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294
[1]
[DFN[[CITE[Musa]]]]
は、
世界各地の[[言語]]を表記できるという[[人工文字]]です。
[2]
純粋な[[文字]]としての性質の他にいくつか付随する規定があります。
* 文字コード
[3]
公式サイトで [[PUA]]
[ [CODE[U+E000]], [CODE[U+E2FF]] ]
の割当が定められていて、それを利用した[[フォント]]が数種類配布されています。
[5]
しかし[[文字]]の改良のため変更され得るようなことが書かれています。 [SRC[>>167]]
[39] [CITE@en[Font Downloads]], [TIME[2022-11-19T16:02:18.000Z]], [TIME[2022-11-25T15:40:38.307Z]] <https://www.musa.bet/fonts.htm>
>[SNIP[]] The second word is always 'Musa', to show that this font offers coverage of the Musa letters (codepoints E000-E2FF). [SNIP[]]
- [166] [CITE@en[Letter Reference]], [TIME[2022-10-07T10:53:32.000Z]], [TIME[2022-11-25T15:42:07.728Z]] <https://www.musa.bet/reference.htm>
- [167] [CITE@en[Digital Musa]], [TIME[2022-09-16T12:08:48.000Z]], [TIME[2022-11-25T15:42:29.317Z]] <https://www.musa.bet/digital.htm>
- [168] [CITE@en[Markup]], [TIME[2022-11-19T16:09:12.000Z]], [TIME[2022-11-25T15:43:12.374Z]] <https://www.musa.bet/markup.htm>
-*-*-
[4]
[CODE[U+E000]]
は
「end-of-text character」
で
[[ASCII]] [N[0/3]] [CODE(charname)@en[ETX]]
や
[[C言語]]の [N[0x00]] [CODE[NULL]]
のように表示・転送するテキストがもうないことを表すと説明されています
[SRC[>>167]]。
[6]
[[Unicode]] を使うなら [CODE[U+0000]] でも [CODE[U+0003]] でも使えるので、
[CODE[U+E000]] がいつどのような目的で使うものなのかは不明です。
配布[[フォント]]では空白字形になっています。
* マーク付け言語
[11]
[[文字]]と組み合わせて使う「markup」が定められており、
[[PUA]]
のうち
[ [CODE[U+E200]], [CODE[U+E2FF]] ]
の各[[符号位置]]に機能が割り当てられています。
[SRC[>>168]]
[12] この[[マーク]]は公式のエディターが対応しているようです。
また、可視化する[[フォント]]が提供されています。
[13]
[[太字]]、
[[見出し]]、
[[右寄せ]]、
4倍サイズ、
黄色背景、
青文字、
フォント指定 (各公式提供フォント)、
といったような文字や背景の各種属性を変更する[[開始タグ]]相当の[[符号位置]]各種と、
直近の[[開始タグ]]と対になる汎用の[[終了タグ]]相当の[[符号位置]]1つがあります。
[SRC[>>168]]
;; [14] [[マーク付け言語]]というより[[ANSIエスケープシーケンス]]を単純化したものに近いかもしれません。
* gait
[7]
[[音節]]などの単位の複数の[[字形]]の組み合わせで1マス分の[[字形]]のように扱うことがあります。
この仕組みは [DFN[gait]] と呼ばれています [SRC[>>34]]。
[35]
[[日本語]]だと[[仮名]]に相当する[[ムサカナ]]1単位というように、
[[言語]]ごとに都合がいい単位にまとめるようです。
;; [37]
[[ハングル字母]]をまとめて[[ハングル音節]]にするような感じです。
[36]
[[フォント]]では [CODE[GSUB]] によって[[グリフ]]を置き換えています。
[REFS[
- [34] [CITE@en[Musa Gaits]], [TIME[2022-11-19T16:14:34.000Z]], [TIME[2022-11-26T11:31:01.510Z]] <https://www.musa.bet/gaits.htm>
]REFS]
* 日本語表記
[16]
[[日本語]]については、もはやほとんど忘れ去られた感のある[[漢字廃止論]]の焼き直しにより、
[CITE[[[Musa]]]]
の優位性が語られています。
[SRC[>>15]]
[17]
名簿に記載のある[[日本人]]協力者が起草したのか、
[[日本語]]を齧った非[[日本語]]母語話者 [[Musa]] プロジェクトの関係者の感想なのか謎ですが、
いずれにしても近代日本100年の[[国語国字問題]]の初歩をなぞった程度のものです。
[18]
ただし[[ラテン文字]]でも[[日本語新字]]でもない
(そして[[英語]]や[[エスペラント語]]でもない)、
世界共通の新字の導入を提案するのは斬新です。
過去にもこのような構想はなかったのではないでしょうか。
;; [19] 斬新だけど優れているかどうかは知りません。
受容される可能性も、どうなんでしょう。
[23]
>>15
>では、仮名だけで書きませんか?[SNIP[]]
>
または私たちはローマ字で書くことができます![SNIP[]]事実、このことは大政奉還以降、何度も提案されており、今もまだ議論が続いています。
[24]
いやさすがにそれは無理でしょw 「日本には今もまだ忍者がいます。」レベルですよw
[REFS[
- [15] [CITE@ja[なぜ [[ムサ]]?]], [TIME[2022-09-16T12:09:00.000Z]], [TIME[2022-11-26T10:58:16.075Z]] <https://www.musa.bet/whynihongo.htm>
- [32] [CITE@ja[日本語のための[[ムサ]]]], [TIME[2022-09-16T12:08:58.000Z]], [TIME[2022-11-26T11:23:57.933Z]] <https://www.musa.bet/nihongo.htm>
]REFS]
-*-*-
[20]
[CITE[[[Musa]]]] には[[アクセント]]表記法があり、
[[日本語]]表記でもそれを使うとされています。
[SRC[>>15]]
[21]
これも斬新な提案で、
学術目的以外でそのような表記を導入しようとしたことはなかったのではないでしょうか。
[22]
しかし平均的な[[日本人]]ががんばってこの文字を覚えたとして、
自分の普段喋る言葉を正しく[[アクセント]]表記するのは、
困難ではないでしょうか。
-*-*-
[25]
[[日本語]]表記には、基本的に[[音節]]単位にまとめられた[DFN[ムサカナ]]が使われます。
[SRC[>>15]]
[26]
しかし同音語の区別のために、
[DFN[トモ漢字]]が使われます。
[[漢字]]の後に[[ムサカナ]]を書きます。
[SRC[>>15]]
;; [27] [[かな漢字混じり]]のような混用ではなく、
[[ルビ]]のような補助表記でもありません。
読みを表現した[[ムサカナ]]表記があくまで原則で、
それだけでも音レベルでは完結していて、
[[ムサカナ]]の前に[[漢字]]を「追加で」挿入するようです。
[28]
学習者向けには、[[ムサカナ]]の[[上ルビ]]で[DFN[トモカナ]]
([DFN[トモ仮名]])
と呼ばれる[[平仮名]]表記を使うようです。
[SRC[>>15, >>32]]
[29]
過去の[[表音主義者]]らは、
語彙整理によって同音語の問題を解決しようとしていました。
[CITE[[[Musa]]]]
はそうではなく[[トモ漢字]]でそれを解決しています。
[30]
これは従来にない斬新な解決(?)策ですが、
[CITE[[[Mura]]]]
表記に変えることで難しい漢字を学ばずに済むという主張と矛盾しています。
[31]
[[日本人]]に訴求するには、既に行われている[[漢字]] + [[振り仮名]]の表記に対する優位性を示さなければならないのではないでしょうか。
* 数
[40] [[数]]の表現は、専用の[[数字]]ではなく通常の[[文字]]を[[数字]]として使います。
[SRC[>>38]]
[41]
[[十進数]]の他に、
[[十二進数]]、
[[十六進数]]等各種[[進数]]の表現が決められています。
[[符号]]と別に [N[-1]]、[N[-2]] のような[[負数]]を1文字で表す
negative digit (負数字)、
前の[[数字]]の繰り返しを表す repeater ([[踊り字]])、
[[分数]]・[[百分率]]・[[指数]]・[[指数表記]]といったものに相当する表現などが決められています。
[SRC[>>38]]
[42]
[[踊り字]]の[[文字]]を2つ重ねると[[省略]]を示す「・・・」に相当する表現になる
[SRC[>>38]]、
[[-0]] は[[0除算]]の結果や[[極限]]の [[-0]] や[[百分率]]表記における 「100%」
の「100」の部分を表しつつ、何を掛けても [[-0]] になる値でもある [SRC[>>38]]、
といったように1つの[[文字]]に文脈ごとに違う意味が割り当てられていたりして、
相当に複雑です。
;; [49]
「100%」が「-0%」になるのは[[補数]]的な表記で一応筋は通っているようです
[SRC[>>48]]。
しかしそれ以外で [[-0]] は [[NaN]] のようなもの [SRC[>>38]]
だというのと一貫していないです。
[[0除算]]の結果なら [[∞]] なのかと思いきや
→ -0 なら [[∞]] とは真逆なような。
[[NaN]] に喩えられると[[浮動小数点]]の [[-0]]
も連想されますが、
それと意味が同じなのか違うのかよくわからないのはどう考えたら良いのでしょう。
[43]
最も基本的な[[十進数]]の[[位取り記数法]]だけでも、
負数字のために難易度がかなり髙いです。
「11:55を12時の5分前と書けたら便利だ」 [SRC[>>38]]
という説明がなされていますが、
「2 -2 々」
に相当する文字列が [N[178]]
を表すと言われても、困ってしまいます。
[45]
[[数式]]の各種表現もまったく独自のものが定められています。 [SRC[>>44]]
[46]
[[円周率]]等の[[定数]]も独自のものが定められています。 [SRC[>>44]]
[REFS[
- [38] [CITE@en[Numerals]], [TIME[2022-11-04T00:36:54.000Z]], [TIME[2022-11-26T13:31:10.093Z]] <https://www.musa.bet/numerals.htm>
- [44] [CITE@en[Arithmetic]], [TIME[2022-09-16T12:08:52.000Z]], [TIME[2022-11-26T13:50:21.936Z]] <https://www.musa.bet/arithmetic.htm>
]REFS]
-*-*-
[47]
[[序数]]は [[0から数える][zero-based]]と決められています。 [SRC[>>38]]
従って一番目、二番目、三番目のことは第0、第1、第2に相当する表現になります。
** Janus Numbers
[50]
[DFN[Janus numbers]]
と呼ばれる[[十二進法]]が定義されています。
[SRC[>>48]]
数値表現法の中で特に推されているようです。
[51]
[[十二進法]]の[[位取り記数法]]ですが、[[数字]]として -6, -5, ..., -1, 0,
1, ..., 6 の13種類を使います。 -6 と 6 のどちらを使うかは桁によります。
[SRC[>>48]]
[REFS[
- [48] [CITE@en[Janus Numbers]], [TIME[2022-09-16T12:08:56.000Z]], [TIME[2022-11-26T14:07:41.140Z]] <https://www.musa.bet/reverse.htm>
]REFS]
* TLD
[9]
[[Musa]]
で書かれた[[ウェブサイト]]を収容する
[DFN[[CODE[.musa]]]],
[DFN[[CODE[.]]]] ([CODE[U+E17E]])
のような
[[TLD]]
を想定しているようです。
[SRC[>>8]]
[10]
しかし構想だけで実在していないようです。
[REFS[
- [8] [CITE@en[Digital Musa]], [TIME[2022-09-16T12:08:48.000Z]], [TIME[2022-11-26T09:09:30.972Z]] <https://www.musa.bet/digital.htm#domains>
]REFS]
* メモ
[33]
[[日本語]]表記はそこはかとない[[神代文字]]感があるねw