- 2022.12.03
- 情報を少しアップデート
- 2022.6.11
- 読みやすさを意識した再構築
- MarkdownのLintingを遵守
- 2021.10.3
- 公開
わたしたちは現在30歳をちょっと過ぎたバンドマン的なおっさんの集まりです。
Pistachio Studioという看板で活動しており、CBSというラップグループが活動の主軸となっています。
もしよろしければSpotifyやApple Music、YouTubeで聴いてみていただけると嬉しいです。
なんとも大げさなタイトルをつけてしまいましたが、
「バンドでもないし、レーベルでもないPistachio Studioって何者?」とか「どういう集まり?」と聞かれることがよくありました。
そこでここはひとつ、わたしたちのことをウザいくらいに書いてみます。これほど執拗に自らを書いたヒップホップバンドは他にいないかもしれません。
ちなみにこれを書いているのはPistachio Studioの小山です。書かなくていいことまで書いてしまったかもしれません。HIP HOPはリリックで語ったほうがかっこいいですよねぇ...。
わたしたちは
- 自分たちで自分たちをコントロールすること
- 負担なく楽しくずっと続けられること
この2点を常に思い出しながら活動しています。これは一般的なミュージシャンとは少し違うかもしれません。
ここから先は、この活動方針に基づいて、更に詳しく書いてみたいと思います。
音楽に翻弄されながらもなんとか向き合う30代のおっさん予備軍たちの立ち回りの一つとして笑っていただき、もし少しでも刺激になる部分があればこれ以上に嬉しいことはありません。
はじめにメンバー紹介をしたいとおもいます。すこし長くなりますので、ここは読み飛ばしていただいても大丈夫です。
しかしメンバーの職業やバックボーンを知っていただければ、わたしたちの活動に納得できる部分も多いかもしれません。
4MC(現在は3MC)のラップグループです。キャリアは15年以上。Pistachio Studioは基本的にこのラップグループのために存在しています。Classic Brown Soundsの頭文字をとってCBSです。
神奈川県川崎市出身。87年生まれ。
ラップ陣のブレイン。
既婚。ガキ3人。持ち家。夜勤が多い設備管理の仕事。基本的に週6勤務。
神奈川県川崎市出身。87年生まれ。
既婚。ガキ1人。職業は営業マン。持ち家。趣味は釣り。
神奈川県相模原市出身。87年生まれ。
職業はファッションブランドのWEBデザイナ。サラリーマン。
神奈川県川崎市出身。87年生まれ。現在は活動休止中。
元気に生きてるという確認は取れている。
山口県出身。CBSの生みの親。
結成当初はほとんどのトラックを彼が制作していた。
メンバーに声をかけて一CBSを始めた張本人。
2014年ごろまでは東京に住んでいたが、実家の測量屋を引き継ぐために一時山口へ帰省し資格を取得。
現在はなぜか福岡で測量屋。既婚。ガキあり。
Pistachio Studioのハウスバンド。CBSのライブでのバックバンドです。
福岡県出身。88年生まれ。バンドではドラム担当。
録音とミックス、基本的にはマスタリングも担当。
既婚。ガキ1人。猫2匹。 亀1匹。
作曲やプロデュース、録音、ミックスなど音楽に関する仕事全般に引き受ける。ラップグループ chelmico のサウンドを支えている。
88年生まれ。埼玉県出身。鍵盤担当。
既婚。猫1匹。
職業は作曲家/アレンジャー。完全専業で映画やCM音楽からアーティストへの提供、プロデュースなど多岐に渡る。
SSWとしてソロでの活動も。
86年生まれ。和歌山県出身。ベース担当。
既婚。ガキ2人。
職業は電子系の営業。コロナ以前は月の半分を海外で過ごす日々だったが、今はそれがほぼなくなる。
何故か最近トランペットを始めたしい。趣味は将棋とプロ野球観戦。
90年生まれ。東京都出身。ギター担当。
既婚。職業は通信・システム構築大手企業の営業。
加えて、作曲やプロデュース業、Mimeというバンドのドラマー兼作曲家としても活動中。
愛知県在住。87年生まれ。フルーツ農家。
instagramで知り合う。ギターや鍵盤、その他マルチ楽器奏者。
作曲や楽曲のアレンジも担当。上京の際はライブで演奏することも。
本稿筆者。87年生まれ。和歌山県出身。ギター担当。
Web関連や告知、デザイン周り、簡単な動画編集なども担当。
未婚。同棲はしていないが彼女あり。リクガメ*1。
職業はIT界隈サラリーマン。あとはCDやレコードのジャケット周りのデザインのアルバイト。
89年生まれ。神奈川県相模原市出身。
既婚。猫*1。
DJ、ビートメーカー、アレンジャーとして専業。
chelmicoのバックDJも担当。
89年生まれ。神奈川県相模原市出身。未婚。
DJ、ビートメーカーとして海外ではこの中で一番有名。
東京都出身。96年生まれ。職業chelmico。専業。ソロでも活動中。
神奈川県相模原市出身。89年生まれ。
既婚、ガキ2人。犬*1。
大手ケミカル製造業勤務。持ち家あり。
DJとしてだけでなく、ゲーム配信者安藤つ良しとしての顔も。
メンバーは以上です。
今風の言葉で説明するならPistachio Studioは「神奈川発!楽器や録音、音楽好きコレクティヴ」とでも言えるかもしれません。しかし実態はただの近所の友達同士で、たまたまみんな楽器や録音が好きだっただけ。というのが実際のところです。
これまでも書きましたが、CBSという4人組(今は3人です)のラップグループがあって、彼らを取り囲むように人が集まって出来たのがPistachio Studioです。
わたしを含むバックバンド陣は誰よりもCBSのファンで、本当にかっこいいなと思っています。唯一無二でめちゃくちゃいいのに、本人たちからは「音楽で小銭を稼ぎたい」とか「多くに人に聴かれたいたい」とか「チヤホヤされたい」みたいな雑念が微塵も感じられません。
ただひたすらに自分たちのために音楽を作っています。本当にこんな人たちには初めて出会いました。
でもこれは「もったいない」という思いもあります。
そこでわたしたちはCBSの制作のサポートとできる限りの宣伝のためにPistachio Studioという屋号を利用することにしました。
Pistachio StudioはCBSを取り囲むようにして今の形になりました。
そしてりょう、山田、小山が出会い、つるんでいくうちにバンドセットをやろうという話になり、2016年からバンドでのライブをスタートし、今に至ります。
近所の友だち同士で遊びながら音楽を作っていたら、たまたま個々でも活動の幅を広げていくことができた。
そして気づいたらちょっとだけいい感じになった。というのが正直なところでしょうか。
基本的に舵取りはわたし小山とりょうが行っており「あれやる?これやる?これどう?」といつも話しています。ラップ陣(CBS)は基本的に気持ちいいくらいついてきてくれて一切不平不満をいいません (悪い意味で興味がない)。
ただし音源についてはCBSの意見を最大限尊重しています。
ここではCBSについての年表を書きます。これを見ていただけると異様に活動歴が長いということがわかっていただけるかと思います。
もともと川崎市麻生区近辺の地元の同級生であったkyon、takaya、satoshiの3人が中学生の頃にラップを始めたことがきっかけです。
kyonは高校卒業後に現在の会社に就職し、takayaとsatoshiは大学進学を選びました。
渋谷CAMPでの初舞台を経験し、そこで年上のSUPPLEに誘われオリジナルトラックでの活動をスタートしたことがCBSの始まりです。
中学一年生。同級生だったkyonとsatoshiがヒップホップとの衝撃的な出会いを果たす。そしてすぐにラップのような遊びも始める。
「深夜の流派Rを電話で話しながら一緒に見る」という行為を毎週続ける。今でいう「ウォッチ・パーティー」だ。
中学二年生。kyon、satoshi、takayaが出会い、つるむ毎日。
カラオケでkyonとsatoshiがリップスライムを歌い、takayaはブッダブランドを歌う。そして共鳴してしまう。
この間はそれぞれ勉学や部活動に励み、際立った活動はなし。
高校三年生。夏に野球の部活動が終わったkyon「やっぱりラップがやりたいわ」とひとりつぶやく。
そして衝動のままにOTAI RECORDにて「ラップ養成キット」を購入。「MC遊戯」なる名義でキャリアスタート。
ラップ養成キット付属のカセットMTRで6曲のデモを完成させる。このデモテープは現在捜索中ではあるが、発見には至っていない。
kyon、現在も務める会社に就職、satoshiとtakayaは大学に進学する。
3人でラップグループ "CLOVER" を結成。ユニオンで100円の12インチを買い、インストでラップし、ラップ養成キットで録音する日々。
同年、今はなき渋谷CAMPにて初舞台。そこでCLOVERとSUPPLEが出会い、SUPPLEがバックDJになる。ここで出会いはいろいろあったそうなのだが、割愛したいとのこと。
MPCを友人から10万円で譲ってもらう。そしてSUPPLEがオリジナルのトラックの制作を始める。SUPPLEがMPCと出会ったことがすべての始まりだった。
グループ名をCLOVERからCBS (Classic Brown Sounds) に改名。そのタイミングでPistachio Studioというクルーを名乗り始める。
社会人のkyon、大学生のtakaya、satoshi、SUPPLEが毎週末、青葉台のSUPPLEのアパートに集まって制作する。
ライブも週一ほどの頻度でぶっこむ。
がんばっているつもりだったがライブが全くウケず、ライブをやめる。
(今考えてみてもクオリティもスタイルは今と何も変わっていないはずなんだけどなあ...。とのこと)
録音とネットでのリリースに活動をシフト。今はなきMySpaceにも登録。毎週のように集まって録音する。
毎週毎週集まり、下手すると何百曲と制作した日々。
深夜に青葉台に集まり、その日録った曲を朝方に車で帰りながら聴くのが楽しくて楽しくて仕方がなかった。
kyonはそのまま出勤する。
出来上がる楽曲に自分たちの中でも手応えを感じ始め少し自信を取り戻す。
ライブ活動を徐々に再開するが、これまでの渋谷での活動ではなく、横浜や相模原など神奈川にフィールドを変更。現場でデモMDを配りはじめる。
このタイミングでSUPPLEの唯一無二であるビートに惹かれ、tajima hal、ILLSUGI、%C、basho、Antzなどが集まってくる。SUPPLEのビートがあってのCBSだった。
しかしここでSUPPLEが測量の資格取得に本腰を入れるため山口へ帰郷。とりあえずライブは友人のワダがバックDJをすることに。
共通の友人を介してりょう、山田、CBSが出会う。(あっくん、ワダ、こうしなどの友人)
ワダはポン出しがうまくできず即クビに。りょうがバックDJになる。
bandcampにて2010-2011リリース。これが結構好評でうれしかった。
同時にFilial Foundationという名義でラップしていたbashoと一緒にCBS & Filial Foundationという名義でのライブをスタートする。
bandcampにて裏CBS(2009-2011)リリース。
みんなと小山が出会う(小山と山田は同郷で、当時川崎で一緒に住んでいた)。
bashoが正式加入。bandcampにてTOWNリリース。
satoshi休業へ 1DJ 3MC体制に
なんとなくでバンドセットをスタート。りょうの知り合いだったもりじゅん(ESME MORI)をキーボードとして誘う。
この頃はまだもりじゅんは専業の作曲家になったばかりで仕事はあんまりなかった。
この体制でのアルバム"Classic Brown Sounds"をCDと配信(Spotify / Apple Music)でリリース。
2ndアルバム"Classic Brown Sounds 2"を配信リリース。
そして現在に至る。
CBSやPistachio Studioとして、メンバー全員が飯を食っていくということは全く想像していません。間違いなく不可能です。これまで一度もそのようなことを夢に見たことすらありません。
メンバー紹介でも書いたようにそれぞれ生活するための仕事を持っていて、ここ(Pistachio Studio)ではただひたすら好きなようにやっていきたいと願っています。
ここでの活動がそういったものから切り離されることでむしろ清々しく、ストレスが無いですし、嫌なことはやらないという選択ができます。やる美学もいいけど、やらない美学もまた大事にしていきたいです。ここは遊びの延長ですので、自分たちの思うままにコントロールすることができます。
強がっているのかもしれませんが、諦めたわけではなく最初からこうなることを目指していたのだと思っています。
インディペンデントであり続けるということを常に考えています。自分たちの思うようにすべてをコントロールしたい。自分たちのペースを崩したくない。メンバー全員の意見を尊重したい。
そしてインディペンデントであることの副産物は、金銭的なバックが大きいことです。利益は当然100%返ってきますし、原盤に関してもこれまで作ってきた曲のすべての原盤権を自分たちで所持しています(権利なんてあまり偉そうなことは言えませんが...)。
いままで作った曲をこれから先もどのように扱っていくかは自分たちで決められるということです。
ただしインディペンとであることにはデメリットも当然あります。それは十分な宣伝ができないことです。ミュージシャンにとってはこれが一番重要なことかもしれませんが「音楽を作る、良いのができた、たのしい、最高!」という根本的な行為において宣伝は必要ありません。
音楽というものは不思議なもので、制作にかけた金額や時間と、その出来栄えは必ずしも比例しないのです。
コマーシャルという点を除けば、大きなレーベルに所属しているアーティストにできて、わたしたちにできないことは何一つ無いと思っています。
とは言ってもやっぱり一度ガチの録音や制作を食らってみたいという思いはもちろんありますよ。
余談ですが今リリースしようとしている次のアルバムは、実は2年以上前にほぼ出来ています。この2年間放置した理由は「自分たちで聴いてめちゃくちゃ良くて満足してしまってどうでもよくなった」という本当にどうしようもない理由でした。こんなチームなんです。
出来もよく、さすがにもったいないという話ようやく出てきたので、今はリリースの準備を進めています。
ここではお金の話をします。一番重要で大人の遊びでも避けられないポイントです。
メンバー個人へ依頼された仕事を除いて、CBSやPistachio Studioとして得た収入はメンバーに分配されることはありません。すべてPistachio Studioの銀行口座にプールされます。
なんとこれまで一度もメンバーにギャラとして分配されたことはありません。しかもスタジオ代はすべてメンバーの割り勘です。ということはプールは増えていく一方です。使う機会がほとんどないんですから当然です。
ただし、機材だけは躊躇なく購入します。新しいマイク、アンプ、インターフェース、ミキサー、ケーブル、スタンドなど必要だと思ったものは自由に購入します。最近ではりょうに待望のガキが生まれたので、これまで行ってきたりょうの家での録音がしばらく難しくなりました。
そこでラッパー全員がそれぞれ自宅で録音できるように、また環境を揃えるために同じインターフェースとマイクを買いました。
収入源は
- 配信
- CDの売上
- ライブのギャラ
ほぼこれだけです。「発送したりライブに手持ちするのがダルい」という理由で自分たちで制作したグッズのようなものは今の所ありません。 当然今はライブを全くしておりませんので、ライブのギャラはありません。
一部のイベントのオーガナイザーの間では、
「CBSのギャラはライブ前に手渡ししろ!」という格言があるとかないとかで、とにかくもらったギャラをその場で出番前に全部お酒に変えて、すってんてんで帰ってくるということが恒例行事となっております。ですのでこれまでライブの収入は多くはありません...。
Pistachio Studioの銀行口座については、まゆちゃん(kyonの奥さん)の名義になっており、通帳もキャッシュカードもまゆちゃんが管理しています。ということはメンバー誰一人としてお金を引き出すことはできません。必要なお金があれば用途などを記載し、引き出し依頼の連絡をしています。
- 「ミキサー買うので10万お願いします!」
- 「こないだライブ出てもらったギャラとして5万をこの口座へ振り込んで!」
- 「小口として2万くださーい!」
など。これを稟議と呼んでいます。まゆちゃんは定期的に記帳して報告してくれています。
これは本当に大事なことで、長く続けるためには絶対必要なことだと思っています。
お金のことで友情、夫婦、チーム、挙句の果てには家族さえもが崩壊していくシーンがこの世にはあまりにも多すぎます。これはこの世で一番くだらなくて悲しいことです。
大切な人にほどお金を貸してはいけないのと同じことで、どんなに信用している仲間でもこれは絶対に大事なことだと思っています。
こうしておけば変な疑いや詮索さえも起こりません。まゆちゃんが横領する可能性はゼロではないが...。
- 家族・生活
- 友人
- 仕事
- 音楽(Pistachio Studio)
これを優先順位として物事を考えようとよく話し合っています。1. 2. 3. をうまく回してこそ音楽が人生において素晴らしいものとなり、心に染みてくるのだろうと思います。体調が悪いときや生活がうまく行っていないときに、音楽を楽しむ気持ちなんて起きる道理がありません。
また家族のサポートや理解なしにこの音楽活動がうまくいくことはありえません。そのためにも家族と生活優先は本当に大事なことだと思っています。みなさんはどうでしょうか?
楽しいと思っている限りはこのクルーを大切に、長く維持していくことがわたしたちの大きなテーマです。この持続可能性のためにはこれまで書いてきたようなことすべてが必要だと思っています。
- バンドが忙しくなりすぎて家族や生活が疎かになってはいけない。
- お金で揉めてはいけない。
- 義務が発生するレベルのランニングコストは避ける。
例えば機材を保管する倉庫やスタジオを借りるとなると、最低でもその家賃分をPistachio Studioで稼ぐ必要が出てきます。そうなると頑張りや無理が発生してしまうので大きなランニングコストは避ける。 - やりたくないこと、ダサいと思うことをお金のためにやらない。
- 自分の金は自分で稼げ。
これまでもに書いたことですが、それぞれに生活のための収入があり、Pistachio Studioがインディペンデントであるからこそ生活優先ができると思います。
就職して音楽を辞める人、結婚して音楽を辞める人、子どもが産まれて音楽を辞める人。
これは本当によくある話ですが、音楽に興味がなくなったわけではないのに「辞める」という選択をしなければならなかったとしたらそれは本当に悲しい話です。おそらくどこかで無理があったのだと思います。
本当は「子どもが産まれたから音楽活動をきっぱりやめなければならない」なんてことはたぶん無いはずです。
「0か1か」ではなく、それぞれのいい着地点を見つければいいんじゃないのかなと思います。0か1かでは判断できない勝ち負けのないところが音楽の楽しいところじゃないですか。
若い頃は「音楽は人生をかけて作らないければ意味がない」という気持ちがわたしたちにも少なからずあったように思います。
でももしそうなのだとしたら、わたしたちのような才能もガッツも無い凡人は、戦いに敗れて音楽をやめるしかなくなってしまいます。
そうではなく、音楽はすべての人にひらかれ、誰でも楽しむことができるものであると今では思っています。
コロナが本格的になって、CBSとChicekn Is Niceはまだ一度もライブをしていません。それどころかみんなでスタジオにすら一度も入っていません。でもそれはメンバーみんなで決めたことです。わたしたちにとってこの活動は仕事ではないので、今の世界の状況を見たときに「大人しくしている」と選択をしました。
こういった一つ一つの行動や決定を「自分たちの気持ちに沿って、自分たちで決められる」ということは重要なことだと思っています。
ここまで書きましたが、音楽で生活しているプロのミュージシャンやバンドマンを否定しているつもりは一切ないので誤解しないでください。そういった人たちのことは本当にリスペクトしていて、心からすごいなと思っています。
ただこういう音楽の楽しみ方、活動スタイルもあるということを伝えたいだけです。プロのミュージシャンを否定する気持ちは一切ないので、そこはよろしくおねがいします。(一応書いときます...)
ここまでがチームとしてのPistachio Studioの話。ここからはサウンドや制作などの話を思いつくだけ書きます。
やっと音楽そのものについての話です。
CBSはヒップホップ/ラップグループとしては本当に異例なほど他のアーティストやビートメーカーと曲を作ることをしません。
CBSの楽曲はほぼすべてPistachio Studioの誰かが作ったビートと、自分たちのラップのみで出来ています。
それは一体なぜなのか。
自分たちだけですべて完結させることのメリットは「気楽にボツにできる」ということと「感情で動いていい」ということに尽きると思います。
CBSのトラックはほぼすべてSUPPLE、小山、りょう、もりじゅん(ESME MORI)、林(%C)、tajima halの誰かがつくっています。
これはCBSには「ビートを10曲もらったらその10曲を平気ですべてボツにする」という恐ろしい病気があるからです。
CBSは自分たちがハマらないと思ったトラックで絶対に無理にラップをしません。
トラックメーカーにビート依頼したはいいが、結局使わなかったということが容易に想像できてしまいます。それはあまりにも非常識ですので、他の人に頼んだり、客演するなんてことは絶対にできません。
Pistachio Studioのトラック制作陣はCBSのこの不治の病をよく理解しているので、ボツになろうがどうなろうが一切気にしていません。みんな捨てる気持ちで作っていますよ。たぶんビートメーカー全員打率1割以下じゃないかなと思います。
ここでは「ライブはバンドなのに、録音物はバンドサウンドではない」ということについて書きます。
今のところCBSはライブはバンドサウンドで、音源はサンプリングという方法を今の所つらぬいています。バンドでライブをやってるからといって、バンドで曲も作るということをしないのはもちろん理由があります。
それはサンプリングのヒップホップの方がかっこいいと思うからです。バンドのヒップホップ音源は、よほどこだわって病的な制作をしないとかっこよくならないと思います。(サンプリングの善悪についてはここでは一旦横に置かせてください)
あくまでCBSのライブ用のバックバンドにChicken Is Niceがいる。というイメージですので、音源のリリース名義はCBSであることが多いです。バンドセットのライブはCBS & Chicken Is Niceという名前になります。
余談ですが、Pistachio StudioではDJセットのライブのことを「カラオケセット」と呼び、バンドセットのライブのことを「のど自慢セット」と呼んでいます。
「バンドでヒップホップをやる」というのは本当に難しいことでした。今も理想の20%くらいしかできていないのではないかと思っています。
ヒップホップはとにかく「鳴りと音色」が何よりも大切です。あの圧倒的なコンプ感、ドラムの意味不明な音色などをライブでバンドセットでやるとなると、全然うまくいきません。
仮にリズムのヨレやノリを完全に再現できたとしても、音色がJ Dillaとは程遠いものになるんですよね。これは容易に想像できることかと思います。
例えばライブハウスでライブをやる場合、ドラムセットを借りてPAさんがいい感じにしてくれるとは思うんですが、あのヒップホップのドラムの独特の音がお客さんの耳に届けられるでしょうか?
これは絶対に届きません。
ヒップホップのあの質感を生バンドで再現するのは、技術以上に環境的に難しいです。多分これまでそれができたというバンドはいないんじゃないかなと思います。サンプラーやMPCをドラムにプラスすれば少しは近づけるかもしれませんが。
さらに細かいところでいうと、ヒップホップの音源に於いて「スネアの位置で鳴っているあのドラムの音は本当にスネアを叩いているのか?」ということです。
もしかしたら「犬が壁を叩いた音」かもしれない。「石が池に落ちる音」かもしれない。「ゴリラの鳴き声」かもしれない。
でもバンドでライブをやるとなると、ドラマーは "スネア" を叩き、それをマイクで拾うしかありません。
わたしたちは演奏技術は全くないですが、マイクをどのように立てればよいか、どうすれば機材をコンパクトにできるか、中音(なかおと)をはどれくらいの音量が良いのか等々、貧しいなりに「鳴りと音色」について色々試したり話し合ったりしています。
だからこそ悩んでしまい、バンドサウンドでのヒップホップに納得ができないのです。
CBSのバックバンドをやる上で注意していることは、
- 「ファンクバンドにラップをのせたもの」にならないように注意する。
- 徹底的にループする。バンドが飽きず、余計なことをしない。
- なるべく引き算で。
- ベースとシンセ(もしくはエレピ)を前に出す。
- ドラムは撫でて、マイクでしっかり拾う。
というところでしょうか。
例えば「この曲ギターいらなくね?」と感じたら無理にギターを弾かず、ギタリストのわたしはその曲の間ボーっと突っ立ってても別にいいと思っています。
でもこれって意外とできないんですよ。ちょっと弾いてしまう。なんかいらんことをしてしまう。
そうならないために「弾かないことは素晴らしいこと」という共通認識をバンド全体で持つ。
もう一つ「マイクでしっかり拾うってなんやねん」って感じですが、わたしたちはいわゆるライブハウスよりも、小さなバーだったり、クラブだったり、本来バンドのライブをする場所ではないところでもライブをすることが多いです。
アンプやスピーカー、ミキサーなどの機材を持ち込んで、自分たちでセッティングすることも多々あります。そういうときに甘えずドラムにもアンプにもマイクを立てて、しっかり拾うということです。
録音のときもギターはアンプにマイクを立てて録るのが一番楽でいい感じになりますし、キーボードやエレピなどもアンプから出したものをマイクで拾うことが多い気がします。
- Blue Baby Bottle SL
- ボーカルやラップはほぼこれで録っています。
- NEUMANN TLM103
- 2ndアルバム以降はこれで録っています。
- SENNHEISER MD 421-II
- 通称クジラ。スネアを録ったり、キックを録ったり。ドラムに使うことが多いです。
- Shure SM58 / SM57
- ギターや鍵盤をアンプから出してマイキングしたり、シンバルを狙ったり色々。それぞれ何本ずつかありす。
- 確認中。なんか最近買い替えたらしいです。
すいません。正直みんな何でもいいと思っていて、適当に拾ったものを使っています。
高いギターは鳴りが良いなんて絶対嘘だ!エレキギターに鳴りなんてないと思っています。
エレキギターの音を決めるのはギターの電気系統部分とアンプだけだと思っています。高いギターは弾きやすいだけ。
リハスタは持っていくのがめんどくさいので100%スタジオのギターとベースをレンタルしています。
(これ異常らしいですが、なんでみんな自分のギタやベース持っていくんだろ...。まじでなんで?)
- Roland JC-120
- 友人から譲り受けたもの
- AVALON DESIGN U5
- ベースはこれを通すことが多い。小さい箱で機材持ち込んでライブするときはベースアンプを使わず、ここら卓かスピーカーへ直送することもある。小さいは正義。デカイは悪。
- Ableton Live
- ほぼみんなLive使ってると思うけど、もりじゅんはLogic。
他にもガラクタは多数ありますが、だいたいこんな感じでしょうか。本当に必要最小限。とにかくみんな家庭があるので機材を置く余裕などありません!
ビートが出来次、第随時ラッパーに共有します。大抵は無視されますが、たまにハマるものがあるらしく「やりますか」となるようです。
ラップは3人の中の誰かが最初にヴァースを書いて、それに残り2人が乗っかるというパターンが一番多いと思います。
でも1人が書いてもあとの2人が書かなくてボツという曲も大量にあります。なめてんのか。
録音自体はりょうの家で行っています。ラッパーが揃って集まるときもあるし、仕事終わりなどでそれぞれサクッとりょうの家に行って個別に録るときもあります。
びっくりするくらいそれ以上のエピソードみたいなものはありません。感動的なエピソードも、苦しかった思い出も、何もありません!
でも楽しかった思い出はあるかもしれないです。
※サウンドについてはまた思いつき次第追記していくかもしれませんがとりあえずここまで。なにか気になることあったらネタください!必ず書きますので。
りょうだけ専門学校でドラムを専攻していましたが、あとはみんな全部独学です。DAWやミックス、マスタリングについてはりょうも独学です。
いいですよ。ぜひオッファーください。ただしギャラは先に渡さないでください。帰る直前でお願いします。
まじで長らくライブをやっていなくて忘れちゃいました。
- カラオケセット(CBSとバックDJのりょうのみ)
- のど自慢セットセット (CBS+バックバンド=8人)
- アンプやドラムセットなどの機材持ち込みが必要なのど自慢セット
- 遠征が必要な場合は別途相談
で別れています。でも金額は本当に忘れてしまいました...。すいません。隠すつもりはありません。
タイトルには大げさに「死ぬまで」と書きましたが実際どうなんでしょうかね。
続けばいいなとは思っていますが、死ぬまではとてもじゃないが無理かと思います。
突然消滅するというより、長い年月をかけて少しずつ風化していくような感じになるのではないでしょうか。
特に増えていないですよ。増えるとかはそんなに無いんじゃないかなと思います。ただの飾りみたいなものなので。
たまにメッセージをいただくことはありますが、さすがに加入希望はないです。
みんなの遊び場兼機材置き場がほしいです。今は機材をそれぞれの自宅においているので、1箇所にまとめてそこで録音もできるようにしたいです。
あとは、メンバーみんなの家族(ピスタチオ婦人会)に何かしら恩返しがしたい。「みんなで旅行に行こうね」とはずっと言っていますが、これまでもなかなか予定があわなかったし、そうこうしているうちにこんな事になってしまいました。
それ以外はないかもしれません。みんなそれぞれそこそこ仕事をして、そこそこ家庭を大事にして、今と同じペースで遊ぶ。今と変わらないスタイルでいいかなと思いますよ。
一度もないです。このクルーで飯を食っていこうなんてふざけ過ぎ。甘えるな!
Q.「音楽で生計をたてている or たてていない」の差みたいなのを感じたことってある?(演奏のレベルでも、考え方とかでも、なんでもいいです。たとえば逆に金とか気にしないからセルアウトせずに作りたいもん作れるんだよねーみたいなとかでもいい)
当然ありますよ。
音楽で飯食ってる人ってマジで一流です。これは本当に一握りの選ばれし人たちなので。でもどう違うかって言われたらうまく答えられませんし、自分たちが劣っているみたいな感覚はないかもしれません。
音楽ってスポーツと違って勝ち負けが無く「どっちが勝った、強い」ではなく「どっちもそれぞれいいな」みたいなことができるじゃないですか。それぞれに良さがあります。
逆にわたしたちみたいな趣味音楽家の良いところはなんだろう...。「仕事じゃないからまじで音楽が楽しい」ってことでしょうか?
「本当に好きなことも仕事になると心の底から楽しめなくなる」というのは大人になってわかりました。
おわり。