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[26] [[Web]] における[DFN[[RUBYB[プラットフォーム][platform]]]]とは、
[[Webブラウザー]]の動作環境である [[OS]] 等全体を指します。

* プラットフォームの範囲

[20] ここでいう[[プラットフォーム]]とは、 [[Webブラウザー]]が動作する環境を指します。

[21] [[Windows]] や [[Android]] などの [[OS]] が該当します。
[[GNOME]] などの[[デスクトップ環境]]や [[GUIツールキット]]も含まれることがあります。

[29] 厳密に言えば[[Webブラウザー]]の[[下位層]]には当たらず、
[[Webブラウザー]]側の独自の設計の一部であっても「プラットフォーム」
に含めることがあります。

[EG[
[30] [[Windows]] 版の [[Chrome]] は、[[メニュー]]の表示色の決定に
[[Windows]] 全体の配色を (完全には) 使っていません。
]EG]

* プラットフォームの機能

[24] [[プラットフォーム]]は [[Webブラウザー]]を介して [[Webアプリケーション]]に色々な機能を提供しています。
[FIG(short list)[
- [[プロセス]]・[[スレッド]]
-- [[イベントループ]]
-- [[ワーカー]]
- [[描画]]エンジンと[[ウィンドウマネージャー]]
-- [[画面]]
-- [[窓][窓 (Web)]]
-- [[色]]、[[フォント]]等表示設定
-- [[ウィジェット]]
-- [[文脈メニュー]]
- [[装置][装置 (Web)]]
- [[IME]]
- [[ネットワーク]]接続
-- [[ネットワーク設定]]
-- [[名前解決]]
- [[証明書データベース]]
- [[ストレージ]]
- [[クリップボード]]
- [[ファイルシステム]]
-- [[ダウンロード]]
-- [CODE(HTML)@en[<input type=file>]]
-- [[File API]]
- [[DnD]]
- [[通知]]
- [[印刷]]
- 外部アプリケーションからの [[navigate]]
- [[ハンドラー]]
- [[Webサイトとネイティブアプリケーション]]
- [[AT]]
]FIG]

* プラットフォームの慣習

[22] [[プラットフォーム]]ごとに、明示的または暗示的な[[アプリケーション]]設計の指針が用意されていると考えられます。
例えば、
[FIG(list)[
- [[マウス]]の右ボタンの[[クリック]]で操作の実行を示す
- [[OK]]ボタンと[[取り消し]]ボタンは左と右に置く
- [[アクセスキー]]は [KBD[Alt]] と同時に押下する
- [[ボタン]]は飛び出した立体のように表示する
- 文字列入力欄で右クリックしたら、[[クリップボード]]操作のメニューを表示する
]FIG]
... といったようなものです。

[27] その一部は[[プラットフォーム]]レベルで[[利用者]]が設定可能かもしれません。
例えば、

[FIG(list)[
- [[マウス]]の左ボタンと右ボタンのどちらを主操作に割り当てるか
- [[マウス]]の連打を[[ダブルクリック]]と判断する最大の間隔は何 [[s]] か
- [[スクロールバー]]の[[色]]を何色とするか
- 標準の[[フォント]]をどれにするか
- ページ遷移が発生したら効果音を再生するか
]FIG]

... といった項目が設定画面に用意されているかもしれません。

* プラットフォーム依存の動作

[1] [[Web]] 関連仕様では、[[レンダリング]]や動作などを[[プラットフォーム]]依存とし、
特定の挙動を定義していないことがあります。

[18] 仕様上は「platform-specific」であったり、「platform conventions」に拠るとされていたりすることもあれば、
[[利用者エージェント]]に任せるとだけ記載されていることもあります。実際問題としてもどこまでが[[プラットフォーム]]の慣習で、
どこからが[[利用者エージェント]]固有の性質であるのか判断しがたいケースもあります。

- [15] [CODE(JS)@en[[[navigator.platform]]]] は[[プラットフォーム]]ごとに異なる値を返すことができます。
-- <http://www.whatwg.org/specs/web-apps/current-work/#client-identification>
- [16] [CODE(DOMi)@en[[[Plugin]]]] の有する値は[[プラットフォーム]]に依ることがあります。
-- <http://www.whatwg.org/specs/web-apps/current-work/#dom-plugin>

- [2] [[プラットフォーム]]の制限のために実装固有の制限を設けても構いません。
-- <http://www.whatwg.org/specs/web-apps/current-work/#conformance-requirements>
-- <http://www.whatwg.org/specs/web-apps/current-work/#timer-initialization-steps>

- [3] [[プラグイン]]とのやり取りの仕組みは[[利用者エージェント]]と[[プラットフォーム]]に依ります。
-- <http://www.whatwg.org/specs/web-apps/current-work/#plugin>

- [4] [[ダウンロード]]の際の[[ファイル名]]の決定は[[プラットフォーム]]の慣習に依ります。
-- <http://www.whatwg.org/specs/web-apps/current-work/#as-a-download>
- [6] [CODE(HTMLa)@en[[[accept]]]] [[属性]]による[[ファイル]]の絞り込みは[[プラットフォーム]]に依ります。
-- <http://www.whatwg.org/specs/web-apps/current-work/#attr-input-accept>

- [11] [[プラットフォーム]]の慣習により任意の領域を[[フォーカス可能領域]]にできます。
-- <http://www.whatwg.org/specs/web-apps/current-work/#focusable-area>
-- <http://www.whatwg.org/specs/web-apps/current-work/#attr-tabindex>
- [12] [[フォーカス]]を得た時の挙動は[[プラットフォーム]]に依ります。
-- <http://www.whatwg.org/specs/web-apps/current-work/#focus-update-steps>
- [10] [CODE(DOMm)@en[[[drawFocusIfNeeded]]]] [DEL[[CODE(DOMm)@en[[[drawSystemFocusRing]]]]]] の[[レンダリング]]は[[プラットフォーム]]に依ります。

- [19] [[活性化動作]]の呼び出し方法は[[利用者エージェント]]に依ります。
-- <https://html.spec.whatwg.org/#activation>

- [13] [[アクセスキー]]の割り当ては[[プラットフォーム]]に依ります。
-- <http://www.whatwg.org/specs/web-apps/current-work/#the-accesskey-attribute>
- [8] [[フォーム]]の暗示的な[[提出]]の方法は[[プラットフォーム]]に依ります。
-- <http://www.whatwg.org/specs/web-apps/current-work/#default-button>
- [9] [CODE(DOMe)@en[[[contextmenu]]]] 前後の[[イベント]]の順序は[[プラットフォーム]]に依ります。
-- <http://www.whatwg.org/specs/web-apps/current-work/#processing-model-3>
- [5] [CODE(HTMLe)@en[[[label]]]] [[要素]]の [[activation behavior]] は[[プラットフォーム]]のものに沿うべきです。
-- <http://www.whatwg.org/specs/web-apps/current-work/#the-label-element>
- [7] [[選択]]や[[カーソル位置]]の扱いは[[プラットフォーム]]に依ります。
-- <http://www.whatwg.org/specs/web-apps/current-work/#textFieldSelection>
-- <http://www.whatwg.org/specs/web-apps/current-work/#focus-update-steps>
- [14] [[DnD]] 中の挙動は[[プラットフォーム]]に依ります。
-- <http://www.whatwg.org/specs/web-apps/current-work/#concept-platform-dropeffect-override>
-- <http://www.whatwg.org/specs/web-apps/current-work/#drag-and-drop-processing-model>
- [17] [[束縛]]によって[[レンダリング]]が定められている場合、実際どう[[レンダリング]]するかは[[プラットフォーム]]の慣習に依ります。
-- <http://www.whatwg.org/specs/web-apps/current-work/#bindings>
- [CODE[endings]]

[28] [[ハードウェア制限条項]]も参照。

* プラットフォームと統合された特権アプリケーション

[25] [[Vibration API]] には (「[[NOTE]]」ながら)
「A trusted (also known as privileged) application that integrates closely with the operating system's functionality」
について通常と異なる動作をすることを認めています。

* 関連

[23] [[Webプラットフォーム]]は、 [[Webブラウザー]]をアプリケーション実行環境として捉えた時その上 (および[[サーバー]]とその間の[[ネットワーク]]) に構築された[[プラットフォーム]]を表しています。
本項でいう[[プラットフォーム]]とは異なります。

[31] [CITE@en[Require text entry cursor at the beginning of controls initially]]
([[domenic]]著, [TIME[2017-06-24 01:34:33 +09:00]])
<https://github.com/whatwg/html/commit/dd0fb780a96e603f32ff8537d2b465d49ec06e27>