497.txt

[377] 
かつて[[中央アジア]]の一部を統治した[[拓跋部]]系の[[国家]]である[[代]]、
[[北魏]]、
[[西魏]]、
[[東魏]]と、
その流れを汲む[[北周]]、[[北斉]]は、
多くの時期に独自の[[元号]]を建てていました。


[REFS[
-[374] 
[[魏晋南北朝時代]]の[[紀年法]]における、
[[拓跋部]],
[[代]],
[[北魏]],
[[西魏]],
[[北周]],
[[隋]]の[[元号]]の流れ &
[[東魏]], [[北斉]]の[[元号]]の流れ
<https://data.suikawiki.org/tag/1922/graph?sequence=1917&sequence=1917%2B2166-2241>
]REFS]


* 元号以前

[1] 
[[北魏]]の歴史を記述した[[史書]][CITE[[[魏書]]]]は、
[[北魏]]の[[建国]]より前の[[拓跋部]]の歴史も書いていました。

[2] 
最古の[[年]]から、君主の[[即位紀年]]が使われました。
[[拓跋部]]の[[大人]]、
[[代国]]の[[代王]]の[[即位]]からの年数を数えていました。

[3] 
[[干支年]]や[[魏の元号]]との対応が書かれている[[年]]があり、
治世年数を足し合わせていくとちょうど合致します。

[4] 
初期は[[即位]]の翌年を[[元年]]としていました。

[5] 
[[代国]]の中期以降は「以[VAR[何]]年為元年」のような[[改元]] ([[称元]])
起事があり、[[即位]]年から[[元年]]をしていたことがわかります。

[6] 
[[退位]]や[[重祚]]による不規則な王位継承があったのも一因でしょうが、
あるいはこの時期は実際に[[即位紀年]]が使われていた記録が残っていたのかもしれません。
逆に初期の、漢化が進んでいない時期の改元記事のない綺麗に整った即位翌年改元は、
史書の編集時に決められたものかもしれません。

[7] 
[[代国]]の後期には、
「後元年」
のような[[後元]]方式の[[即位紀年]]が2回ありました。
[[漢]]などの[[後元]]とは違って、
在位中の[[改元]]ではなく、
[[重祚]]の2回目の[[即位紀年]]が後[VAR[何]]年とされました。

-*-*-

[421] 
[CITE[魏書]]の帝紀部分は[[元号名]]なしの[[年号]]で書いていました。
列伝部分に、
「烈帝之前元年」
([TIME[y~1928]])
[SRC[>>425]]、
「穆帝三年」
([TIME[y~1921]])
[SRC[>>420]]、
「平文二年」
([TIME[y~1923]])
「烈帝元年」
「平文三年」 
「烈帝元年」「二年」「五年」
[SRC[>>426]]、
「昭帝七年」「十年」「十二年」
([TIME[y~1922]])
「烈帝六年」
[SRC[>>424]]
と書いていました。

[429] 
[CITE[魏書]]
の帝紀を引いた[[日本]]の学術論文で、
「[V[昭成帝三十[BR[]]九年]]」
「[V[太祖卽位の九年 ([L[38[BR[]]5]]) すなわち登國元年の前󠄁年]]」
と参照した例がありました。
[SRC[>>428]]


[REFS[
-
[425] 
[CITE@zh[[[魏書]]/卷14 - 维基文库,自由的图书馆]], [TIME[2021-12-11T03:13:10.000Z]], [TIME[2021-12-25T03:14:43.149Z]] <https://zh.wikisource.org/wiki/%E9%AD%8F%E6%9B%B8/%E5%8D%B714#%E9%AB%98%E6%B6%BC%E7%8E%8B>
- [420] [CITE@zh[[[魏書]]/卷23 - 维基文库,自由的图书馆]], [TIME[2021-12-03T08:33:46.000Z]], [TIME[2021-12-18T02:50:04.000Z]] <https://zh.wikisource.org/wiki/%E9%AD%8F%E6%9B%B8/%E5%8D%B723>
-
[426] 
[CITE@zh[[[魏書]]/卷95 - 维基文库,自由的图书馆]], [TIME[2021-12-11T03:13:36.000Z]], [TIME[2021-12-25T03:15:34.604Z]] <https://zh.wikisource.org/wiki/%E9%AD%8F%E6%9B%B8/%E5%8D%B795>
-
[424] 
[CITE@zh[[[魏書]]/卷96 - 维基文库,自由的图书馆]], [TIME[2021-12-03T08:26:48.000Z]], [TIME[2021-12-18T05:11:52.738Z]] <https://zh.wikisource.org/wiki/%E9%AD%8F%E6%9B%B8/%E5%8D%B796#%E6%9D%8E%E9%9B%84>
-
[428] [CITE[jor024_2_152.pdf]], [TIME[2021-09-06T09:34:05.000Z]], [TIME[2021-12-25T03:58:42.570Z]] <https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/152696/1/jor024_2_152.pdf#page=10>
]REFS]


[438] 
[CITE[ウィキペディア]]
も以前は[[即位紀年]] (と[[西暦年]]の併記) を使っていましたが、
その後[[西暦年]]のみに改められました。
[SRC[>>441, >>442, >>443, >>444, >>434, >>440, >>445, >>446, >>448]]
特定の編集者が1日で除去したようですが、
理由は不明です。

-
神元帝元年([[220年]])
[SRC[>>441]]
神元帝58年([[277年]])
[SRC[>>441, >>442]]
-
章帝9年([[286年]])
[SRC[>>442, >>443]]
-
平帝7年([[293年]])
[SRC[>>443]]
-
思帝の年([[294年]])
[SRC[>>444]]
- 
昭帝元年([[295年]])
[SRC[>>434, >>440, >>444]]
昭帝13年([[307年]])
[SRC[>>444]]
-
穆帝3年([[310年]])
[SRC[>>434]]
穆帝9年([[316年]])
[SRC[>>434, >>445]]
-
平文帝2年([[318年]])
[SRC[>>445]]
平文帝5年([[321年]])
[SRC[>>445, >>446]]
-
恵帝4年([[324年]])
恵帝5年([[325年]])
[SRC[>>446]]
-- [447] 
「恵帝5年を煬帝元年とし」
とあったのが削除 [SRC[>>446]]。
-
煬帝5年([[329年]])
[SRC[>>448]]
-
烈帝2年([[330年]])
烈帝7年([[335年]])
[SRC[>>448]]
-- [449] 
「煬帝5年を烈帝元年とする」
とあったのが削除 [SRC[>>448]]。
-
煬帝後3年([[337年]])
[SRC[>>448]]
-- [450] 
「煬帝後3年を烈帝後元年とする」
とあったのが削除 [SRC[>>448]]。

[REFS[
-
[441] 
[CITE@ja[「拓跋力微」の版間の差分 - [[Wikipedia]]]], [TIME[2021-12-11T04:34:46.000Z]], [TIME[2021-12-25T04:34:53.787Z]] <https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E6%8B%93%E8%B7%8B%E5%8A%9B%E5%BE%AE&diff=62500224&oldid=62458267>
-
[442] 
[CITE@ja[「拓跋悉鹿」の版間の差分 - [[Wikipedia]]]], [TIME[2021-12-11T04:36:03.000Z]], [TIME[2021-12-25T04:36:26.388Z]] <https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E6%8B%93%E8%B7%8B%E6%82%89%E9%B9%BF&diff=62494866&oldid=62458254>
-
[443] 
[CITE@ja[「拓跋綽」の版間の差分 - [[Wikipedia]]]], [TIME[2021-12-11T04:37:33.000Z]], [TIME[2021-12-25T04:37:40.200Z]] <https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E6%8B%93%E8%B7%8B%E7%B6%BD&diff=62494851&oldid=62458275>
-
[444] [CITE@ja[「拓跋禄官」の版間の差分 - [[Wikipedia]]]], [TIME[2021-12-11T04:39:53.000Z]], [TIME[2021-12-25T04:40:06.416Z]] <https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E6%8B%93%E8%B7%8B%E7%A6%84%E5%AE%98&diff=62494750&oldid=62458273>
-
[434] 
[CITE@ja[「拓跋猗盧」の版間の差分 - [[Wikipedia]]]], [TIME[2021-12-11T04:23:43.000Z]], [TIME[2021-12-25T04:24:52.365Z]] <https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E6%8B%93%E8%B7%8B%E7%8C%97%E7%9B%A7&diff=62488207&oldid=60478719>
-
[440] 
[CITE@ja[「拓跋猗イ」の版間の差分 - [[Wikipedia]]]], [TIME[2021-12-11T04:32:39.000Z]], [TIME[2021-12-25T04:33:03.195Z]] <https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E6%8B%93%E8%B7%8B%E7%8C%97%E3%82%A4&diff=62494447&oldid=62491601>
-
[445] 
[CITE@ja[「拓跋鬱律」の版間の差分 - [[Wikipedia]]]], [TIME[2021-12-11T04:43:54.000Z]], [TIME[2021-12-25T04:44:03.494Z]] <https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E6%8B%93%E8%B7%8B%E9%AC%B1%E5%BE%8B&diff=62501972&oldid=62491567>
-
[446] [CITE@ja[「拓跋賀ル」の版間の差分 - [[Wikipedia]]]], [TIME[2021-12-11T04:45:19.000Z]], [TIME[2021-12-25T04:45:25.357Z]] <https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E6%8B%93%E8%B7%8B%E8%B3%80%E3%83%AB&diff=62502219&oldid=57314203>
-
[448] 
[CITE@ja[「拓跋翳槐」の版間の差分 - [[Wikipedia]]]], [TIME[2021-12-11T04:47:52.000Z]], [TIME[2021-12-25T04:47:58.618Z]] <https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E6%8B%93%E8%B7%8B%E7%BF%B3%E6%A7%90&diff=62508419&oldid=57314193>



]REFS]

-*-*-

[431] 
[CITE[魏書]]
によると、
[[昭皇帝]]の時代、
[[子]]の[[桓皇帝]]と[[穆皇帝]]と3分割して統治しました。
[[桓帝]]は[[昭帝]]の時代に死去しました。
[[昭帝]]の死後[[穆帝]]が再統一しました。

[432] 
[CITE[魏書]]
は[[昭帝]]の時代を元年から数えた後、
[[穆帝]]の統一時代を元年から数えていました。

[433] 
[CITE[魏書]]
の列伝部分に、
「桓帝十一年」
とありました。
[SRC[>>426, >>430]]


[427] 
[CITE[水經注]]
に、
「皇魏桓帝十一年」
とありました。
[SRC[>>422, >>428]]

[436] 
[[桓帝]]の[[元年]]は[[昭帝]]の[[元年]]と同じと解されました
[SRC[>>428, >>435]]。

[REFS[
-
[422] [CITE@zh[[[水經注]]/03 - 维基文库,自由的图书馆]], [TIME[2021-12-11T03:46:24.000Z]], [TIME[2021-12-25T03:47:15.898Z]] <https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%B0%B4%E7%B6%93%E6%B3%A8/03>
-
[430] [CITE[魏晋南北ブログ |[[桓帝]]時代]], [[三文寒士]], 
2016-02-26,
[TIME[2021-12-25T03:37:46.000Z]], [TIME[2021-12-25T04:09:22.476Z]] <http://gishinnanboku.blog.fc2.com/blog-entry-328.html>
-
[435] 
[CITE[刘驰:十六国时期的金属货币 (第3页)_[[爱思想]]]], 
作者: [[刘驰]],
更新时间:2020-08-01 23:10:14,
[TIME[2021-12-25T04:25:57.000Z]] <http://m.aisixiang.com/data/122328-3.html>



]REFS]

* 代の元号

[8] 
[[代国]]は最後の王の時代にだけ、
[[建国]] 
([TIME[y~1012]])
という[[名前][元号名]]の[[元号]]がありました。
[[漢]]風の国家制度が整えた時代で、
[[元号]]制定もその一環とされます。

[9] 
いかにも[[建国紀元]]風な[[元号名]]ですが、
[[代国]]は[[王位継承]]がないまま滅亡したため、
代替わりの[[改元]]を想定していたのかは不明です。
同時代にも前の時代にもこの周辺で[[建国紀元]]を用いた[[国]]は
([[新]]の[[始建国]]を除けば)
見当たらないので、
単なる[[元号名]]に過ぎないとも思われます。

[10] 
[[北魏]]の最初の[[元号]]は[[登国]]で、
[[建国]]を意識しつつ少し変えてきた感があります。

* 代と北魏の間

[12] 
[CITE[魏書]]は[[代国]]の滅亡の翌年を ([[拓跋珪]]紀の)
[[元年]]とし、
9年まで数える[[即位紀年]]的なもの
([TIME[y~1930]])
を置いていました。
[SRC[>>11]]
その次が[[代王]]に即位した登國元年で、
10年に当たります。
([[即位紀年]]のような書き方ですが、
その9年間、何かに[[即位]]していたとは書かれていません。)

[423] 
[CITE[魏書]]に
「太祖之七年」
[SRC[>>426]]、
「太祖七年」
[SRC[>>424]]
とあり、同じ時代を指すと思われます。

[REFS[
- [11] [CITE@zh[[[魏書]]/卷2 - 维基文库,自由的图书馆]], [TIME[2021-11-13T07:28:48.000Z]], [TIME[2021-11-27T09:07:30.927Z]] <https://zh.wikisource.org/wiki/%E9%AD%8F%E6%9B%B8/%E5%8D%B72>
]REFS]

* 北魏の元号

[13] 
[[北魏]]は建国以来[[元号]]を使いました。

[14] 
[[北魏]]の時代の後期には、3人の[[皇帝]]が乱立し、それぞれの[[元号]]を使いました。

[15]
いったん統一されたものの、再び[[東魏]]と[[西魏]]に分裂しました。


[17] 
[[西魏]]は、その最初の[[皇帝]]の時代、独自の[[元号]]を使いました。

[FIG(short list)[ [70] [[北魏]]の[[元号]]
- [[普泰]]
-- [[普嘉]]
-- [[普太]]
]FIG]

[381] 
[[北魏]]の時代にも、
[[元号名]]の前に書かれる[[国名]]には
「大代」
が使われ続けていました。
[SRC[>>380]]

[REFS[
- [380] 
[TIME[2021-12-13T12:28:21.700Z]]
<https://kanazawa-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=48343&item_no=1&attribute_id=26&file_no=1>
PDF 15頁
]REFS]

- [337] [CITE@zh-TW[「畫中有話」——墨書映華服]], 
2020-01-19,
[TIME[2021-12-06T07:40:56.000Z]], [TIME[2021-12-07T09:08:22.232Z]] <https://twgreatdaily.com/qXfvvm8B3uTiws8K8YVE.html>

[338] 
[[敦煌]]の壁画に
「大代大魏四年、五年(公元538年、539年)」
と書かれてあるとの記事。

[339] 
記事内の写真によると実際には
「[V[大代大魏大統四年]]」
のように[[西魏]]の[[元号名]]が書かれていました。
なぜ記事が[[元号名]]だけ省いたのか不明。
4年の方には[[干支年]]も併記されていました。

[340] 
「大代大魏」と国名らしきものが二重に書かれているのは興味深い点です。


- [341] [CITE[通信vol.14]], [TIME[2020-01-16T04:36:41.000Z]], [TIME[2021-12-07T09:27:50.159Z]] <https://158.199.222.6/ebook/mag_2020_vol14/mobile/index.html#p=117>
--
[343] 
[CITE[117.jpg (JPEG 画像, 1785 × 2423 px)]], [TIME[2020-01-16T04:36:54.000Z]], [TIME[2021-12-07T09:28:17.604Z]] <https://158.199.222.6/ebook/mag_2020_vol14/files/mobile/117.jpg>
- [342] [CITE@zh-tw[東京中央:東京-香港兩地聯合秋拍前瞻 - 人人焦點]], [TIME[2021-12-07T09:28:05.000Z]] <https://ppfocus.com/0/fac1c9d0c.html>
- [349] 
[CITE[东京中央十月LIVE AUCTION东京香港联合拍卖再接力,精彩可期.联拍动态]], [TIME[2021-11-12T08:25:17.000Z]], [TIME[2021-12-07T09:48:45.425Z]] <http://news.51bidlive.com/contents/3/22742.html>


[344] 
「大魏二年歲次 甲子十一日囗朔廿九己酉」 [SRC[>>342, >>349]]
と書かれたものが紹介されていました。 

[345] 
実物の写真を見ると「[V[大魏□定二年]]」とあり
([[異体字]]は写真参照) [SRC[>>343]]、
1文字分[[判読不能]]ですが、
[[東魏]]の[[武定]]と[[干支年]]が一致します。

-*-*-

[382] 
[CITE[南斉書]]
には同時代の他の勢力という扱いで[[北魏]]の記事がありました。
[[元号]]もいくつか紹介されていましたが、
不完全かつ不正確なものでした。

[REFS[
- [383] 
[CITE[南斉書]]
記載の[[元号]]と[[北魏]]の[[元号]]の流れの比較
<https://data.suikawiki.org/tag/1879/graph?sequence=1917>
]REFS]

;; [384] 
[CITE[魏書]]と[CITE[南斉書]]の[[元号]]を比較すると、
他勢力の情報がいかに不正確にしか伝わらなかったのかがわかります。
他の時代の[[正史]]に残る中小勢力の情報も、
これと同じかそれ以上に間違っている可能性があるということです。

* 西魏と北周の即位紀年

[18] 
[[西魏]]は、その2代目、3代目の[[皇帝]]の時代、
[[元号]]を建てませんでした。

[19] 
[[禅譲]]によって[[西魏]]にかわって成立した[[北周]]の初代と2代目の[[皇帝]]も、
はじめ[[元号]]を建てませんでした。
[[北周]]の2代目の[[皇帝]]の第3年目に、
最初の[[元号]]が建てられました。
[SEE[ [[北周の元号]] ]]

[201] 
[[西魏]]は[[宇文氏]]の後見で成立していた[[王朝]]で、
とりわけその2代目、3代目の時代は完全な[[傀儡政権]]だったとされています。
[[北周]]はその[[宇文氏]]の[[王朝]]でしたが、
初代は傀儡だったとされています。
[[西魏]]から[[北周]]の初期は事実上[[宇文氏]]が統治した一連の時代と見なせます。

[165] 
この時代の[[年]]は、
いろいろな表現がありました。

-*-*-


[134] 
[[北京圖書館]]所蔵[CITE[周故柱國大將軍雍州刺史河內戾公墓誌]]拓本に、
「[SNIP[]]以周」之元年歲維星紀三月己酉薨於長安。[SNIP[]]四月壬申葬於石安之北原。[SNIP[]]」
とありました。
[SRC[>>133]]
[[星紀]]は[[丑]]、[TIME[西暦557年][557]]。



[152] 
21世紀の[[中華人民共和国]]の文化財保護当局の文書は、
ある碑について、
「[L[北周元年 (公元 557[BR[]]年)]]」
と書いていました。
[SRC[>>151]]
碑文での表記は不明。



[155] 
21世紀に[[中華人民共和国]]で発行された墓誌集に、
「拓跋宁墓志 北周二年九月廿二日」
が収録されました。
[SRC[>>154]]
原表記は不明。



[113] 
[[中華人民共和国]]の[[浙江大學]]が購入し所蔵する[[墓誌]]の[[拓本]]に、
「魏後三年正月封燕郡公,元年二月十八日薨,二年九月卅曰窆于小陵原陵谷。」
とありました。
[SRC[>>114]]


[115] 
21世紀の[[浙江大學]]のデータベースは、
これを
「魏後二年」
のものとし、
[[公元]]は空欄としました (不明を表すものでしょうか)。
また、内容に史書と齟齬があるとして、偽造が疑われるとしました。
[SRC[>>114]]

[116] 
「魏後」の[[元号名]]と「二年」を組み合わせたものでしょうか。
「三年」はどう理解してのものでしょうか。

[117] 
仮に[[北周]]の建国直後に[[元号名]]なしの[[即位紀年]]が用いられていたとするなら、
魏後3年から元年に[[改元]]されて死去し、
次の2年になって葬られたとなります。
だとすると、
北周2年に当たります。

[118] 
後世の偽造品なら敢えてこのようなわかりにくい紀年を選ぶ必然性がなく、
「周元年」
なり、
他の時代の[[元号]]なりを書けば良さそうなものです。
むしろ当時の紀年を記した貴重な遺物である可能性を考えるべきかもしれません。







[84] 
[[北周]]の時代、
[[庾信]]による碑が多数作られました。
いくつかは実物が現存しています。
また[CITE[庾子山集]]に碑文が収録されました [SRC[>>83, >>57]]。

[85] 
[[中國哲學書電子化計劃]]本[CITE[庾子山集]]によると、
[CITE[陜州弘農郡五張寺經藏碑]]
に
「後魏二年」 (「後魏一年」 とするのは [[OCR]] 誤読 [SRC[>>88]])
「周元年」
とありました。
[SRC[>>83]]

[86] 
[[中國哲學書電子化計劃]]本[CITE[庾子山集]]によると、
[[庾信]]の[CITE[周太將軍崔說神道碑]]
に
「魏前元年」
「[V[後魏二年]]」 (「役魏一年」とするのは [[OCR]] 誤読 [SRC[>>87]])
「[V[前魏元年]]」 ([SRC[>>89]])
とありました。
[SRC[>>83]]

[90] 
[[中國哲學書電子化計劃]]本[CITE[庾子山集]]によると、
[[庾信]]の[CITE[周車騎大將軍婁公神道碑]]
に
「[V[周元年]]」 ([SRC[>>91]])
「[V[後魏元年]]」 ([SRC[>>92]])
とありました。
[SRC[>>83]]






[65] 
[[庾信]]の[CITE[豆卢恩墓碑]]は、
[TIME[北周天和元(566)年][566]]のものとされますが、
ある[[Webサイト]]によると
「保定二年」
「普太二年」 [SEE[ [[普太]] ]]
「大统三年」「十六年」
「魏前元年」「三年」
「后魏元年」「三年」
「周元年」
「二年」
「保定元年」
とありました。
[SRC[>>64]]

[66] 
その[[Webサイト]]によると、
[CITE[文苑英华]]
所収の碑文は現物に照らして誤りが多く、
「魏元年」とされたのは実際「魏前元年」だとされました。
[SRC[>>64]]

-
[75] 
[[中文]]版[CITE[维基百科]]が[CITE[文苑英华]]から引用した
[CITE[周陇右总管长史赠少保豆卢公神道碑]]
に、
「[SNIP[]]大统三年。[SNIP[]]十六年,[SNIP[]]魏前元提,[SNIP[]]三年,[SNIP[]]魏后元年,[SNIP[]]三年,[SNIP[]]周元年[SNIP[]]二年[SNIP[]]武成元年,[SNIP[]]」
とありました。
[SRC[>>62]]
-
[68] 
[[中國哲學書電子化計劃]]本[CITE[全後周文]]
の
[CITE[藝文類聚]]
および
[CITE[文苑英華]]
から引いた
[CITE[周隴右總管長史贈少保豆盧公神道碑]]
に、
「魏前元提」「三年」
「魏後元年」「三年」
「周元年」「二年」「武成元年」
とありました。
[SRC[>>67]]
このテキストはなぜか[[片仮名]]が複数混入しており、
[[OCR]] の低品質なデータと思われます。
-
[93] 
[[中國哲學書電子化計劃]]本[CITE[庾子山集]]によると、
[CITE[周隴右總管長史贈太子少保豆盧公神道碑]]
に、
「魏元年」「三年」 ([SRC[>>94]])
「後魏元年」「三年」
「周元年」「二年」「武成元年」 ([SRC[>>95]])
とありました。
[SRC[>>83]]
-
[101] 
[CITE[维基文库]]本[CITE[四庫全書]]本[CITE[後周文紀]]所収の[[庾信]]の
[CITE[周隴右總管長史贈太子少保豆盧公神道碑]]
に、
「[V[魏元年]]」
「[V[三年]]」
「[V[後魏元年]]」
「[V[三年]]」
「[V[周元年]]」
「[V[二年]]」
「[V[武成元年]]」
とありました。
[SRC[>>99]]
-
[107] 
[CITE[維基文庫]]本[CITE[四庫全書]]本[CITE[漢魏六朝百三家集]]
所収
[CITE[[V[周隴右總管長史贈少保豆盧公神道碑]]]]
に、
「[V[[SNIP[]]魏元年[SNIP[]]三年[SNIP[]]後魏元年[SNIP[]]三年[SNIP[]]周元年[SNIP[]]二年[SNIP[]]武成元年[SNIP[]]]]」
とありました。
[SRC[>>104]]









[79] 
[CITE[文苑英华]]を引いた[[中文]]版[CITE[维基百科]]記事には、
「魏废帝元年(552年)」
「魏废帝三年(554年)」
「魏恭帝元年(554年)」
「魏恭帝三年(556年)」
とありました。
[SRC[>>62]]


[63] 
[[中國哲學書電子化計劃]]本[CITE[庾子山集]]によると、[[庾信]]の
[CITE[周車騎大將軍贈小司空宇丈顯墓詰銘]]
に、
「[V[[ASIS[魏][ノなし]]後元年]]」
とありました。
[SRC[>>96, >>57]]

[97] 
[[中國哲學書電子化計劃]]本[CITE[庾子山集]]によると、[[庾信]]の
[CITE[周大將軍上開府廣饒公鄭常墓誌銘]]
に、
「[V[[ASIS[魏][ノなし]]後二年]]」
とありました。
[SRC[>>98]]

[111] 
[CITE[維基文庫]]本[CITE[四庫全書]]本[CITE[漢魏六朝百三家集]]
所収
[CITE[[V[周兗州刺史廣饒公鄭常神道碑]]]]
に、
「[V[[SNIP[]]魏後三年[SNIP[]]]]」
とありました。
[SRC[>>104]]

[120] 
[[中文]]版[CITE[維基百科]]は、
[CITE[文苑英華]]
を引いて、
「魏後三年(553年)」
と書きました。
[SRC[>>119]]






[100] 
[CITE[维基文库]]本[CITE[四庫全書]]本[CITE[後周文紀]]所収の[[庾信]]の
[CITE[普屯威神道碑]]
に、
「[V[周元年]]」
とありました。
[SRC[>>99]]




[52] 
[[日本]]の[[昭和時代]]の論文が
[CITE[文苑英華]]
から引いた[[庾信]]の
[CITE[周柱国大将軍拓跋儉神道碑]]
に、
「[V[(恭帝の) 三年、[SNIP[]]]]」
とありました
[SRC[>>50 PDF p.6, p.27 ③]]。




[109] 
[CITE[維基文庫]]本[CITE[四庫全書]]本[CITE[漢魏六朝百三家集]]
所収
[CITE[[V[周柱國大將軍長孫儉神道碑]]]]
に、
「[V[[SNIP[]]後魏二年[SNIP[]]三年[SNIP[]]維周革命光宅欽明作貳天官允諧邦治元年授小冢宰保定二年[SNIP[]]]]」
とありました。
[SRC[>>104]]






[69] 
[CITE[Chinese Text Project]]
本
[CITE[全後周文]]
が
[CITE[文苑英華]]
から引いた
[CITE[周兗州刺史廣饒公宇文公神道碑]]
には、
「魏後三年」
とありました。
[SRC[>>67]]
(この碑文にも[[片仮名]]が混入。)

[102] 
[CITE[维基文库]]本[CITE[四庫全書]]本[CITE[後周文紀]]所収の[[庾信]]の
[CITE[[V[周兗州刺史廣饒公宇文公神道碑]]]]
に、
「[V[魏後三年]]」
とありました。
[SRC[>>99]]

[141] 
[[北周]]時代まで生きた[[田弘]]の記録がいくつか残されています。


- 
[103] 
[CITE[维基文库]]本[CITE[四庫全書]]本[CITE[後周文紀]]所収の[[庾信]]の
[CITE[[V[周柱國大將軍紇干𢎞神道碑]]]]
に、
「[V[前魏元年]]」
とありました。
[SRC[>>99]]
-
[110] 
[CITE[維基文庫]]本[CITE[四庫全書]]本[CITE[漢魏六朝百三家集]]
所収
[CITE[[V[周柱國大將軍紇干𢎞神道碑]]]]
に、
「[V[[SNIP[]]前魏元年[SNIP[]]]]」
とありました。
[SRC[>>104]]
- 
[142] 
[CITE[百度百科]]
が
[CITE[庾子山集注]]
から引いた
[CITE[周柱国大将军纥干弘神道碑]]
に、
「魏前元年」
とありました。
[SRC[>>140]]

[143] 
[CITE[百度百科]]
が引いた
[CITE[大周使持节少师柱国大将军大都督襄州总管襄州剌史故雁门公墓志]]
に、
「魏前元年」
とありました。
[SRC[>>140]]


[144] 
[CITE[百度百科]]
は他に、
[CITE[周書]]
に
「魏废帝元年」
とあるのを引いて、
「西魏废帝元年」
と書いていました。
[SRC[>>140]]

[138] 
[[中文]]版[CITE[维基百科]]は、
「《周書》《北史》作魏废帝元年。墓誌作魏前元年、神道碑作前魏元年。即公元552年。」
と書きました。
[SRC[>>139]]
[[日本語]]版[CITE[ウィキペディア]]は、
「『周書』『北史』では、魏廃帝元年。墓誌では魏前元年、神道碑では前魏元年とする。いずれも西暦552年を指す。」
と書きました。
[SRC[>>137]]






[112] 
[CITE[維基文庫]]本[CITE[四庫全書]]本[CITE[漢魏六朝百三家集]]
所収
[CITE[[V[周柱國楚國公岐州刺史慕容寧神道碑]]]]
に、
「[V[[SNIP[]]後魏元年[SNIP[]]三年[SNIP[]]]]」
とありました。
[SRC[>>104]]





[73] 
[[北周]]の時代の
[CITE[大周使持節大將軍故濟北公墓誌]]
銘文に、
「[SNIP[]]普大元年,[SNIP[]]魏後二年,[SNIP[]]天和六年,[SNIP[]]」
とありました。
[SRC[>>71, >>72]] [SEE[ [[普太]] ]]
[CITE[開府治小司寇濟北郡公拓拔迪夫人故宇文氏墓誌]]
銘文に
「[SNIP[]]大統十三年,[SNIP[]]魏後元年,[SNIP[]]保定二年[SNIP[]]」
とありました。
[SRC[>>71, >>72]]


[74] 
それを紹介した[[Webサイト]]は
「大统十三年封济北郡王。后二年,降为公。保定二年后[SNIP[]]」
と書いていました。 [SRC[>>72]]
「后二年」は魏後2年の意でしょうか。
2つの墓誌の
「魏後二年」
と
「魏後元年」
のどちらにも
「降为公」
のようなことが書かれていました。
なぜ2年の方を選んだのかは書かれていません。

[59] 
その[[墓]]に葬られた[[拓跋迪]]についての[[中文]]版[CITE[维基百科]]の記事には、
「魏恭帝元年(552年)」
「魏後二年(555年)」
「魏恭帝三年十二月庚子(557年2月14日)」
と書かれていました。
[SRC[>>58]]



[78] 
[[北周]]の時代の
[CITE[北周驃騎大將軍高唐縣侯乙弗紹墓誌]]
に、
「普大元年」 [SEE[ [[普大]] ]]
「魏二年」
「魏后元年」「二年」
「武成元年」
とありました。
[SRC[拓本画像 >>76, >>77、釈文 >>76]]
拓影によれば大は「大」。
魏は「[ASIS[魏][ノなしコ]]」。
后は「後」。
年はいずれも[[異体字]]。




[105] 
[CITE[維基文庫]]本[CITE[四庫全書]]本[CITE[漢魏六朝百三家集]]
所収
[CITE[[V[周上柱國齊王憲神道碑]]]]
に、
「[V[[SNIP[]]後魏二年[SNIP[]]周元年[SNIP[]]武成二年[SNIP[]]]]」
とありました。
[SRC[>>104]]


[106] 
[CITE[維基文庫]]本[CITE[四庫全書]]本[CITE[漢魏六朝百三家集]]
所収
[CITE[[V[華夏周上柱國宿國公河州都督辛威神道碑]]]]
に、
「[V[[SNIP[]]周元年[SNIP[]]]]」
とありました。
[SRC[>>104]]

[108] 
[CITE[維基文庫]]本[CITE[四庫全書]]本[CITE[漢魏六朝百三家集]]
所収
[CITE[[V[周大將軍司馬裔神道碑]]]]
に、
「[V[[SNIP[]]魏前元年[SNIP[]]]]」
とありました。
[SRC[>>104]]




[124] 
[CITE[周故开府仪同贺屯公墓志]]
に,
「魏前二年十二月中」
とありました。
[SRC[>>123, >>127, >>133, >>136]]

[160] 
[[中華民国]][[台湾]]のある論文には、
[CITE[[L[[U[周]][U[故開府儀同]][U[賀屯公󠄃墓誌]]]]]]
を引いて、
「[L[[U[後魏]]前󠄁二年十月中]]」
とありました。
[SRC[>>159]]


[128] 
[CITE[周故开府仪同贺屯公之墓志]]を引いた[CITE[百度百科]]の記事には、
「西魏恭帝元年」
「西魏恭帝三年」
ともありました。
[SRC[>>127]]







[135] 
[[中華人民共和国]]の[[陝西省博物館]]所蔵
[CITE[大周使持節少傅大將軍大都督恆夏靈銀長五州諸軍事恒州刺史普安壯公墓誌]]
に,
「魏前二年八月廿五日」
とありました。
[SRC[>>133]]


[244] 
[[中國哲學書電子化計劃]]所収[CITE[八瓊室金石補正]]刊本所収
[CITE[[V[周驃騎將󠄄軍鞏賓墓誌]]]]
に、
「[V[周元年󠄂]]」
とありました。
[SRC[>>245]]
[CITE[八瓊室金石補正]]
は周2年は[[元号]]がなかった明帝2年を表すと書いていました。
[SRC[>>246]]









[44] 
[[隋]]の時代の[[墓誌]]に、
[[元号年]]や「[L[[VAR[元号]][VAR[何]]年歳次[VAR[干支]]]]」に混じって
「[L[魏後元年]]」
「[L[周元年]]」
「[L[二年]]」
がありました。
[SRC[>>43]]

[45] 
[TIME[平成29(2017)年][2017]]の論文の注釈によると、
それぞれ[TIME[西暦554年][554]]、[TIME[西暦557年][557]]、[TIME[西暦558年][558]]を表すとされました。
[SRC[>>43]]

[46] まだ同論文の注釈には、他に
「[L[西魏廃帝三(554)年]]」
([CITE[周書]]の「[L[廃帝三年正月]]」条を参照)、
「[L[北周明帝二(558)年]]」
の記述がありました。
[SRC[>>43]]

[122] 
[CITE[大隋使持節上大將軍四州八鎮諸軍事蘭州刺史海安公之墓誌]]
拓本に、
「[SNIP[]]魏前三年,[SNIP[]]魏後二年,[SNIP[]]周二年,[SNIP[]]武成二年[SNIP[]]」
とありました。
[SRC[>>121]]

[126] 
その[[墓誌]]の[[耿雄]]に関する[[中文]]版[CITE[维基百科]]の記事は、
「[SNIP[]]魏前三年(554年),[SNIP[]]魏后二年(555年),[SNIP[]]北周二年(558年),[SNIP[]]武成二年(560年)[SNIP[]]」
と書きました。
[SRC[>>125]]





[389] 
[CITE[隋書]]に
「周閔帝元年五月癸卯」
「明帝二年三月甲午」
とありました。
[SRC[>>388]]



[61] 
[CITE[隋書]]
に
「《魏後元年甲子曆》一卷」
とありました。
[SRC[>>60]]

[150] 
[CITE[百度百科]]
のある記事は、
[CITE[隋书]]
に
「周元年」
とあるのを引いて、
「北周元年(557年)」
と書いていました。
[SRC[>>149]]






[53] 
[[唐]]の時代の初め頃、
[[西魏]]や[[北周]]の時代が描かれた[CITE[周書]]が編纂されました。


[164] 
[CITE[周書]]
は、
「魏大統元年」
「十七年」
「魏廢帝元年」
「三年」
「魏恭帝元年夏四月」
「三年」
[SRC[>>161]]
(孝閔帝) 「元年春正月辛丑」
「九月庚申」
[SRC[>>162]]
(明帝)
「秋九月癸亥」
「甲子」
「二年春正月乙未」
「武成元年春正月己酉」
[SRC[>>163]]
と書いていました。

[407] 
明帝紀はいきなり
「秋九月癸亥」
から始まっており、
「元年」とはどこにも書かれていませんでした
[SRC[>>162]]。
明帝の即位は元年9月「甲子」でしたので、
その前にある「秋九月癸亥」は厳密には孝閔帝の時代です。
[[元号名]]がないので[[改元]]記事もなく、
[[称元]]に当たる記事もありません。

[408] 
明帝の2年に、
「二月癸未,詔曰:「[SNIP[]]。自元年以來,有被掠入賊者,悉可放免。」」
とありました。
[SRC[>>152]]
この詔が原文ママだとするなら、当時前年を「元年」と呼んでいたことになります。





[398] 
[CITE[Wikisource]]本[CITE[周書]]注釈に

>武成初進位大將軍 文苑英華卷九四八庾信周故大將軍趙公〈宇文廣〉墓誌銘作「二年拜大將軍」,在武成建元前一年〈五三八年〉。

... とありました。 [SRC[>>397, c.f. >>399]]
[TIME[西暦538年][538]]とあるのは[TIME[西暦558年][558]]の誤りか。

[404] 
[CITE[周書]]
に
「孝閔帝踐阼,[SNIP[]]。二年,[SNIP[]]」
と書かれた一節がありました。
[SRC[>>403]]

[405] 
素直に読むと孝閔帝の2年になり、
元年9月に廃帝されたはずなのに不審です。
[CITE[Wikisource]]本[CITE[周書]]注釈には
「明帝的二年」
のはずで、脱文が疑われるとありました
[SRC[>>403]]。

[409] 
[CITE[周書]]
には
「明帝二年」
は出現しますが、
「明帝元年」
「明帝三年」
は出現しませんでした。
(後者は武成元年扱いになるからでしょう。)

[417] 
[CITE[周書]]
には
「世宗二年」
が3例出現しました
[SRC[>>413, >>414, >>415]]。
元年や3年は出現しませんでした。

;; [418] 
[[Web]]では「世宗」何年の用例のほとんどは[[李氏朝鮮]]の[[世宗]]の[[即位紀年]]でした。

[416] 
孝閔帝の即位紀年と思しきものは孝閔帝紀を除けば >>404
の孝閔帝2年だけでした。





[129] 
[[唐]]の時代、[[北朝]]の時代が描かれた[CITE[北史]]が編纂されました。

[131] 
[CITE[北史]]
に
「魏前二年」
とありました。
[SRC[>>130]]

[132] 
[CITE[北史]]
を引用した[[中文]]版[CITE[维基百科]]に、
「西魏废帝元钦二年(552年)」
とありました。
[SRC[>>130]]


[396] 
[[北宋]]時代の[CITE[太平寰宇記]]卷一五五廓州廣威縣條引周地圖記に、
「後魏景明三年[SNIP[]],西魏廢帝二年[SNIP[]]」
とありました。
[SRC[>>395]]




[158] 
[CITE@zh[山西通志]]
の[[薛孝通]]の項に、
「[V[[ASIS[魏][ノなし]]前二年]]」
とありました。
[SRC[>>156, >>157]]






[48] 
[[日本]]の[[昭和時代]]のある学術論文には、
「[V[廃帝元]]」
「[V[廃帝二]]」
「[V[廃帝三 (五五四) 年]]」
「[V[恭帝元]]」
「[V[恭帝二]]」
「[V[恭帝三 (五五六) 年]]」
「[V[孝閔󠄂帝 (五五七) 元年]]」
「[V[明帝元]]」
「[V[明帝二]]」
... の記載があり、その前後の時期は[[元号]]で書いていました。
[SRC[>>47]]

[51] 
[[日本]]の[[昭和時代]]のある学術論文には、
「[V[西魏恭帝の二年 (五五五)]]」 [SRC[>>50 PDF p.5]]
「[V[五五三[BR[]]年 (西魏廃帝二年)]]」 [SRC[>>50 PDF p.6]]
「[V[五五[BR[]]八󠄂年 (北周明帝元)]] [SRC[>>50 PDF p.28]]」
とありました [SRC[>>50]]。

1つ目は[CITE[周書]]が出典で原文は
「[V[魏恭帝二年、[SNIP[]]」
と引かれていました [SRC[>>50 PDF p.27]]。

(c.f. 
「[V[西魏文帝の大統一六年 (五五〇、梁簡文帝大宝元)]]」 [SRC[>>50 PDF p.1]]
「[V[明帝の武成元年 (五五九)]]」 [SRC[>>50 PDF p.4]]
「[V[西魏明帝の即位 (五五八󠄂)]]」 [SRC[>>50 PDF p.28]])

明帝の即位年が現在の通説より1年遅れていることに注意。


[55] 
[[平成時代]]の[[日本]]のある学術論文には、
「[V[廢帝二年 (五五三)]]」と「[V[恭帝三年 (五五六)]]」
([CITE[周書]]関連) [SRC[p.7]]、
「[V[廢帝二年]]」 [SRC[p.10]]、
「[V[廢帝二年 (五五三)]]」 [SRC[p.13]]、
「[L[恭帝2 (555)]]」 [SRC[p.17]]、
「[L[廢帝2年春 (553)]]」や「[L[恭帝3年正月 (556)]]」 [SRC[p.20]]、
「[V[大統[V[[ASIS[〜][逆S]]]]廢帝年間 (五三五[V[[ASIS[〜][逆S]]]]五五三)]]」 
[SRC[p.24]]、
「[L[廢帝1]]」 [SRC[p.26]] や「[L[恭帝2]]」 [SRC[p.27]]
のような表現がありました。
[SRC[>>54]]

[56] 
ちなみに次のような指摘もありました。
[SRC[>>54 pp.33-34]]

>
[VRL[
現在の感覺でいえば、永熙は北魏の年號であり、大統は[BR[]]西魏の年號である。北魏と呼ばれる王朝があり、西魏と呼[BR[]]ばれる王朝があるわけだが、當事者達󠄃にとっては一連の[BR[]]「大魏」であったことは疑いなく、從って二つの別々の王[BR[]]朝と見做してはならない。
]VRL]


[266] 
[[西魏]]から[[北周]]初期にかけての紀年を扱ったある[[中文]]の論文は、
[[孝闵帝]]の即位の年 ([TIME[西暦557年][557]]) の9月に明帝が[[天王]]に即位し
「称明帝元年」
した、
更に明帝の3年に[[皇帝]]に即位し
「称武成元年」
したと書きました。
[SRC[>>242]]


[375] 
[CITE[中国历代帝王年号手册]]
は、
[L[大统十七年]]の次に[L[废帝元年]]から[L[废帝三年]]、
[L[恭帝元年]]から[L[恭帝三年]]、
[L[孝闵帝元年]]、
[L[明帝元年]]から[L[明帝三年]]、
[L[武成元年]]としていました。
[L[废帝]]と[L[恭帝]]の項に、
「[L[去年号称元年]]」
とありました。




[23] 
[[中文]]版[CITE[维基百科]]の[[西魏]]の[[元号]]第1[CSECTION[[[大统]] (西魏)]]の記事には、

>[SNIP[]]元宝炬死后废帝元钦和恭帝元廓都没有自己的年号,因此大统也是西魏唯一的一个年号。
>宇文觉取代西魏称帝后,也没有使用年号。直到宇文毓时,从559年八月重新开始使用年号武成。 

... とあって、4代[[元号]]がなかったとされました。
その間何が使われたかには言及がありませんでした。
[SRC[>>22]]

[21] 
[[中文]]版[CITE[维基百科]]の[[西魏]]2代[CSECTION[[[元钦]]]]の記事には、

>大統十七年(551年),文帝駕崩,太子元欽即位,沿用文帝年号,次年(552年)去年号,称元年。"
>登位第三年(554年)二月[SNIP[]]
>恭帝元年四月庚戌(554年),[SNIP[]]

... とありました。
[SRC[>>20]]

[33] 
[[中文]]版[CITE[维基百科]]の[[西魏]]3代[CSECTION[[[魏恭帝]]]]の記事には、

>554年即位,去年号称元年,[SNIP[]]

... とありました。
[SRC[>>32]]

[82] 
[[中文]]版[CITE[維基百科]]はある人物 (c.f. >>219) について、
人物記事では
「西魏恭帝元年(554年)」
「西魏恭帝二年(555年)」
「西魏恭帝二年二月十七日(555年3月25日)」
「周明帝宇文毓二年(558年)十月十二日」
「西魏恭帝二年(555年)」
と書いていました。
[SRC[>>80]]
一覧記事では
「魏後二年(558年),降爵。周二年薨,諡思。」
と書いていました。
[SRC[>>81]]
「魏後二年(558年)」
とするのは西暦年の挿入位置を誤ったものでしょうか。

[148] 
[[中文]]版[CITE[維基百科]]はある人物について、
「北周元年(557年)」
と書いていました。
[SRC[>>147]]
また別の人物について、
「北周二年(558年)」
と書いていました。
[SRC[>>153]]





[25] 
[[日本語]]版[CITE[ウィキペディア]]の[[西魏]]2代[CSECTION[[[廃帝]] (西魏)]]の記事には、

>元欽の在位中には元号が建てられなかったため、後世の史書では552年・553年を「西魏廃帝元年・2年」と呼んでいる。 

... とありました。
出典は不明です。
[SRC[>>24]]

[37] 
[[日本語]]版[CITE[ウィキペディア]]の[[西魏]]3代[CSECTION[[[恭帝]] (西魏)]]の記事には、

>恭帝の在位中には元号が建てられなかったため、後世の史書では554年・555年・556年を「西魏恭帝元年・2年・3年」と呼んでいる。

... とありました。
出典は不明です。
[SRC[>>36]]





[27] 
[[韓国語]]版[CITE[위키백과]]の[[西魏]]の[[元号]]第1[CSECTION[[[대통]] (서위)]]の記事には、

>[SNIP[]]552년 이후 폐제(廢帝) 원흠과 공제(恭帝)는 연호를 사용하지 않고 즉위 후 원년을 선포하였기 때문에 552년에서 556년까지 서위에서는 연호가 사용되지 않았다.

... とあって、2代[[元号]]がなく[[即位]]後に[[称元]]したとされました。
出典は不明です。
[SRC[>>26]]

[29] 
[[韓国語]]版[CITE[위키백과]]の[[西魏]]2代[CSECTION[서위 폐제]]の記事には、
[[即位紀年]]の表があって、
元年 ([TIME[西暦552年][552]]) から3年まで掲載されました。
[SRC[>>28]]

[39] 
[[韓国語]]版[CITE[위키백과]]の[[西魏]]3代[CSECTION[서위 공제]]の記事には、
[[即位紀年]]の表があって、
元年 ([TIME[西暦554年][554]]) から3年まで掲載されました。
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[35] 
[[韓国語]]版[CITE[위키백과]]の[[北周]]初代[CSECTION[북주 효민제]]の記事には、
[[即位紀年]]の表があって、
元年 ([TIME[西暦557年][557]]) が掲載されました。
更に、

>
효민제(孝閔帝) 원년 1월 1일[BR[]](557년 2월 15일)

>
서위 공제(恭帝) 3년 10월 5일[BR[]](556년 11월 22일)

>
효민제(孝閔帝) 원년 9월 24일[BR[]](557년 11월 1일)

... とありました。 
[SRC[>>34]]

[41] 
[[韓国語]]版[CITE[위키백과]]の[[北周]]初代[CSECTION[북주 명제]]の記事には、
[[即位紀年]]の表があって、
元年 ([TIME[西暦557年][557]]) から4年までが掲載されました。
3年と4年には「무성(武成)」の[[元号]]も併記されました。
[SRC[>>40]]








[31] 
[[韓国語]]版[CITE[위키백과]]の[[元号]]記事の対照表には、
「폐제(廢帝)」の元年 ([TIME[西暦552年][552]]) から3年、
「공제(恭帝)」の元年 ([TIME[西暦554年][554]]) から3年、
「효민제(孝閔帝)」の元年 ([TIME[西暦557年][557]])、
「명제(明帝)」の元年 ([TIME[西暦557年][557]]) から2年がありました。
[SRC[>>30]]

[146] 
[CITE[百度百科]]はある人物について、
「[SNIP[]]魏前元年,[SNIP[]]二年,[SNIP[]]北周元年,[SNIP[]]武成元年,[SNIP[]]」
と書いていました。
[SRC[>>145]]
出典は不明です。












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- [57] [CITE@zh[Page:Sibu Congkan0602-[[庾信]]-[[庾子山集]]-3-3.djvu/126 - 维基文库,自由的图书馆]], [TIME[2021-12-02T09:08:37.000Z]] <https://zh.wikisource.org/wiki/Page:Sibu_Congkan0602-%E5%BA%BE%E4%BF%A1-%E5%BA%BE%E5%AD%90%E5%B1%B1%E9%9B%86-3-3.djvu/126>
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[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[419] [CITE@zh[[[周書]]/卷26 - 维基文库,自由的图书馆]], [TIME[2021-12-01T10:04:06.000Z]], [TIME[2021-12-16T10:22:22.253Z]] <https://zh.wikisource.org/wiki/%E5%91%A8%E6%9B%B8/%E5%8D%B726#cite_note-8>
]FIGCAPTION]

>三年以疾還京為夏州總管 按上文沒有紀載長孫儉從荊州徵還和以後歷官,就像長孫儉自荊州以疾還京。據北史本傳儉在荊州徵拜小冢宰,天和初,出任陝州總管。周書卷五武帝紀上天和元年〈五六六年〉正月稱「以柱國昌寧公長孫儉為陝州總管」,四年〈五六九年〉二月「為夏州總管」。拓跋儉碑記歷官更詳,也說他在天和元年任「陝州刺史、都督八州二十防諸軍事」。可知這次是從陝州還京。推測周書原文和北史一樣上面記有天和初任陝州總管的事,所以這裏「三年」不出年號。刪節者刪去了他入周以後到天和元年的歷官,卻忘了在「三年」上加「天和」年號。這樣,緊接在任荊州總管之後,就像事在西魏廢帝三年,可謂疏漏之甚。又拓跋儉碑載歷官最詳,卻不云任夏州總管,而且說「天和四年,謝病故京,薨於私第」,和北史「薨於夏州總管」不符。但遷鎮夏州,見於武帝紀,疑是未到任而卒,故碑不書。

]FIG]

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[403] 
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[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[376] [CITE@ja[[[西魏]] - [[Wikipedia]]]], 
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]FIGCAPTION]

>
=    大統 (535年 - 551年)
=    廃帝*(552年 - 554年)
=    恭帝*(554年 - 556年)
>
-        廃帝と恭帝の治世には元号が存在しない。このため西魏の最後の5年間は時の皇帝の帝号を年号として紀年される。

]FIG]

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- [28] [CITE@ko[서위 폐제 - [[위키백과]], 우리 모두의 백과사전]], [TIME[2021-11-17T09:07:48.000Z]], [TIME[2021-12-01T09:07:49.380Z]] <https://ko.wikipedia.org/wiki/%EC%84%9C%EC%9C%84_%ED%8F%90%EC%A0%9C>
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- [40] [CITE@ko[북주 명제 - [[위키백과]], 우리 모두의 백과사전]], [TIME[2021-11-17T05:05:00.000Z]], [TIME[2021-12-01T09:25:31.559Z]] <https://ko.wikipedia.org/wiki/%EB%B6%81%EC%A3%BC_%EB%AA%85%EC%A0%9C>
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- [81] [CITE@zh-Hant[元魏藩王列表 - [[維基百科]],自由的百科全書]], [TIME[2021-11-27T04:56:36.000Z]], [TIME[2021-12-04T03:04:20.024Z]] <https://zh.wikipedia.org/zh-hant/%E5%85%83%E9%AD%8F%E8%97%A9%E7%8E%8B%E5%88%97%E8%A1%A8#%E6%B7%AE%E5%AE%89%E5%9B%BD>
- [114] 
[CITE[墓誌數據庫詳情-[[浙大]]墓誌庫]], [TIME[2021-12-04T07:26:06.000Z]] <http://csid.zju.edu.cn/tomb/stone/detail?id=40288b9558d2f4ed0158d2f63e840006&rubbingId=40288b9558d2f4ed0158d2f63e940007>
- [121] [CITE[墓誌數據庫詳情-[[浙大]]墓誌庫]], [TIME[2021-12-04T07:50:57.000Z]] <http://csid.zju.edu.cn/tomb/stone/detail?id=40288b95607358b20160beb32684001a&rubbingId=40288b95607358b20160beb3268c001b>
- [119] [CITE@zh-Hant-MO[[[鄭常]] - [[維基百科]],自由的百科全書]], [TIME[2021-11-20T03:03:00.000Z]], [TIME[2021-12-04T07:42:15.358Z]] <https://zh.wikipedia.org/zh-mo/%E9%83%91%E5%B8%B8>
- 
[123] 
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[CITE@zh[耿雄 - [[维基百科]],自由的百科全书]], [TIME[2021-11-20T03:53:12.000Z]], [TIME[2021-12-04T08:01:06.003Z]] <https://zh.wikipedia.org/wiki/%E8%80%BF%E9%9B%84>
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-  [130] [CITE@zh[薛聪 (北魏) - [[维基百科]],自由的百科全书]], [TIME[2021-11-20T03:53:48.000Z]], [TIME[2021-12-04T08:13:22.460Z]] <https://zh.wikipedia.org/wiki/%E8%96%9B%E8%81%AA_(%E5%8C%97%E9%AD%8F)>
- [133] [CITE[北 周_漢魏南北朝墓誌彙編 趙超編_[[国学导航]]]], [TIME[2013-12-20T03:34:20.000Z]], [TIME[2021-12-04T08:17:47.984Z]] <http://www.guoxue123.com/new/0002/mzhb/016.htm>
- [136] [CITE[拓本文字データベース]], [TIME[2021-12-04T08:29:46.000Z]] <http://coe21.zinbun.kyoto-u.ac.jp/djvuchar?8449,99E2>
- [139] [CITE@zh[[[田弘]] - 维基百科,自由的百科全书]], [TIME[2021-11-20T08:53:17.000Z]], [TIME[2021-12-04T08:53:26.025Z]] <https://zh.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B0%E5%BC%98>
- [137] [CITE@ja[[[田弘]] - Wikipedia]], [TIME[2021-11-20T03:54:43.000Z]], [TIME[2021-12-04T08:51:36.701Z]] <https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B0%E5%BC%98>
- [140] [CITE[田弘(北魏、西魏、北周名将)_[[百度百科]]]], [TIME[2021-12-04T08:58:03.000Z]] <https://baike.baidu.com/item/%E7%94%B0%E5%BC%98/10997165>
- [145] [CITE[伊娄谦_[[百度百科]]]], [TIME[2021-12-04T09:04:29.000Z]] <https://baike.baidu.com/item/%E4%BC%8A%E5%A8%84%E8%B0%A6/7417188>
- [147] [CITE@zh[侯莫陈顺 - [[维基百科]],自由的百科全书]], [TIME[2021-11-20T03:55:33.000Z]], [TIME[2021-12-04T09:06:28.255Z]] <https://zh.wikipedia.org/wiki/%E4%BE%AF%E8%8E%AB%E9%99%88%E9%A1%BA>
- [149] 
[CITE[李穆(北周、隋朝名臣)_[[百度百科]]]], [TIME[2021-12-04T09:08:45.000Z]] <https://baike.baidu.com/item/%E6%9D%8E%E7%A9%86/15046>
- [151] [CITE[43338dbe_2a00_4ce1_8f5a_abf1f5cbf019.pdf]], [TIME[2019-12-30T05:27:13.000Z]], [TIME[2021-12-04T09:10:22.477Z]] <http://www.ccgp-sichuan.gov.cn/cms/newscontent/contentupload/file/2019-12/43338dbe_2a00_4ce1_8f5a_abf1f5cbf019.pdf#page=9>
- [153] [CITE@zh[韦谌 (平桑郡公) - [[维基百科]],自由的百科全书]], [TIME[2021-11-20T03:56:25.000Z]], [TIME[2021-12-04T09:12:56.882Z]] <https://zh.wikipedia.org/wiki/%E9%9F%A6%E8%B0%8C_(%E5%B9%B3%E6%A1%91%E9%83%A1%E5%85%AC)>

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[327] [CITE[淑徳大学書学文化センター蔵中国石刻拓本目録.pdf - 淑徳大学書学文化センター蔵中国石刻拓本目録.pdf]], [TIME[2021-12-07T07:22:34.000Z]] <https://www.shukutoku.ac.jp/albums/abm.php?d=81&f=abm00000508.pdf&n=%E6%B7%91%E5%BE%B3%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E6%9B%B8%E5%AD%A6%E6%96%87%E5%8C%96%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E8%94%B5%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E7%9F%B3%E5%88%BB%E6%8B%93%E6%9C%AC%E7%9B%AE%E9%8C%B2.pdf#page=121>

>廢帝元年(552)

>恭帝元年4 月12 日(554) 

>孝閔帝元年(557)

>孝明帝元年12 月20 日(557)

>明帝元年(557)
]FIGCAPTION]

]FIG]

[NOTE[
[328] 
北周の第2代明帝を孝明帝と呼ぶ例は他になく、誤りでしょうか。

[330] 
[[日本]]の[[平成時代]]の論文で1箇所そう呼んだ事例がありましたが、
同じ論文の他の箇所では明帝としており、
誤記と思われます。
この論文にある孝明帝のほとんどは北魏の孝明帝を指していました。

- [329] 
[CITE[No9p069-120.pdf]], [TIME[2021-12-07T07:35:20.000Z]] <http://ir.lib.u-ryukyu.ac.jp/bitstream/20.500.12000/14547/1/No9p069-120.pdf#page=10>

]NOTE]


- [400] [CITE@ja[魏末周初無年號 - 『[[廿二史箚記]]』wiki - atwiki(アットウィキ)]], [TIME[2021-06-21T09:17:14.000Z]] <https://w.atwiki.jp/22shisakki/pages/204.html>


[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[401] [CITE@ja[プロジェクト:紀年法/共有ウォッチリスト - [[Wikipedia]]]]
([TIME[2016-02-20 11:22:27 +09:00]] 版)
<https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88:%E7%B4%80%E5%B9%B4%E6%B3%95/%E5%85%B1%E6%9C%89%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%83%E3%83%81%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88>
]FIGCAPTION]

> 西魏※「元欽」「恭帝」在位紀年を置く


> 北周※「閔帝」「明帝」在位紀年を置く

;; [402] 
「※」の出典は[CITE[中国歴史年表]], [[柏楊]]。

]FIG]



]REFS]


-*-*-

[197] 
以上をまとめると、
次のような[[紀年]]が現在まで行われてきました。

- [192] [[西魏]]の第2代の[[即位紀年]]
-- [172] 
魏前 ([ASIS[魏][ノなし]]前) 元年, 2年, 3年:
[TIME[西暦552年][552]]元年 ([TIME[y~1938]])
-- [175] 
魏前元提
-- [181] 
後魏前2年
-- [173] 
前魏元年:
[TIME[西暦552年][552]]元年 ([TIME[y~1935]])
-- [174] 
魏元年, 2年, 3年
-- [176] 
魏廃帝 (魏廢帝, 魏废帝) 元年, 3年: 
[TIME[西暦552年][552]]元年 ([TIME[y~1931]])
-- [178] 
西魏廃帝 (西魏废帝) 元年, 2年, 3年:
[TIME[西暦552年][552]]元年 ([TIME[y~1931]])
-- [187] 
西魏废帝元钦2年:
[TIME[西暦551年][551]]元年
-- [183] 
廃帝 (廢帝) 元年, 2年, 3年:
[TIME[西暦552年][552]]元年 ([TIME[y~1931]])
-- [190] 登位第3年:
[TIME[西暦552年][552]]元年
- [193] 
[[西魏]]の第3代の[[即位紀年]]
-- [168] 
魏後 ([ASIS[魏][ノなし]]後, 魏后, [ASIS[魏][ノなしコ]]後) 元年, 2年, 3年:
[TIME[西暦554年[LINES(smaller)[甲][戌]]][554]]元年 ([TIME[y~1939]]),
[TIME[西暦551年][551]]元年,
[TIME[西暦557年][557]]元年,
甲子 ([TIME[西暦544年][544]], [TIME[西暦604年][604]]) 元年
-- [171] 
後魏 (后魏) 元年, 2年, 3年:
([TIME[y~1937]])
-- [180] 
后2年
-- [177] 
魏恭帝元年, 2年, 3年:
[TIME[西暦554年][554]]元年 ([TIME[y~1932]]),
[TIME[西暦552年][552]]元年
-- [182] 
西魏恭帝 (西魏恭帝の) 元年, 2年, 3年:
[TIME[西暦554年][554]]元年 ([TIME[y~1932]])
-- [179] 
恭帝 (恭帝の) 元年, 2年, 3年:
[TIME[西暦554年][554]]元年 ([TIME[y~1932]])
- [194] 
[[北周]]の国名の紀年
-- [169] 
元年, 2年
-- [166] 
周之元年:
[TIME[西暦557年][557]]元年
-- [170] 
周元年, 2年:
[TIME[西暦557年][557]]元年 ([TIME[y~1936]])
-- [167] 
北周元年, 2年:
[TIME[西暦557年][557]]元年 ([TIME[y~1936]])
- [195] 
[[北周]]の初代の[[即位紀年]]
-- [188] 
孝閔󠄂帝 (孝闵帝) 元年:
[TIME[西暦557年][557]]元年 ([TIME[y~1933]])
-- [385] 
周閔帝元年
-- [185] 
元年
- [196] 
[[北周]]の第2代の[[即位紀年]]
-- [184] 
北周明帝元年, 2年:
[TIME[西暦557年][557]]元年 ([TIME[y~1934]]),
[TIME[西暦558年][558]]元年
-- [412] 
世宗2年
-- [191] 
周明帝宇文毓2年:
[TIME[西暦557年][557]]元年 ([TIME[y~1934]])
-- [189] 
明帝元年, 2年
-- [186] 
2年

[198] 
[[西暦年]]の比定に異説が若干見られますが、
いずれも独立した用例で、
根拠あっての別説というよりは単なる誤記誤解の類でしょうか。
いずれも1年のずれか、
隣接する紀年との混同で説明がつくものです。
広範囲での利用が確認されない限りは
([CITE[Wikipedia]] の記述に含まれるものなどは要注意でしょう)、
特に気にする必要もないと思われます。

[199] 
[[元号名]]のバリエーションが多くみえますが、
国名によるか人名によるかの違いと、
国名の表記揺れ、人名の表記揺れでほぼ説明できます。


-*-*-

[202] 
[[元号]]がなかったこの時期、
どのような[[紀年法]]が使われていたのか、
十分な根拠を示して説明したものは見当たりません。

[368] 
[CITE[資治通鑑]]や[CITE[維基百科]]は[[元年を称した][称元]]と書いていますが、
それ以上の根拠は示されておらず、
具体的にどう書いていたのかも明らかではありません。
[CITE[ウィキペディア]]は後世の史書では云々としており、
当時どうだったのか何も言っていません。


[203] 
まず考えられるのは[[干支年]]ですが、
[[干支年]]は[[元号]]があっても併用されるものですから、
特にこの時期に用例が突出しているなどの事情が無い限り、
肯定も否定もし難いです。
(c.f. >>218)

[204] 
他の勢力の[[元号]]を奉じたとも考えられますが、
[[西魏]]や[[北周]]の領域でそれが特に多く出現するという報告もなく、
史書等にそれを窺わせる記録もありません。

[205] 
傀儡の皇帝達が[[元号]]を建てずとも、
事実上の君主である[[宇文氏]]が[[西魏]]時代から既に[[元号]]を建てていたとも考えられますが、
その記録がまったく現存しないのは不思議です。
さほど時代が下っていない[[北周]]の[[金石文]]や
[CITE[周書]]
がそれを隠したとも考えにくいでしょう。

[206] 
実は[[元号]]があったものの、
皇帝が廃されたときに[[元号]]が廃されたことも、
他の王朝ではあったことです。
しかし、その場合も記録を完全に消し去るのは難しいでしょう。

[207] 
[CITE[周書]]によると、
[[北周]]の第2代の[[明帝]]は[[天王]]でしたが、
[[皇帝]]に[[即位]]すると共に、
[[武成]]と[[元号]]を建てました。
これを信じるなら、
君主を廃したために[[元号]]も廃されたとは考えにくいですし
([[明帝]]の第3年までの[[元号]]を消す理由がない)、
むしろ[[皇帝]]ではなかったので[[元号]]を建て(させ)なかったと解釈できます。


[208] 
完全に同時代の記録として信頼できるものが少ないのが難点ですが、
直後の[[北周]]時代の[[金石文]]等に多い、
[[即位紀年]]が当時も既に使われていたと解するのが最も自然でしょう。

[209] 
[[即位紀年]]には、
魏前、魏後、周と[[王朝]]名に基づく系統と、
廃帝、恭帝、孝閔󠄂帝、明帝と[[君主]]名に基づく系統があります。
前者は[[北周]]から[[唐]]の初期に多く見られ、
後者は[[唐]]の初期に編纂された[CITE[周書]]以後に多く使われました。
現在では辞典や論文で後者が主流になっていますが、
引用元の系統によるのか前者も細々と現在まで続いています。

[210] 
孝閔󠄂帝と明帝の元年は同年で、
[[周]]の建国年でもありました。
孝閔󠄂帝は実質的に[[廃帝]]でした。
当時「元年」ないし「周元年」と書いていたなら、
どちらか区別できなかったでしょうし、
する必要もなかったとも考えられます。

[211] 
[[北周]]の[[金石文]]には「周元年」とするものが多く、
当時からそう表記されていた可能性は高いでしょう。
より時代が早いもので
「周之元年」 (>>134)
としたものや、信憑性に疑問が呈されているものの
「元年」 (>>113)
としたものがあるので、
建国当初はまだ表記が定まっていなかったとも思われます。


[200] 
それに先立つ[[西魏]]の紀年の古いものに、
「魏前」「魏後」と「前魏」「後魏」の2系統あります。
どちらが原型かはっきりしませんが、
いずれにしても
「前」「後」
と言えるようになるのは[[北周]]の建国後、
強いていえば西魏の3代目の時代に入ってからのことです。
西魏の2代目の時代にその時代を「前魏」「魏前」
と言っていた可能性はないといって良いでしょう。

[212] 
信憑性に疑問が呈されているものの、
北周2年に「魏後」と書いた史料があり (>>113)、
信頼してよいとすれば[[北周]]の建国早々にすでに前後の呼び名が成立していたことになります。


[369] 
「大魏元年」
系の史料 (>>364)
を基に議論した (そしてそれを[[西魏]]時代に比定した) 人々は、
それが当時の紀年だったと考えました。
[[中華民国]]の[[馬衡]]は、
[CITE[周礼]]に倣い[[元号]]を廃止し、
[[元年と称した][称元]]としました
(>>364)。
その根拠は明言されませんでしたが、
[[周]]化が[[宇文氏]]の政策であって、
例えば国号を[[周]] ([[北周]]) としたこともその一環と理解されています。


-*-*-

[391] 
[[紀年]]ではありませんが、
[CITE[北斉書]]
に[[時代]]の表記
「魏前廢帝初」
とありました。
[SRC[>>390]]
[CITE[北斉書]]が書かれた頃、
[[西魏]]の2人目の[[皇帝]]を
「魏の前の廃帝」
と呼ぶことがあったことが知られます。

[394] 
[CITE[北斉書]]
の他の箇所に[[皇帝]]を指して
「魏前廢帝」
[SRC[>>392]]
「魏後廢帝」
[SRC[>>393]]
とありました。
同じ箇所が本によって「前」と「後」で入れ替わってしまった例ですが、
いずれにしても[[西魏]]の[[皇帝]]が
「前の廃帝」
「後の廃帝」
と呼ばれていた例といえます。



[REFS[
- [390] [CITE@zh[[[北齊書]]/卷20 - 维基文库,自由的图书馆]], [TIME[2021-12-01T08:51:18.000Z]], [TIME[2021-12-15T08:55:50.411Z]] <https://zh.wikisource.org/wiki/%E5%8C%97%E9%BD%8A%E6%9B%B8/%E5%8D%B720>
- [392] [CITE@zh[[[北齊書]]/卷23 - 维基文库,自由的图书馆]], [TIME[2021-12-01T08:51:19.000Z]], [TIME[2021-12-15T08:58:26.286Z]] <https://zh.wikisource.org/wiki/%E5%8C%97%E9%BD%8A%E6%9B%B8/%E5%8D%B723>
- [393] [CITE@zh[[[北齊書]] (四庫全書本)/卷23 - 维基文库,自由的图书馆]], [TIME[2021-12-14T03:07:28.000Z]], [TIME[2021-12-15T08:58:39.890Z]] <https://zh.wikisource.org/wiki/%E5%8C%97%E9%BD%8A%E6%9B%B8_(%E5%9B%9B%E5%BA%AB%E5%85%A8%E6%9B%B8%E6%9C%AC)/%E5%8D%B723>

]REFS]

-*-*-

[364] 
この他に「大魏元年」など国名の魏だけを書いたものがいくつか存在します。

[365] 
それらが[[西魏]]と[[北周]]初期の[[元号]]のない時代のものと仮定して分類すると、
次の通り少なくても3系統があることがわかります。

- [370] 西魏廃帝 [TIME[西暦552年[LINES(smaller)[壬][申]]][552]] [TIME[y~1931]]
-- >>354 大魏国元年歳次壬申
- [371] 西魏恭帝 [TIME[西暦554年[LINES(smaller)[甲][戌]]][554]] [TIME[y~1932]]
-- >>320 大魏元年歳次甲戌
-- >>358 三年丙子
- [372] 北周 [TIME[西暦557年[LINES(smaller)[丁][丑]]][557]] [TIME[y~1940]]
-- >>249 大魏元年歳次丁丑
-- >>216 己卯
- >>318 大魏元年
- >>221 元魏二年
- >>219 大魏二年
- >>346 大魏三年
- >>344 大魏二年歳次甲子: 大魏武定2年[LINES(smaller)[甲][子]]の誤り
-- >>61 魏後元年甲子とは偶然の一致か
- >>291 元魏二年: 元魏永平2年の誤りか
- >>228 大代大魏四年, 五年: 大代大魏大統4(538)年, 5(539)年の誤り




[366] 
これらの紀年についての従来の研究は、
特定の史料の性質を明らかにすることが主たる目的で、
特定の用例のみ、ないし他の少数の用例だけを援用して結論を導いたものでした。
その後現在までにこれだけ多くの用例が発見されていますから、
各史料の信憑性も含め、
魏前・魏後等の系統と合わせて総合的に再検討する必要がありそうです。

[367] 
なお、
「大魏元年」
の類は[[三国志]]関係の創作物に用例が多くみられます。
[SEE[ [[魏の元号]] ]]
また、
[[戦国時代]]の[[魏]]の[[即位紀年]]の意味で
「魏元年」
の類を使うことがあります。
[SEE[ [[東洋の即位紀年]] ]]



** 四面像

[247] 
[[西魏]]・[[北周]]の時代の[[張始孫造四面像]]と呼ばれるものがありました。

[249] 
[[京都大学]]の拓本データベースに
[CITE[張始孫造四面像]]
があって、
「大魏元年(557)」
のものとされました。
[SRC[>>248]]
それ以上の詳細は不明。
[[Webサイト]]に写真が掲載されていますが、
文字らしきものが見えますがサイズ的に判読不能です。

[251] 
21世紀に刊行された[[中文]]の書籍
[CITE[西魏張始孫造四面像]]
の商品説明によれば、
「557年造」
でした。
収録されたのは、
[[中華民国]]時代の[RUBYB[[[張祖翼]]][[TIME[1894]]-[TIME[1917]]]]が
「癸丑、丁卯」
に紀年の検討等を書き込んだ拓本といいます。
[SRC[>>250, >>263]]

[261] 
癸丑年は[TIME[西暦1913年][1913]]でしょうか。
丁卯年は[TIME[西暦1867年][1867]]ないし[TIME[西暦1927年][1927]]で合いません。
乙卯年 = [TIME[西暦1915年][1915]]か丁巳年 = [TIME[西暦1917年][1917]]とするべきか、
あるいは後人によるものでしょうか。

[262] 
書籍内には[TIME[西暦557年][557]]とした理由も書かれているのでしょうが、
[[Web]]上で確認できる紹介文にはそれは示されていません。


[256] 
[[清]]の後期の[[陸増祥]]による
[CITE[八瓊室金石補正]]
に、
[CITE[[V[張始孫造󠄄四面像記]]]]
が収録されました。
[SRC[>>252]]

[257] 
[CITE[八瓊室金石補正]]
の
[CSECTION[[V[張始孫造󠄄四面像記]]]]
によると、
「大魏元年歳」歳次丁丑二月」庚午朔十」二日造」
とありました。
[SRC[[[刊本]]の[[異体字]]は >>253 参照]]

[264] 
[CITE[八琼室金石补正]]
所収
[CITE[张始孙造四面像记]]
から
「大魏元年岁次丁丑二月庚午朔十二日造。」
と引いた論文もありました。
[SRC[>>242]]
どちらがより正確なのか不明です。



[258] 
[CITE[八瓊室金石補正]]
の
[CSECTION[[V[張始孫造󠄄四面像記]]]]
所収、
[CITE[张始孙造四面像记]]
所蔵者である
[SRC[>>242]]
[[蒋清翊]]の跋文
[SRC[>>254]]
は、
丁丑年は北周の明帝元年で魏の恭帝の4年に相当し、
当時[[元号]]がなかったため皇帝の交代で改元したものの、
遠方まで[[禅譲]]の旨が伝わらなかったものと考えました。
[SRC[>>253]]
また2月朔日が[CITE[北史]]と一致しないのは[CITE[北史]]の誤りとしました。
[SRC[>>254]]

[259] 
[CITE[八瓊室金石補正]]
の
[CSECTION[[V[張始孫造󠄄四面像記]]]]
の注釈とみられる部分は、
[[元号]]が書かれていないのは周の明帝元年であり、
「敬臣」
が魏恭帝四年としたものだと書きました。
[SRC[>>254]]

[260] 
いずれにせよ丁丑年であることより
「大魏元年」
は[TIME[西暦557年][557]]となります
([TIME[y~1940]])。
この丁丑年であると断じた理由は定かではありません。

[265] 
ある論文は、
[TIME[北魏太延3(437)年][437]],
[TIME[北魏太和21(497)年][497]]とすると[CITE[魏書]]と[[日干支]]が一致せず、
[TIME[西暦557年][557]]とすると[CITE[周書]]と[[日干支]]が一致することから、
それが正しいとしました。
[[北周]]の時代であるにも関わらず
「大魏」
としたのは、
未だ政情不安が続く中、
[[改元]]の知らせもなく、
君主が[[皇帝]]ではなく[[天王]]する異例な状況で、
旧慣のままの紀年としたものだと説明しました。
[SRC[>>242]]

[332] 
[[中華人民共和国]]の[[國家圖書館]]には、
[[中華民国]]時代の研究者[[邵章]]の拓本が収蔵されていました。
[[邵章]]の
[CITE[張始孫造像記跋]]
によれば、
[[蔣伯斧]]が20世紀初め頃に作成したものでした。
[SRC[>>331]]

[333] 
[CITE[張始孫造像記跋]]
によると、
「大魏元年」
に造られた像は2つあり、
1つは[[鞏伏龍像]] (>>354) で歲次壬申ゆえ西魏慶帝元年、
もう1つは始孫像で歲次丁丑ゆえ北周明帝元年のものでした。
[SRC[>>331]]

;; [336] 
壬申年は西魏廃帝元年。
西魏の2代目を「慶帝」と書いた例は他に
「廢帝」
を[[OCR]]が誤読したものがわずか数個あるだけ。
[CITE[張始孫造像記跋]]
原文にこうあるのか、
紹介した論文の誤記か不明。

[334] 
この
[CITE[張始孫造像記跋]]
を紹介した論文は、
像が作られたのは
「北周閔帝元年(557) 二月十二日」
としました。
[SRC[>>331]]

;;
[335] 
北周の初代皇帝を「閔帝」と書いた例は他にわずかに数個あるだけで、
誤記か異称か不明。







[REFS[
- [248] [CITE[nan0534x.html]], [TIME[2003-10-11T14:23:22.000Z]], [TIME[2021-12-05T09:54:57.651Z]] <http://kanji.zinbun.kyoto-u.ac.jp/db-machine/imgsrv/takuhon/type_b/html/nan0534x.html>
- [252] 
[CITE@zh-TW[八瓊室金石補正十 第52頁 (圖書館) - [[中國哲學書電子化計劃]]]], [[Donald Sturgeon]], [TIME[2020-12-01T08:24:34.000Z]], [TIME[2021-12-05T10:09:01.507Z]] <https://ctext.org/library.pl?if=gb&file=28468&page=52>
-- [253] 
[CITE@zh-TW[八瓊室金石補正十 第53頁 (圖書館) - [[中國哲學書電子化計劃]]]], [[Donald Sturgeon]], [TIME[2020-12-01T08:24:34.000Z]], [TIME[2021-12-05T10:09:15.909Z]] <https://ctext.org/library.pl?if=gb&file=28468&page=53>
-- [254] 
[CITE@zh-TW[八瓊室金石補正十 第54頁 (圖書館) - [[中國哲學書電子化計劃]]]], [[Donald Sturgeon]], [TIME[2020-12-01T08:24:34.000Z]], [TIME[2021-12-05T10:09:26.063Z]] <https://ctext.org/library.pl?if=gb&file=28468&page=54>
-- [255] 
[CITE@zh-TW[八瓊室金石補正十 第55頁 (圖書館) - [[中國哲學書電子化計劃]]]], [[Donald Sturgeon]], [TIME[2020-12-01T08:24:34.000Z]], [TIME[2021-12-05T10:09:37.456Z]] <https://ctext.org/library.pl?if=gb&file=28468&page=55>

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[331] 
[CITE[邵章碑帖題跋輯錄]],
[[冀亞平]], [TIME[2011-12-13T01:33:38.000Z]], [TIME[2021-12-07T07:45:57.028Z]] <http://www.nlc.cn/newhxjy/wjsy/yj/gjyj/201112/P020111213331025825165.pdf#page=1>
]FIGCAPTION]

>
[LEFTBOX[

[BOX(set)[
[BOX(left)[
[B[3.張始孫造像記跋]]
]BOX]

[BOX(right)[
[B[裱軸 166]]
]BOX]
]BOX]

>
友人蔣伯斧(蔣 黼之字)拓 詒魏張始孫 造像,篋衍 庋 置十餘年矣,庚 申(1 9 2 0 )歲暮時 裝,伯斧[BR[]]
之墓蓋宿草 十易寒暑, 臨 題泫然久 之 。萬松蘭 亭主人 章。造 像稱大魏 元年者有 二 ,一鞏伏 龍造像 ,一[BR[]]
張始孫造像 。伏龍像 歲次壬申 ,西魏慶 帝元年也 。始 孫像歲次丁 丑,北周 明帝元年 ,時皆宇 文柄政 ,[BR[]]
不違年號凡 八年。 

北周閔帝元 年(557) 二月十二 日造。正 書。江 蘇吳 縣蔣氏舊藏 石。

[SNIP[]]
]LEFTBOX]

]FIG]


-
[250] 
[CITE@zh-tw[[[博客來]]-西魏張始孫造四面像(前·繁體版)]], [TIME[2021-12-05T10:35:57.000Z]] <https://www.books.com.tw/products/CN10118131>
--
[263] 
[CITE@zh-tw[[[博客來]]-西魏張始孫造四面像(後·繁體版)]], [TIME[2021-12-05T10:36:23.000Z]] <https://www.books.com.tw/products/CN10118132>

]REFS]

-*-*-

[318] 
[[東文研アーカイブデータベース]]として[[Web]]公開されている
[CITE[ガラス乾板データベース]]
に、
[TIME[1931-08-22]]に撮影された
[CITE[大魏元年銘_四面仏像]]
が収録されました。
[SRC[>>313]]


[319] 
公開されている画像は小さすぎて銘文は判読不能です。
[CITE[西魏張始孫造四面像]]
とは別の像に見えます。

[326] 
撮影された実物は[TIME[平成31(2019)年][2019]]時点で[[日本国]][[福岡県]][[福岡市]]の[[福岡市美術館]]の[[松永コレクション]]に所蔵されていました。
[CITE[[L[四面碑像]]]]
と呼ばれ、
「[L[西魏時代[BR[]]大魏元年(557)]]」
のものと説明されました。
[SRC[>>325]]
([TIME[y~1940]])
推定の根拠は不明です。



[REFS[
- [313] 
[CITE@ja[00197_大魏元年銘_四面仏像 :: [[東文研アーカイブデータベース]]]], [TIME[2021-12-07T06:43:58.000Z]] <https://www.tobunken.go.jp/materials/glass/21063.html>
--
[314] 
[CITE@ja[00198_大魏元年銘_四面仏像_背面 :: [[東文研アーカイブデータベース]]]], [TIME[2021-12-07T06:44:28.000Z]] <https://www.tobunken.go.jp/materials/glass/21064.html>
--
[315] 
[CITE@ja[00199_大魏元年銘_四面仏像_側面 :: [[東文研アーカイブデータベース]]]], [TIME[2021-12-07T06:44:43.000Z]] <https://www.tobunken.go.jp/materials/glass/21065.html>
--
[316] 
[CITE@ja[00200_大魏元年銘_四面仏像_側面 :: [[東文研アーカイブデータベース]]]], [TIME[2021-12-07T06:44:55.000Z]] <https://www.tobunken.go.jp/materials/glass/21066.html>
--
[317] 
[CITE@ja[00534_大魏元年銘_四面仏像_斜側面 :: [[東文研アーカイブデータベース]]]], [TIME[2021-12-07T06:45:07.000Z]] <https://www.tobunken.go.jp/materials/glass/21402.html>
-
[325] 
[CITE[grandreopeningexhibition-list-ja.pdf]], [TIME[2019-03-23T09:41:18.000Z]], [TIME[2021-12-07T07:01:50.852Z]] <https://www.fukuoka-art-museum.jp/uploads/2018/11/grandreopeningexhibition-list-ja.pdf#page=3>




]REFS]

** 薛山俱等造像碑

[320] 
米国[[ボストン美術館]]所蔵
[CITE[薛山俱等造像碑]]
に、
「唯大魏元年岁次甲戌四月丁亥朔十二日庚辰」
とあり、
「西魏恭帝元年(554年)」 [SRC[>>321]]
「西魏恭帝元年(554)」 [SRC[>>323]]
「恭帝元年」 [SRC[>>324]]
のものとされました。
[SRC[>>321]]
([TIME[y~1932]])

[322] 
推定の根拠は不明ですが、この時期で甲戌年はたしかに[TIME[西暦554年][554]]で、
ちょうど恭帝の元年に当たります。

[363] 
[[日干支]]が合わないとする論文がありました
[SRC[>>362]]。


[REFS[
-
[324] 
[CITE[II 在家教團的問題 - an390312.pdf]], [TIME[2013-07-19T06:32:33.000Z]], [TIME[2021-12-07T07:00:21.375Z]] <http://buddhism.lib.ntu.edu.tw/FULLTEXT/JR-AN/an390312.pdf#page=28>
-
[323] 
[CITE[u5b164d7fbe6ff.pdf]], [TIME[2018-07-21T21:40:47.000Z]], [TIME[2021-12-07T06:56:52.029Z]] <https://www.dpm.org.cn/Uploads/File/2018/06/05/u5b164d7fbe6ff.pdf#page=11>
- 
[321] 
[CITE@zh-Hans[[[薛山俱等造像碑]](右) - 历代雕塑 - 谋略学]], 
2021-05-08,
[TIME[2021-12-07T06:51:41.000Z]] <https://www.mouluexue.com/lidaidiaosu/20210540876.html>
-
[362] 
[CITE[Microsoft Word - Corrections?Paul-check - 72337-267031-3-PB.pdf]], [TIME[2021-12-07T08:59:36.000Z]], [TIME[2021-12-07T11:59:15.942Z]] 
<http://www.ccsenet.org/journal/index.php/ach/article/download/72337/39588>
PDF 16頁

]REFS]



-*-*-


[354] 
[CITE[鞏伏竜造像碑]]
([CITE[巩伏龙造像碑]])
は、
「西魏废帝元年(552年)」
に作られたものとされます。
[SRC[>>352, >>353, >>350]]
([TIME[y~1931]])

[355] 
[[清]]の時代に作られたという拓本が、
[[中華民国]]の時代の研究者[[馬衡]]の跋文が付され、
後に[[中華人民共和国]]の[[故宮博物院]]の所蔵となりました。
[SRC[>>352, >>350]]

[356] 
拓本によると碑文に
「大魏国元年岁次壬申六月丁酉朔十一日丁未」
とありました。
[SRC[[[異体字]]は >>353 参照]]

[357] 
[[馬衡]]は、
西魏廃帝が[CITE[周礼]]に倣い[[元号]]を廃止したのがちょうど壬申年に当たるとしました。
[SRC[>>352, >>353]]
また、[[日干支]]が一致することも根拠としました。
[SRC[>>353]]


[361] 
「大魏国」
と他に例のない「国」がついた点が注目されます。



[REFS[
-
[352] 
[CITE[清拓西魏巩伏龙造像碑 - [[故宫博物院]]]], [[金运昌]], 
[TIME[2021-12-07T11:33:26.000Z]] <https://www.dpm.org.cn/collection/impres/230321.html>
--
[353] 
[TIME[2019-09-23T01:48:06.000Z]], [TIME[2021-12-07T11:33:39.428Z]] <https://en.dpm.org.cn/dyx.html?path=/tilegenerator/dest/files/image/8831/2009/2161/img0007.xml>
- [351] 
[CITE[鞏伏龍造像記_[[百度百科]]]], [TIME[2021-12-07T11:33:16.000Z]] <https://baike.baidu.hk/item/%E9%9E%8F%E4%BC%8F%E9%BE%8D%E9%80%A0%E5%83%8F%E8%A8%98/14446118>
- [350] [CITE[鞏伏龍造像碑清拓本_[[百度百科]]]], [TIME[2021-12-07T11:33:04.000Z]] <https://baike.baidu.hk/item/%E9%9E%8F%E4%BC%8F%E9%BE%8D%E9%80%A0%E5%83%8F%E7%A2%91%E6%B8%85%E6%8B%93%E6%9C%AC>
]REFS]

-*-*-

[358] 
[[中華民国]]時代の[[馬衡]]は、
[CITE[鞏伏竜造像碑]] (>>354)
についての説明で、
他に[[西魏]]時代のものとして
[CITE[秦徒卌人造四面像]]
がある (それくらいしかない) と紹介しました。
[SRC[>>353]]

[359] 
[[馬衡]]は、
「三年丙子」
とあるのは西魏恭帝3年に当たるとしました。
「北魏道武帝天赐三年」
とする者が多いが誤りであるとしました。
[SRC[>>353]]

[360] 
北魏天賜3年は[TIME[西暦406年][406]]でした
([TIME[y~251]])。
その説の根拠は不明ですが、
[[北魏]]の丙子年で3年のものを選んだのでしょう。




** 法門寺碑文

[213] 
[[中華人民共和国]]の[[法門寺]]は、
[[唐土]]への[[仏教伝来]]・布教の歴史上重要な寺院です。

-*-*-

[216] 
[[法門寺]]に、
「己卯三月己丑朔十七日乙巳仏弟子淳于舍□」
と書かれた残碑がありました。
[SRC[>>215]]

[217] 
該当し得る年のうち、
[TIME[北魏太延5(439)年][439]]、
[TIME[北魏太和23(499)年][499]]は[[日干支]]が合いません。
'''[TIME[北周武成元(559)年][559]]'''なら[[日干支]]も合います。
[SRC[>>235, >>215, >>242]]
(その後の[[唐]]の時代まで含めても、一致する年はありません。 [SRC[>>242]])
[[法門寺]]現存最古の紀年碑とされます。
[SRC[>>215]]

[218] 
[CITE[周書]]によれば[[武成]]に[[改元]]されたのは8月でした
[SRC[>>163]]。
それ以前は[[元号]]がありませんでした。
つまり3月は未だ[[元号]]のない時期 (北周明帝3年) でした。
ここで[[干支年]]が使われていたのは興味深い (>>203) ものです。

[240] 
以前は[[北魏]]の時代のうち、版図から[TIME[北魏太和23(499)年][499]]とする説もありました。
[SRC[>>235]]

-*-*-

[219] 
[[法門寺]]に現存する[TIME[唐大历13(778)年][778]]の
[CITE[大唐圣朝无忧王寺大圣真身宝塔碑铭并序]]
([CITE[大唐圣朝无忧王寺宝塔碑铭并序]],
[CITE[无忧王寺碑]],
[CITE[碑铭序]],
[CITE[大历碑]])
に、
「大魏二年,岐州牧,小冢宰拓跋育以为:事出于古,名同于今。」
とありました。
[SRC[>>215]]

[221] 
[[法門寺]]で出土した[TIME[唐咸通15(874)年][874]]の
[CITE[大唐咸通启送岐阳真身志文]]
[SRC[>>275]]
碑
([CITE[志文碑]],
[CITE[咸通碑]])
に、
「元魏二年,岐守拓跋育初启塔基,肇申供养。」
とありました。
[SRC[>>215]]

[220] 
両碑文の内容から、
「大魏二年」
と
「元魏二年」
は同じ年と考えられます。
[SRC[>>215, >>235]]

[222] 
碑文の内容や地理から、
「魏」
とは[[北魏]]ないし[[西魏]]を意味すると考えられます。
[SRC[>>242]]
「大魏」
は他の[[王朝]]名にもあるように「魏」に尊称「大」を付けたものと解するのが自然です。

[223] 
「元」は[[写本]]なら「大」の誤写を疑ってみるところでしょうが、
近年出土した[[金石文]]だとすると、
誤記とも、改竄とも考えにくいでしょう。
本碑は複数の研究者の注目を集めていますから、
実見した人も多いと思われ、
誤読の可能性も低いでしょう。
何らかの誤りだとしても、
碑文の成立時点で既に定着していたと考えられます。

[224] 
[[北魏]]・[[西魏]]の王家は[[拓跋氏]]でしたが、
[[西魏]]当時は漢風の[[元]]姓を称していました。
従って
「元魏」
は元氏の魏とも解せます。誤記とするよりも意図的にこう書いたとも考えられます。
ただし当時の[[金石文]]で国名をこのように表記した例があるのかは不明です。

[225] 
碑文にある[[拓跋育]]の経歴などから、
「大魏二年」
「元魏二年」
は[TIME[西魏恭帝2(555)年][555]]を意味すると考えられました。
[SRC[>>235, >>215, >>308]]
[[元年]]は'''[TIME[西暦554年][554]]'''となります。
([TIME[y~1932]])
己卯年碑 (>>216) とも整合します。

[243] 
ただしこの説は[CITE[周書]]の記録する官職と矛盾するという問題があります。
[SRC[>>242]]


[267] 
[CITE[張始孫造四面像]]
の[[干支年]]つき
「大魏元年」
(>>247)
と同じと見て、
元年は'''[TIME[西暦557年][557]]'''、
2年は[TIME[西暦558年][558]]とする説もありました。
[SRC[>>242]]
([TIME[y~1940]])

[274] 
[TIME[公元2011年][2011]]付の[[法门寺]]公式サイトの沿革に
「公元558年」
に云々とあるのは、
この説に基づくと推測されます。
[SRC[>>273]]



[268] 
この説は[[北周]]の時代を「大魏」と書いている点に深刻な問題があります。
しかし[[干支年]]から[[年]]を特定できる実例があることは大きな魅力です。
ただしその「大魏元年」とこの
「大魏二年」「元魏二年」
を結びつける根拠が弱いようにも思われます。

[269] 
ところで
「己卯三月己丑朔十七日乙巳」残碑 (>>216)
はその[[形式][東洋の日時表示]]が
「大魏元年」
碑文とよく似ています。
[TIME[西暦559年][559]]と考えられており、
実は先頭に
「大魏三年」
と書かれていた可能性があります。
そうだとすると、
これらの碑文と前後の一連の史実が整合的に説明できます。
[SRC[>>242]]

[270] 
確かに
「己卯歳」
などではなく
「己卯」
とだけ書かれた紀年はこの時代珍しいと思われますが、
「大魏三年己卯」
なら一般的な形式です。
複数の碑文が1つにつながる魅力的な説ですが、
「大周三年己卯」
など他の紀年を排除する根拠に乏しいのが難点です。
しかも、
他に同じような形式で
「大魏元年甲戌」
と書かれた[[金石文]]があり
(>>320)、
そちらに従えば別の結論を導けます。




[226] 
他に、
[TIME[北魏建明2年/普泰元年(西暦531年)][531]]の皇帝即位・改元詔書に
「以魏為大魏」
とあることを根拠に、
'''[TIME[西暦531年][531]]'''が大魏元年、
[TIME[西暦532年][532]]が大魏2年とする説がありました。
[SRC[>>215, >>235]]
([TIME[y~1943]])

[227] 
しかし
「大魏」
はこれ以前から用例があってこの年に国名が変更されたとは言えないこと
[SRC[>>215]]、
[[普泰]]の[[元号]]があるのに使わないのは不審なこと
[SRC[>>215, >>242]]、
その他事実関係が合致しないことなど
[SRC[>>215, >>235]]
から、
否定されました。
[SRC[>>215, >>235]]

[230] 
その否定説 [SRC[>>215]]
を引用しながら、なぜか
「大魏二年(532)」
とした論文もありました。
その根拠は明言せず、
ただ時の皇帝[[元恭]]の詩を引用しており、
その一節に
「颠覆立可待,一年三易换。」
とあるのと関係するのか、
「大魏二年、元魏二年即普泰二年(532)」
が云々とまとめていました。
[SRC[>>229]]

[233] 
咸通碑に
「元魏二年」
とあるを引いて
「元魏二年即公元532年」
と説明し、また別の箇所で
「大魏二年(558)拓跋育」云々と説明した論文もありました。
[SRC[>>232]]
それらの根拠は不明です。
別々の資料に由来するのでしょうか。
後者によれば[[元年]]は[TIME[西暦557年][557]]です
([TIME[y~1940]])。


[237] 
[[北魏]]の建国の'''[TIME[西暦386年][386]]'''から数えた[TIME[北魏登国2(387)年][387]]説もありました
([TIME[y~1942]])。
しかし当時の[[北魏]]の版図から、
非現実的と考えられました。
[SRC[>>235, >>242]]

[238] 
[[北魏]]の[[孝文帝]]の[TIME[延兴2(472)年][472]]説もありました
[SRC[>>309]]。
[[孝文帝]]は[[拓跋]]から[[元]]への改姓など漢化政策を採ったので、
「元魏」
の始まりとみなすことができ、
その即位の'''[TIME[西暦471年][471]]'''から数えたと解したものかと考えられます
([TIME[y~1945]])。
しかし実際の改姓は[TIME[北魏太和20(496)年][496]]でした。
[SRC[>>235]]
記載内容の整合性にも問題がありました。
[SRC[>>242]]


[239] 
[TIME[北魏太和21(497)年][497]]説は、
その改姓の'''[TIME[西暦496年][496]]'''から数えたものでした
([TIME[y~1941]])。
しかしその時期に[[改元]]されたとする根拠に乏しいものでした。
改姓後にも関わらず「拓跋」と書かれていることにも問題があります。
[SRC[>>235]]
(建碑は[[唐]]で再改姓後だからと説明することもできますが。)

[276] 
[TIME[西暦551年][551]]を[[元年]]、
よって[TIME[西暦552年][552]]が大魏2年とする説もあっても良さそうなものですが、
見当たりません。
他の記録と整合しないためでしょうか。



[272] 
21世紀に[[中華人民共和国]]の陕西省图书馆 [[Webサイト]]に掲載された解説には、
「[SNIP[]]北魏(史料载为“元魏二年”或“大魏二年”,恐有误,因北魏时无此年号)[SNIP[]]」
「[SNIP[]]南北朝元魏(大魏)二年,[SNIP[]]」
とあり、
[[公元]]年を示さず誤りかとしていました。
[SRC[>>271]]



[277] 
歴史や観光の案内の関係の [[Webサイト]]で、
[[法門寺]]を解説したものは無数に見つけられます。
それらの多くの解説文は似通っており、
寺か公的機関の案内文をベースに[[コピペ]]で流布されたものと推察されます。
「元魏二年」
に関しては2系統の説があり、
どちらも多数の[[Web頁]]が存在します。

[279] 
1つは、
「元魏二年(555)」
「西魏恭帝元魏二年(公元555年)」
のように書いて[TIME[西暦554年][554]]を[[元年]]とするものです。
[SRC[例えば >>292, >>280, >>281, >>284]]
([TIME[y~1932]])

[283] 
もう1つは、
「元魏二年(494年)」
「元魏二年(公元494年)」
のように書いて'''[TIME[西暦493年][493]]'''を[[元年]]とするものです。
[SRC[例えば >>288, >>278, >>286, >>285, >>287]]
([TIME[y~1944]])

[373] 
その根拠は不明です。
現在確認できる最古の用例は、
[TIME[公元2003年8月][2003-08]]発行の書籍の紹介文です
[SRC[>>288]]。


[312] 
[[中文]]版[CITE[维基百科]]は、
「元魏二年(494年)」
の建立と説明してきましたが、
[TIME[公元2018年][2018]]の改訂以来、
「西魏恭帝二年(555年)」
の建立となりました。
[SRC[>>311]]
いずれもその出典や変更の理由は明らかではありません。













[REFS[
-
[275] 
[CITE[历史沿革_[[法门寺]]]], [TIME[2021-12-05T12:51:30.000Z]] <http://www.famensi.com/about_content.asp?id=173&title=%A1%B6%B4%F3%CC%C6%CF%CC%CD%A8%C6%F4%CB%CD%E1%AA%D1%F4%D5%E6%C9%ED%D6%BE%CE%C4%A1%B7&classname=%C0%FA%CA%B7%D1%D8%B8%EF>
-
[234] 
[CITE[研究文献相关文章题目--研究文献--陕西汉传佛教祖庭艺术与文化--《[[陝西]]佛教祖庭文化资源宝库》]], [TIME[2019-07-12T04:05:55.000Z]], [TIME[2021-12-05T06:46:30.658Z]] <http://www.sxlib.org.cn/dfzy/sxfjwhzybk/fjsdyyfms/yjwx_5255/201701/t20170122_623643.html>
--
[235] 
[CITE[唐代法门寺成立考]],
[[气贺泽保规]]
-
[308] 
[CITE[[[法门寺]]的起源与拓跋育——从法门寺北周碑文来分析_爱学术]], 
[[气贺泽保规]],
[[王维坤]]訳,
[TIME[2021-12-06T12:10:44.000Z]] <https://www.ixueshu.com/document/c7cff2213dbc94b208ac5a6590c4bf37318947a18e7f9386.html>
- 
[241] 
[CITE[研究文献相关文章题目--研究文献--陕西汉传佛教祖庭艺术与文化--《[[陝西]]佛教祖庭文化资源宝库》]], [TIME[2019-07-12T04:06:04.000Z]], [TIME[2021-12-05T07:54:41.407Z]] <http://www.sxlib.org.cn/dfzy/sxfjwhzybk/fjsdyyfms/yjwx_5255/201701/t20170122_623506.html>
-- [242] 
[CITE[法门寺始建年代及相关问题浅议]],
[[韩金科]],
[[王均显]]
- [214] [CITE[研究文献相关文章题目--研究文献--陕西汉传佛教祖庭艺术与文化--《[[陝西]]佛教祖庭文化资源宝库》]], [TIME[2019-07-12T04:05:55.000Z]], [TIME[2021-12-05T04:57:17.354Z]] <http://www.sxlib.org.cn/dfzy/sxfjwhzybk/fjsdyyfms/yjwx_5255/201701/t20170122_623641.html>
-- [215] 
[CITE[法门寺始建年代考]],
[[李仲操]],
[TIME[公元1992年][1992]]

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[289] [CITE[1992年国际法门寺佛教学术讨论会综述]],
[[王仓西]],
[[李发良]], 
[TIME[2007-02-15T07:57:44.000Z]], [TIME[2021-12-06T09:27:37.913Z]] <https://www.chinabuddhism.com.cn/a/fxyj/1992/199201f45.htm>
]FIGCAPTION]

>  1992年5月10日至13日,由陕西省对外文化交流协会、法门寺文化研究会和法门寺博物馆联合召开的国际法门寺佛教学术讨论会在法门寺博物馆举行。[SNIP[]]
>[SNIP[]]对于元魏(大魏)二年拓跋育首启塔基供养舍利之年代,有学者根据新发现的金石资料,确定为公元558年,较以前有新的进步。
>[SNIP[]]

]FIG]

- [228] 
[CITE[研究文献相关文章题目--研究文献--陕西汉传佛教祖庭艺术与文化--《[[陝西]]佛教祖庭文化资源宝库》]], [TIME[2019-07-12T04:06:14.000Z]], [TIME[2021-12-05T06:02:34.971Z]] <http://www.sxlib.org.cn/dfzy/sxfjwhzybk/fjsdyyfms/yjwx_5255/201701/t20170122_623328.html>
-- [229] 
[CITE[周魏时期法门寺塔的毁与建]],
[[韩金科]]
- [231] 
[CITE[研究文献相关文章题目--研究文献--陕西汉传佛教祖庭艺术与文化--《[[陝西]]佛教祖庭文化资源宝库》]], [TIME[2019-07-12T04:06:12.000Z]], [TIME[2021-12-05T06:09:20.699Z]] <http://www.sxlib.org.cn/dfzy/sxfjwhzybk/fjsdyyfms/yjwx_5255/201701/t20170122_623364.html>
-- 
[232] 
[CITE[元魏二年拓跋育初启塔基]],
[[韩金科]]



[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[236] [CITE[121-140_T20_2003.pdf]], [TIME[2015-02-23T08:27:18.000Z]], [TIME[2021-12-05T07:09:17.260Z]] <http://toutetsu.gakkaisv.org/tgt/T20/121-140_T20_2003.pdf#page=2>
]FIGCAPTION]

>
[VRL[
[SNIP[]]に見える「大魏二年」及び「眞身誌[RUBY[文][([YOKO[12]])]]」に見える「元魏[BR[]]二年」 ([ASIS[「][アキなし]]大魏」も「元魏」も共に年號としては存在しないが、[BR[]]いずれも實質的󠄃な法門寺起󠄃源の年を示すと考えられる) [SNIP[]]
]VRL]

([[氣賀澤保規]]の業績紹介, c.f. >>235)

]FIG]

- [288] [CITE@zh-cmn-Hans[[[法门寺]] (豆瓣)]], [TIME[2021-12-06T09:22:34.000Z]] <https://book.douban.com/subject/1138957/>
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- [310] [CITE@zh[[[法门寺]] - 维基百科,自由的百科全书]], [TIME[2021-12-01T17:15:56.000Z]], [TIME[2021-12-06T12:15:46.939Z]] <https://zh.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%95%E9%97%A8%E5%AF%BA>
-- [311] 
[CITE@zh[“[[法门寺]]”的版本间差异 - 维基百科,自由的百科全书]], 
[[星辰之叹]],
2018年3月21日 (三) 02:10的版本,
[TIME[2021-12-01T17:15:56.000Z]], [TIME[2021-12-06T12:16:03.071Z]] <https://zh.wikipedia.org/w/index.php?title=%E6%B3%95%E9%97%A8%E5%AF%BA&diff=48759603&oldid=48709049>










]REFS]




** 十方千五百佛名經

[346] 
[[中華人民共和国]]の[[山東省博物館]]所蔵[[洪珍]]本
[CITE[十方千五百佛名經]]
の題記に、
「[L[大魏三年五月五日]]」
とありました。
[SRC[>>347]]

[348] 
これを紹介した[TIME[公元2013年][2013]]の[[中華人民共和国]]の論文は、
「[L[西魏恭帝三年(556)]]」
のものとしました
([TIME[y~1932]])。
その根拠は特に論証していませんが、
[[洪珍]]は他にも556年に書写した本があると引いていました。
[SRC[>>347]]


[REFS[
- [347] 
[CITE[(PDF) [[敦煌]]本《[[十方千五百佛名經]]》雜考 | Ling Cao - Academia.edu]], [TIME[2021-12-07T09:42:55.000Z]] <https://www.academia.edu/15639782/%E6%95%A6%E7%85%8C%E6%9C%AC_%E5%8D%81%E6%96%B9%E5%8D%83%E4%BA%94%E7%99%BE%E4%BD%9B%E5%90%8D%E7%B6%93_%E9%9B%9C%E8%80%83>
]REFS]




** 嵩嶽寺

[291] 
[CITE[维基文库]]本[CITE[欽定古今圖書集成]]に、

>
嵩嶽寺,在法王寺西。元魏二年,使馮亮建閒居寺,開 皇改題「嵩嶽寺」,武后貯送鎮國金佛像,詳《李邕碑》。 [SNIP[]]

... とありました。
[SRC[>>290 (出典の[[刊本]]画像あり)]]

[293] 
[CITE[李邕碑]]が参照されています。
しかし[[李邕]]による[CITE[维基文库]]本[CITE[嵩嶽寺碑]]には
「嵩嶽寺者,後魏孝明帝之離宮也。正光元年,榜閑居寺,廣大佛刹,殫極國財。」
などとある
[SRC[>>290]]
ものの、
「元魏二年」
の記述はありません。
「元魏二年」
の出典は不明です。

[295] 
[[日本語]]版[CITE[ウィキペディア]]は、
[[嵩嶽寺]]の創設を[TIME[西暦520年][520]]とした上で、
他に[TIME[西暦523年][523]]説、
[TIME[西暦520年][520]]から[TIME[西暦525年][525]]説があるとしました。
[SRC[>>294]]

[296] 
[CITE[ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典]]
と
[CITE[世界大百科事典]]
は、
[TIME[北魏正光元(520)年][520]]創設としました。
更に
[CITE[ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典]]
は、
塔の建立を[TIME[正光4(523)年][523]]としました。
[SRC[>>297]]
つまり、
[TIME[西暦520年][520]]と[TIME[西暦523年][523]]の2説の違いは、
寺院としての創建と塔の建立の時期の違いから生じたのでしょう。

[299] 
[TIME[西暦520年][520]]から[TIME[西暦525年][525]]は正光元年から6年で、
6年は[[改元]]年でした。
つまり元の表現は「正光年間」だったのでしょう。
寺院に属する多数の建造物の建立の全体を指したのか、
年の特定に課題があると考えたのか、
はたまた単に簡単のため省略したのか、
ともかく曖昧な表現に過ぎず、異説とするほどのものでもないと思われます。

[300] 
[[中文]]版[CITE[维基百科]]には、
「北魏孝明帝正光元年(520年)」
に寺になったとする記述と、
「北魏正光(520年~525年)年间」
に塔が建てられたとする記述がありました。
[SRC[>>299]]

[302] 
[CITE[百度百科]]
は、
寺が
「北魏永平元年至正光元年(508—520年)之间」
に建造され、
塔が
「北魏正光四年(公元523年)」
に建てられたとしました。
[SRC[>>301]]

[303] 
[CITE[百度百科]]
は、
[CITE[嵩书]]
に
「元魏宣武帝于永平二年(509)」
云々との記述があるとしました。
[SRC[>>301]]

[306] 
[[Internet Archive]]
所蔵
[CITE[嵩書]]
に、
「[V[元[ABBR[魏][ノなし]]宣武帝於永平二[BR[]]年]]」
とありました
[SRC[>>305]]


[307] 
以上を総合すると、
決定的な根拠に欠けるものの、
「元魏永平二年」
が誤って
「元魏二年」
に変化したと推測するのが妥当と思われます。
[CITE[欽定古今圖書集成]]
の編纂過程を検討すればより精度の高い判断ができるかもしれません。




[REFS[
- [290] [CITE@zh[Page:Gujin Tushu Jicheng, Volume 187 (1700-1725).djvu/108 - [[维基文库]],自由的图书馆]], [TIME[2021-12-06T10:00:42.000Z]] <https://zh.wikisource.org/wiki/Page%3AGujin_Tushu_Jicheng%2C_Volume_187_(1700-1725).djvu/108>
- [292] 
[CITE@zh[[[嵩嶽寺碑]] - 维基文库,自由的图书馆]], [TIME[2021-11-22T09:56:49.000Z]], [TIME[2021-12-06T10:04:08.492Z]] <https://zh.wikisource.org/zh/%E5%B5%A9%E5%B6%BD%E5%AF%BA%E7%A2%91>
-
[304] 
[CITE@en[[[嵩書]](三) : (明)傅梅撰 : Free Download, Borrow, and Streaming : Internet Archive]], [TIME[2021-12-06T10:34:56.000Z]] <https://archive.org/details/02086610.cn/page/n6/mode/2up>
--
[305] 
[CITE[[[嵩書]](三) - 02086610.cn.pdf]], [TIME[2013-11-04T20:40:13.000Z]], [TIME[2021-12-06T10:35:19.730Z]] <https://ia802800.us.archive.org/3/items/02086610.cn/02086610.cn.pdf#page=35>
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[CITE@ja[[[嵩岳寺塔]]とは - コトバンク]], [[ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典,世界大百科事典内言及]], [TIME[2021-12-06T10:12:01.000Z]] <https://kotobank.jp/word/%E5%B5%A9%E5%B2%B3%E5%AF%BA%E5%A1%94-83258>
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]REFS]

* 北周の元号

[379] 
[[北周]]は、その後独自の[[元号]]を使い続けました。
[[禅譲]]によって[[隋]]の[[元号]]に続きました。

[410] 
[CITE[周書]]
の[[鄭孝穆]]伝に、

>
時依周禮稱天王,又不建年號,猷以為世有澆淳,運有治亂,故帝王以之沿革,聖哲因時制宜。今天子稱王,不足以威天下,請遵秦漢稱皇帝,建年號。朝議從之。

... とありました。
[SRC[>>411]]



[REFS[
- [411] 
[CITE@zh[[[周書]]/卷35 - 维基文库,自由的图书馆]], [TIME[2021-12-01T10:03:25.000Z]], [TIME[2021-12-16T09:54:30.626Z]] <https://zh.wikisource.org/wiki/%E5%91%A8%E6%9B%B8/%E5%8D%B735>
]REFS]


* 東魏と北斉の元号

[16] 
[[東魏]]は、独自の[[元号]]を使いました。
[[禅譲]]により後を継いだ[[北斉]]も、独自の[[元号]]を使いました。
[[北周]]によって滅ぼされるまで続きました。

[FIG(short list)[ [378] [[東魏]]と[[北斉]]の[[元号]]
- [[武平]]
]FIG]

* メモ