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[1] [DFN[[[W3C]] [RUBYB[勧告]@en[Recommendation]]]]
([DFN[[[REC]]]]) は、 [[W3C Process]]
に規定された[[勧告トラック]]手続きに従い開発され、 [[W3C Advisory Board]] と [[W3C Director]]
に裁可を経て出版される[[標準化文書]]です。 [[W3C]] の[[標準化過程]]で最上位にある[[文書]]の状態であって、
他の[[標準化団体]]における「[RUBYB[[[標準]]]@en[standard]]」に相当します。
* W3C 勧告となった仕様
[11] 次の仕様書が [[W3C勧告]]となっています。
[FIG(short list)[
- [[HTML 3.2]]
- [[HTML 4.0]]
- [[HTML 4.01]]
- [[XHTML 1.0]]
- [[XHTML m12n 1.0]]
- [[XHTML m12n 1.1]]
- [[XHTML 1.1]]
- [[XHTML Basic 1.0]]
- [[XHTML Basic 1.1]]
- [[HTML 5.0]]
- [[XML 1.0]]
- [[XML 1.1]]
- [[XML名前空間 1.0]]
- [[XML名前空間 1.1]]
- [[XML情報集合]]
- [CODE(XMLa)@en[[[xml:base]]]]
- [CODE(XMLa)@en[[[xml:id]]]]
- [[XLink 1.0]]
- [[XLink 1.1]]
- [CODE(XML)@en[[[xml-stylesheet]]]]
- [[CSS1]]
- [[CSS 2.0]]
- [[CSS 2.1]]
- [CODE(CSS)@en[[[@namespace]]]]
- [[CSS Color]]
- [[選択子]]
- [[媒体クエリー]]
- [[DOM1]]
- [[DOM2 Core]]
- [[DOM3 Core]]
- [[DOM2 Events]]
- [[DOM2 Traversal and Range]]
- [[DOM2 Views]]
- [[DOM2 Style]]
- [[DOM2 HTML]]
- [[DOM3 LS]]
- [[DOM3 Validation]]
- [[Element Traversal]]
- [CODE(DOMi)@en[[[ProgressEvent]]]]
- [[CORS]]
- [[SVG 1.0]]
- [[SVG 1,1]]
- [[SVG Tiny 1.2]]
- [[MathML 1.0]]
- [[MathML 2.0]]
- [[MathML 3.0]]
- [[SMIL 1.0]]
- [[SMIL 2.0]]
- [[SMIL 3.0]]
- [[SMIL Animation]]
- [[XML署名]]
- [[XML暗号化]]
- [[XML Events]]
- [[XForms 1.0]]
- [[XForms 1.1]]
- [[XML Schema 1.0]]
- [[XML Schema 1.1]]
- [[SOAP 1.2]]
- [[WSDL]]
- [[XPath 1.0]]
- [[XPath 2.0]]
- [[XPath 3.0]]
- [[XSLT 1.0]]
- [[XSLT 2.0]]
- [[XSLT 3.0]]
- [[XDM]]
- [[XQuery 1.0]]
- [[XPointer]]
- [[RDF]]
- [[RDF Schema]]
- [[RDFa 1.0]]
- [[RDFa 1.1]]
- [[SPARQL]]
- [[OWL]]
- [[PNG]]
- [[WebCGM]]
- [[PICS]]
- [[P3P]]
- [[GRDDL]]
- [[Webmention]]
- [[CC/PP]]
- [CITE[Shapes Constraint Language (SHACL)]]
]FIG]
[46] 同じ「[[W3C勧告]]」であっても、その性質は時代により異なっています。
[[CR]] 創設前の[[W3C勧告]]は、 [[CR]] に相当するものです。
[EG[
[47] [[CSS 2.0]] は [[W3C勧告]]となりましたが、 [[CSS 2.1]]
開発当時の [[CSSWG]] は、実質的に [[CR]] であると説明していました。
[[CSS 2.0]] に含まれていたもののその後実装されなかった (される見込みもない) 機能は、
[[CSS 2.1]] では削除または[[参考]]に格下げされています。
[48] つまり90年代や00年代初期の [[W3C勧告]]は、実装可能かどうかの検討すら十分に経ていないものです。
例えば [[HTML 4.01]] には実装方法がよくわからずその後の [[HTML]]
仕様では削除されることになる機能が色々含まれています。
]EG]
* 手続き
[2] [[REC]] と出版される前には、 [[PR]] または [[PER]] として出版される必要があります。
[3] 細かな変更の場合は [[PER]] 無しで [[REC]] の後に [[REC]] が出版されることもあるようです。
[29] [[W3C Process]] も参照。
** 出版後の変更
[4] [[W3C TR]] の原則により一度出版されると変更されないことになっていますが、
[[in-place modification]] により軽微な変更は適用されることがあります。
[53] 軽微な変更と判断されたものは特別な告知なく行われることがあり、
変更前の版は残されていないので、注意が必要です。
* 廃止
[67] [TIME[2017年][year:2017]]に[RUBYB[廃止]@en[Obsolete]]制度が創設されるまで、
約20年間 [[W3C勧告]]には[[廃止]]やそれに相当する制度がなく、
一度 [[W3C勧告]]になったものは何があろうとそのまま放置されていました。
-*-*-
[5] 他の仕様書により「supersede」される例 [SRC[>>6]]があります。
[REFS[
- [6] [CITE[REC-PICS-services-961031]] ([TIME[2009-11-25 03:23:30 +09:00]] 版) <http://www.w3.org/TR/2009/REC-PICS-services-20091124/>
]REFS]
[7] 「no longer maintained」と宣言された例 [SRC[>>8]] があります。
[REFS[
- [8] [CITE[Cascading Style Sheets, level 1]] ([TIME[2013-05-29 05:53:05 +09:00]] 版) <http://www.w3.org/TR/2008/REC-CSS1-20080411/>
]REFS]
[9] 市場では事実上廃止状態にある[[勧告]]も、廃止されずに放置されていることがよくあります。
[EG[
[10] [[HTML 3.2]] や [[HTML4]] や [[DOM1]] は[[廃止]]されていません。
]EG]
[EG[
[50] [[DOM2 Views]] には、次のような注意書きがあります。
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[49] [CITE@en[Document Object Model (DOM) Level 2 Views Specification]]
( ([TIME[2011-09-23 07:51:37 +09:00]]))
<https://www.w3.org/TR/DOM-Level-2-Views/>
]FIGCAPTION]
> Document Status Update 2011-09-22: This paragraph is informative. The concepts this document defines are obsolete. The 'document' and 'defaultView' attributes are defined in the HTML5 specification with simplified semantics. The Web Applications Working Group encourages implementation of these concepts as defined by HTML5.
]FIG]
[52] 注意書きがあるだけまだましな部類ですが、この注意書きはあくまで[[参考]]で、
当該[[W3C勧告]]が[[廃止]]されたとは一言も書いてありません。実際 >>51
には数年経っても現行標準として掲載されています ([[DOM1]] は[[廃止]]されたらしく掲載されていませんが、
[[DOM2]] と [[DOM3]] と [[DOM4]] は古いまま掲載されています)。
[REFS[
- [51] [CITE@en[Standards Only (sorted by technology) - W3C]] ([TIME[2016-06-15 05:27:08 +09:00]]) <https://www.w3.org/TR/tr-technology-stds#tr_DOM>
]REFS]
]EG]
-*-*-
[69] [[W3C勧告]]には[RUBYB[撤回]@en[Rescind]]という[[制度][Process]]が一応存在していますが、
これは[[廃止]]よりも強く、使わないことを求め、[[特許ポリシー]]による取り扱いも停止するというものです。
これまでに適用例はありません。
[70] 類例として、[TIME[2009年][year:2009]]に [[XHTML2 WG]] が不適切な手法
[WEAK[([[W3C Process]] を無視したごり押し)]]
により [[XHTML 1.1 2e]]、[[XHTML Basic 1.1 2e]]、[[XHTML-Print 2e]]、
[[XHTML 1.0 3e]] と改定しようと [[PER]] を発行し、
[RUBYB[撤回]@en[Rescind]]されたことがありました [SRC[>>71]]。
[73] 撤回された [[PER]] には「撤回、使うな」と朱書きされています。
ただし当時の [[W3C Process]] [SRC[>>72]] には[[W3C勧告]]以外の [[TR][/TR/]] の撤回の制度がなく
(今もありません)、[[W3C勧告]]用の撤回手続きが踏まれた形跡も見当たらず、
どのように撤回に至り、撤回されたことがどのような意味を持ったのかは、はっきりしません。
発行が不適切な手法で撤回も不適切な手法、というのでは笑うに笑えませんがw
;; [74] なおこれらの[[仕様書]]は改めて (懲りずに) 手順を踏んで開発が継続されました。
[[XHTML 1.0 3e]] 以外は [[W3C勧告]]となっています。
[REFS[
- [71] [CITE@en-US[W3C Rescinds Four Proposed Edited Recommendations for XHTML Documents | W3C News]] ([TIME[2017-07-12 17:18:01 +09:00]]) <https://www.w3.org/blog/news/archives/89>
- [72] [CITE@en[World Wide Web Consortium Process Document]] ([TIME[2014-08-14 06:50:28 +09:00]]) <https://www.w3.org/2005/10/Process-20051014/process.html>
]REFS]
-*-*-
[75] [TIME[2017年][year:2017]]の [[W3C Process]] 改訂で廃止制度が創設されました [SRC[>>60]]。
[76] どうやらこれまで「supersedes」などと書いてあったのは、
ただそう書いてあるだけで、手続き上は特に意味を持っていないようです。
[[2e]] や [[3e]] のような改訂版の [[W3C勧告]]すら、
古い版の [[W3C勧告]]を廃止するものではなかったようです (!)。
(そういった見かけ上は廃止されていそうなものも、廃止の提案に含まれています [SRC[>>65]]。)
[77] [[WG]] が消滅して持ち主のいない [[W3C勧告]]は、 [[TAG]]
が[[廃止]]するか判断できるようです [SRC[>>64]]。
そうでないものは開発元の [[WG]] が決めるようですが、
担当 [[WG]] が定まっているのか怪しいものもあるので、
どうなるのか注目されます。
例えば [[WPWG]] は [[HTML 3.2]] や [[XHTML Basic 1.1]] などの廃止を提案しています
[SRC[>>65]] が、[[HTML 3.2]] は遥か昔の [[HTML ERB]] が開発したものですし、
[[XHTML Basic 1.1]] は2007年 [[HTML WG]] と並立 (対抗) していた
[[XHTML2 WG]] が開発したものです。どちらも [[WPWG]] の系譜に連ならないし、
[[憲章]]にも担当とは明記されていません [SRC[>>78]]
([[W3C]] はそうした管理的な事項を非公開情報としがちなので、
公にはなっていないものの実は [[XHTML2 WG]] 廃止時に引き継がれた、という可能性はありますが...)。
[REFS[
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[60] [CITE@en-US[What’s new in the W3C Process 2017? | W3C Blog]]
([TIME[2017-03-03 13:54:24 +09:00]])
<https://www.w3.org/blog/2017/03/whats-new-in-the-w3c-process-2017/>
]FIGCAPTION]
> Added a process to make a Recommendation Obsolete
]FIG]
- [68] [CITE@en[Obsoleting and Rescinding W3C Specifications]] ([TIME[2017-02-08 21:56:28 +09:00]]) <https://www.w3.org/2016/11/obsoleting-rescinding/>
- [61] [CITE@en[Obsoleting some specifications]]
([[chaals@yandex-team.ru]]著, [TIME[2017-04-26 11:32:27 +09:00]])
<https://lists.w3.org/Archives/Public/www-tag/2017Apr/0010.html>
- [64] [CITE@en[w3ctag/obsoletion: Specifications to be considered for Obsolescence]]
([TIME[2017-05-08 17:38:40 +09:00]])
<https://github.com/w3ctag/obsoletion>
- [65] [CITE@en[CFC: Make previous versions of HTML and XHTML obsoleteCFC: Make previous versions of HTML and XHTML obsolete · Issue #86 · w3c/WebPlatformWG]]
([TIME[2017-07-12 16:55:53 +09:00]])
<https://github.com/w3c/WebPlatformWG/issues/86>
- [66] [CITE@en[Make previous versions of HTML and XHTML obsolete · Issue #1 · w3ctag/obsoletion]]
([TIME[2017-07-12 16:59:51 +09:00]])
<https://github.com/w3ctag/obsoletion/issues/1>
- [78] [CITE@en-US[Web Platform Working Group Charter]] ([TIME[2016-10-31 23:15:51 +09:00]]) <https://www.w3.org/2016/11/webplatform-charter.html>
]REFS]
* 他の標準化団体での出版
[12] [[W3C勧告]]が他の標準化団体に提出されて標準として採用されたり、
他の標準化団体と同時に出版されたりすることもあります。
[13] [[PNG]]、[[XML暗号化]]などは [[IETF]] でも [[RFC]] として出版されているものがあります。
[14] [[PNG]] は [[ISO/IEC]] でも[[国際標準]]として出版されているものがあります。
[15] [[WebCGM]] は [[OASIS]] でも[[標準]]として出版されています。
[16] また一部の[[W3C勧告]]は翻訳されて [[JIS]] や [[JIS TR]] として出版されています。
ちなみに翻訳の質はお察しなので、公式・半公式の日本語版だとは思わない方が良いです。
[[JIS]] としての体裁を整えるための変更が特に断りなく入っているので、
惑わされないように原文を読むべきです。
[17] 出版された後の改訂の同期の状況は様々です。 [[IETF]]
で出版されたものは出版後放置されているようです。
[[JIS]] や [[JIS TR]] で出版されたものは改訂されることもありますが、
年単位で遅れているようです。
* 実情
[18] [[W3C勧告]]であることにはそれなりのネームバリューがあるようですが、
[[W3C勧告]]となったからといって普及するとは限りません。
[EG[
[19] 例えば [[PICS]]、[[XML 1.1]]、[[WebCGM]]、[[DOM3 Validation]]、 [[XML Events]]、[[XForms]]
など [[W3C勧告]]となって数年経っても市場から事実上無視された状態のものは多々あります。
]EG]
[40] [[W3C勧告]]は [[W3C]] の手続きに従い最終的に [[W3C Director]] が承認すれば発行されます。
[[W3C Member]] がすべて同意、支持しているとは限りませんし、
積極的に反対していた場合もあります。
[EG[
[41] [[Pointer Events]] や [CODE(HTMLa)@en[[[longdesc]]]]
は有力企業や主要な[[Webブラウザー]]の開発者が反対を表明していましたが、
賛成派が押し切って [[W3C勧告]]となっています。
]EG]
[20] また [[W3C勧告]]の仕様書の記述と実装が一致しているとは限りません。
[EG[
[25] [[HTML4]] はついに完全に実装されることはありませんでした。
]EG]
[EG[
[21] [[CSS 2.0]] や [[DOM3 Core]] のように仕様と実装に大きな乖離があり、
後に改訂版が作られることとなったものがいくつもあります。
[[W3C勧告]]という“お墨付き”を得た仕様書の存在が却って混乱を招いている場合もあります。
]EG]
[43] [[W3C勧告]]となる前に[[実装報告]]が必要ですが (旧 [[Process]] における [[CR]] → [[PR]])、
その判断に客観性はなく、強引にでも体裁を整えれば通過させることができるようです。
従って[[W3C勧告]]であるかどうかと実装可能性には関係はありません。
[EG[
[44] [[XHTML Basic 1.1]] の[[実装報告]]には、
「[[XHTML Basic 1.1]] には対応していないので[[テスト]]を書き換えたら、
[[テスト]]を通過した」との驚くべき記述があります。
;; [CODE(HTMLe)@en[inputmode]] も参照。
]EG]
[EG[
[45] [[HTML 5.0]] の[[W3C勧告]]化の際には[[テスト]]が不十分との意見もありましたが、
スケジュール優先で黙殺されました。 (元々 [[HTML5]] の[[編集者]]だった [[Ian Hickson]]
は[[テスト]]の整備と実装で10年は必要だと言い続けていましたが、 [[W3C]]
は無視して短いスケジュールを提示していました。)
]EG]
[58] [[仕様書]]が[[W3C勧告]]となるためには [[W3C]] の [[AC]] や [[Director]]
の承認が必要なことになっていますが、まともに読んで中身を評価しているとは思えない形式的
(あるいは政治的) な手続きでしかないようです。
[EG[
[59] 一度でも通読すれば気づくレベルの重大なミスがいくつも発見される杜撰な [[HTML 5.1]]
[[W3C勧告]]については [[HTML 5.1]] や [[HTML 5.2]] を参照。
]EG]
[22] [[W3C勧告]]が最新の仕様書とも限りません。
[EG[
[23] [[CSS 2.0]] が実態と大きくかけ離れていることから、 [[CSS 2.1]]
が開発されましたが、 [[W3C勧告]]となるまで数年かかりました。その間
[[CSS 2.0]] が最新の[[W3C勧告]]でしたが、最新の [[CSS 2.1]] ではなく [[CSS 2.0]]
を参照するのは誤りと考えられていました (が [[CSS 2.0]] を参照して混乱する人が後を絶ちませんでした)。
]EG]
[EG[
[28] [[CSS 2.1]] の大部分は既に [[CSS3]] モジュール仕様書群により改訂されていますが、
[[CSS 2.1]] だけを見ても気づかないこと、 [[CSS3]] モジュールの多くが
[[W3C勧告]]ではないことから、 [[CSS 2.1]] を参照して混乱する人が少なくありません。
]EG]
[EG[
[30] その後2014年12月付けで、 [[CSS 2.1]] はメンテナンスされておらず、
より新しい [[CSS 2.2]] [[ED]] を参照するべきである旨が
[[CSS 2.1]] [[勧告]]に追記されています [SRC[>>31]]。 (そうはいいつつ[[正誤表]]には
2015年7月にも追記がありますが [SRC[>>32]]。。。) ちなみに [[CSS 2.2]]
は未だ [[WD]] すら出版されていない状態であり、長年 [[CR]] と [[LC]]
を繰り返しながらも [[CSS 2.0]] [[勧告]]を有名無実化させていた [[CSS 2.1]]
に続いて [[CSS 2.2]] もまた [[W3C Process]] の破綻を象徴する形となっています。
[REFS[
- [31] [CITE@en[Cascading Style Sheets Level 2 Revision 1 (CSS 2.1) Specification]] ([TIME[2014-12-18 04:51:06 +09:00]] 版) <http://www.w3.org/TR/2011/REC-CSS2-20110607/>
- [32] [CITE@en[Errata in REC-CSS2-20110607]] ([TIME[2015-08-07 22:00:10 +09:00]] 版) <http://www.w3.org/Style/css2-updates/REC-CSS2-20110607-errata.html>
]REFS]
]EG]
[EG[
[24] [[CORS]] は [[W3C勧告]]となった時点で既に数ヶ月遅れの古いスナップショットでした。
]EG]
[EG[
[33] [[HTML 5.0]] は [[W3C勧告]]となった時点から遡って何年も前の [[HTML Standard]]
から派生し、 [[W3C]] 独自の編集を数多く加えたものでした。 [[WHATWG]] のみならず
[[W3C]] 自身も [[HTML 5.1]] の [[WD]] を発行しており、 [[HTML 5.0]]
は[[W3C勧告]]の“スタンプを押す”以外の意味がまったくありません。
]EG]
[EG[
[39] [[W3C勧告]]の [[Web Notifications]] は、 [[WHATWG]] の [[Notifications Standard]]
の相当古い版です。市場から支持されずに [[Notifications Standard]] から削除された機能が、
[[W3C勧告]]には残っています。 [[W3C]] もその事実は認識していて注記をしていますが、
なぜか削除していません。つまり [[W3C勧告]]に従ってその機能を実装すると、
市場の動きと反する製品になってしまいます。
[[W3C]] がなぜ[[相互運用性]]を損なおうとしているのか理解不能です。
[REFS[
- [38] [CITE@en-US[Web Notifications]] ([TIME[2015-10-22 09:07:32 +09:00]] 版) <https://www.w3.org/TR/2015/REC-notifications-20151022/>
]REFS]
]EG]
[35] 一般的には [[W3C勧告]]は [[W3C Process]] 上の技術仕様の「完成形」
と思われていますが、未解決の問題が残ったまま [[W3C勧告]]となることもあります。
[EG[
[37] [[W3C DOM4]] は、深刻な未解決問題に関する「警告」が掲載された状態で
[[W3C勧告]]となっています。
[REFS[
- [36] [CITE@en-US[W3C DOM4]] ([TIME[2015-11-19 21:54:20 +09:00]] 版) <https://www.w3.org/TR/2015/REC-dom-20151119/>
]REFS]
]EG]
[26] [[W3C勧告]]の出版後、開発を担当した [[WG]] が解散し、
メンテナンスされなくなることは普通です。[[正誤表]]ページが用意されることになっていますが、
開発担当 [[WG]] がなくなればその中身は空のまま放置されます。
[EG[
[27] [[P3P]]、[[XML Events]]、[[GRDDL]] などは放置されているようです。
[[XPointer]] も実質的には放置されているようです。
]EG]
[EG[
[42] [[HTML 3.2]] や [[DOM1]] は最早誰も使っていませんし、
記載されている内容は現実とも完全に乖離していますが、
[[正誤表]]も更新されず[[廃止]]もされず放置されています。
]EG]
* 翻訳
[54] いくつかの[[W3C勧告]]は[[日本語]]その他の[[言語]]に[[翻訳]]されています。
[55] しかし品質がそれほど高くなかったり、
古い版だけ翻訳されていて最新版が翻訳されていなかったりします。
あるいは、 [[W3C勧告]]自体が古い版で、本来はより新しい [[ED]]
を参照するべきなのに、 [[W3C勧告]]しか翻訳されていなかったりします。
[57] ほとんどの[[翻訳]]版の読者は、こうした事情を知らないでしょうし、
当然[[翻訳]]内でも説明されていません。
;; [56] [[仕様書の翻訳]]も参照。
* メモ
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[34] [CITE@EN[XQuery 1.0 and XPath 2.0 Functions and Operators (Second Edition)]]
([TIME[2015-09-08 11:09:53 +09:00]] 版)
<http://www.w3.org/TR/xpath-functions/>
]FIGCAPTION]
> Note: This paragraph is informative. This document is currently not maintained. This document remains available on the W3C's Technical Report web page for reference and use by interested parties. Readers are advised that no further maintenance (including correction of reported errors) is planned for this document. Readers interested in the most recent version of the XQuery and XPath Functions and Operators specification are encouraged to refer to http://www.w3.org/TR/xpath-functions-3/.
]FIG]
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[62] [CITE[Steven Pemberton]]
([TIME[2017-04-18 20:41:51 +09:00]])
<http://homepages.cwi.nl/~steven/>
]FIGCAPTION]
> XForms 1.0 is a W3C recommendation; it was the most implementated W3C specification at time of going to recommendation ever!
]FIG]
[63] これは [[XForms]] がすごいんじゃなくて、[[W3C勧告]]がしょぼいんやで(小声)
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[79] [CITE@en[RE: Notice of CFC: Make previous versions of HTML and XHTML obsolete]]
([[Katie Haritos-Shea GMAIL]]著, [TIME[2017-07-20 07:11:02 +09:00]])
<https://lists.w3.org/Archives/Public/public-webapps/2017JulSep/0009.html>
]FIGCAPTION]
> HTML 5.0 is only 3 years old and 5.1 is less than 1.
]FIG]
[80] [[HTML]] の[[最新版][HTML Standard]]よりずっと古い [CITE[HTML 5.2]] よりもっと古い [CITE[HTML 5.1]]
やそれよりとても古い [CITE[HTML 5.0]] が[[廃止]]されることに、
なんでこんなに反対する人々がいるのか謎だ。「たった3年」
って[[ドッグイヤー]]換算しなくても相当に昔だと思うんだけど。。。
[81] [CITE@en[Re: Propose "Obsolete" status for CORS spec]]
([[Mark Nottingham]]著, [TIME[2017-08-01 10:04:32 +09:00]])
<https://lists.w3.org/Archives/Public/public-webappsec/2017Aug/0000.html>
[82] [CITE@en[Proposal to Republish Previous Versions of HTML and XHTML as Obsolete Recommendations (Wide Review until 2017-09-07)]]
([[Xueyuan]]著, [TIME[2017-08-11 13:45:36 +09:00]])
<https://lists.w3.org/Archives/Public/public-review-announce/2017Aug/0004.html>
[83] [CITE@en-US[Proposal to Republish Previous Versions of HTML and XHTML as Obsolete Recommendations | W3C News]]
([TIME[2017-08-26 13:56:39 +09:00]])
<https://www.w3.org/blog/news/archives/6459>
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[84] [CITE[Introducing HTML 3.2]]
([TIME[2014-02-25 08:01:31 +09:00]])
<https://www.w3.org/MarkUp/Wilbur/>
]FIGCAPTION]
> HTML 3.2 was superseded by HTML 4.0 in December, 1997.
]FIG]
[85] [CITE@en[Re: Obsoleting]]
([[Michael Champion]]著, [TIME[2016-05-17 00:51:32 +09:00]])
<https://lists.w3.org/Archives/Public/public-w3process/2016May/0059.html>
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[86] [CITE@en[World Wide Web Consortium Process Document]]
([TIME[2018-02-01 23:07:31 +09:00]])
<https://www.w3.org/2018/Process-20180201/#rec-rescind>
]FIGCAPTION]
> A Recommendation can be declared Superseded.
]FIG]
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[87] [CITE@en[Geolocation API Specification 2nd Edition]]
([TIME[2018-01-31 23:35:11 +09:00]])
<https://www.w3.org/TR/2016/REC-geolocation-API-20161108/>
]FIGCAPTION]
> Status Update (January 2018): A reference to the GitHub repository was added on 31 January 2018 for comments.
]FIG]