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[7] [DFN[[RUBY[[[元号]]][げんごう]]]]は、[[東洋]]で長く用いられている、
[[暦]]上の[[期間]]を表す名前です。
[220]
現在の[[日本の元号]]は'''[[令和]]'''です。
[8] 現在では[[日本]]で[[令和]]が用いられるのみとなっていますが、
かつては[[東アジア]]各国で用いられていました。
* 呼称
[350] 「平成39年」の「平成」のような[[紀元]]を表す名称を[[元号]]といいます。
しかし文脈により「平成39年」のような[[元号年]]の表記の全体を指して[[元号]]と言ったりもします。
[293] [[元号]]のことを[DFN[[[年号]]]]ともいいます。語源的・歴史的には[[年号]]の方がより意味に即した用語のようで、
[[中国語]]では現在も[[年号]]と呼ぶのが一般的です。しかし[[年号]]は、
[[元号]]以外の[[紀年法]]も含めたり、
[[元号によって表記された年][元号年]]やその他の[[紀年法]]の[[年]]のことまで含めたりすることがあり、
意味に揺れがあります。[[元号]]という語の方が意味は明確です。
[EG[
[95] [[歴史]]の授業で「何々が起きた年号」といえば、
その事件の起きた[[年]]がいつかということを話題にしているのであって、
[[元号]]とは関係ありません。 ([[元号年]]で言うこともできますが、
[[西暦]]や[[皇紀]]で表すこともできます。)
]EG]
[46]
現在の[[日本の法令]]は、[CITE[元号法]]をはじめとして
「元号」という呼称を採用しています。
[47]
一方で歴史学者は「年号」という呼称を採用することが多いようです。
複合語的な用語も[[私年号]]や[[遡及年号]]などほとんどが「年号」
を使って構成されています。
[[日本の法令]]でも[CITE[養老律令]]は「年号」といっていました
([SEE[ [[日本古代の日時]] ]])。
[100]
[[革年改元] [DFN[[RUBY[[[元号]]][げんごう]]]]は、[[東洋]]で長く用いられている、
[[暦]]上の[[期間]]を表す名前です。
[220]
現在の[[日本の元号]]は'''[[令和]]'''です。
[8] 現在では[[日本]]で[[令和]]が用いられるのみとなっていますが、
かつては[[東アジア]]各国で用いられていました。
* 呼称
[350] 「平成39年」の「平成」のような[[紀元]]を表す名称を[[元号]]といいます。
しかし文脈により「平成39年」のような[[元号年]]の表記の全体を指して[[元号]]と言ったりもします。
[293] [[元号]]のことを[DFN[[[年号]]]]ともいいます。語源的・歴史的には[[年号]]の方がより意味に即した用語のようで、
[[中国語]]では現在も[[年号]]と呼ぶのが一般的です。しかし[[年号]]は、
[[元号]]以外の[[紀年法]]も含めたり、
[[元号によって表記された年][元号年]]やその他の[[紀年法]]の[[年]]のことまで含めたりすることがあり、
意味に揺れがあります。[[元号]]という語の方が意味は明確です。
[EG[
[95] [[歴史]]の授業で「何々が起きた年号」といえば、
その事件の起きた[[年]]がいつかということを話題にしているのであって、
[[元号]]とは関係ありません。 ([[元号年]]で言うこともできますが、
[[西暦]]や[[皇紀]]で表すこともできます。)
]EG]
[46]
現在の[[日本の法令]]は、[CITE[元号法]]をはじめとして
「元号」という呼称を採用しています。
[47]
一方で歴史学者は「年号」という呼称を採用することが多いようです。
複合語的な用語も[[私年号]]や[[遡及年号]]などほとんどが「年号」
を使って構成されています。
[[日本の法令]]でも[CITE[養老律令]]は「年号」といっていました
([SEE[ [[日本古代の日時]] ]])。
[100]
[[革年改元]]の提唱者の[[三善清行]]は、
[CITE[革命勘文]] ([[漢文]])
で「建元號於鳳暦」と書いていました。 [SRC[>>101]]
[93]
「元号」という語の[CITE[読売新聞]]データベースでの初出は、
[CITE[即位の地と一世一元の法 京都で即位、天皇一世の間改元せず]],
[TIME[1889.02.16][1889-02-16]]
のようです。
[39]
[[元号]]研究者の[[所功]]は、
「年号」の始まりは武帝の「[[建元]]」といわれているが果たしてそうだろうか、
と疑問を呈しました
[SRC[[CITE[日本年号史大事典]] 普及版 p.14]]。
[[元号]]と[[年号]]は「いま同義語として使われている」
とした上で、[[元号]]は古い文献にほとんどみられないものの、
[[建元]]や[[改元]]は古くからある語で、「元」は[[元年]]の意味であるとし、
[[諸橋[CITE[大漢字辞典]]]] (巻一) の[[元年]]の定義
> 天子即位の第一年。又、年号の改まった最初の年。
... を引きました。そして「この意味で、中国において天子や諸侯の代始から年を数える元号」は
[CITE[春秋]]あたりから見られるなどとし、
武帝の時代に元に命名したものを「元号に漢字の名称を冠した「年号」のはじめ」
だとしました。
[40]
まとめると、
- [41] 現在は[[元号]]と[[年号]]は同義
- [44] 歴史的には[[元号]]には[[年号]]と[[支那式即位紀年]]が含まれる
- [45] ただし[[元号]]という語が成立したのは新しい
... という見解をとりました。
;; [94] 「元号」の語義を「元年」に求めただけで、「年号」と「元号」
がそのように使い分けられている、
または使い分けられていたと主張しているわけではないことに注意が必要です。
[90]
[[暦]]の研究者の[[中牧弘允]]は、
[[年号]]と[[元号]]はほぼ同義で使われるが微妙に異なり、
[[年号]]は[[漢字]]の名前を持つものであって、
[[元号]]は代始から数えるものである、としました。
出典に[[所功]]の[CITE[年号の歴史]]が挙げられており、
所の解説を踏まえた記述とみられます
(が、所の説明とも少しニュアンスが違う気がします)。 [SRC[>>89]]
[48] [[令和改元]]時の (専門家の文章から一般人の会話まで) いろいろな言及を総合的にみると、
- [49] 「元号」ということが圧倒的に多い
- [50] 「年号」ということもそれなりにある
- [51] 詳しい人の文章や発言ではわかりやすく併記 (括弧書きなど) することもある
(が多いわけではない)
- [52] 両者の違いが明確に説明されることはあまりない、あっても
「同じ意味です」程度の簡単な説明のみ
- [53] 一方を聞いた人がえっ他方じゃないの、間違い?、のように混乱することはそれほどない
... といった感じ、つまり多くの人がなんとなく両方とも認識しているが[[元号]]が優勢、
とみうけられます。
[REFS[
- [101] [CITE[古代史獺祭 [[革命勘文]] 原文]] ([TIME[2007-12-14 19:20:34 +09:00]]) <http://www004.upp.so-net.ne.jp/dassai1/kakumeikannbunn/gen.htm>
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[89] [CITE[こよみの学校 第116回『年号と元号―微妙なちがいも』|暦生活]],
[[中牧弘允]],
[TIME[2017.12.8][2017-12-08]]
([TIME[2019-01-31 16:04:29 +09:00]]) <https://www.543life.com/campus116.html>
]FIGCAPTION]
> 年号と元号はほぼ同義でつかわれています。 [SNIP[]] しかし、年号と元号には微妙なちがいもあり、両者は時に区別してあつかう必要があります。
> 明治天皇が即位し改元がおこなわれた時、『明治天皇記』には天皇がくじを引き「年号の字を聖択したまふ」とあります。その字は「明治」でした。つまり、漢字の名称を冠したのが「年号」です。これに対し、代始め(即位)から数えるのが元号です。元は元年の意味です。現行の法律は「元号法」と言います。明治22年の「皇室典範」でも明治42年の「登極令」でも「元号」がつかわれました。
]FIG]
]REFS]
[104] [CITE@ja[年号と元号 - うたことば歳時記]] ([TIME[2019-07-16 19:20:09 +09:00]]) <https://blog.goo.ne.jp/mayanmilk3/e/eccd078b34cab43e810a004b63671ad6>
-*-*-
[294] [[英語]]では [[era]] と呼ばれますが、[[紀年法]]や[[紀元]]の意味でも使われるので曖昧です。
[DFN[[[regnal year]]]] や [DFN[finite era (name)]] と呼ぶとそのような曖昧性は排除できます [SRC[>>9]]
が、[[元号]]でない[[在位紀年]]も含まれることがあるようです。
歴史学の論文英題や[[計算機プログラム]]の変数名などでは [[era]]
とすることが多いようです。
現用されているのが[[日本の元号]]だけなので、
[[Japanese era (name)][Japanese era name]] などと言うこともあります。
[295] [[日時パターン]]の表記などでは、[[ローマ字表記]]の[[頭文字]]である
「g」や「G」で表現されることがよくあります。
[[ISO 8601]] の[[日時書式表現]]
(の [[JIS X 0301]] 拡張) は [CODE[N]] を使っています
(''n''ame?)。
[63]
[[ISO 19108]] は[[元号]] (や他の[[暦法]]における[[暦年]]の上位概念)
を記述するために[RUBYB[[[暦年代][暦年代 (ISO 19108)]]][calendar era]]という概念を導入しています。
* 意味
[255] [[元号]]は、1つ[[以上]]の (原則として連続した) [[年]]に対して与えた名称です。
その[[改元日]]から始まり、次の[[改元日]]までの期間を表します。
([[改元日]]を含む[[年]]は、途中からまたは途中までしか含まれないこととなります。)
;; [96] しかしこの始点と終点は実は曖昧です。 [SEE[ [[改元時期]] ]]
[380] [[元号]]は、前の[[元号]]からの[[改元]]という形でその時期が定義されています。
直接的な定義には含まれませんが、[[暦]]への記載や現実の運用などから、
[[西暦]]や[[皇紀]]のような他の[[紀年法]]との対応関係も定まります。
[381] ただし、[[私年号]]や滅亡した勢力の[[元号]]の中には、
正確な時期が伝わっていないものもあります。特に私年号は、
[[改元]]の手続きが行わず自然発生的に使われ出し、
いつの間にか消滅しているようなものなので、
終了の時期もはっきりしないことが多いようです。
-*-*-
[254] [[元号]]が何かについて、[[元号法]] [SRC[>>54]] は定義していません。
[[法令]]上は自明のもの、あるいは[[慣習]]的なものとして扱われているのでしょうか。
[613] [[JIS]] は次のように定義しています。
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[16] [[JIS X 0301]]:2002 3.34
]FIGCAPTION]
> [[日本]]で用いる[[暦年]]の上位呼称
]FIG]
[614] しかし「[[暦年]]の上位」といわれても何となくの雰囲気はわかりますが、
それ以上の情報は得られません。[[暦年]]は約365日を表す用語のようですが、
[[元号]]の期間は [[JIS]] 上も約365日の整数倍となるとは限りません。
「上位」の意味が定義されていないので、この定義と実際の[[元号]]が合致しているかどうかもよくわかりません。
-*-*-
[99]
「元号」は、個別の[[元号]]のことを指す言葉ですが、
[[元号]]を使うシステム全体を指して使うこともあります。
[SEE[ [[元号系]] ]]
-*-*-
[SEE[ 個別の元号の語義は[[元号の選定]]、各元号の項 ]]
* 法令
[253] 現在の[[日本の元号]]制度は、[CITE[元号法]]で定められています。
[[元号]]制度の元で用いられる実際の[[元号]]は、[[改元]]の[[政令]]により定められています。
[SEE[ [[元号の法令]] ]]
[REFS[
- [54] [CITE[元号法]]
]REFS]
[615] 他の[[国]]には[[元号]]制度は現存しないようです。
* 文脈
[262] [[元号]]は、[[日本]]で公私問わず広く用いられています。
[263] ただし[[日本]]でも[[元号]]表記よりも[[西暦]]表記が多くなってきています。
[SEE[ [[日本の暦]] ]
[249]
[[日時]]記述に使う本来の用法の他に、その時期を記念した[[地名]]や組織名などの[[固有名詞]]に採用されることも多いです。
[250]
[[一世一元]]の[[元号]]は[[追号]]として使われることが慣例となっています。
(ただしこれが定められたことはありません。今後も踏襲されるかは不明です。)
* 元号を用いた日付表記
[287] [[日本]]の[[元号]]を使った[[日付]]の表記を、[[和暦]]や[[邦暦]]と呼ぶことがあります。
ただし、これらの言葉は他にもいろいろな意味で使われます。
[SEE[ [[和暦]] ]]
** 元号による年の表記
[192] [SEE[ [[元号年]] ]]
** 元号利用時期の表記
[610] [[元号]][VAR[元号]]を用いた時期のことを、
「[VAR[元号]]」、「[VAR[元号]]年間」、「[VAR[元号]]時代」、
「[VAR[元号]]期」などといいます。
[EG[
[611] [[昭和時代]]は、[[昭和]]が用いられた時期を指します。
]EG]
[EG[
[612] [[寛永年間]]は、[[寛永]]が用いられた時期を指します。
]EG]
[EG[
[642] [[享保の改革]]は、[[享保]]が用いられた頃の[[政治改革]]を指します。
]EG]
[EG[
[251] [[平成生まれ]]とは[[平成]]が用いられた時期に[[生年月日]]が属する人々です。
]EG]
** 日時形式における元号
[159] [[JIS X 0301]] は[[元号]]を使った[[情報交換]]用の[[日時形式]]を定めています。
[160] [[元号コード]]と[[年]]の組が使われる場合もあります。
* 元号の名前
[28] [[元号]]や[[年号]]の「号」が既に「[[名前]]」のような意味ですが、
概念としての[[元号]]と区別して[[元号]]呼称をここでは[DFN[元号名]]と呼びます。
[[英語]]では [DFN[era name]] と呼ばれています。
** 文字数
[296] [[元号]]名のほとんどは[[漢字]]2文字です。[[日本]]の古い[[元号]]や[[私年号]]には、
4文字のものもありました。他の[[国]]には3文字や6文字の例もあります [SRC[>>9]]。
5文字や7文字や8文字のものが挙げられることもあります。日本の[[私年号]]にも3文字のものがあります。
** 漢字の字体
[29]
[[漢字]]はそれぞれの時代、それぞれの地域、
それぞれの[[媒体]]の[[書体]]で書かれてきた上、
いろいろな[[字体]]のバリエーション ([[異体字]])
が生じてきました。
[[元号]]を記述する[[漢字]]であってもそれは同じです。
[272]
元の表現方法に関わらず、
現代では[[楷書]]や[[明朝体]] (に近い[[ゴシック体]]など)
で表し、
[[日本]]では[[新字体]]、
[[中華人民共和国]]では[[簡体字]]、
[[台湾]]では[[康熙字典体]]に近い[[字体]]が標準となっています。
歴史学的に扱う場面などで[[旧字体]]を使うこともあります。
従って同じ[[元号]]が国によって異なる[[字体]]で表現されることがあり得ますし、
同じ国でも当時の[[字体]]で表現されるとは限りません。
[30]
[[日本]]の[[幕末]]の[[万延]]時代、
[[元号]]は重要であるから「万延」と略さず
「蔓延」と書くよう[[触れ]]がありました。
[SRC[>>383 普及版 p.543]]
実際略されて書かれていたか、その可能性があったのでしょう。
[31]
[[令和改元]]時、
「令」に[[明朝体]]系の「令󠄁」と[[楷書体]]系の「令󠄂」の大きく異なる
2[[字形]]が存在することが話題となりました。
[[日本政府]]は、[CITE[常用漢字表]]にもある通り、
どちらも等しく適切な[[字形]]であると発表しました。
[SEE[ [[令和改元]] ]]
[20]
[[元号]]由来の[[固有名詞]]について、
当事者が新しい[[字体]]でないものを使い続けており、
一般的な[[元号]]の表記と違ってしまっている事例もあります。
例えば[[日本の元号]]「[[慶応]]」 (「[[慶應]]」)
に由来する[[日本]]の教育機関「[['''慶應'''義塾]]」
は[[旧字体]]を使っています [SRC[>>19]]。
(ただし、正式には[[旧字体]]ですが、
[[新字体]]で「'''慶応'''義塾」と書かれることもあります [SRC[>>21]]。)
[REFS[
- [383] [CITE[日本年号史大事典]]
- [19] [CITE@ja[慶應義塾]] ([TIME[2019-05-10 14:35:44 +09:00]]) <https://www.keio.ac.jp/ja/>
- [21] [CITE@ja[K-MAIC 慶応メディカルAIセンター]] ([TIME[2019-05-12 17:28:00 +09:00]]) <http://k-maic.keio.ac.jp/>
]REFS]
-*-*-
[376] [[異体字]]の関係を超えて異なる字 (類形字や同音字など)
で書かれることもあります。
次の通り分類できます。
- [1300] 意図的に文字を置き換えたとみられるもの。
-- [1301] 実用当時のもの。
-- [1302] 後の時代のもの。
[EG[
[34] [[避諱]]により置き換えた事例が知られています。
]EG]
- [1310] 書き間違い、翻刻の誤り、入力ミスなどの誤りによるとみられるもの。
-- [1311] 頻繁にみられるもの。
-- [1312] 重要な史料にみられるもの。
[EG[
[230] 『旧唐書』倭国日本国伝に現れる[[白亀]]は、
[[神亀]]の誤記と考えられています [SRC[>>225]]。
つまり表記のバリエーションに過ぎないのですが、
よく[[私年号]]に分類されています。
]EG]
-- [1313] 長期間人目に触れ続けているもの。
-- [1314] 誤りと知らずに他で実用に供されたもの。
-- [1319] 一時的なもの。
[32]
類型 >>1319 はきりがなく、例えば小学校で実例を探せばいくらでも見つかりそうなものです。
未知の[[漢字]]が発見される可能性もありましょう。
この類を追求することの意味はほとんどありません。
[33]
他の類型については、
もとの[[元号]]のバリエーションとして扱うべきです。
[[元号]]の索引においてはもとの[[元号]]
を参照するものとし、
[[元号年]]を解釈する実装はもとの[[元号]]と同義と解するべきです。
-*-*-
[417] いくつかは[[異年号]]や[[私年号]]と呼ばれています。
[344] [[斉衡]]は、[[斎衡]]とも表記されます。 (更にそれぞれの[[旧字体]]の[[齊衡]]や[[齋衡]]もあります。)
[275] 「正」と「承」など似た音でよく使われる文字がいくつもあるため、
誤って表記されることもあります。元号一覧・西暦対照表のようなものでもよく見ると間違っていることがあるので、
注意が必要です。
** 元号名と漢数字
[418] [[元号]]名に[[漢数字]]が含まれると、[[年]]数を[[漢数字]]で表記した時に区切り位置が不明瞭になるおそれがあります。
特に[[元号]]名の末尾が[[漢数字]]の場合は深刻です。
[419] 歴史的に各国で使われた[[元号]]の中には、[[万]]や[[萬]]が含まれるものもいくつかあります。
[[年]]が万単位になることは基本的にありませんし
([[将来の年][将来の日時]]を表す時に理論上はあり得ますが)、
「一万」のように「万」より前に数字が来るのが普通ですから、
これは問題にはならなそうです。
同様に[[私年号]]で[[京]]が含まれるものがいくつかありますが、
これも問題にはならなそうです。
[420] その他に、次の[[元号名]]が[[漢数字]]を含んでいます。
[FIG(list short)[
- [[天''一''国]]
- [[''五''鳳]]
- [[張''六'']]
- [[''六''璽]]
]FIG]
[471] 次の[[元号]]は、[[中国]]の (全土統一できなかった勢力の) [[元号]]ですが、
[[干支]]と衝突しています。
[FIG(list short)[
- [[丁丑]]
- [[庚寅]]
- [[庚子]]
- [[庚戌]]
]FIG]
[472] 他に[[十干十二支]]に使われる[[文字]]が含まれる[[元号]]として、
次のものがあります。
[FIG(list short)[
- [[''子''平]]
- [[常''己'']]
- [[''丑''平]]
- [[始建国地皇上''戊'']]
- [[始建国天鳳上''戊'']]
]FIG]
[473] 1年を表す「元年」の「元」、
1月を表す「正月」の「正」、
2日-9日の表記「初二日」等の「初」が含まれる[[元号]]は、
数多く存在します。[[保元]]のように最後の文字がそうであるものも沢山あります。
[474] 「明治''初''年」や「大正''末''年」、「昭和''末''期」、
「平成''前''期」のように[[元号]]に続けて使われる語の最初の文字や、
「年」、「月」などの[[日時]]表記の区切り文字、
その他関連文字も、次のようなものが[[元号]]に含まれることがあります。
[FIG(short list)[
- [[世]]
- [[中]]
- [[初]]
- [[年]]
- [[歳]]
- [[載]]
- [[後]]
- [[日]]
- [[星]]
- [[時]]
- [[紀]]
- [[端]]
- [[建]]
- [[閏]]
- [[金]]
]FIG]
;; [431] [[元号一覧]]に[[漢数字]]等を含む[[元号]]名の一覧データファイルがあります。
** 非漢語表現
[443]
[[元号]]は各国住民の[[母語]]に関わらず、[[漢語]]となっています。
-*-*-
[442]
[[日本の元号]]のうち、[[古代]]の[RUBY[[[白雉]]][はくち]]は「しらきすす」、
[RUBY[[[朱鳥]]][しゅちょう]]は「あかみとり」という[[和語]]の訓みが伝わっています。
その後の[[元号]]では踏襲されませんでしたが、
[[漢語]]のまま仮名書きすることはありました [SEE[ >>367 ]]。
;; [444] [[令和]]は[[日本]]の[CITE[万葉集]]から採られましたが、
[[漢文]]部分が使われました。
[248]
[[アイヌ語]]の特別な[[元号]]の表現や表記は知られていません。
[[日本の元号]]がそのまま使われているようです。
[SEE[ [[アイヌ暦]] ]]
[88]
[[江戸時代]]に[[発行][頒暦]]されていた[[絵暦]]では、
[[元号]]も (強引に) [[絵]]に置き換えて表現されていることがありました。
-*-*-
[644] [[清国]]の[[元号]]は、[[蒙古語]]、[[満州語]]でも表記されました [SRC[>>516]]。
[REFS[
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[516] [CITE[モンゴル語の年号: 年号迷路]]
([TIME[2016-02-08 23:23:29 +09:00]] 版)
<http://gaowei.cocolog-nifty.com/nengo/2005/10/post_c23b.html>
]FIGCAPTION]
> 清の年号ですが、漢語とモンゴル語対照させて記述させていただきます。
]FIG]
]REFS]
-*-*-
[484]
欧米語に[[音訳]]されることもあります
[SEE[ >>297 ]]。
[485]
[[CLDR]] はその他各言語の翻訳を含んでいるようですが、
適切なものか、そもそも需要があるのか不明です。
例えば[[アラビア語]]のデータがあるようです。
** 読みと仮名表記
[363]
[[漢字]]は様々な読み方があり、[DFN[[[元号]]の読み方]]もその例外ではありません。
様々に読まれ、様々に[[仮名]]で綴られてきました。
[438]
[[漢字]]の読みは[[言語]]により違い、地域 ([[方言]]) と時代によっても違いますが、
基本は話者にとって自然な発音で[[元号]]も呼ばれてきたと考えられます。
[EG[
[439]
[[現代日本]]では古代[[支那]]の[[元号]]も[[現代日本]]の[[音読み]]で読み、
[[現代仮名遣い]]の[[平仮名]]で[[振り仮名]]を書きます。
]EG]
[364] [[日本の元号]]は、[[詔書]]・[[政令]]で[[漢字]]のみ表記され、
読み方は明記されてきませんでした。
[[大正]]以来、
同時制定の[[内閣告示]]により[[仮名]]が振られ読み方が明示されるようになりました。
[[大正]]、[[昭和]]は、当時の仮名遣い ([[歴史的仮名遣い]])
の[[片仮名]]で表記されていました。
[[平成]]、[[令和]]は、
[[現代仮名遣い]]の[[平仮名]]で表記されていました。
[SEE[ [[日本の元号法制]] ]]
[365]
漢字音の多様性と仮名遣いの多様性のため、
[[元号]]の読み方と仮名表記は実に様々です。
(そして[[ローマ字]]表記 [SEE[ >>451 ]])
現在までに[[元号]]の読み方の一覧表や読み方を明記した辞書がいくつも作られてきました
[WEAK[(歴史の本や[[古語辞典]]などの付録になっていることが多いです。[[Web頁]]もいくつかあります。)]]
が、
互いに内容の一致するものはないといっても過言ではありません
([SEE[ [[元号一覧]] ]])。
主要な[[元号]]は現代の発音が定まっているようですが
[WEAK[(歴史上主要な出来事に関して[[元号]]を使う歴史教科書などで[[読み仮名]]が明記されています)]]、
あまり使われないものは読みが揺れています。
[EG[
[366] [[明暦]]は「めいれき」とも「めいちゃく」とも読まれていました。
]EG]
[EG[
[252] [[昭和]]は現在では「しょうわ」と表記しますが、
[[内閣告示]]では「セウワ」でした。
[SEE[ [[昭和]] ]]
]EG]
;; [432] こういう一覧の類の [[Webページ]]は出典も明記されていないものが多く、
他のサイトから適当にコピペしたのではないかと思いきや、
それぞれ他のページと少しずつ違っているものが多いので、
紙媒体の別の情報源に由来しているのでしょうか。
[13]
読み方、綴り方について、
現役当時のもの、
後の時代のもの、
現在一般に知られるもの、
現在歴史学者が使うものなどといろいろな基準からどれが正しい、
どれが誤りだと議論することはできますが、
結論を出すのは難しいでしょう。
ただ過去の事実を明らかにするのは難しく、
過去の仮名表記から現代人が過去の発音を復元するのもまた困難です。
どれか読み方、綴り方を選ばなければならないことがあるとすれば、
現代における用法を調査し、
現代もっとも広く受容されていると推定できるものを現代の読み方、
綴り方だとするのが妥当でしょうか。
[87] [[各表][元号一覧]]を参考に整理した[[元号]]の読み方の一覧を含む
JSON データファイルがあります。 [SEE[ [[元号一覧]] ]]
-*-*-
[257]
[[現代日本]]では通常の表記として[[仮名]]で[[元号]]を記述することはありませんが、
[[振り仮名]]付きの文章で[[漢字]]に[[添えて][ルビ]]併記したり、
幼少者・日本語初学者向けの文章で[[平仮名]]のみまたは[[平仮名]]・[[漢字]]混じりで表記したりすることはあります。
[367]
歴史的には通常の文書で[[仮名]]書きや交ぜ書きの[[元号]]の表記が行われる場合もありました。
発音変化、仮名表記の多様性、同音別元号の存在といった事情で現在となってはどの[[元号]]か判断が難しいこともあります。
[15]
[[方言]]差も大きかったと考えられ、[[日本本土]]政府の直接統治下になかった[[南西諸島]]
([[琉球国]]) の[[琉球語]]での[[日本の元号]]や[[支那の元号]]の読み方、
仮名表記も[[日本本土]]とは大きく違っていたかもしれません。
しかしそれに関する調査、研究があるのか不明です。
-*-*-
[411]
[[漢字]]でも[[仮名]]でも高低アクセント
([[イントネーション]]) は表記されません。
日本語のアクセントは地域や時代、複合語か否かによって変化し、
[[元号]]もその原則に従います。
[440]
[[昭和]]はかつては[[頭高]]が主流だったといわれますが、
現在は[[平板]]化しています。
[441]
[[令和]]は[[官房長官]]が[[頭高]]で発表したためこちらが優勢になっていますが、
[[平板]]で読む人もおり、どちらが好ましいか発表以来話題になっていました。
いずれ[[昭和]]同様に[[平板]]化するとの予想もあります。
[[日本政府]]はアクセントは定めないとしています。
[SEE[ [[令和改元]] ]]
** ローマ字、欧米語表現
[297] [[現代日本]]では、[[英語]]の説明で[[元号]]が[[ローマ字]] ([[ラテン文字]])
表記されることがあります。
その他[[東洋史]]に関する他の[[言語]]の記事や論文などでは、
その[[言語]]の[[文字]]に[[転写]]して記載されることがあります。
[259]
1950年代の[[米国]]の[[東アジア]]研究者は、
[[英語]]の[[論文]]で[[元号]]を[[音訳]]するべきか[[意訳]]するべきか議論していました
[SRC[>>258]]。
[445]
[[令和改元]]では、[[日本]]の[[外務省]]が英語の説明を定めました。
[SEE[ [[令和改元]] ]]
[446]
しかし過去の[[元号]]の[[意訳]]表現を定め[[日付]]記述に使うのは現実的とはいえず、
敢えて意味を説明する場合以外は単純に[[翻字]]されるようです。
[447] [[英語]]のように[[固有名詞]]を [[capitalize]] する[[言語]]では、
[[元号]]も [[capitalize]] するのが一般的なようです。
全文字[[大文字]]化することもあるようです。
別言語の語であることを示すため[[イタリック]]化されることもあります。
-*-*-
[451]
[[ローマ字]]化の流儀も[[仮名遣い]] ([SEE[ >>365 ]]) 同様多種多様であります。
[[言語]]によっても違いますし、
同じ[[言語]]でも何通りかありますし、
どの読み方を[[翻字]]するかによってまったく違う結果となります。
[486]
[[令和改元]]では、[[日本政府]]がローマ字表記を発表しました。
[SEE[ [[令和改元]] ]]
[457]
[[日本の元号]]は、
現在では、
[[現代仮名遣い]]の表記を相当する[[ヘボン式]]ローマ字化する場合が多いようです。
[464] [[長音]]を「おう」→「ou」→「ō」のように[[マクロン]]付き文字で表記することが多いようですが、
「Shōwa」でなく「Showa」のように[[マクロン]]が省略されることもあります。
これは[[地名]]など他の[[ローマ字]]表記一般と同じ傾向ですが、
[[マクロン]]省略は不可逆変換です。
ただでさえ同音異字が多いのに元の[[元号]]を復元できなくなってしまいます。
慣用が定着し政府機関などの採用例もある
「Keio」 ([[慶応]])、
「Taisho」 ([[大正]])、
「Showa」 ([[昭和]])
を除き、省略するべきではありません。
[465]
[[ヘボン式]]では m、p、b の前の「ん」は本来 n ではなく m としますが、
n とすることもあるようです。
[466]
「ん」を表す n の後に母音や y が来る場合は ' で区切らなければ[[な行]]と区別できなくなってしまいますが、
これを省く一覧表の類がみられます。不適切です。 ' のかわりに -
を使うものもあるようですが、一般的な[[ローマ字]]表記とはいえず、
適当な方針とは思えません。
[469]
[[奈良時代]]の4字元号は2字+2字で構成されるため、
1語として綴るもの、 - でつなぐもの、[[スペース]]でつなぐものがみられます。 -
でつなぐのが適切でしょうか。
[467]
非日本語話者がまとめたと思われるローマ字表記や仮名表記の一覧表の中には、
明白に誤っており元の[[日本語]]の読みを復元できないものもみられます。要注意です。
[468]
その他、[[戦国時代]]から[[明治時代]]の頃に[[日本]]に訪れた[[欧米人]]が[[元号]]の[[ラテン文字]]表記を残しています。
[[ヘボン式]]成立前のものや[[英語]]以外のものは、
綴字が大きく異なっていたり、
誤記か誤解とみられるものも含まれていたりします。
(こうした史料も過去の元号の読み方の推定に用いられました。)
-*-*-
[26]
[[大日本帝国]][[南方占領地]][[昭南市]]で発行されていた英文[[新聞]]には、
「SYOWA 17」のように記載されていました。 [SRC[>>25]]
[59]
かつて[[日本政府]]が発行していた[[英文官報]]では、
[TIME[昭和23年][year:1948]]を「the twenty-third year of Showa」
のように表記していました。
[[日本政府]]機関は Showa と表記する例が多いですが、
Syowa と表記する場合もあります。
[SEE[ [[昭和]] ]]
[200]
[[日本政府]]機関の [[Webサイト]]の外国語版は特別に[[元号]]に言及する必要がなければ[[西暦]]を使うことが多いようです。
[SEE[ [[日本の暦]] ]]
[162] [[日本]]の[[国会図書館]]は、
「Meiji 14」 (明治14年)、
「Taisho 3」 (大正3年)
のように表記しています [SRC[>>161, >>163]]。
[435]
[[宮内庁]]の [[Webサイト]]は[[昭和天皇]]を「Emperor Showa」 [SRC[>>437]]、時代名を
「Meiji」、
「Taisho」、
「Showa」
と表記しています。 [SRC[>>436]]
[173]
[[日本政府]]機関は[[平成]]を Heisei と表記しています [SRC[>>166, >>171, >>165]]。
[TIME[平成元年][year:1989]]を「Heisei 1」とした事例もあります [SRC[>>174]]。
[212] [[在メキシコ日本大使館]]の[[スペイン語]]文書は、
平成27年度 ([[会計年度]]) を
「año fiscal [I[Heisei]] 27 (1 de abril del 2015 - 31 de marzo del 2016)」
と表記していました [SRC[>>206]]。
[198]
[TIME[平成28年8月8日][2016-08-08]]の[[天皇陛下][明仁]]の[[お気持ち]]中の
「平成30年」
を、[[宮内庁]] [[Webサイト]]の英語翻訳版は
「the 30th year of Heisei」としていました [SRC[>>197]]。
[201]
[[在サンパウロ日本国総領事館]]の [[Webサイト]]の[[ポルトガル語]]版は
「29º Ano da Era Heisei」
のように表記しています [SRC[>>202]]。
[36]
[[米国]]の[[ドナルドトランプ]]大統領は[[令和元年]]を英語で「[[レイワワン]]」
と読み上げました。
[SEE[ [[レイワワン]]、[[元年]] ]]
-*-*-
[478] [[各表][元号一覧]]を参考に整理した[[元号]]の[[ローマ字]]表記一覧を含む
JSON データファイルがあります。 [SEE[ [[元号一覧]] ]]
[REFS[
- [25] [CITE[Newspaper Article - Masthead, Syonan Shimbun, 24 September 1942, Page 1]] ([TIME[2019-05-05 17:05:03 +09:00]]) <http://eresources.nlb.gov.sg/newspapers/Digitised/Article/syonantimes19420924-1.2.1>
- [258] [CITE@ja[ <共同研究報告>日本における紀年認識の比較史的考察]],
[[佐藤正幸]],
[TIME[1998-09-30]]
([TIME[2019-04-13 17:31:31 +09:00]]) <https://nichibun.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=759&item_no=1&page_id=41&block_id=63>
- [436] [CITE@en[Modern Japanese Ceramic - The Imperial Household Agency]] ([TIME[2019-05-01 00:05:33 +09:00]]) <http://www.kunaicho.go.jp/e-culture/sannomaru/zuroku-17.html>
- [437] [CITE@en[Emperor Showa and Empress Kojun - The Imperial Household Agency]] ([TIME[2019-05-01 00:05:23 +09:00]]) <http://www.kunaicho.go.jp/e-about/history/history11.html>
- [161] [CITE[Evolution of the Meiji State : Outline | Modern Japan in archives]] ([TIME[2015-03-06 09:59:23 +09:00]]) <http://www.ndl.go.jp/modern/e/cha2/index.html>
- [163] [CITE[Taisho Democracy : Outline | Modern Japan in archives]] ([TIME[2014-06-30 15:47:11 +09:00]]) <http://www.ndl.go.jp/modern/e/cha3/index.html>
- [166] [CITE@ja[null]] ([TIME[2019-01-09 10:53:32 +09:00]]) <http://www.nasuheiseinomori.go.jp/en/>
- [171] [CITE@en[TOKYO NATIONAL MUSEUM - Exhibitions Heiseikan]] ([[東京国立博物館 -トーハク-]]著, [TIME[2019-01-09 10:53:24 +09:00]]) <https://www.tnm.jp/modules/r_exhibition/index.php?controller=hall&hid=10>
- [174] [CITE[Heisei 1 Hakusyo]] ([TIME[2003-03-29 16:16:58 +09:00]]) <http://www.mlit.go.jp/hakusyo/transport/heisei01/SEIBI/1SEIBI4.HTM>
- [206] [CITE[Apertura del Consulado General del Japón en León, Guanajuato]]
([TIME[28/01/2015][2015-01-28]],
[TIME[2015-01-29 08:31:31 +09:00]]) <https://www.mx.emb-japan.go.jp/sp/boletines/1502.pdf>
- [197] [CITE@en[Message from His Majesty The Emperor : Message from His Majesty The Emperor(August 8, 2016) (video) - The Imperial Household Agency]] ([TIME[2019-03-23 12:00:27 +09:00]]) <http://www.kunaicho.go.jp/page/okotoba/detailEn/12#41>
- [202] [CITE@pt[Atividades Consulares : Consulado Geral do Japão em São Paulo]] ([TIME[2019-02-01 01:41:11 +09:00]]) <https://www.sp.br.emb-japan.go.jp/itpr_pt/atividades_consulado.html>
]REFS]
** 略号
[273] [[明治]]、[[大正]]、[[昭和]]、[[平成]]、[[令和]]をそれぞれ頭文字で
「明」、「大」、「昭」、「平」、「令」や「M」、「T」、「S」、「H」、「R」
と省略することがあります。
[[手書き]]や、申請書等の選択肢で列挙する場合、
文書番号の一部とする場合などに特によく見かけます。
[SEE[ [[元号コード]] ]]
;; [274] それ以前の[[元号]]は、必要となる場面があまりないので見かけません。
同じ文字で衝突することが多いので、あまり古くまで拡張することはできません。
「慶」(慶応) など[[江戸時代]]末期の[[元号]]の省略形は極めて稀に見かけます。
[487]
[[日本政府]]は近現代の[[元号]]の略号が衝突しないよう配慮しているようです。
[SEE[ [[元号の選定]] ]]
** 手話表現
[244]
[[日本手話]]には、
[[近現代]]の[[日本の元号]]の表現が存在します [SRC[>>243]]。
[[令和改元]]では、新元号発表[TIME[当日][2019-04-01]]に手話表現 [SRC[>>242]] が決定され、
[TIME[翌日][2019-04-02]]に発表されました。
(新元号発表記者会見の手話通訳では[[音訳]]されたようです。) [SEE[ [[令和改元]] ]]
[REFS[
- [242] [CITE@ja[新しい手話の動画サイト:特集 元号関連用語]]
([TIME[2019-04-08 11:05:09 +09:00]])
<https://www.newsigns.jp/featured014>
- [243] [CITE@ja-JP[時の表現「明治、大正、昭和、平成」 - YouTube]]
([TIME[2019-04-08 11:08:20 +09:00]])
<https://www.youtube.com/watch?v=BGyEte8sdCs>
]REFS]
** 元号名の衝突
[276] [[日本]]の政府が定めた[[元号]]は、いずれも固有の名称を持ち、衝突しません。
[277] [[私年号]]の中には、正式な[[元号]]と同名のものもあります。
[[日本]]の[[元号]]と[[日本]]以外の[[元号]]が衝突しているケースもいくつかあります。
[377] 次のものは、[[日本]]の[[元号]]と[[私年号]]で衝突しています。
多くは、古い時代の正式な[[元号]]と同名の[[私年号]]を気付かず使ってしまったように見えます。
[FIG(list short)[
- [[大同]]
- [[延徳]]
- [[宝徳]]
- [[明応]]
- [[正中]]
- [[正和]]
- [[正治]]
- [[永長]]
- [[長徳]]
]FIG]
[378] [[天政]]は、異なる時期の[[私年号]]・[[異年号]]として使われていたようです。
[379] 古代の年号に関する一部の文献や[[九州王朝]]説の支持者は、
[[白雉]]、[[朱鳥]]、[[大化]]を[[九州年号]]などとしています。
そのためこれらが[[私年号]]として挙げられることがあります。
正史上の[[元号]]と同名ですが、異なる[[年]]を意味すると主張されています。
更に、[[継体]]も[[九州年号]]・[[私年号]]とされますが、これは[[継体天皇]]擬似[[元号]]
(の「天皇」を省略した形) と衝突します。
[405] 次の[[元号]]は、[[日本]]と他国とで衝突しています。
[FIG(short list)[
- [[元和]]
- [[天平]]
- [[建徳]]
- [[正暦]]
- [[建武]]
- [[大宝]]
- [[明治]]
- [[正安]]
- [[仁平]]
- [[天暦]]
- [[正平]]
- [[文明]]
- [[天徳]]
- [[天授]]
- [[宝暦]]
- [[大正]]
- [[大同]]
- [[貞元]]
- [[安和]]
- [[天正]]
- [[承和]]
- [[昌泰]]
- [[仁寿]]
- [[保安]]
- [[延慶]]
- [[文治]]
- [[弘治]]
- [[貞観]]
- [[大治]]
- [[永治]]
- [[元亨]]
- [[天安]]
- [[天保]]
- [[承平]]
- [[嘉慶]]
- [[永徳]]
- [[天明]]
- [[明応]]
- [[永祚]]
- [[天和]]
- [[永暦]]
- [[正元]]
- [[永和]]
- [[乾元]]
- [[元徳]]
- [[天福]]
- [[正徳]]
- [[仁安]]
- [[永享]]
- [[天禄]]
- [[至徳]]
- [[天応]]
- [[明徳]]
- [[慶雲]]
- [[天元]]
- [[承安]]
- [[天慶]]
- [[神亀]]
- [[正治]]
- [[文安]]
- [[正和]]
]FIG]
[406] 次の他国の[[元号]]は、[[日本]]の[[天皇]]名の擬似[[元号]]と衝突しています。
[FIG(short list)[
- [[清寧]]
- [[神武]]
- [[武烈]]
- [[神功]]
]FIG]
[407] 次の[[元号]]は、[[日本]]の[[私年号]]と他国とで衝突しています。
[FIG(short list)[
- [[至大]]
- [[大同]]
- [[天晴]]
- [[大和]]
- [[文徳]]
- [[朱雀]]
- [[正法]]
- [[明応]]
- [[延寿]]
- [[正治]]
- [[徳昌]]
- [[永楽]]
- [[正和]]
- [[福徳]]
]FIG]
[408] 他に、かなり多数の[[元号]]が[[日本]]以外同士で衝突しています。
[456] 以上の[[中国]]の[[元号]]の衝突のうち、
([[元]]の[[大德]]、[[天曆]]、) [[明]]の[[弘治]]、[[正德]]、[[清]]の[[嘉慶]]は[[琉球]]で使われ、
[[日本]]の[[元号]]と衝突しています。[[明]]の[[永樂]]も[[日本]]の[[私年号]]と衝突しています。
[409] 同じ[[元号]]が3つ以上の意味で衝突していることも少なくありません。
最もよく使われているのは[[太平]]で、少なくても11種類あります。
次が[[建平]]で、少なくても9種類あります。
少なくても8種類あるのが[[建武]]などいくつかあります。
[410] [[元号]]と年数と[[干支]]の組み合わせでも衝突しているものがいくつかあります。
;; [421] [[日本]]とは違って[[中国]]等は新しい[[王朝]]が前の[[王朝]]を滅ぼし入れ替わっているので、
過去の[[元号]]との衝突を避ける意志は働かなかったのでしょう。
むしろ[[建武]]のように同じ建国を表す意味の[[元号]]が盛んに採用されています。
[[日本]]政府も[[中国]]との衝突を避ける意志が無かったと見受けられます
(中国の統一王朝の[[元号]]が後に[[日本]]で使われた例もあります)。
;; [475] こうした情報は、 [[元号一覧]]のデータファイルに含まれています。
* 元号の意味
[SEE[ [[元号の選定]]、各元号の項 ]]
* 元号制度の運用
[1045]
[[元号]]制度は、国家権力などが新たな[[元号]]を制定し、
移行を繰り返していくことで運用されるものです。
[SEE[ 新元号の選定方法や決定手続きについては[[元号の選定]] ]]
[256] [[元号]]を改めることを[[改元]]といいます。
[SEE[ [[改元]] ]]