionで紹介されているとおり、デフォルトのクエリ関数を定義出来ます。
retry 3 false クエリ失敗時のリトライ回数です。Important Defaultsで示されるとおり、デフォルト値は3です。このアプリでは、HTTP API 通信のリトライに従いリトライはユーザ自身の判断とします。falseをデフォルト値として設定します(リトライしません)。
retryOnMount true マウント時にリトライするかどうかを示します。デフォルト値はtrueです。
retryDelay Exponential Backoff リトライ時の遅延間隔を示します。デフォルトでは、リトライの度に指数関数的に待ち時間が増えていきます(Exponential Backoff)。
staleTime 0 クエリが「新しい」ものから「古くなる」までの期間です。クエリが「新しい」限り、クエリは取得済みのデータを返すため、ネットワークリクエストは発生しません。クエリが「古い」場合、クエリは取得済みのデータを返し、特定の条件下にてバックグラウンドで再フェッチします。Important Defaultsで示されるとおり、デフォルト値は0です(フェッチ後すぐ古くなる)。
cacheTime 5 * 60 * 1000 未使用なクエリを削除するまでの期間です。クエリを使用するすべてのコンポーネントがアンマウントされると、そのクエリは未使用となります。Important Defaultsで示されるとおり、デフォルト値は5分です。
refetchOnMount true マウント時に再フェッチするかどうかを示します。デフォルト(true)では、データが古くなっている場合に再フェッチします。
refetchOnWindowFocus true ウィンドウフォーカス時に再フェッチするかどうかを示します。デフォルト(true)では、データが古くなっている場合に再フェッチします。
refetchOnReconnect true 再接続時に再フェッチするかどうかを示します。デフォルト(true)では、データが古くなっている場合に再フェッチします。
structuralSharing true デフォルト(true)では、クエリ結果のデータの中身が変更されていない場合、データの参照が変更されません。これによりアプリのパフォーマンス向上が望めます。

ミューテーションのデフォルトオプション

オプション デフォルト値 設定値 説明
retry 0 ミューテーション失敗時のリトライ回数です。デフォルト値は0です。
retryDelay Exponential Backoff リトライ時の遅延間隔を示します。デフォルトでは、リトライの度に指数関数的に待ち時間が増えていきます(Exponential Backoff)。

クエリーキーの管理

React Queryはクエリキーに基づいてクエリをキャッシュ管理します。 自動生成コードについては、Orvalの生成ルール(URL内のPathとQuery部をクエリキーとして使用)に従います。 それ以外の独自クエリについては、サービス名#関数名をクエリキーとして用います。

データ更新時のキャッシュの扱いについて

useQueryを呼びだすと、取得済みのデータがあればそれを返し、必要に応じてクエリをバックグラウンドで再フェッチします。 そして再フェッチ完了後に新しいデータで画面を更新します。 再フェッチ中に取得済みデータを表示する動作は、頻繁なローディングインジケーターの表示を抑えUX向上に役立ちます。 一方で、更新後も一時的に古いデータが見えるため、ユーザの混乱を引き起こす可能性があります。

このアプリにおいては、こうした混乱を避けるため、ミューテーション成功時に再フェッチが必要なクエリのキャッシュデータを破棄します。

コード例は次の通りです。

const mutation = useMutation(addTodo, {
  onSuccess: () => {
    queryClient.resetQueries('todos');
  },
});

このコードでは、新しいタスクを追加した後にToDoリストのキャッシュデータを破棄します。 これにより再フェッチ中は画面にローディングインジケーターが表示されることになりますが、古いデータが表示されることはありません。

二重送信防止

ユーザの操作ミスによる二重送信を防止するため、HTTP API通信中に次の操作を制限します。

  • 画面の初期ロードなど、ユーザ操作に直接起因しない通信については、一切の操作を制限しない
  • 検索ボタン押下など、ユーザ操作に起因して発生した通信については、対象ボタンのみを押下不可とする
  • ユーザ設定更新のような再設定可能な更新操作については、対象ボタンのみを押下不可とする
  • 商品購入のような重要操作については、アプリ全体を操作不可とする

なお、ここでは言及していませんが、バックエンド側での対策は(必要に応じて)別途されているものとします。

エラーハンドリング方式

エラーハンドリングについては、HTTP API通信で発生するエラーのハンドリングに従います。 共通的なエラーハンドリング処理は、個別で実装せず共通化します。 また、HTTPステータスコード401が返却された場合の通信リトライについても共通部品にて実現します。

エラーハンドリングの共通化

QueryClientのデフォルトオプションを利用すると、各クエリ毎のエラーハンドリングをデフォルト設定できます。 しかしながら、上記方法だと次の課題が発生します。

  • useQueryonErrorに独自のハンドラ関数を個別設定すると、QueryClientのデフォルトオプションに設定したものが上書きされる
  • 同じクエリを使用した画面が複数存在すると、エラー処理も複数回実行される(例えば同じトーストが複数表示される)

そこで、共通のエラーハンドラ関数はQueryCacheonErrorに設定します。

ミューテーションについても同様の対策とします。 詳細は次のドキュメントを参照してください。

個別にエラー処理を実施するためグローバルエラーハンドリングが不要な場合は、以下のいずれかで無効化できます。

  • useQueryのqueryOptionsとして{meta: {disableGlobalErrorHandler: true}}を指定する
  • useQueryやuseMutationに渡す非同期関数内で、ApplicationErrorを継承したエラーをthrowする

HTTPステータスコード401返却時の通信リトライ

HTTPステータスコード401が返却された場合、新しいセッションIDを再取得しリトライする機能が必要です。 このアプリでは、次のようにaxiosのInterceptorsの機能を利用してセッションの再接続を実現します。

  const onRejected = async (error: unknown) => {
    if (axios.isAxiosError(error)) {
      if (error.response?.status === 401) {
        try {
          await refreshSession();
          return await BACKEND_AXIOS_INSTANCE_WITHOUT_REFRESH_SESSION.request(error.config);
        } catch (retryError) {
          throw error;
        }
      }
    }
    throw error;
  };
  setAxiosResponseInterceptor(onFulfilled, onRejected);

ページネーションと無限スクロール方式

リモートにある膨大なデータから、アプリ内で必要なデータのみを取得して表示するには、ページネーションや無限スクロールへの対応が必要です。 React Queryには、ページネーションや無限スクロールの仕組みが用意されています。

上記仕組みを実現するため、バックエンドAPIの仕様を次のとおり統一します。

ページネーション

URLクエリパラメータ 説明
page 開始ページ番号
size ページサイズ
sort ソート項目

総ページ数や全要素数は、HTTPボディの項目として返却します。

HTTPボディの項目 説明
content レスポンスデータ
empty ページが0件かどうか
first 最初のページかどうか
last 最後のページかどうか
number 何ページ目か
size ページサイズ
sort ソート項目
numberOfElements ページに含まれる要素の件数
pageable リクエストで指定したpagesizesortを保持するオブジェクト
totalElements 全要素数
totalPages 総ページ数

それぞれの項目は、ページネーションを実現するすべてのAPIに用意する必要はありません。 APIごとに必要な項目のみ取捨選択することとします。

無限スクロール

React QueryのuseInfiniteQueryフックは、読み込んだページのキャッシュデータを配列(data.pages)で保持します。 追加読込みをしたレスポンスデータは、その配列にページとして追加されます。 無限スクロールのよくある例として、アプリはそのキャッシュデータを1つの画面に全て表示します。 その為、ページネーションAPIの仕様を無限スクロールに利用した場合、次の恐れがあります。

  • 読込み済みページの範囲でデータの追加が行われると、後続の追加読込みで重複されたデータが読み込まれる
  • 読込み済みページの範囲でデータの削除が行われると、後続データのページ番号がずれ、表示されないデータが出る

そうした事象を避けるため、無限スクロールのAPI仕様はページネーションのそれとは別で定義します。

URLクエリパラメータ 説明
cursor カーソル
limit 最大取得件数

データ位置を指し示すカーソルは、HTTPボディの項目として返却します。

HTTPボディの項目 説明
content レスポンスデータ
hasPrevious 前のデータがあるかどうか
previousCursor 前のカーソル
hasNext 次のデータがあるかどうか
nextCursor 次のカーソル

それぞれの項目は、無限スクロールを実現するすべてのAPIに用意する必要はありません。 APIごとに必要な項目のみ取捨選択することとします。