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[1]
[[縦書き]]と[[横書き]]の中間形態に、
[DFN[1行1文字の縦書き]]、
[DFN[1行1文字の横書き]]があります。
[8]
中間より少し寄った形態に、
[DFN[1行1語縦書き]]、
[DFN[1行1語横書き]]があります。
* 1行1字縦書きの日本語と漢文
[2]
[[日本語]]の[[右横書き]]が成立する前の、
[[前近代]]の[[右横書き]]的なものは、
[[1行1字の縦書き]]たる[[右上縦書き]]と考えられています。
[SRC[ [CITE[[[横書き登場]]]] ]]
[4]
[[漢字文化圏]]諸国の[[漢文]]の[[右横書き]]的なものも同様です。
[3]
[[明治時代]]後期から[[昭和時代]]中頃までの明らかに[[右横書き]]が成立していた時代の[[日本語]]の[[広告]]、
[[看板]]、
[[ポスター]]のようなものでも、
[[縦書き]]を主とする構成に、
[[右横書き]]とも[[1行1字縦書き]]とも断定しがたい横並びの文字列が自然に溶け込んでいる例が豊富にあります。
おそらく当時の人々にとっては[[縦書き]]、[[右横書き]]の違いを強く意識することなく、
自在に扱うことができていたのでしょう。
* 1行1字横書きの欧米諸語
[5]
[[看板]]、
[[背表紙]]などで1行1字横書きの[[欧米語]]が使われることがあります。
[[英語]]その他が[[縦書き]]される事例として紹介されるものは、
たいていこの形態のものを指しているようです。
(読みにくいためでしょうが、[[背表紙]]では[[書き上げ]]、
[[書き下げ]]の方が一般的です。)
[6]
[[上縦書き]]の[[日本語]]に[[英数字]]を混在させるときも、
同様に[[文字]]を[[正立]]させて縦に並べて配置することがあります。
[[欧字]]の「[[和字扱い]]」のように呼んでいて、
考え方としては[[1行1字横書き]]というより[[縦書き]]に近いようです。
* 1行1字横書きのアラビア文字
[7]
[[看板]]などで1行1字横書きの[[アラビア文字]]表記が使われることがあります。
通常横並びの[[アラビア文字]]は[[続けて書かれて][続け字]]、
[[語頭形]]、[[語末形]]などに変化するのですが、
此の場合[[孤立形]]が縦に並べられるようです。
これは1行1字横書きと呼ぶべきなのでしょうか、
それとも[[縦書き]]と呼んだ方が良いのでしょうか。
* 1行1語縦書きの蒙古文字
[9]
[[蒙古文字]]は普通[[左上縦書き]]で書かれますが、
現在[[内蒙古]]は[[中華人民共和国]]領である関係上、
[[左横書き]]の[[中文]]と併記されることが多いようです。
[10]
文中に混在するときは[[誤]]単位で[[横中縦]]で表現されるようです。 [SEE[ [[横中縦]] ]]
混在ではなく併記されるときは、
[[語]]単位で横に並べられる、
1行1語の左上縦書きとなるようです。
混在は[[看板]]などで見られます。
* 1行1語横書きのラテン文字
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[11] [CITE@ja[第95回 ベトナムから見た日本・中国・韓国の漢字 | 漢字の現在(笹原 宏之) | [[三省堂]] ことばのコラム]], [TIME[2020-11-20T02:54:47.000Z]] <https://dictionary.sanseido-publ.co.jp/column/kanji_genzai095>
]FIGCAPTION]
[12] [CITE[95_1_l.jpg (JPEG 画像, 1200x900 px)]], [TIME[2018-07-27T08:51:03.000Z]], [TIME[2020-11-20T02:55:19.123Z]] <https://dictionary.sanseido-publ.co.jp/wp-images/column_sasa/95_1_l.jpg>
>ハノイ市内で。仏教の建造物だけに頂点に「卍」があり、クオックグウで「仏歴2555」(「陽暦2011」)「春辛卯(かのとう)」とあるが、ウサギ年はネコ年となる。
クオックグウも音節は横書きで、文としては漢文風に縦書き。
]FIG]
[13] [CITE@ja[第117回 街中で見るローマ字 | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム]], [TIME[2020-11-21T12:22:32.000Z]] <https://dictionary.sanseido-publ.co.jp/column/kanji_genzai117>
>看板で字を横に倒したり、1語ずつを縦に書いていく方法は欧米でも普通に見られるが、先に触れたとおり、日本や欧米から外来語として受け入れたKAEAOKEをKA RA O KE、PHOTOをPHO TOのように横書きで切って、1音節ごとに縦に連ねたり(写真)、中国式の対聯などのように、1音節(ローマ字では6字、7字になるようなものもある 前述)を筆字で1字のように塊のようにしてまとめて記すような漢字の名残もうかがえた。日本でも、かつてそういう試作があったように記憶するし、書家がそういうものを生み出しているが、それらは街中ではなかなか見受けられない。
* メモ