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998
999
1000
[44] 20世紀頃、[[グレゴリオ暦]]より更に改良された[[暦法]]の採用をめぐり全世界的に議論が行われ、
色々な[DFN[[[暦法]]改良案]]が提出されました。
* 暦法改良の歴史
[77]
18世紀末から19世紀初めにかけての[[革命][フランス革命]]時代の[[フランス]]は、
大胆な変更を加えた[[フランス共和暦]]を採用しました。
しかしこれは様々な理由から失敗に終わり、元の[[グレゴリオ暦]]に復しました。
;; [174]
[TIME[1852年][year:1852]]に[[太平天国]]は[[太平天暦]]を採用しましたが、
すぐに滅亡しました。
[143]
[TIME[1884年][year:1884]] [SRC[>>27]]、
[[フランス]]の[[天文学者]]の[[カミーユフランマリオン]]は、
1人で天文雑誌[CITE[ラストロノミー]]を出版していましたが [SRC[>>137]]、
改暦案を募集してほしいと匿名で5000フランの賞金が提供されました [SRC[>>27, >>137]]。
これに対して多数の改暦案が集まり、
募集期限を延期したところ最終的に54案が提出されました [SRC[>>137]]。
[144]
同じ頃[[フランス天文学会]]が設立され、
フランマリオンが会長となりました。
改暦案は[[フランス天文学会]]の審査委員会
(審査委員長はフランマリオン)
で審議され、
[TIME[1887年][year:1887]]の初めに報告書が学会に提出されました。
報告全文は[CITE[ラストロノミー]]で6月以後数回に分けて掲載されました。
[SRC[>>137]]
[2]
提案のうち6案に金牌と賞金が授与されました [SRC[>>27]]。
1等賞から11等賞くらいまであり、
1等賞には1500フランくらいが与えられました [SRC[>>137]]。
[145]
[[日本]]の[[天文学者]]の[[寺尾寿]]は、
[TIME[明治21年10月20日][1888-10-20]]開催の通俗講談会で
[CITE[太陽曆の話]]として仏国の改暦案を紹介し、
[CITE[東洋学芸雑誌]]の[TIME[明治22年1月][1889-01]] (88號)、
[TIME[2月][1889-02]] (89號) に掲載しました。
1等賞の案 (5.2.1) の修正案 (5.2.3) も披露しました。
(これは後に[CITE[天文雑誌]]でも紹介しました。) [SRC[>>137]]
[155]
[TIME[1889年][year:1889]]、
[[パリ大博覧会]]の折に改暦についての万国会議が企画されました [SRC[>>172]] が、
成立しませんでした [SRC[>>139]]。
[3] 19世紀末、
[[ロシア]]は[[ユリウス暦]]を用いていましたが、[[グレゴリオ暦]]を用いる他国との交渉の不便から、
新世紀を機に[[改暦]]を企てました。
[TIME[1899年][year:1899]]、[[ペテルスブルグ]]で[[ロシア天文学会]]が主催し、
各[[官庁]]、[[教務院]]、[[学士院]]、各[[学会]]の代表者を招集した会議が行われました。
その結果、[[グレゴリオ暦]]は不完全であるため不採用とし、
新[[暦法]]の発達を待つことと決められました。 [SRC[>>27]]
[4] その後[[暦法改良]]は[[欧州]]の産学官各界の重大な問題となりました。
[TIME[1901年6月][1901-06]]の[[ロンドン]]の[[列国商工業会議所連合会]]は、
全会一致により、
全世界共通の[[暦法]]を制定すること、
[[復活祭]]の日を一定にすることを望むと[[決議]]しました。
[TIME[1901年8月][1901-06]]、[[ブルッセル]]の[[在外仏国商業会議所総会]]も同内容で[[決議]]しました。
[SRC[>>27]]
[5] [[英国]]の[[下院]]には、[[グロスクロード案]]が提出されました。 [SRC[>>27]]
[6] [[ローマ教皇]]は、[[ベルギー国]]の外交当局者の交渉に応じて、
[[暦法改良]]に反対しないと宣言しました。 [SRC[>>27]]
[7] [[日本]]の[[衆議院]]でも、
[[工藤]]の[[中正暦]]や[[増田]]の暦法調査会が取り上げられました。 [SRC[>>27]]
[8] [[スイス]]政府は、
[[グロスクロード案]]に対する意見を募集し、
[[列国会議]]を開催しようと企てました。 [SRC[>>27]]
[160]
[TIME[1911年][year:1911]]、
[[英国議会]]に改正案 (5.2.5) が提出されました。
[SRC[>>159]]
[9] [TIME[1913年][year:1913]]、
[[ペテルブルグ]]で開催された[[列国学士院連合会]]の総会では、
[[パリー学士院]]代表の[[デランドル]]の提案により、
各[[学士院]]から2名[[以下]]の代表を選出した特別委員会を設置し、
[[暦法改良]]を議論することになりました。 [SRC[>>27]]
[19] [[第一次世界大戦]]によって[[暦法改良]]問題は事実上棚上げとされましたが、
終戦後に[[ロシア]]と[[土耳古]]が[[グレゴリオ暦]]を採用、
[[ギリシャ]]が[[トルプコヰッチ(甲)修正案]]を採用し、
「世界中の暦が始めて統一」[SRC[>>27]] されました。
[20] [TIME[1922年][year:1922]]、[[ローマ]]の[[国際天文学協会]]で[[暦法改良]]問題の専門委員会で、
[[フランス]]代表の[[ビグールダン]]の司会により、改暦案が示されました。
しかし[[週]]の改良に強固な反対があり、総会決議とはなりませんでした。 [SRC[>>27]]
[FIG(list)[
- [39] 52週の他に1日か2日の無週日を置き、週と日の関係を固定する。
- [40] [[グレゴリオ暦]][TIME[12月22日][--12-22]]を[[年始]]とする。
- [41] 364日を4等分し、それぞれを30日の2ヶ月と31日の1ヶ月の91日とする。
また、14日ごとや28日ごとの補助的区分を置くことを妨げない。
]FIG]
[21] [TIME[1923年][year:1923]]、[[国際連盟交通通過委員会]]で取り上げられ、
[[国際連盟]]事務局から[[各国政府]]を通じて各団体、研究者の改暦案を募集しました。
185案が提出され、各分野の専門家で議論されました。
その結果、改暦問題が十分に理解されておらず、各国世論が統一されていないとして、
[[国際連盟]]から各国に暦法改正国内委員会を設置するよう要請されました。
次の各国他計15ヶ国に国内委員会が設置されました。
[FIG(list short)[
- [[フランス]]
- [[イタリー]]
- [[北米合衆國]]
- [[ブラジル]]
- [[オランダ]]
- [[ペルー]]
- [[チリー]]
- [[ボリ井゙ヤ]]
]FIG]
しかし他の各国はほとんど無関心でした。 [SRC[>>27]]
[73]
[[平山清次]]は、現行暦の不便にも関わらずこのとき[[改暦]]が成らなかったのは、
[[週]]をどう扱うか決まらなかったためだとしていました。
平山によると[[国際連盟]]がこの問題を扱う以前から
- [74] 1年を52週とし、1日 (+ [[閏日]] 1日) を[[週]]の外とする
- [75] [[平年]]を52週とし、5年か6年ごとに[DFN[閏週]]を置く
... の2案が有望視されていました。しかし >>74
は[[週]]外の日を置くことに宗教団体からの反発があり、
>>75 は[[年]]の日数が一定しないことが問題でした。
[SRC[>>27 110ページ]]
;;
[76]
[[日]]や[[年]]は天文学的に自然に定まるのに対し、
[[週]]は人工物であり、
どうとでも定めることができるため、
[[週]]の決め方が[[暦法改良問題]]の中心となるのでした。 [SRC[>>27 111ページ]]
(人工物だというのも程度問題で、
[[週]] (や[[月]]) は元をたどれば[[月][月 (天体)]]の運動に因んでいたとされています。
[SEE[ [[週]] ]])
[78]
[TIME[1929年10月1日][1929-10-01]]、
[[ソビエト連邦]]は[[グレゴリオ暦]]から[[ソビエト連邦暦]]に[[改暦]]しました。
[22] [TIME[1930年][year:1930]]、
[[国際連盟]]は次の3案のいずれを採るか決めようとしました。 [SRC[>>27]]
[FIG(list)[
- [32] A: 現行暦を基礎に、毎月の日数をなるべく均一にする
- [34] B: 暦日と週日との関係を固定するため、1年に1日か2日の週外の日を設け、月数は12ヶ月とする
(第2種除日案)
- [35] C: 暦日と週日との関係を固定するため、1年に1日か2日の週外の日を設け、
1年を13ヶ月、1ヶ月を4週とする
(第1種除日案コント案)
]FIG]
;; [37] C案はカナダ人 [RUBY[M. B. Cotsworth][コツヲース]] が長年主張して米国で賛同者を多く集めたものの、
[[日本]]では不評で[[日本政府]]代表は絶対不賛成と回答しています。
[[日本政府]]代表はA案に賛成していました。
;; [135] >>132 にも議論あり。
[79]
[TIME[1931年][year:1931]]夏、
[[ソビエト連邦暦]]が一部改正されました。
[SEE[ [[ソビエト連邦暦]] ]]
[134]
[TIME[1931年6月24日][1931-06-24]]、
[[日本]]の[[大阪]]で[CITE[週刊朝日]]と[[京都花山天文台]]が主催する改暦座談会が実施され、
[CITE[週刊朝日]]第20巻第4號に掲載されました。
実業界各方面十数人の意見が掲載されましたが、
ほとんどは13ヶ月案に反対でした。
[SRC[>>132]]
[38] [TIME[1931年10月][1931-10]]、[[ジュネーヴ]]の[[国際連盟交通通過部総会]]の[[暦法委員会]]では、
[[復活祭]]の固定を認めることが決められましたが、
[[暦法]]改正は合意に至りませんでした。
[129]
平山は、
現行暦の欠点は各国了承しているものの、
既に世界的に統一されたものをまた変えようとするのは大変なことであり、
[[カエサル]]や[[ローマ教皇]]のような強大な権威が必要であるが、
果たして[[国際連盟]]にそのような権威があるか、と改暦の実現性に疑問を呈しました。
[SRC[>>27]]
[80]
[TIME[1940年6月28日][1940-06-28]]、
[[ソビエト連邦]]は[[ソビエト連邦暦]]から[[グレゴリオ暦]]に[[改暦]]しました。
* 分類
[10] [[平山清次]]は[TIME[1913年][year:1913]]の[[論文]]で、
当時の諸[[改暦]]案を次の通り分類しています。 [SRC[>>27]]
[FIG(list)[
- 第1類 置閏法改良案 (9+1案)
- 第2類 年始変更案 (3案)
- 第3類 配日法改良案 (3+2案)
- 第4類 閏週案 置閏法 (3案)、配日法 (2+1案)
- 第5類 除日案 第1種 (5案)、第2種 (9案)
- 第6類 廃週案 (4+1案)
]FIG]
;; 議論に値しないと判断されたものは数に入っていません。
* 第1類 置閏法改良案
[11] [[グレゴリオ暦]]の[[置閏法]]は、
平年が7年続くことがある ([[閏年]]が非連続的である)、
1年が[[太陽年]]より平均0.0003日長いことが欠点とされています。 [SRC[>>27]]
[97]
もっともこの欠点よりも他の欠点の方が重大であり、
無理に改める必要はないとも考えられます。
ただ他の点を改めるのであれば、
同時に置閏法も将来に改良の必要性が生じない程度に改良するべきであろう、
と平山は考えていました。
[SRC[>>27]]
[FIG(table)[
:n: 整理番号
:name: 呼称
:y: 提案[[年]]
:r: 規則
:r1: 完全循環期
:r2: 不完全循環期
:d: 1年の平均日数
:10001:1000年間の差異 (日)
:m:最大離隔 (日)
:10002:1000年間の差異極数 (日)
:name: [[ユリウス暦]]
:r:
4年に1度[[閏日]]を置く。
:r1: [N[4]]
:d: [N[365.250000]]
:10001: [N[+7.85]]
:m: [N[0.38]]
:10002: [N[8.23]]
:name: [[グレゴリオ暦]]
:y: [TIME[1582][year:1582]]
:r:
4年に1度[[閏日]]を置く。
ただし[[西暦年]]が [N[100]] の[[倍数]]のときは、 [N[400]] の[[倍数]]でなければ[[平年]]。
:r1: [N[400]]
:r2: [N[4]], [N[100]]
:d: [N[365.242500]]
:10001: [N[+0.35]]
:m: [N[1.10]]
:10002: [N[1.45]]
:n: [N[1]]
:name: [RUBY[Ormar Khayyam][オーマル、ハイヤム]]案
:y: [N[1079][year:1079]]
:r:
4年に1度[[閏日]]を置く。
ただし32年目の[[閏]]は、翌年に延期する。
:d: [N[365.242424]]
:r1: [N[36]]
:r2: [N[4]]
:10001: [N[+0.27]]
:m: [N[0.48]]
:10002: [N[0.75]]
:n: [N[2]]
:name: [RUBYB[Lalande][ラランド]]案
:r:
[[グレゴリオ暦]]。
ただし[[西暦年]]が [N[3600]] の[[倍数]]のときは、[[平年]]とする。
:d: [N[365.242222]]
:r1: [N[3600]]
:r2: [N[4]], [N[100]], [N[400]]
:10001: [N[+0.07]]
:m: [N[1.51]]
:10002: [N[1.58]]
:n: [N[3]]
:name: [RUBY[Heis][ハイス]]案
:r:
[[グレゴリオ暦]]。
ただし[[西暦年]]が [N[3200]] の[[倍数]]のときは、[[平年]]とする。
:d: [N[365.242188]]
:r1: [N[3200]]
:r2: [N[4]], [N[100]], [N[400]]
:10001: [N[+0.04]]
:m: [N[1.50]]
:10002: [N[1.54]]
:n: [N[4]]
:name: [RUBY[Francœur][フランキアール]]案
:y: [TIME[1830][year:1830]]
:r:
4年に1度[[閏日]]を置く。
ただし [N[128]] 年目の[[閏日]]を除く。
:d: [N[365.242188]]
:r1: [N[128]]
:r2: [N[4]]
:10001: [N[+0.04]]
:m: [N[0.85]]
:10002: [N[0.89]]
:n: [N[5]]
:name: [RUBY[Herschel, John][ハーシェル]]案
:y: [TIME[1849][year:1849]]
:r:
[[グレゴリオ暦]]。
ただし[[西暦年]]が [N[4000]] の[[倍数]]のときは、[[平年]]とする。
:d: [N[365.242250]]
:r1: [N[4000]]
:r2: [N[4]], [N[100]], [N[400]]
:10001: [N[+0.10]]
:m: [N[1.52]]
:10002: [N[1.62]]
:n: [N[6]]
:name: [RUBY[Rose-Innes][ローズ、インネス]]案
:y: [TIME[1897][year:1897]]
:r:
[[西暦年]]が4の[[倍数]]なら[[閏年]]。
ただし [N[100]] または [N[1000]] の倍数なら、
[N[100]] または [N[1000]] で割った[[商]]が4の倍数でなければ[[平年]]。
:d: [N[365.242250]]
:r1: [N[4000]]
:r2: [N[4]], [N[100]], [N[400]]
:10001: [N[+0.10]]
:m: [N[1.52]]
:10002: [N[1.62]]
:n: [N[7]]
:name: [RUBY[Trpkovitch][トルプコヰッチ]] (甲) 案
:y: [TIME[1900][year:1900]]
:r:
[[西暦年]]が4の[[倍数]]なら[[閏年]]。
ただし [N[100]] の倍数なら、
[N[100]] で割った[[商]]が9の[[倍数]]または9の[[倍数]]に4を足したものでなければ[[平年]]。
:d: [N[365.242222]]
:r1: [N[900]]
:r2: [N[4]], [N[100]]
:10001: [N[+0.07]]
:m: [N[1.18]]
:10002: [N[1.25]]
:name: [RUBY[Trpkovitch][トルプコヰッチ]] (甲) 修正案
:r:
[[西暦年]]が4の[[倍数]]なら[[閏年]]。
ただし [N[100]] の倍数なら、
[N[100]] で割った[[商]]が9の[[倍数]]に [N[2]] または [N[7]] を足したものでなければ[[平年]]。
:d: [N[365.242222]]
:r1: [N[900]]
:r2: [N[4]], [N[100]]
:name: [N[7]] の修正案
:r:
[[西暦年]]が4の[[倍数]]なら[[閏年]]。
ただし [N[100]] の倍数なら、
[N[100]] で割った[[商]]が14の[[倍数]]に [N[2]], [N[6]], [N[11]] のいずれかを足したものでなければ[[平年]]。
:d: [N[365.242143]]
:r1: [N[1400]]
:r2: [N[4]], [N[100]], [N[500]]
:10001: [N[-0.02]]
:m: [N[1.20]]
:10002: [N[1.21]]
:n: [N[8]]
:name: 寺尾案
:y: [TIME[1909][year:1909]]
:r:
95年を[[循環期]]とし、
4年毎に7回、
5年に1回、
4年毎に7回、
5年に1回、
4年毎に6回、
5年に1回の合計23回の[[閏日]]を置く。
:d: [N[365.242105]]
:r1: [N[95]]
:r2: [N[4]], [N[33]]
:10001: [N[-0.04]]
:m: [N[0.49]]
:10002: [N[0.53]]
:n: [N[9]]
:name: [RUBY[Trpkovitch][トルプコヰッチ]] (乙) 案
:y: [N[1910][year:1910]]
:r:
[[西暦年]]が4の[[倍数]]で [N[100]] の[[倍数]]でないときと、
[N[450]] の[[倍数]]であるときを[[閏年]]とする。
:d: [N[365.242222]]
:r1: [N[900]]
:r2: [N[4]], [N[100]]
:10001: [N[+0.07]]
:m: [N[1.24]]
:10002: [N[1.31]]
]FIG]
;; [93]
1000年間の差異は、
1[[回帰年]] = 365.24215日とし、
平均日数の差異を1000倍したもの。 [SRC[>>27]]
;; [94]
最大離隔は、
1年の平均日数を正しいものと仮定したとき、
[[年始]]または[[年末]]が平均時刻から離れる最大値。
[SRC[>>27]]
;; [96]
1000年間の差異極数は、
1000年間の差異と最大離隔を加えたもので、
精度を表す。
複雑な暦法となっても構わないなら [N[0.50]] まで減らすことはできる。 [SRC[>>27]]
;; [83]
[[オーマルハイヤム]]は[[ペルシャ]]の[[天文学者]]で、
[[グレゴリオ改暦]]のずっと前の提案として[[ハーシェル]]が示していました。
[[グレゴリオ暦]]の「不連続性」を有さないため、
平山は改良案の1つとして取り上げました。
[SRC[>>27]]
[81]
平山は各案を次のように評価しました。
[82]
1[[回帰年]]の平均日数は、[[ニューコム]]の式:
[FIG(math)[
365.24219879 - 0.00000614 [VAR[T]]
]FIG]
... で得られます。ここで [VAR[T]] は、
[TIME[グレゴリオ暦1900年始][1900-01-01T00:00:00]]から
100[[ユリウス年]] (= 36525日) を[[単位]]とする時間です。
これによると、
,* [[年]] ,* [VAR[T]] ,* 日数
,* [TIME[1500][year:1500]] , [N[- 4.00][-4.00]] , [N[365.242223]]
,* [TIME[2000][year:2000]] , [N[+ 1.00][+1.00]] , [N[365.242193]]
,* [TIME[2500][year:2500]] , [N[+ 6.00][+6.00]] , [N[365.242162]]
,* [TIME[3000][year:3000]] , [N[+11.00]] , [N[365.242131]]
,* [TIME[3500][year:3500]] , [N[+16.00]] , [N[365.242101]]
,* [TIME[4000][year:4000]] , [N[+21.00]] , [N[365.242070]]
... となります。この値の精度ははっきりしていませんでしたが、
[TIME[2000年][year:2000]]前後には小数点以下4位か5位、
[TIME[4000年][year:4000]]前後には小数点以下3位か4位くらいは正確だろうと平山は見ていました。
[SRC[>>27]]
[84]
この[[回帰年]]の平均日数と比較すると、9案中 3 と 4 が最適となり、
「不連続性」の少なさでは 4 が優良といえますが、
しかし[[平年]]と[[閏年]]の判定が分かりづらいのが欠点です。
[SRC[>>27]]
[85]
7 は[[回帰年]]平均日数では 3 と 4 に次ぐもので、
「不連続性」は 2 や 3 より低く、
これも優良な案といえます。
[SRC[>>27]]
[86]
ただし 7 では [TIME[1600年][year:1600]]、[TIME[2000年][year:2000]]が[[平年]]、
[TIME[1800年][year:1800]]が[[閏年]]となります。
[[グレゴリオ改暦]]直後の[TIME[1600年][year:1600]]から
[TIME[2000年][year:2000]]までは[[グレゴリオ暦]]と一致する方が都合が良いとして、
平山は 7 の[[置閏法]]を微修正した案を示しました。
[SRC[>>27]]
[87]
新暦を長く使うためには[[回帰年]]が徐々に短くなっていることを考慮するべきだとして、
[[置閏法]]を更に修正した案も示しました。
平山はこれを最良の案と考えていました。 [SRC[>>27]]
[88]
[[グレゴリオ暦]]と比較すると[[置閏法]]はこれらの修正でますます複雑になっています。
理論的な複雑さや「不連続性」はそこまで変化していませんが、
一般人が記憶するのが難しくなっているのは確かです。
[[グレゴリオ暦]]との互換性と[[回帰年]]の近似性を両立させるためにはそうするしかないのでしょうが、
平山のいうほど優良と評価していいものかどうか。
[89]
8 は複雑で記憶困難であることが欠点ですが、
連続的である点と[[回帰年]]の短縮を見越して小さな値とした点は優れています。
[SRC[>>27]]
[90]
9 は 7 の「不平均」を改良したように見えますが、
5年に3回の閏を置くことになり不平均は却って大きくなった
[SRC[>>27]]、
と平山はあまり評価していませんでした。
ただ 7 と同等の精度を遥かに単純な規則で実現した点は優れているとみるべきでしょう。
[91]
1 や 8 のように連続的であることと極端に正確であることを両立させるには、
一定の太陽[[黄経]]と一定の[[子午線]]を基準に随時、[[閏年]]かどうかを定めるという方法があります。
しかしそれでは専門的で複雑な計算が必要となり、
採用する[[太陽表]]によって異なる結果となる可能性があります。
[[支那暦]]が年々複雑化したのと同様、
[[太陽]]運動に一致させようとすると計算が複雑化するのは必至であり、
暦法の実用性すなわち簡単さと正確性は両立しません。
[SRC[>>27]]
;; [92]
事情は全く異なりますが、
現在の暦法で[[閏秒]]を随時挿入して [[UT1]] と [[UTC]] の[[差]]が調整されていることが思い起こされます。
* 第2類 年始変更案
[12] [[グレゴリオ暦]]の[[年始]]は[[ニケア会議]]で[[春分]]を[TIME[3月21日][--03-21]]と定めたことにより決まったもので、
[[季節]]と何ら関係していないことが問題とされていました。 [SRC[>>27]]
[98]
[[四季]]の区別は洋の東西を問わず昔から行われている便利なもので、
自然に決まるため動かすことも出来ないため、
[[年始]]を動かし両者を一致させるのは当然のことと考えられました。
[SRC[>>27]]
[13] 次の3案がありました。 [SRC[>>27]]
[FIG(list)[
- [14] [[冬至]]の頃を[[年始]]とする。
- [15] [[立春]]の頃を[[年始]]とする。
- [16] [[春分]]の頃を[[年始]]とする。
]FIG]
[99] [[分点]][[至点]]を[[季節]]の区切りとするのは[[西洋]]の習慣、
[[立春]]を[[年始]]とするのは[[東洋]]
(や[[カエサル]]時代)
の習慣でした。
[SRC[>>27]]
[147]
仏国天文学会第1等賞案は、
[[冬至]]頃を[[年始]]とすることを提案していました。
審査委員も賛同しましたが、
より大きく変更し、
[[欧米]]のみならず[[支那]]や[[日本]]でも新暦が採用されるように設定するべきとしていました。
[SRC[>>137]]
[17] [[年始]]の移動は10日差の[[冬至]]ですら大きな混乱が予想されます。
実際に[[ユリウス暦]]や[[グレゴリオ暦]]の[[改暦]]でも混乱がありました。
[SRC[>>27]]
[101]
平山はそこまでして[[季節]]を移動させる必要があるのかと疑問を呈しながらも、
40年間[[閏日]]を置かないか、
8年間1年を364日に減らすことで、
比較的容易に移行できると提案しました。 [SRC[>>27]]
;; [[ユリウス暦]]の実施初期の混乱期に修正のため[[閏年]]を休止した事例がありました。
[161]
[TIME[昭和7年][1932-01-03]]、平山は新聞に次のように書いていました。 [SRC[>>162]]
- [163] [[マホメット曆]]は[[年始]]が移動する。季節変化の少ない[[熱帯]]では良いが[[温帯]]では不都合。
- [164] [[シーザーの曆]]は少しずつ[[年始]]が遅れていく。
- [165] [[フランス共和暦]]は[[秋分]]が[[年始]]。革命の期日だからだが、
農産業者には収穫時期だから不都合極まる。[[南半球]]なら良いが。
- [166] [[シャム][タイ暦]]では[TIME[4月1日][--04-01]]が[[年始]]。
[TIME[1月1日][--01-01]]は春というより冬で不便だからだろう。
- [167] [[春]]の初めは[[西洋]]では[[春分]]、[[東洋]]では[[立春]]。
- [169] [[冬至]]が一番[[日]]が短い。これを[[年始]]とするも一案。
- [170] 年間最低温度となるのは1月末から2月初で、
[[一年生植物]]も枯れ果てる。
[[立春]]に近い。
農業的にはここを[[年始]]とするのが理想的。
- [168] [[春]]の初めが[[年始]]でないのは「従来の習慣上面白くない」。
[[立春]]が[[年始]]だったのが[[旧暦]]のメリットだった。
-- [171]
[[年始]]移動は困難だが、機会さえあればと望んでいる。
[REFS[
- [162]
[CITE[年頭の科学: 暦から見た年の始め【下】]],
[[平山清次]],
[CITE[讀賣新聞]] [TIME[昭和七年一月三日][1932-01-03]] 朝刊, 四面
]REFS]
* 第3類 配日法改良案
[18] 各[[月]]の日数が著しく不均等なのが欠点です [SRC[>>27]]。
[FIG(table col)[
:n: 整理番号
:name: 名称
:y: 提案[[年]]
:1: [[1月]]
:2: [[2月]]
:3: [[3月]]
:4: [[4月]]
:5: [[5月]]
:6: [[6月]]
:7: [[7月]]
:8: [[8月]]
:9: [[9月]]
:10: [[10月]]
:11: [[11月]]
:12: [[12月]]
:d:
最大離隔
([[平年]]、[[日]])
:dl:
最大離隔
([[閏年]]、[[日]])
:note: 備考
:name: [[グレゴリオ暦]]
:y: [TIME[1582][year:1582]]
:1: [N[31]]
:2: [N[28]]/[[閏年]][N[29]]
:3: [N[31]]
:4: [N[30]]
:5: [N[31]]
:6: [N[30]]
:7: [N[31]]
:8: [N[31]]
:9: [N[30]]
:10: [N[31]]
:11: [N[30]]
:12: [N[31]]
:d: [N[1.21]]
:dl: [N[0.75]]
:n: [N[1]]
:name: [RUBY[Roucy][ルシー]]案
:note: 仏国天文学会第3等当選
:y: [TIME[1885][year:1885]]
:1: [N[30]]
:2: [N[31]]
:3: [N[30]]
:4: [N[31]]
:5: [N[30]]
:6: [N[31]]
:7: [N[30]]
:8: [N[31]]
:9: [N[30]]
:10: [N[31]]
:11: [N[30]]
:12: [N[30]]/[[閏年]][N[31]]
:d: [N[0.63]]
:dl: [N[0.25]]
:n: [N[2]]
:name: [RUBY[Barnout][バルヌー]]案
:note: 仏国天文学会第4等当選
:y: [TIME[1885][year:1885]]
:1: [N[30]]
:2: [N[30]]/[[閏年]][N[31]]
:3: [N[30]]
:4: [N[30]]
:5: [N[31]]
:6: [N[30]]
:7: [N[31]]
:8: [N[31]]
:9: [N[30]]
:10: [N[31]]
:11: [N[30]]
:12: [N[31]]
:d: [N[0.83]]
:dl: [N[0.50]]
:n: [N[3]]
:name: 寺尾案
:y: [TIME[1911][year:1911]]
:1: [N[30]]
:2: [N[31]]
:3: [N[30]]
:4: [N[31]]
:5: [N[30]]
:6: [N[31]]
:7: [N[30]]
:8: [N[30]]/[[閏年]][N[31]]
:9: [N[31]]/[[閏年]][N[30]]
:10: [N[30]]/[[閏年]][N[31]]
:11: [N[31]]/[[閏年]][N[30]]
:12: [N[30]]/[[閏年]][N[31]]
:d: [N[0.46]]
:dl: [N[0.25]]
:n: [N[4]]
:name: [N[3]] の実用的変形案1
:1: [N[30]]
:2: [N[31]]
:3: [N[30]]
:4: [N[31]]
:5: [N[30]]
:6: [N[30]]/[[閏年]][N[31]]
:7: [N[31]]
:8: [N[30]]
:9: [N[31]]
:10: [N[30]]
:11: [N[31]]
:12: [N[30]]
:d: [N[0.46]]
:dl: [N[0.50]]
:n: [N[5]]
:name: [N[3]] の実用的変形案2
:1: [N[31]]
:2: [N[30]]
:3: [N[31]]
:4: [N[30]]
:5: [N[31]]
:6: [N[30]]
:7: [N[30]]/[[閏年]][N[31]]
:8: [N[31]]
:9: [N[30]]
:10: [N[31]]
:11: [N[30]]
:12: [N[30]]
:d: [N[0.46]]
:dl: [N[0.50]]
]FIG]
[102]
平均位置からの差異は [N[3]]
が最良で、理論上これ以上の改善はできません。
しかし[[閏年]]が5ヶ月も大小を変更しなければならないのが欠点です。
正確性と単純さは両立しません。
[SRC[>>27]]
[103]
[[閏日]]を年内に置くか年末に置くかについては、
年内だと[[通日]]が変化するものの特殊な人々のみへの影響であり、
年末は一般の人への影響が大きく、
年内に置くのが無難だろうと平山は評価していました。 [SRC[>>27]]
* 第4類 閏週案
[104]
[[暦日]]と[[週日]]はまったく無関係で不便であるため、
これを改良しようとする提案がありました。
そのうち、
[[平年]]52週364日、
[[閏年]]53週371日とし、
1[[週年]]の平均日数を[[回帰年]]の日数に一致させようとするものが閏週案です。
[SRC[>>27]]
[105]
次の閏週置閏法案がありました。 [SRC[>>27]]
[FIG(table col)[
:N: #
:n: 名称
:y: 提案年
:m: 方式
:c1:完全循環期 (年)
:c2:不完全循環期 (年)
:d: 1年平均日数
:10001: 1000年間の差異 (日)
:x:
最大離隔 (日)
:10002: 1000年間の差異極数 (日)
:note: 注釈
:N: [N[1]]
:n:
[RUBYB[ツーヴナン][Thouvenin]]案
:y: [TIME[1885][year:1885]]
:note:
仏国天文学会第5等当選
:m:
[[年]]が [N[5]] の[[倍数]]で [N[40]] の[[倍数]]ではないとき、
[[年]]が [N[400]] の[[倍数]]のとき、
[[閏年]]。
:d: [N[365.242500]]
:x: [N[8.39]]
:10001:[N[+0.35]]
:10002:[N[8.74]]
:c1: [N[400]]
:c2: [N[5]], [N[40]]
:N: [N[2]]
:n:
H.C.P (甲) 案
:y: [TIME[1911][year:1911]]
:m:
[[年]]が [N[5]] の[[倍数]]のとき[[閏年]]。
ただし[[年]]が [N[25]] の[[奇数]]倍のとき、
[[年]]が [N[400]] の[[倍数]]のとき、[[平年]]。
:d: [N[365.242500]]
:x: [N[8.65]]
:10001:[N[+0.35]]
:10002:[N[9.00]]
:c1: [N[400]]
:c2: [N[5]], [N[50]]
:N: [N[3]]
:n:
H.C.P (乙) 案
:y: [TIME[1911][year:1911]]
:m:
62年を循環期とし、
6、6、5、6、6、5、6、6、5、6、5 年目に計11回[[閏週]]を置く。
:d:
[N[365.241936]]
:x:
[N[3.44]]
:10001:[N[-0.21]]
:10002:[N[3.65]]
:c1: [N[62]]
:c2: [N[6]], [N[17]]
]FIG]
[106]
[N[1]]、[N[2]]
は平均日数を[[グレゴリオ暦]]に合わせて、
置閏法もこれに倣って「不連続」的にしたものでしたが、
[[平山]]は日付の最大離隔が大きな値となることから「甚だしい誤謬」
と批判しました。
[N[3]] は連続的でありこの点では適切なものでした。
([[グレゴリオ暦]]の最大離隔 [N[1.10]]
と比べて3倍以上ではありますが、閏週案では不可避です。)
[SRC[>>27]]
[107]
しかし
[N[3]]
の置閏法は記憶困難です。ここでもやはり正確性と実用性は両立困難ということなのでしょう。
[108]
閏週を置くとして、
1年の月日の割り振り方には次の各案がありました。
[SRC[>>27]]
[FIG(table col)[
:N: #
:n: 名称
:y: 提案[[年]]
:m: 方式
:note: 注釈
:N: 1
:n:
[RUBYB[ツーヴナン][Thouvenin]]案
:y: [TIME[1885][year:1885]]
:m:
1年を4季とし、
1季を3月とし、
第1月を4週、
第2月を5週、
第3月を4週とする。
[[閏年]]の12月は5週とする。
:N: 2
:n: [RUBYB[ブロー][Blot]]案
:y: [TIME[1885][year:1885]]
:note:
仏国天文学会第5等当選
:m:
[[週]]の順番と[[週日]]を[[日付]]とする。
[[月]]は廃止する。
:n:
チェンバリン案変形
:m:
1月を4週とし、
3月ごとに特別の1週を置く。
[[閏年]]は第2特別週を2週とする。
]FIG]
[109]
4.2.1 では[[月]]が28日か35日となり、不便に思われます。 [SRC[>>27]]
[110]
4.2.2 は「多少革命的」ですが閏週案にはむしろ適応するものです。 [SRC[>>27]]
[111] しかし平山はこのどちらも満足がいかなかったとみえ、
また別の方法を「変形してここに持ってくるのも一の方法であろう」
[SRC[>>27]] として挙げていました。
[112]
いずれの案も[[グレゴリオ暦]]の[[年]]や[[月]]の構造を破壊する大胆な変更となっています。
[[グレゴリオ暦]]の[[年]]や[[月]]と[[週]]は根本的に相容れないので、
[[週]]を重視して設計するとこうなるのは避けられないのでしょうが、
このままの形では到底受け入れられないものだったと思われます。
* 第5類 除日案
[113]
1[[年]]から1日または2日減らすと
364日 = 52週となることから、
余った1日または2日を[[週]]から除外することで、
毎年の[[暦日]]と[[週日]]の関係を一定させるのが除日案です。
[SRC[>>27]]
[114]
除日した[[日]]を余日 (餘日)
と呼ぶことにします。 [SRC[>>27]]
** 第1種
[115]
第1種は、1[[月]]の[[日]]数を [N[7]] の[[倍数]]とするものです。
次の案がありました。 [SRC[>>27]]
[FIG(table)[
:N: #
:n: 名称
:y: 提案年
:m: 方式
:N: [N[1]]
:n: [RUBYB[オーギュストコント][Cornte, Auguste]]案
([DFN[[RUBYB[実証暦法][Calendrier positiviste]]]])
:y: [TIME[1849][year:1849]]
:m:
1月を4週とし、
1年を13月とし、
余日と閏日を年末に置きます。
:N: [N[2]]
:n: 仏国天文学会応募第26案
:y: [TIME[1885][year:1885]]
:m:
1年を4季とし、
1季を3月とし、
第1月を5週、
第2月を4週、
第3月を4週とします。
余日と閏日を12月末に置き、
29日、30日とします。
:N: [N[3]]
:n: [RUBYB[バルトニコフスキー][Bartnikowsky]]案
:y: [TIME[1901][year:1901]]
:m:
1年を4季とし、
1季を1週の後に3月とし、
1月を4週とします。
余日は年始に、
閏日は第3季と第4季の間に置きます。
:N: [N[4]]
:n: [RUBYB[ライニングハウス][Reininghaus]]案
:y: [TIME[1910][year:1910]]
:m:
1月を4週とし、
1半月を2週とし、
6月の後に第1半月、
12月の後に第2半月を置きます。
余日と閏日は年末に置きます。
:N: [N[5]]
:n: [RUBYB[チェンバリン][Chamberlin]]案
:y: [TIME[1910][year:1910]]
:m:
1年を4季とし、
1季を3月の後に1週とし、
1月を4週とします。
余日と閏日は年末に置きます。
]FIG]
[118]
[N[5]] においては[[月]]に属さない[[週]]を
Easter week,
Julian week,
Gregorian week,
Christmas week