Skip to content

Latest commit

 

History

History
163 lines (124 loc) · 6.73 KB

20180417 支持組織.md

File metadata and controls

163 lines (124 loc) · 6.73 KB
title notebook tags
2014/4/17 支持組織
組織学ノート

注:筋の続きは4/3のノートに記載。

支持組織

  • 要点
    • 支持組織の分類、結合組織の分類
    • 結合組織を構成する線維と基質について

支持組織

体や組織の形を支持する枠組みとして働く

  • 細胞間質が非常に豊富で細胞がそれに埋もれるような組織(ex. 骨、軟骨、結合組織など)
    • 上皮にはほとんど細胞間質はない
  • 組織の硬さ・弾力を決める上で重要。

細胞間質の構成成分

  • 線維:  膠原線維、細網線維、弾性線維
  • 基質:  タンパク質と多糖類を多く含む

支持組織の分類

  1. 結合組織   ・・・ 間質は主に膠原線維
    1. 線維性結合組織(疎性結合組織、強靭結合組織)
    2. 膠様線維
    3. 細網組織
    4. 脂肪組織
  2. 軟骨組織   ・・・ 間質は主に軟骨質と膠原線維
  3. 骨組織    ・・・ 間質は主に骨質と膠原線維
  4. 血液とリンパ ・・・ 間質は主に液体

1. 線維性結合組織について

疎性結合組織
  • ゲル状の細胞外基質中に線維と細胞がまばらに存在。(ex. 皮下組織、粘膜下組織など)
強靭(密性)結合組織
  • 柱状、ひも状、膜状など一定の形をなす線維性結合組織。非常に強靭。
  • ex.
    1. 線維の方向が平行: 腱、靭帯
    2. 2次元的に交織: 筋膜、腱膜
    3. 3次元的に交織: 真皮、強膜、角膜

2. 膠様組織について

  • 胎児にみられる透明で基質に富む結合組織 (ex. 臍帯の結合組織)
  • 突起を伸ばした細胞が散在する

3. 細網組織について

  • 細網細胞と細網線維の網からなる組織
  • 免疫系の組織(リンパ節、脾臓、胸腺など)

4. 脂肪組織

  • 脂肪細胞が集合してできる組織
--- 白色脂肪 褐色脂肪
脂肪滴 細胞の大部分が1つの脂肪滴 多数の小脂肪滴
ミトコンドリア 少ない 多い(白色の約1000倍)
肉眼での色 黄色 褐色
機能 エネルギーの貯蔵
体腔の空隙を埋める(クッション)
内分泌(レプチン、アディボネクチンなどを分泌)
熱産生
分布 皮下 首の後ろ、肩甲骨周辺、腎周囲

結合組織内の細胞について

  • 線維芽細胞(fibroblast)
    • 最も多く重要な細胞
    • タンパク質分泌細胞: 基質と線維を分泌(コラーゲン、エラスチン、プロテオグリカンなど)
    • 長楕円形の核を持つ紡錘状の細胞
    • 細胞質は非常に薄い
  • その他の主な細部
    • マクロファージ: 貪食作用あり
    • 形質細胞: Bリンパ球から分化し、免疫グロブリンを大量に合成分泌
      • 核: 核小体(rRNA)が大きい、多数 → 車軸核
      • 細胞質: 粗面小胞体が発達。多量のリボソーム・mRNAのため好塩基性(HEで紫色)

結合組織を構成する線維

  • 膠原線維
    • HE染色で薄い赤色
    • 引っ張りに強い
    • コラーゲン細線維(原線維)の束
    • ほとんどの結合組織に存在するが、特に骨、軟骨、腱、靭帯に多い
  • 細網線維
    • Ⅲ型コラーゲンからなる
    • 鍍銀法で黒く染まる
    • 疎性結合組織の中に混在
    • 基底膜、細網組織に多い
      • 基底膜: 上皮が結合組織に接する場所。脂肪細胞、平滑筋、横紋筋を包む
  • 弾性線維
    • 弾性に富む、ゴムのように伸びる、枝分かれ多い
    • 皮膚・血管壁・肺に多い
    • HE染色で染まらず、無色透明に見える

コラーゲンの合成・分泌・重合について

  • プロコラーゲン: 粗面小胞体で合成される
    ↓ 小胞体、ゴルジ体で、プロリン・リジンが水酸化(-OH) →コラーゲンの自己凝集に必要
    ↓ 水酸化にビタミンCが必要 → ビタミンC不足で壊血病
  • プロコラーゲン: 細胞内で3量体を形成
    ↓ 小胞に詰め込まれ、細胞外に分泌
    ↓ (⭐︎)螺旋を作らない部分は酵素で除去される
  • トロポコラーゲン
    ↓ ずれながら自己凝集 → 線状パターンになる
  • コラーゲン細線維(原線維)
    ↓ 隣同士が架橋
  • コラーゲン線維

疾患との関連

  • エーラー・ダンロス症候群: ☆のプロセス異常
    • コラーゲン分子の強度↓
    • 皮膚の過伸展、動脈瘤など

弾性線維の合成・分泌・重合について

構成成分3つ: プロエラスチン、フィブリリン1,2、微細線維関連糖タンパク質(MAGP)
これらが細胞外に分泌されて重合する

  • プロエラスチン
    ↓ 分泌
  • トロポエラスチン
    ↓ フィブリリン1,2、MAGPと会合
  • 未成熟弾性線維
    ↓ さらに会合
  • 成熟弾性線維

疾患との関連

  • マルファン症候群: フィブリリン1、2遺伝子異常
    • 近視、骨格異常(指長い、身長高い)、動脈瘤

基質(細胞外マトリックス、ECM)

  • 細胞や結合組織の線維の周囲に存在
  • コラーゲン、非コラーゲン性糖タンパク質、プロテオグリカンから成る
    • コラーゲン: 非線維性のもの
    • 非コラーゲン性糖タンパク質(フィブロネクチン、ラミニンなど)
      • 基底膜などに包まれ、細胞と基質の結合を強くする
    • プロテオグリカン: 基質の主な成分
      • 非常に強い膨潤能を持ち、圧力に対する抵抗性を持つ
        ↔︎ 膠原線維は張力に対する抵抗性
  • プロテオグリカン凝集体 = ヒアルロン酸(軸)+リンカータンパク+プロテオグリカン
  • プロテオグリカン = コアタンパク+グリコサミノグリカン

https://app.box.com/s/jcfdyiahjm42z0bztskcrdt74uasc6yt

グリコサミノグリカン(GAG)

  • 二糖類の直鎖状重合体(70〜200回の繰り返し構造)
  • アグレカンの場合: コンドロイチン硫酸 or ケラタン硫酸
    • コンドロイチン硫酸 = D-グルクロン酸とN-アセチル-D-ガラクトサミン の反復構造に硫酸基が結合したもの
    • ケラタン硫酸 = D-がラクトースとNアセチル-D-グルコサミン の反復構造に硫酸基が結合したもの