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[34] [DFN[即位紀年]]は、[[君主]]の[[即位]](またはその翌年)を[[元年]]とし、
以後2年、3年と[[年]]を数えていく[[紀年法]]です。
洋の東西を問わず古くから使われていました。
[96]
現在の[[日本の元号]]制度の原形となった[[紀年法]]群です。
* 方式の呼称
[3] この[[紀年法]]クラスについて確立された呼称は無いようです。
[4] 歴史学などでは[DFN[即位紀年]]、[DFN[在位紀年]]といった呼ばれ方をすることが多いようです。
[7]
[TIME[昭和50年10月][1975-10]]の[[日本国]][[外務省]]の[[外交官信任状]]調査では、
国により[DFN[在位年]]や[DFN[統治年]]と呼んでいました。
[SEE[ [[紀年法]] ]]
[6]
[CITE[日本年号史大事典]]の[[紀年法]]の分類 [SRC[普及版 p.11]]
では、
「(甲)政治的紀年法」に
「[[建国紀元]]」と「[DFN[王政紀元]]」があり、
[[王政紀元]]が
「㋩王の在位年数によるもの」と「㋥王政下の[[年号]]によるもの」
に細分されています。
また「中国において天子や諸侯の代始から年を数える元号」
という説明があり [SRC[普及版 p.14]]、
中国系[[王政紀元]]を広義に[[元号]]と呼んでいます。
[SEE[ [[元号]] ]]
他に[[英国式][英国王即位紀年]]の実例を出して
「国王即位何年式の紀年法」という呼び方もしています
[SRC[普及版 p.78]]。
[12]
[CITE[[[元号―年号から読み解く日本史―]]]]
は[[即位紀年]]と呼んでいました。
[SRC[>>11 p.29]]
ただし一例だけで、他の箇所では「即位から何年」など説明的に書かれていました。
[5] [[JIS X 7108:2004]] D.1 は[DFN[治世年代法]]と呼び、
「統治者の即位時点から年を数えること」と説明し[[和暦]]や[[バビロン暦]]を例示しています。
[10] [[OWL-Time]] は
「[DFN[Dynastic calendars]] (counting years within eras defined by the reign of a monarch or dynasty)」
を[[暦法]]例として挙げています。「monarch or dynasty」
としており、「monarch」 (君主) 治世に基づくものとは[[即位紀年]]であり、
「dynasty」 (王朝) 治世に基づくものとは[[建国紀元]]のうち王国のものですから、
[[開国年号]]や[[皇紀]]が該当するでしょうか。
[8] 同じような語でも、[[元号]]を含む[[紀年法]]クラスの呼称だったり、
[[元号]]以外の[[紀年法]]クラスの呼称だったりするので要注意です。
[REFS[
- [9] [CITE@en[Time Ontology in OWL]] ([TIME[2019-06-05 22:23:30 +09:00]]) <https://w3c.github.io/sdw/time/#trs-clock-calendar>
- [11] [CITE[[[元号―年号から読み解く日本史―]]]]
]REFS]
* 年の表記
[35] [[君主]]名に続けて年数を記述するのが普通です。
[EG[
[36] 例えば[[神武天皇]]元年、[[神武天皇]]2年、[[神武天皇]]3年などとします。
]EG]
[37] [[君主]]名には[[国]]名、[[王朝]]名等を冠することもあります。
[38] 現役当時には[[君主]]名は付けず、後世の[[歴史書]]等が区別のために[[君主]]名をつけていることもあります。
[39] [[君主]]には本名、[[諡]]、敬称有無などの表記のバリエーションがあるかもしれません。
「○○王の4年」のように[[君主]]名と年の間に[[助詞]]を挟むこともあります。
* 即位紀年の一覧
[FIG(list short)[ [1] [[在位紀年]]
- [[東洋の在位紀年]]
-- [[元号]]
-- [[天皇即位紀年]]
-- [[朝鮮半島の紀年法]]
- [[英国王即位紀年]]
- [[マレーシア王即位紀年]]
- [[古代バビロニア暦]]
- [[タイ国王即位紀年]]
]FIG]
* 建国紀年
[80] [[共和制]]の国家では、君主の即位のかわりに建国を起点とする[[紀年法]]を使っていることがあります。
例えば[[中華民国暦]]や[[アメリカの建国紀年]]があります。
* メモ
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[2] [CITE@ja[カロリング朝 - Wikipedia]]
([TIME[2016-02-07 20:59:34 +09:00]] 版)
<https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AD%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0%E6%9C%9D>
]FIGCAPTION]
> 教皇レオ3世のカール大帝への外交文書は東ローマ皇帝への書式に従い、教皇文書はカールの帝位在位年を紀年とするようになった。
]FIG]
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[77] [CITE@en[Regnal year - Wikipedia, the free encyclopedia]]
([TIME[2016-06-23 23:47:33 +09:00]])
<https://en.wikipedia.org/wiki/Regnal_year>
]FIGCAPTION]
> The Zoroastrian calendar also operated with regnal years following the reform of Ardashir I (3rd century).
]FIG]
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[79] [CITE@EN-US[Hawaiian Kingdom Treaty with Samoa - 1887]]
([TIME[2016-06-25 00:46:55 +09:00]])
<http://www.hawaiiankingdom.org/treaty_samoa.shtml>
]FIGCAPTION]
> Given at Our Palace of Iolani this Twentieth Day of March, in the Year of Our Lord One Thousand Eight Hundred and Eighty-seven, and in the Fourteenth Year of Our Reign.
]FIG]
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[91] [CITE@la[Magna Carta (Petrushevskiy) - Wikisource]]
([TIME[2018-05-31 01:07:34 +09:00]])
<https://la.wikisource.org/wiki/Magna_Carta_(Petrushevskiy)>
]FIGCAPTION]
> Data per manum nostram in prato quod vocatur Ronimede, inter Windlesoram et Stanes, quinto decimo die Junii, anno regni nostri decimo septimo.
]FIG]
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[94] [CITE@ja[エズラ記(口語訳) - Wikisource]]
([TIME[2019-02-22 02:33:28 +09:00]])
<https://ja.wikisource.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%BA%E3%83%A9%E8%A8%98(%E5%8F%A3%E8%AA%9E%E8%A8%B3)>
]FIGCAPTION]
> ペルシャ王クロスの元年に、主はさきにエレミヤの口によって伝えられた主の言葉を成就するため、ペルシャ王クロスの心を感動されたので、王は全国に布告を発し、また詔書をもって告げて言った、
]FIG]