520.txt

[11] [DFN[年度]]は、特定の[[応用分野]]における[[年]]です。

[12] [[日本]]では[[会計年度]]や[[学校年度]]として[[4月]]から始まり翌[[グレゴリオ年]][[3月]]に終わる1年間を[[年度]]とすることが多いですが、
その他にも専門分野や[[国]]によって色々な[[年度]]があります。

* 呼称

[18] [[日本語]]では、種別に応じて「○○年度」 (例えば[[会計年度]]) 
と呼び、曖昧でなければ省略して[[年度]]といいます。

[33] [[スポーツ]]界では[[年度]]のかわりに[DFN[シーズン]]ともいいます。

-*-*-

[19] [[日本]]では、特定の[[年度]]のことを、相当する[[暦年]]の[[元号年]]や[[西暦年]]に度を組み合わせて「[VAR[元号]][VAR[n]]年度」や「[VAR[n]]年度」のようにいいます。

[21] [[年度]]は2つの[[暦年]]にまたがりますが、そのどちらを[[年度]]名に用いるかは、
場合により異なります。

[24] [[日本]]の[[会計年度]]や[[学校年度]]など多くの[[年度]]では、
最初の[[暦年]]を採用します。

[EG[
[22] 例えば[TIME[平成30年4月][2018-04]]に始まる[[学校年度]]は、
平成30年度と呼ばれます。
]EG]

[25] [[米国]]の[[会計年度]] [SRC[>>23]] のように、
最後の[[暦年]]を採用するものもあります。
[[日本]]でも一部企業がこの方式を採用しています。

[EG[
[26] [[米国]]の FY2019 は、2018年から2019年にまたがる[[年度]]を指します。
]EG]

[52] 
[[会計期間]]の表記では「[VAR[n]]年[VAR[m]]月期」のように最後の[[月]]で呼ぶことがよくあります。

[EG[
[53] 
例えば2018年3月期は、
[TIME[2018年3月][2018-03]]で終わる[[会計期間]]を指します。
[[日本]]の[[会計年度]]の201''7''年度と同義です。
]EG]

[27] [[英語]]では両年を併記するのが一般的 [SRC[>>2]] ともいいます。
[[欧米]]の[[スポーツ]]では「[CODE[-]]」や「[CODE[/]]」で併記することが多いようです。

-*-*-

[44] 
[[決算期]]の「第[VAR[○]]期」、
[[キャリア]]や[[事業]]の開始から数える「[VAR[○]][[年目]]」、「[VAR[○]][[周年]]」、
[[学校]]の「第[VAR[○]]期(生)」
といったように、[[年度]]を初年から起算した独自の[[紀年法]]で呼ぶ場合も多々あります。

[45] 
[[年齢]]も、広義の[[年度]]とその[[紀年法]]といえなくもありません。

[REFS[
- [23] [CITE@ja[会計年度 - Wikipedia]] ([TIME[2018-06-02 15:30:10 +09:00]]) <https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%9A%E8%A8%88%E5%B9%B4%E5%BA%A6>
]REFS]


* 期間

[41] ほとんどの[[年度]]は、開始から次の[[年度]]の開始の直前までの1年間を
1年度としています。

[42] [[スポーツ]]の[[シーズン]]など一部の[[年度]]は、
オフシーズン期間が除外されており、1年度が1年に満たないことがあります。

;; [43] 歴史をたどれば古い[[暦法]]のいくつかにおける[[暦年]]も、
1[[太陽年]]に満たず、残りを「余った日」のように扱っていました。
そうした構造の[[暦]]になっていたのも、
農作業の都合などに由来するとされています。

* 年度と暦年

[46] 
そもそも[[暦年]] (一般的にいう「[[年]]」)
の決め方には農作業の都合などが反映されている場合が多く、
[[暦年]]と[[年度]]には本質的な違いは無いのかもしれません。
[[暦年]]の[[年始]]が変更されて第一月と[[年始]]が一致しなくなる事例すら多数ありました。
[SEE[ [[年始]] ]]

[47] 
ただ現代においては分野非依存の唯一もしくは少数の[[暦]]に基づき共通の年月日を定め、
それで都合が悪い場合に分野ごとの[[年度]]を置くという区分が明確になされています。

[48] 
[[暦年]]はその期間を細分して[[月]]や[[日]]が決められ、[[日付]]の表記に用いられます。
しかし[[年度]]が[[日付]]の表記に用いられることは基本的にありません。

* 年度と元号

[20] [SEE[ [[年度と改元の関係]] ]]

* 日本における年度の登場

[34] [[日本]]にも[[会計年度]]に相当するものは昔からあったそうですが、
長らく[[暦年]] ([[旧暦]]年) と一致するものでした。
明治2年以来何度か改正があり、[[暦年]]と一致したりしなかったりしつつ現在の
4月開始の[[会計年度]]に至っています。

[35] 明治7年に[[会計年度]]を定めた[[布告]] [SRC[>>15]]
の時点では、まだ「年度」という呼称はありませんでした。

[36] しかしそれを[TIME[1884年][year:1884]]に改正した際 [SRC[>>13]] には、旧制度を
「明治七年十月達會計年度」と呼んでいました。

[37] それより前、[[官報]]が始まった[TIME[明治16年][year:1883]]の第2号 [SRC[>>16]] には、
既に「年度」が使われていました。

[38] 明治14年出版の政府機関報告書 [SRC[>>17]] には、
「十年度」云々という表に「本年度(十一年度)」云々という注釈があります。
この表は明治11年度に作られたものでしょうか。その他に
「前周年」「本周年」「本周年度」「周年間」といった表現もみられます。
いずれも7月から翌年6月の期間を指しています。

[39] これらよりも後の文書が、過去に言及するときに遡って[[年度]]と表記する例もあります。

[REFS[
- [15] [CITE@ja[国立国会図書館デジタルコレクション - 太政官日誌. 明治7年9−12月]]
([TIME[慶4-明9][year:1876]])
<http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/787668/94>
- [17] [CITE@ja[国立国会図書館デジタルコレクション - 勧農局年報. 第4回]] ([[内務省勧農局]]著, [TIME[〔明12〕-14][year:1881]]) <http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/802162/54>
- [16] [CITE@ja[国立国会図書館デジタルコレクション - 官報. 1883年07月03日]] ([[大蔵省印刷局 '''['''編''']''']]著, [TIME['''['''1964''']'''-][year:1964]]) <http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2943206/1>
- [13] [CITE@ja[国立国会図書館デジタルコレクション - 官報. 1884年10月28日]]
([[大蔵省印刷局 '''['''編''']''']]著, [TIME['''['''1964''']'''-][year:1964]])
<http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2943606/1>
- [4] [CITE@ja[国立国会図書館デジタルコレクション - 官報. 1885年10月19日]]
([[大蔵省印刷局 '''['''編''']''']]著, [TIME['''['''1964''']'''-][year:1964]])
<http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2943900/1>
]REFS]

* メモ

[1] [CITE@ja[年度始めはなぜ4月? - その他(社会) - 教えて!goo]]
( ([TIME[2010-09-08 23:11:02 +09:00]] 版))
<http://oshiete.goo.ne.jp/qa/364952.html>

[2] [CITE@ja[年度 - Wikipedia]]
( ([TIME[2010-07-06 20:04:16 +09:00]] 版))
<http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B4%E5%BA%A6>

[3] [CITE@ja[世界各国の学校年度 - 異文化交流Podcast:JavajabarRadio]]
( ([TIME[2010-03-05 12:49:56 +09:00]] 版))
<http://refarence.javajabaradio.com/2009/05/aa.html>

[5] [CITE[新聞記事文庫 : 神戸新聞 1936.7.4]]
([TIME[2016-02-13 14:49:06 +09:00]] 版)
<http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/ContentViewServlet?METAID=10043471&TYPE=HTML_FILE&POS=1&LANG=null>

[6] [CITE[新聞記事文庫 : 報知新聞 1936.8.10]]
([TIME[2016-02-13 14:51:12 +09:00]] 版)
<http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/ContentViewServlet?METAID=10043747&TYPE=HTML_FILE&POS=1&LANG=null>

[7] [CITE[新聞記事文庫 : 満州日報 1935.4.7]]
([TIME[2016-02-13 14:53:01 +09:00]] 版)
<http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/ContentViewServlet?METAID=10054262&TYPE=HTML_FILE&POS=1&LANG=null>



[9] [CITE[デジタル台風:台風シーズンと発生時期に関する統計]]
([TIME[2016-07-07 07:18:38 +09:00]])
<http://agora.ex.nii.ac.jp/digital-typhoon/help/season.html.ja>

[10] [CITE@ja[シーズン (スポーツ) - Wikipedia]]
([TIME[2017-02-16 13:11:27 +09:00]])
<https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%B3_(%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%84)>


[14] [CITE@ja[国立国会図書館デジタルコレクション - 移民地事情. 第26巻]]
([[外務省通商局]]著, [TIME[昭和4-6][year:1931]])
<http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1442167/75>


[28] [CITE@ja[2014-15シーズンのFリーグ - Wikipedia]]
([TIME[2018-06-03 15:52:58 +09:00]])
<https://ja.wikipedia.org/wiki/2014-15%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%B3%E3%81%AEF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B0>

[29] [CITE@ja[2017/2018 ISUチャレンジャーシリーズ - Wikipedia]]
([TIME[2018-06-01 20:35:16 +09:00]])
<https://ja.wikipedia.org/wiki/2017/2018_ISU%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA>

[30] [CITE@ja[フットボールリーグ2 2017-2018 - Wikipedia]]
([TIME[2018-06-16 23:35:54 +09:00]])
<https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B02_2017-2018>

[31] [CITE@ja[ドイツ・ブンデスリーガ2017-2018 - Wikipedia]]
([TIME[2018-06-02 13:14:53 +09:00]])
<https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%AC2017-2018>

[32] [CITE@ja[セグンダ・ディビシオンB2017-2018 - Wikipedia]]
([TIME[2018-06-02 01:18:40 +09:00]])
<https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%82%B0%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%93%E3%82%B7%E3%82%AA%E3%83%B3B2017-2018>

[40] [CITE@ja[NFL、9月6日開幕 18~19年シーズン日程発表  :日本経済新聞]]
([TIME[2018-06-17 17:01:37 +09:00]])
<https://www.nikkei.com/article/DGXLSSXK50298_Q8A420C1000000/>

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[49] [CITE@ja[気象庁|過去の気象データ検索]]
([[気象庁 Japan Meteorological Agency]]著, [TIME[2019-01-15 20:58:12 +09:00]])
<http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/annually_s.php?prec_no=44&prec_ch=%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD&block_no=47991&block_ch=%E5%8D%97%E9%B3%A5%E5%B3%B6&year=&month=&day=&elm=annually&view=>
]FIGCAPTION]

> 寒候年とは、前年8月1日から当年7月31日までの期間のことです。例えば、2008年寒候年は2007年8月1日から2008年7月31日までの期間を示します。

]FIG]


[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[8] [CITE@ja[高額療養費の 限度額適用認定証と確定申告について質問です。 - 去年の収入が18... - Yahoo!知恵袋]]
([TIME[2019-03-30 14:14:49 +09:00]])
<https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1454193819>
]FIGCAPTION]

> 限度額適用認定証の年度切り替えは毎年8月1日です。

]FIG]


[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[50] [CITE[過去ログ'''[''' 645 ''']''':洋々亭フォーラム]]
([TIME[2019-03-30 12:26:47 +09:00]])
<http://yoyotei.opal.ne.jp/yybbs/pastlog0645.html#81921>
]FIGCAPTION]

> 住民税の年度は、賦課期日を規定する地方税法第39条、第318条に「賦課期日は、当該年度の初日の属する年の1月1日とする。」とあり、ここで言う「当該年度」は「会計年度」を指しています。

]FIG]


[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[51] [CITE[過去ログ'''[''' 645 ''']''':洋々亭フォーラム]]
([TIME[2019-03-30 12:26:47 +09:00]])
<http://yoyotei.opal.ne.jp/yybbs/pastlog0645.html#81921>
]FIGCAPTION]

> 国保の「限度額適用認定証の年度」は地方自治法ではなく、国民健康保険法によるところなので、8月1日から翌年7月31日を年度としています。

]FIG]


[54] [CITE[国の会計年度はなぜ 4 月から 3 月 までなのか? 諸外国はどうか?]]
([TIME[2019-04-08 10:36:48 +09:00]])
<https://www.nli-research.co.jp/files/topics/61267_ext_18_0.pdf?site=nli>



[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[55] [CITE[厚生労働省:労働保険の年度更新とは]]
([TIME[2019-04-01 09:01:26 +09:00]])
<https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudouhoken01/kousin.html>
]FIGCAPTION]

> 労働保険の保険料は、毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間(これを「保険年度」といいます。)を単位として計算されることになっており、その額はすべての労働者(雇用保険については、被保険者)に支払われる賃金の総額に、その事業ごとに定められた保険料率を乗じて算定することになっております。

]FIG]