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[7] [DFN[[CITE[日本暦日原典]]]]と
[DFN[[CITE[[[日本書紀暦日原典]]]]]]
は、[[内田正男]]による[[古代]]から[[明治時代]]までの[[長暦]]です。
[[日本の旧暦]]の規範とされています。
[11]
それまでの[[長暦]]とは異なり、
[[電子計算機]]を使った画期的な書籍でした。
各時代の[[暦法]]に基づき全時代を計算し、
[[史料]]により実際に合わせて訂正を加えていました。
誤植を防ぐため[[電子計算機]]の出力をそのまま印刷していました。
誤りの多かった従来の[[長暦]]に比べて信頼度が著しく向上したのでした。
* 日本暦日原典
[14]
[CITE[日本暦日原典]]
は、
[[元嘉暦]]のはじまりから[[明治改暦]]までをカバーしたものでした。
[17]
第1版から第4版までありました。
版により少しずつ訂正が入っていました。
[19]
版を選ばなければ[[古書]]で安価に入手できます。
版を選ぶとやや難易度が上がります。
[REFS[
- [12] [CITE@ja-jp[[[日本暦日原典]] | 内田 正男 |本 | 通販 | Amazon]], [TIME[2020-09-11T06:39:40.000Z]] <https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/463900091X/wakaba1-22/>
]REFS]
** 第1版
[21]
第1版の外箱に推薦の辞が印刷されていました。
[[見出し]]と[[名前]]だけ引用すると:
- [22] [CSECTION[古代史研究に一大福音の書]] [[大谷光男]] [[二本松学舎大学]]教授
- [23] [CSECTION[学会最近の快挙]] [[栗原朋信]] [[早稲田大学]]教授・文学博士
- [24] [CSECTION[昭和の学問の勝利]] [[諏訪春雄]] [[学習院女子短期大学]]教授
- [25] [CSECTION[広く人文系学者に推す]] [[広瀬秀雄]] [[東京大学]]名誉教授・元[[東京天文台]]長
- [26] [CSECTION[古典文学研究にも必備の書]] [[藤平春男]] [[早稲田大学]]教授
- [27] [CSECTION[コンピューター導入による画期的な資料]] [[桃裕行]] [[東京大学]]名誉教授・元東大[[史料編纂所]]長
... と著名人が絶賛していました。
[28]
第1版[[奥付]]:
>
[BOX(vertical)[
定価一〇、〇〇〇円
印刷 昭和五〇年七月一日
発行 昭和五〇年七月十日
]BOX]
[29]
第1版
[CSECTION[序文]] p.3
>昭和49年 甲寅10月
[30]
殆どのページは
[CSECTION[暦日編]]
で、
[[月の大小]]や[[朔日]]、
[[ユリウスグレゴリオ暦]]との関係、
[[二十四節気]]などが記載された表でした。
残りのページは
[CSECTION[暦法編]]
で、[[旧暦]]が開設されていました。
[31]
付録に、[[日干支]]と[[日子]]の対応関係を調べたり、
[[十二支]]と[[時刻]]や[[方位]]の関係をみたりする円盤状の早見図が附属していました。
[20]
第1版の外箱に
「予約者特価 9,000円」
とシールが貼られていました。
第1版の初期の予約分に貼られていたものでしょう。
** 初版訂正票
[33]
[CITE[正誤表]]
という印刷された1枚の紙がありました。
初版発行後第2版発行以前に初版購入者 (の一部?)
に配布されたようです。
[34]
[CITE[日食表の訂正表 (547頁以下)]]
という著者の手書きの1枚の紙がありました。
「昭和50年11月」
とありました。
[CITE[正誤表]]
に糊付けされた状態で、
一部の初版購入者に配布されたようです。
[32]
[CITE[『日本暦日原典』補遺と訂正]]
という
[[A4]]
1枚の[[正誤表]]がありました。
第2版発行時に、
初版購入者 (の一部?) に配布されたようです。
> [SNIP[]] 再版においてすべて訂正いたしましたが,
それらのうちの重要な個所を下に列記いたします。
[SNIP[]]
誤解のおそれの少ない魯魚の誤りや,
暦日を求めるのに直接関係のない注記の部分の誤りについては省略させて頂きます。
** メモ
- [13] [CITE@ja[日本暦日原典 - Wikipedia]]
( ([TIME[2014-08-07 05:04:09 +09:00]] 版))
<http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%9A%A6%E6%97%A5%E5%8E%9F%E5%85%B8>
* 日本書紀暦日原典
[6]
[CITE[日本書紀暦日原典]]
は、
[[神武東征]]から
[CITE[日本書紀]]
最後の[[持統天皇]]までをカバーしたものでした。
[36]
古書は比較的容易に入手可能です。
が[CITE[日本暦日原典]]ほどには流通していないようです。
[REFS[
- [1] [CITE[日本書紀暦日原典 | 内田 正男 | 本 | [[Amazon]].co.jp]]
([TIME[2016-01-18 12:59:34 +09:00]] 版)
<http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4639011830/wakaba1-22/>
]REFS]
[35]
[[奥付]]:
[V[印刷 昭和五二年十二月二十日]],
[V[発行 昭和五三年 一 月 十 日]]
[37]
本書の大部分は計算結果等を示した表です。
表・裏の表紙裏には表の凡例。
巻頭には[CSECTION[はじめに]]と題して計算方法等の解説。
巻末には[CSECTION[付・日本書紀の暦日に就て]],
[[小川清彦]],
昭和21年8月。
[38]
[[太陽暦]]は全編[[グレゴリオ暦]] ([[先発グレゴリオ暦]]) で統一されていました。
[SRC[表紙裏, p.12]]
[40]
本表は、[TIME[神武天皇即位前甲寅(-666)年][-666]]1月から[TIME[持統天皇11(697)年][697]]8月までをカバーしていました。
[41]
[[天皇即位紀年]] ([[漢風諡号]]), [[干支年]]が併記されていました。
[[神武天皇]]元年より前は「神武天皇即位前」 + [[干支]]、
空位年は[[干支]]のみでした。
[[西暦年]]は[[太陽暦]]の欄にあって、[[天文学的紀年法]]でした。
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[2] [CITE@ja[日本書紀暦日原典 | 「雄山閣」学術専門書籍出版社]]
([TIME[1970-01-01 09:00:00 +09:00]] 版)
<http://www.yuzankaku.co.jp/products/detail.php?product_id=4000>
]FIGCAPTION]
> 儀鳳暦・元嘉暦の暦法を用いて,神武東征から書紀の終りまでの全暦日をコンピュータで算出し,同時に太陽暦への換算値を付した古代暦日計算のための必携書。
]FIG]
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[18] [CITE@ja[【69】 元伊勢原像(六) -神宮“創祀二千年”と古代暦- | にっぽん文明研究所]]
([TIME[2016-01-18 13:27:47 +09:00]] 版)
<http://www.nippon-bunmei.jp/topics/turedure/%E3%80%9069%E3%80%91-%E5%85%83%E4%BC%8A%E5%8B%A2%E5%8E%9F%E5%83%8F%EF%BC%88%E5%85%AD%EF%BC%89%E3%80%80%EF%BC%8D%E7%A5%9E%E5%AE%AE%E2%80%9C%E5%89%B5%E7%A5%80%E4%BA%8C%E5%8D%83%E5%B9%B4%E2%80%9D.html>
]FIGCAPTION]
> 手許に千葉大学の名誉教授に退かれた内田正男氏の『日本書紀暦日原典』(雄山閣)がある。紀の記事で干支の初見は、神武天皇の条“是年(ことし)は太歳(おほとし)甲寅(きのえとら)なり。其の年の冬十月(みなづき)、丁巳朔(ひのとみのついたち)。辛酉(かのととりのひ)(五日)、天皇(すめらみこと)親(みづか)ら諸皇子(みこたち)舟(ふな)師(いくさ)を帥(ひき)ゐて、東を征(う)ちたまふ”である。この東征以来、紀の最後に現れる文武天皇元年の八月までは、千三百六十二年と八ヵ月の年月がある。この気の遠くなるような年月に登場する全天皇、年、干支、月、儀鳳暦の朔干支、グレゴリオ暦、中気、日本書紀の干支、元嘉暦の朔干支、中気が表として纏められている。
]FIG]
[10] [CITE[日本書紀暦日原典 - 內田正男 - Google ブックス]]
([TIME[2016-01-18 17:33:12 +09:00]] 版)
<https://books.google.co.jp/books/about/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%9B%B8%E7%B4%80%E6%9A%A6%E6%97%A5%E5%8E%9F%E5%85%B8.html?id=02vSAAAAMAAJ&redir_esc=y>
* データファイル
[5] [[日本暦日原典]] (第4版) で表の欄外に注釈があるもののリストが >>3
にあります (説明 >>4)。
[REFS[
- [3] [CITE@en[data-locale/kyuureki-genten.json at master · manakai/data-locale]] ([TIME[2014-09-11 06:46:08 +09:00]] 版) <https://github.com/manakai/data-locale/blob/master/data/calendar/kyuureki-genten.json>
- [4] [CITE@en[data-locale/calendar-kyuureki.txt at master · manakai/data-locale]] ([TIME[2014-09-11 06:46:27 +09:00]] 版) <https://github.com/manakai/data-locale/blob/master/doc/calendar-kyuureki.txt>
]REFS]
* 関連
[8]
[[国立天文台]]の
[CITE[[[日本の暦日データベース]]]]
は
[CITE[[[日本暦日原典]]]]
と
[CITE[[[日本書紀暦日原典]]]]
の成果に基づいています。
[39]
関連記事:
[[日本古代の日時]],
[[神武天皇後空位年]],
[[懿徳天皇後空位年]],
[[成務天皇後空位年]],
[[応神天皇後空位年]],
[[反正天皇後空位年]]
* メモ
- [16] ([TIME[2014-09-08 09:56:43 +09:00]] 版)
<http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/download.php/AN00100104-20050900-0057.pdf?file_id=57950>
- [9] [CITE@ja[月の大小 - CyberLibrarian]]
( ([TIME[2013-09-19 08:51:13 +09:00]] 版))
<http://www.asahi-net.or.jp/~ax2s-kmtn/ref/month_ls.html>
- [15] [CITE@ja[内田正男(暦学家)etc. - ものずき烏の無味乾燥?文]]
([TIME[2019-10-05 19:19:44 +09:00]])
<https://blog.goo.ne.jp/two_bottle_7th/e/452558a45a9bcfa55c1140fa062c753e>