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[1]
[TIME[平成30(2018)年][year:2018]][[夏]]、
[[森喜朗]]、[[遠藤利明]]らが[[日本]]で[[夏時刻]]を導入することを企て、
政財界はもちろん国民全体を巻き込んだ大きな騒動となりました。
記録的な猛暑だった[[平成最後の夏]]の長く暑苦しい事件でした。
[SEE[ 日本の近現代時刻制度については[[日本の標準時]] ]]
[SEE[ 以前の夏時刻実施については[[昭和のサンマータイム]] ]]
[SEE[ これ以前の再実施の議論については[[日本の標準時]] ]]
* 嵐の前の静けさ
[402] 2010年代後半から[[日本政府]]は[[働き方改革]]を掲げ、
[[プレミアムフライデー]]など労働環境の改善を推進しました。
[1107] [TIME[2015年][year:2015]]、
[[内閣総理大臣]]の[[安倍晋三]]は、
労働環境改善のため朝型勤務の推進を表明し、
主に[[国家公務員]]を対象に[[ゆう活]]
(夏の生活スタイル変革) として実施されました。
[1108] これは[[時刻]]を変更する[[夏時刻]]とは関係なく、
従来「○○版サマータイム」などと称して組織単位で実施された[[夏季営業時間]]制度と同様のものでした。
政府のみならず、色々な民間企業でも[[ゆう活]]や朝型勤務、サマータイムといった呼称で実施されました。
[SEE[ [[ゆう活]] ]]
[1109] これを[[夏時刻]]制度導入を狙っているのではないかと警戒する人もいました。
[[ゆう活]]自体が「日本版(型)サマータイム」とも報道されましたし、
[[政府]]内でそのような呼称で検討されていた形跡も見られました。
しかし政府の公式な発表では「サマータイム」という語はほとんど見られませんでしたし、
従来の[[夏時刻]]制度導入の動きへの言及も見られませんでした
([SEE[ [[日本標準時改正案]] ]])。
(民間では[[サマータイム]]と呼称して追随する企業がある一方で、
[[サマータイム]]と[[ゆう活]]の違いを比較するという解説もありました。)
勤務時間の繰り上げという点だけみれば2000年代後半の「○○版サマータイム」
と同様ではあるのですが、連続性はかなり薄まっているように思われます。
むしろ政府としては従来「サマータイム」と呼んできた (あまり成果の芳しくない)
[[夏季業務時間制度]]を、
「ゆう活」という新概念で置き換えることを狙っていたようにも見えます。
[1110] したがって、
以前であればこれこそ[[夏時刻]]制度の導入の好機と意気込む人が出てきたことでしょうが、
近年そんな話はまったく流れてきません。
かつての[[夏時刻]]推進派はすっかり力を失ってしまったのでしょうか。
* まえぶれ
[955]
[TIME[2014年10月24日][2014-10-24]]の[[報道]]によると、
[[東京五輪]]の[[組織委員会]]会長の[[森喜朗]] ([[森元首相]]) は、
講演において、
[[東京五輪]]の暑さ対策のため[[サマータイム]]を導入するべきとの提案を受けたこと、
[TIME[同年][year:2014]][[夏]]に[[日本政府]]の[[首相]]の[[安倍晋三]]に
2時間の[[サマータイム]] [TZ[+11:00]] を実施することを提案したこと、
検討するが[[役人]]が反対することが想定されると[[安倍首相]]が返答したことを紹介し、
[[サマータイム]]の検討を進めることを示しました [SRC[>>954]]。
元々の提案者が誰だったかは明かされていません。
[24]
[[日本政府]]の[[内閣官房副長官]]だった[[加藤勝信]]
([TIME[平成24(2012)年12月26日][2012-12-26]]-[TIME[平成27(2015)年10月][2015-10]])
によると、
[[ゆう活]]の議論の中で、
[[東京五輪]]のために[[夏時刻]]を実施するべきとの提案も受けましたが、
[[沖縄]]で朝まだ暗い中で登校しなければならないなど不都合があり、
[[ゆう活]]を推進することとなりました。
[SRC[>>645]]
[145]
その後[TIME[2016年][year:2016]]、
[[森喜朗]]や[[組織委員会]]が[[サマータイム]]実施を検討していることが伝えられました。
[23]
[TIME[平成28(2016)年9月29日][2016-09-29]]、
[[日本政府]]の[[文部科学省]]で開催された[[東京オリンピック・パラリンピック調整会議]]で、
[[日本政府]]や[[東京都]]の関係者も参加した中で、
東京五輪組織委員会は[[夏時刻]] (や[[祝日]]化 [SEE[ [[日本の祝日]] ]])
を検討する必要があると主張しました。
[SRC[>>830]]
[21] しかし[TIME[2017年][year:2017]]年頭、
当年内に決めなければ間に合わないと[[森喜朗]]が述べた
[SRC[>>958]] のを最後に報道は消えました。
効果は薄い、あるいは実現性は低いと判断されたのでしょうか。
[11]
当時は [[Twitter]] や[[掲示板]]などでまま話題となりましたが、
報道はいずれも単発のもので本格的な動きにつながらなかったため、
社会的な問題とされるには至りませんでした。
おそらく元より関心の強めの人達の意見に偏ってはいたのでしょうが、
賛否両論、やや反対多めのように見受けられました。
反対理由は[[東京五輪]]目的や[[森元]]への反発、
労働強化や「夕方の余暇活用」への疑問、過去の失敗経験、
システム改修など、
賛成理由は欧米での自身の経験といった感じだったようです。
[SRC[>>956, >>951, >>20]]
[9]
[[東京五輪]]前に[[夏時刻]]を導入したととして、
それをその後も継続実施するつもりであるかどうかの言及も確認できません。
あくまで[[東京五輪]]の便宜という観点でしか検討されていなかったと思われます。
[959]
[[東京五輪]]目的の[[夏時刻]]の実施の提案は、
この時点では従来の資源節約目的の[[夏時刻]]実施の主張とはまったく異なるもので、
かつての推進派の人々はあまり関わっていなかったと見られます。
かつての[[夏時刻]]推進派中心人物の1人、
[[中上英俊]]はこの時期に[[東京五輪]]のために[[夏時刻]]を導入することを提案しており
[SRC[>>1085]]、[[森元]]らの主張と似ていないこともありませんが、
はっきりとした関係性は確認できません。
その他の人物もかかわりは表に出てきていません。
[SEE[ [[日本標準時改正案]] ]]
[13]
この時期にも[[夏時刻]]が[[国会]]で取り上げられたことはありましたが、
政府の関心は[[ゆう活]]であって、
[[夏時刻制度]]には慎重な姿勢を示していました
[SRC[>>646, >>645]]。
[REFS[
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[957] [CITE@ja[森氏、五輪サマータイム提案に首相「なるほど」 : 東京五輪 : 読売詳報_緊急特集グループ : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)]] (2014年10月24日 [TIME[2017-12-25 23:00:26 +09:00]]) <http://www.yomiuri.co.jp/feature/TO000299/20141024-OYT1T50118.html>
(消滅確認 [TIME[2019-08-15T01:21:12.00Z]])
[CITE@ja[森氏、五輪サマータイム提案に首相「なるほど」 : [[東京五輪]] : 読売詳報_緊急特集グループ : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)]] ([TIME[2019-08-15 10:20:40 +09:00]]) <https://web.archive.org/web/20150414223219/http://www.yomiuri.co.jp/feature/TO000299/20141024-OYT1T50118.html>
]FIGCAPTION]
>2020年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会会長の森喜朗元首相は24日、東京都内で開かれた読売国際経済懇話会(YIES)で講演し、暑さ対策として安倍首相に対し、サマータイム(夏時間)の導入を提案したことを明らかにした。
> 森氏が「(夏の)マラソンは倒れる人がいるのではないか。2時間ほどサマータイムをやったらどうか」と提案したのに対し、首相は「なるほど、考えてみる」と応じた。ただ、首相は経済産業省など省庁がサマータイム導入に慎重だとの考えも示したという。
]FIG]
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[954] [CITE@ja[森元首相 「五輪にあわせサマータイムを」 NHKニュース]] (10月24日 16時17分 [TIME[2017-12-25 22:49:02 +09:00]]) <https://web.archive.org/web/20141024075152/http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141024/k10015671161000.html>
]FIGCAPTION]
> 森元総理大臣は「オリンピックなどの在り方を巡って、いろいろ提案を受けているが、その中に夏に生活時間を早めるサマータイムを導入してはどうかという案があった。導入すれば確かにマラソンも簡単になる」と指摘しました。
> そのうえで、森氏は「安倍総理大臣にこの夏会ったときに『思い切って2時間ぐらいのサマータイムをやったらどうか』と提案した。安倍総理大臣は『なるほど考えてみよう。しかし、役所に言うと反対するんだよな』と言っていた。反対もあるだろうが、庶民の気持ちを大事に、できるかぎりやってみることも大事だ」と述べ、サマータイムの導入を検討すべきだという考えを示しました。
]FIG]
- [956] [CITE@ja[議論:「オリンピックに向けてサマータイムの導入を検討…」賛成or反対?]] (2014年10月29日 12:37 [TIME[2017-12-25 22:51:40 +09:00]]) <http://blogos.com/discussion/2014-10-29/summertime/>
- [951] [CITE[「サマータイム、東京オリンピックで導入を」森喜朗元首相の発言に「サービス残業増える」など反対意見続出]] (2014年10月25日 00時36分 JST | 更新 2015年02月21日 23時23分 JST [TIME[2017-12-12 08:17:13 +09:00]]) <http://www.huffingtonpost.jp/2014/10/24/summer-time-tokyo-olympic-2020_n_6045438.html>
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[646] [CITE@ja[第189回国会 経済産業委員会 第26号(平成27年7月3日(金曜日))]] ([TIME[2017-08-09 09:09:06 +09:00]] 版) <http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009818920150703026.htm>
(移転確認 [TIME[2019-08-15T01:33:28.500Z]])
[CITE@ja[第189回国会 経済産業委員会 第26号(平成27年7月3日(金曜日))]] ([TIME[2019-05-21 09:30:21 +09:00]]) <http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigirokua.nsf/html/kaigirokua/009818920150703026.htm>
]FIGCAPTION]
>
○渡辺(周)委員
[SNIP[]]
ゆう活
[SNIP[]]
> もう時間もなんですから伺いますけれども、これは、将来サマータイム制を導入するということをやはり将来的には考えていくのかどうなのか。つまり、民間も一緒になってやらなければ意味がないわけです。その効果たるや、やってみたら実はそれなりの成果が出ていたということを、やはり理屈が立ってやるのかどうか。やらなきゃいけないと思うんですけれども、そこはどうなんですか。
> 何か、パフォーマンス的にことし二カ月だけやってみました、だけれども、やはりなかなかうまくいきませんでした、来年以降は白紙ですというんじゃなくて、やるなら、それなりの覚悟を持ってやるべきだと思いますけれども、どうなんですか、そこは、その心構えというのは。
> 逆に、サマータイム制をかつて導入しようとした経産省にも伺いたいんですが、いかがですか。
>
○宮沢国務大臣 私は、留学と勤務でアメリカに結構長くおりまして、サマータイムというのは実は大変いい制度だと。仕事が終わった後、日が長いですから、ゴルフですらできるようなところがありまして、いい制度だと思っております。
> 一方で、サマータイムにつきましては、戦後すぐに導入されて、そのときに労働強化につながったというような経験があって、その後、なかなかサマータイムといったものが政策の俎上にはのってきていないというのが今の状況でございます。
> したがって、今回のゆう活、おっしゃるように、例えば国会との関係等々、難しい話はいろいろありますけれども、やはり早く帰るということを大臣以下率先してやって、その時間を、飲む時間がふえるのか、体を鍛える時間になるのか、家族の団らんになるのか、それぞれいろいろあると思いますけれども、一夏やってみて、その結果をいろいろ分析するということはまず大事だと思っておりますが、一方で、それがサマータイムに関連しているものだとは考えておりません。
;; [[渡辺周]]: [[民主党]]の[[衆議院議員]]。
;; [[宮沢洋一]]: [[経済産業大臣]]。[[自民党]]。
]FIG]
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[507] [CITE@ja[脱“社員一律”でメリット増す サマータイム成功企業の工夫 | [[日刊ゲンダイ]]DIGITAL]]
(2016年8月24日 [TIME[2016-08-24 21:12:12 +09:00]])
<http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/188325>
]FIGCAPTION]
> 2020年の東京オリンピックで、暑さ対策からサマータイムを導入しようという議論がある。大会期間中の7月24日~8月9日(パラリンピックは8月25日~9月6日)は連日の猛暑が予想されるため、選手の負担を考え、時計を2時間早めようという動きだ。
]FIG]
[NOTE[
[17] [[夏時刻制度]]への言及はこの冒頭の段落だけで、残りは[[夏季業務時間制度]]の実情を伝える記事。
ただしまとめの
>
確かに、すべての企業が一斉にサマータイムにしてしまうと、通勤ラッシュはそのままだし、居酒屋に行っても混雑してしまって元のもくあみだ。何事も一律というのはうまくいかないものだ。
... は[[夏季業務時間制度]]
(やそれと(意図的に?)混同されて[[夏時刻制度]])
のメリットとして主張されることがある時差出勤効果を否定する重大な指摘。
]NOTE]
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[527] [CITE@ja[東京五輪組織委・森喜朗会長 暑さ対策でサマータイム導入提案 祝日変更も - 産経ニュース]]
( ([[SANKEI DIGITAL INC.]]著, [TIME[2016-09-27 00:53:12 +09:00]]))
<http://www.sankei.com/politics/news/160927/plt1609270013-n1.html>
]FIGCAPTION]
> 2020年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会会長の森喜朗元首相が26日夜、BS日テレ番組に出演し、東京五輪が7月24日~8月9日に開催されることを踏まえた暑さ対策として、時計の針を一定時間進めるサマータイム(夏時間)導入を提案した。
> 森氏は「個人的な考え」と前置きした上で、「2時間早めれば(屋外競技の開始時間が)午前7時が5時になるので、朝の涼しいうちに終わる」とサマータイム導入の利点を述べ、検討を急ぐべきだとの考えを示した。
]FIG]
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[528] [CITE[五輪競技会場の見直し 森会長「極めて難しい」 | NHKニュース]]
([[日本放送協会]]著, [TIME[2016-09-29 12:52:06 +09:00]])
<http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160929/k10010710851000.html?utm_int=detail_contents_news-related-auto_001>
(消滅確認 [TIME[2019-08-15T01:51:04.000Z]])
[CITE[五輪競技会場の見直し 森会長「極めて難しい」 | NHKニュース]] ([[日本放送協会]]著, [TIME[2019-08-15 10:50:44 +09:00]]) <https://web.archive.org/web/20161004104216/http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160929/k10010710851000.html?utm_int=detail_contents_news-related-auto_001>
]FIGCAPTION]
> このほか会議では、マラソンやトライアスロンなど公道を使う競技について交通への影響を最小限に抑えるために大会期間中の平日を休日とするような法整備やサマータイムの導入について今後、検討していくことが確認されたということです。
]FIG]
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[529] [CITE@ja[特別立法で平日を休日に=サマータイムも検討-五輪調整会議:時事ドットコム]]
([TIME[2016-09-29 22:02:36 +09:00]])
<http://www.jiji.com/jc/article?k=2016092900054&g=pol>
(消滅確認 [TIME[2019-08-15T01:52:31.500Z]])
[CITE@ja[特別立法で平日を休日に=サマータイムも検討-五輪調整会議:時事ドットコム]] ([TIME[2019-08-15 10:52:16 +09:00]]) <https://web.archive.org/web/20160929144117/http://www.jiji.com/jc/article?k=2016092900054&g=pol>
]FIGCAPTION]
> 2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会や東京都などによる調整会議が29日午前、文部科学省で開かれた。一般道路を活用して競技を行う平日を特別立法で休日にしたり、暑さ対策としてサマータイム(夏時間)を導入したりすることについて検討する方針を決めた。
[SNIP[]]
>(2016/09/29-12:08)
]FIG]
- [20] [CITE[[[森元首相]]「東京五輪の為にサマータイム導入しろ、朝5時からな」]]
2016/09/27(火) 14:13:12.39
([TIME[2019-08-06 03:09:22 +09:00]])
<http://hayabusa3.2ch.sc/test/read.cgi/news/1474953192/>
-- [530] [CITE[森元首相「東京五輪の為にサマータイム導入しろ、朝5時からな」 - [[政経ch]]]]
[TIME[2016/09/28/ (水)][2016-09-28]]
([TIME[2016-09-29 22:01:27 +09:00]])
<http://fxya.blog129.fc2.com/blog-entry-30646.html>
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[830] [CITE@ja[東京オリンピック・パラリンピック調整会議|東京都]]
(平成28(2016)年9月30日更新 [[東京都]]著, [TIME[2016-10-04 17:00:38 +09:00]])
<http://www.metro.tokyo.jp/tosei/governor/governor/katsudo/2016/09/29_01.html>
]FIGCAPTION]
> 平成28(2016)年9月29日(木曜)、東京2020大会の関係組織の代表者が集まる東京オリンピック・パラリンピック調整会議が文部科学省で開催され、小池知事が出席しました。
> [SNIP[]]
> 会議では、組織委員会から今後の課題となる、路上競技の問題、輸送問題、仮設会場の問題について説明がありました。特に、トライアスロンや自転車のタイムトライアルなどは、一部の日程で平日開催が予定されているため、交通規制の観点から、休日化やサマータイムの導入、ルートの変更など、さまざまな検討が必要であるとされました。
]FIG]
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[143] [CITE@ja[インタビュー&トーク - 「東京五輪を機にサマータイムを」、“夏時間オタク”の投資運用会社社長:ITpro]]
( ([[ITpro]]著, [TIME[2016-12-01 13:15:48 +09:00]]))
<http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/14/262522/112800292/?rt=nocnt>
]FIGCAPTION]
> 2020年に開催予定の東京オリンピック・パラリンピック競技大会。関係組織の代表者が集まる調整会議の場で、サマータイム(夏時間)の導入が検討されている(東京都の関連ページ)。日照時間が長い時期に1~2時間、時刻を進めるサマータイムの導入は、IT関係者にも大きく影響する。実際に導入された場合、どのような効果が期待されるのか。自称“サマータイムオタク”の、投資運用会社ディメンショナル・ジャパン・リミテッドのジョン・アール・アルカイヤCEO(最高経営責任者)に聞いた。
> [SNIP[]]
> サマータイムの導入は、日本経済の目を覚まさせる「ウエイクアップコール」だと思っています。輸出額を伸ばすことも重要ですが、内需の拡大はさらに重要です。内需拡大のためには、一部の国民に関係があるような政策では効果が小さい。その点、サマータイムの導入は全国民が関係します。ここがポイントです。景気の「気」は気分の「気」です。国民全員が「変わった」と感じることができれば、景気は浮揚するはずです。
]FIG]
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[958] [CITE@ja[東京五輪の聖火リレー 森会長、被災地を「丹念に回ってあげたい」― スポニチ Sponichi Annex スポーツ]]
(2017年1月4日 21:14
[[株式会社スポーツニッポン新聞社マルチメディア事業本部]]著, [TIME[2017-12-25 23:04:06 +09:00]]) <https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2017/01/04/kiji/20170104s00048000262000c.html>
]FIGCAPTION]
> 2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長は4日、
[SNIP[]]
暑さ対策としてサマータイムを導入する構想については法整備が必要で「ことし中に手を打たないといけない」と述べた。
]FIG]
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[1085] [CITE[「時間を考える」…東京五輪に向けて夏時間制度の検討を]]
([[中上英俊]], [CITE[月刊「省エネルギー」]] Vol. 69 No.2 2017, [TIME[2017-02-17 18:40:42 +09:00]]) <http://www.jyuri.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2017/02/53adb738ef5dd53fca7cd593455290ac.pdf>
]FIGCAPTION]
>
[SNIP[]]
より東側の経度に標準時を合わせるということは一時間時制が早められており,いわゆる夏時間制度を恒常的に導入しているようなものだろう。その韓国で,オリンピックが開催された折,夏時間が採用されたことがある。なんでもそのきっかけはオリンピックの放送時間帯をより欧米の生活時間帯に近づけることが目的だったと聞いたことがある。わが国より西に位置した韓国で一時間の時間繰り上げは標準時間帯が東経150度,すなわち北海道の東まで移動することなったわけであるから,生活感覚としては随分ずれがあったのではないかと思われる。
[SNIP[]]
>
8月上旬で見ると,日の出が5時前,日の入りが18時半ころとなっている。これを一時間早めて夏時間とした場合はそれぞれ一時間繰り上がって日の出がおおむね6時,日の入りが19時半頃となる。ご存知のように日の出前30分くらいから明るくなり,日の入り後30分くらいで暗くなるので5時半,20時でも明るさは感じられる。ここで唐突にこの話を持ち出したのは,来るべき東京オリンピックに向けて思い切ってこの制度を導入してみてはどうだろうかという問題提起である。ただでさえ蒸し暑くて耐えられない我が国の真夏の時期に,世界からアスリートをお迎えし,炎天下で競技を行っていただくのに,せめて1°Cでも2°Cでも低い朝夕の気温の下でできないだろうかというのが私の提案である。
>私がこの夏時間について取り組むことになって23年になろうとしている。当初の目的は省エネルギー,地球温暖化対策への社会制度面からの可能性調査についてであった。今でもその有効性は決して変わらないと思う。
]FIG]
]REFS]
[29]
[TIME[平成30(2018)年][year:2018]]の
[TIME[2月22日][2018-02-22]]と
[TIME[4月17日][2018-04-17]]、
[[自民党]]の[[衆議院議員]]の[[中村裕之]]は、
[[衆議院]]で[[夏時刻制度]]の導入を検討するよう[[日本政府]]に求めました
[SRC[>>645, >>27]]。
その主張は、
2月の質問では[[東京五輪]]に絡めているものの、
主として資源節約に有益であり、
世界各国で導入されているから[[日本]]でも導入するべきというもので、
まるで10年前
([SEE[ [[日本標準時改正案]] ]])
にタイムスリップしたかのような内容した。
;; [30]
[[OECD]]
の
「三十五カ国中三十一カ国で導入をされているということで、日本と韓国とロシアと、あと一カ国だけが導入をしていないという状況ですので、ある意味、先進国で、特に高緯度の国については、ほとんどの国で導入をされている」
[SRC[>>645]]
と主張しており、
かつて[[夏時刻]]推進派が同様に主張したときにはまだ[[夏時刻]]を実施していた[[ロシア]]
(高緯度の国!) が廃止し、
実施[[面積]]でみれば[[夏時刻]]はかなり縮小していたのですが、
そのことには触れていません。
「世界の先進国ではサマータイムの導入は常識となっている」
[SRC[>>27]]
などと本気で信じていたのでしょうか。
この時「世界の先進国」である[[欧州][欧州夏時刻廃止]]や[[北米][北米夏時刻廃止運動]]では既に[[夏時刻]]廃止が現実性を帯びてきており、
[[ロシア]]の廃止はその先駆けでした。
(「日本だけが後れをとっている」 [SRC[>>25]]
と主張しているので本気だったのかもしれません。)
[31]
[[日本政府]]はあくまで[[ゆう活]]推進であって、
[[夏時刻制度]]は考えていないことを繰り返し表明しました
[SRC[>>645, >>27]]。
[[日本政府]]が[[夏時刻制度]]担当機関を置いていないことを中村は批判しましたが、
[[日本政府]]の姿勢は変わりませんでした。
[38]
[[日本政府]]の[[金融庁]]は大手金融機関にヒアリングしました
(時期は明言されていないものの、文脈からおそらくこの質問の直前)。
金融機関はシステムの対応が焦点になるものの、
検討が十分ではないため確かなことは答えられない、
としました。
しかし海外拠点では適切に対処できているのであるから、
十分な準備時間があれば対応可能なのではないか、
と楽観的な見通しも表明しました。
[SRC[>>645]]
;;
[40]
慎重な検討が必要である、という文脈の中ではありますが、
楽観が過ぎるようにも思われます。
一部の海外支店の業務に支障がないというのと、
国内の全システムと全営業拠点を対応させなければならないというのは大違いでしょう。
可能か不可能かでいえば可能というような返答で、
それにどれだけの費用が必要か、
十分な準備とはどの程度の期間なのか、
といった具体的なことはまったくわからない回答ですが、
要約すれば「基本的には対応はできる」
となってしまう、
うかつな発言にみえます。
[32]
中村は当初2時間の[[夏時刻]] [TZ[+11:00]] を想定していたようですが
[SRC[>>645]]、
[[沖縄]]の登校時刻が[[日の出]]前になることを指摘されたためか、
その後1時間の[[夏時刻]] [TZ[+10:00]]
に主張を変えたようです [SRC[>>27]]。
中村は更に加えて登校時間などは学校ごとに変えれば済む問題だと主張しましたが [SRC[>>27]]、
それならば[[時計]]を変えない[[夏季業務時間制度]]や[[日本政府]]の[[ゆう活]]で各組織、
各個人が時間を調整すれば良いのであって、
繰り返し指摘されてきた[[夏時刻制度]]推進派の主張の根本的矛盾を再現したのでした。
(しかも過去に失敗しています。 [SEE[ [[内台時差撤廃]]、[[昭和のサマータイム]] ]])
[33]
中村は[TIME[2012年][year:2012]]から[[衆議院議員]]を務めており、
過去の[[国会議員]]らによる[[夏時刻]]運動の時代にはまだ[[国会議員]]ではありませんでした。
この時中村が[[夏時刻]]を話題に取り上げた理由は不明で、
かつての推進派の議員や民間の推進派、
あるいは[[東京五輪]]関係者とのつながりは見つかっていません。
以前は[[北海道議会議員]]で、
(いくつかある議題の1つに)
[[北海道サマータイム]]が取り上げられた会に参加したことはあるようですが、
積極的に活動していたかは不明です。
しかし[[北海道サマータイム]]関係者とある程度のつながりはあるのでしょうし、
その経験から[[夏時刻制度]]を有益と思ったのでしょう。
;; [36]
中村は後に自民党の[[夏時刻]]の研究会にも参加しました。
[37]
[[立憲民主党]]の[[衆議院議員]]の[[生方幸夫]]は、
中村の提案に賛意を示しました [SRC[>>27]]。
生方は過去の[[夏時刻]]推進派によるアンケートでも賛成を表明していました。
[SEE[ [[サマータイム議連]] ]]
[REFS[
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[645] [CITE@ja[第193回国会 [[予算委員会]]第一分科会 第1号(平成29年2月22日(水曜日))]] ([TIME[2017-08-09 09:09:06 +09:00]] 版) <http://www.shugiin.go.jp/Internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/003119320170222001.htm>
]FIGCAPTION]
>
○中村(裕)分科員
[SNIP[]]
> 例えば、現在、政府が進めている、ゆう活を社会全体に広げるような取り組みが必要だと思っているんです。そうすることによって、会社と自宅の往復ばかりの生活をしているような方が、ゆう活のような活動をすることによって、さまざまな第三者が勤務実態というものに気づくチャンスが生まれるということだと思うんですね。それが、社会全体での、ある意味の監視機能というかチェック機能につながるというふうに考えております。
> そうした社会変革をもたらすための一つのツールとして、サマータイムの導入というのが私は有効だと思っているわけです。
> そこで、整理の意味で、フレックスタイム制度とサマータイム、それぞれの定義について確認をさせていただきたいと思います。
[SNIP[]]
>
○吉田政府参考人 サマータイムについてお答え申し上げます。
> サマータイムとは、太陽の出ている時間帯を有効利用するという目的で、一日の日照時間が長い期間、例えば四月から十月において、国内の、あるいは地域の標準時刻を、例えば一時間程度進めるという仕組みであるというふうに承知しております。
> 以上です。
>
○中村(裕)分科員 今それぞれ答弁があったように、全く違う概念でありまして、ゆう活ですとか、プレミアムフライデーも今週から始まるようですけれども、そうしたものがフレックスタイムを活用した一つの取り組みだというふうに思いますけれども、サマータイムとなると国単位というようなことが中心になろうと思います。
> サマータイムは、欧米では広く導入されているというふうに承知をしておりますが、OECDの三十五カ国でいうと実施状況がどうなっているか、お伺いしたいと思います。
>
○吉田政府参考人 お答え申し上げます。
> 政府として、あるいは行政として正式に調査した直近のデータはないんですけれども、内閣官房として我々が種々状況を把握しているところによりますと、三十五カ国中三十一カ国で実施されているというふうに承知しております。
>
○中村(裕)分科員 そうなんですね。三十五カ国中三十一カ国で導入をされているということで、日本と韓国とロシアと、あと一カ国だけが導入をしていないという状況ですので、ある意味、先進国で、特に高緯度の国については、ほとんどの国で導入をされているわけであります。
> こうしたサマータイムについて、我が国では導入をされていないというところでありますけれども、政府はどのようにこの制度を評価しているのか、お伺いしたいと思います。
>
○吉田政府参考人 一般論になりますけれども、サマータイムというのは、年間の日照時間の変化の大きい高緯度の諸国で主として実施されているというふうに承知しております。
> ただ、一方、我が国は、当然のことながら、北海道から沖縄まで東西南北で広がっておりますので、例えば、九州あるいは沖縄の方では日の出の時刻がどうしても遅いということがございます。このような地理的条件等を考慮すると、サマータイム制度については、やはりこの辺が重要になってくるのではないかというふうに考えております。すなわち、地理的条件を考慮しながら、もし実施するしないについて検討する場合には、その要素が非常に重要になってくるのではないかというふうに認識しております。
>
○中村(裕)分科員 南北に長い、その地理的な要素ということですけれども、日の出が遅くても暖かいよねというのもあると思うんです。
> ただ、我が国においても、過去にはサマータイムの導入について検討した経過もあろうと思うんですが、その検討はどのような状況だったのか、確認をさせていただきたいと思います。
>
○吉田政府参考人 先ほどの若干繰り返しになりますけれども、やはり地理的な条件というものが非常に大きな要素となっております。
> したがって、実施するというふうな方向での検討というのは確かにあったというふうには認識しておりますけれども、まず現実的に何を一番最初にできるかということで種々検討した結果、現在、明るい時間の活用ということで、ゆう活を国民運動として平成二十七年から展開しているというような状況でございます。
>
○中村(裕)分科員 過去に、CO2削減ですとか省エネとか、そういう観点からもサマータイムの導入について検討されたというふうに私も認識をしておりますが、そのときに、始業時間が一時間早くなって終業時間も一時間早くなるというわけですけれども、現実には終業時間が変わらなければ、労働強化、勤務時間が長時間化することにつながるんじゃないかという大きな懸念もあったというふうに承知をしております。
> しかし、働き方改革を進めることによって、こうした懸念は、私は払拭できるんだろうというふうに思うんですね。そういう働き方改革を進めている今だからこそ、数年後のサマータイムの導入というのが非常に効果的だというふうに考えるわけであります。
> 例えば二時間標準時間を前倒ししたときに、今、午後七時に帰宅をしている人が、現実には二時間早まりますから今の時間の午後五時に帰宅をできるということは、相当余暇を楽しむというか、夕方の時間を有効に活用するという動きにつながるわけであります。
> 例えば、友達と一緒にテニスに行く約束をする、しかし、その約束が仕事の都合でできなくなれば、お断りの電話をすると、あんたの会社はまだそんなことをしているのかいということになるでしょうし、スポーツクラブの予約をして、やはり行けなくなった、また仕事が延びましたとなると、ここの会社はよくないねというようなことにつながっていくということが、社会全体での労働時間のチェックにつながっていくというふうに私は思っています。そういう意味では、フレックスタイムではチェックがきかないわけですから、サマータイムの導入が有効だ、そういう趣旨の提案でございます。
> しかし、仮にサマータイムを我が国が導入するとしても、例えば金融機関のシステムですとか、そうしたところが対応できなければこれは無理な話なんですが、そういったシステムの対応というのは可能なのかどうか、金融庁の方に確認したいと思います。
>
○栗田政府参考人 お答え申し上げます。
> 日本におけるサマータイム制の導入につきまして、大手の金融機関にヒアリングしたところでございますけれども、システム対応の可否が大きな論点になるという、委員御指摘のとおりでございますけれども、現時点では、日本全体として対応の検討が行われているわけではございませんので、その影響範囲が必ずしも定かではないということから、対応ができるかどうかについては今時点で確たることを申し上げることはできないというのが大手の金融機関の見解でございます。
> 他方、大手金融機関は海外に拠点をたくさん持っておりまして、そういうところでは既にサマータイムが導入されておりまして、そこでは特に支障なく適切に対応しているものと承知しております。
> したがいまして、十分な周知、準備期間が得られれば、仮に日本でサマータイム制が導入されるということになった場合においては、基本的には対応はできるのではないかと考えております。
> いずれにしても、日本全体としてサマータイム制の導入が検討されるということになった場合には、我々といたしましては、導入に当たっての課題等について業界と議論を深めてまいりたいというふうに考えてございます。
>
○中村(裕)分科員 準備時間があれば対応可能だと。特に、そうですよね、グローバル企業ですから、海外では対応しているということはそのとおりだと思います。
> 今回、この予算委員会分科会で質問するに当たって、サマータイムの導入を提案したいと思っておりました。サマータイムについて質問したいということを申し上げましたら、今、政府内でサマータイムについて担当している部署はどこにもないということでございます。
> これは、私、意外でしたし、しかし、私は、働き方改革を進める中で、このサマータイムの導入は、今、企業や観光庁が個々に取り組んでいるゆう活、夕方の時間を有効に活用して豊かな人生を送るという趣旨を国民全体に広げることができる非常に有効なツールであると思っているんです。この検討さえも始められないということなんですよ、担当する部署がないんですから。それではやはり非常に問題があるというか、私は、ぜひこの検討は進めるべきだというふうに今思っているんです。
> 特に、二〇二〇年に東京オリンピック・パラリンピックが開催をされるわけですけれども、そのときには世界じゅうからお客様も訪れますし、その方々が日の長い時間帯を有効に活用していただけるということにもつながります。活動の豊富さや消費の拡大にももちろんつながりますし、心配しているマラソンの開催時刻にもいい影響を与えられると思うんですね、余り気温が上がらないうちにマラソン競技を始めて、大体ゴールも余り気温が上がらないうちに終えることができるですとか。
> もちろん、省エネやエコという観点からも、二〇二〇年にはぜひこのサマータイムを導入すべく政府としても検討すべきというふうに私は思っているところでありますけれども、政府の考え方についてお伺いしたいと思います。
>
○吉田政府参考人 先ほどの繰り返しになって恐縮ですけれども、やはり日本という地理的な条件を考慮させていただきながら、どういうふうなことができるかということ、あるいは、検討している担当の部署がないという先生の御指摘も踏まえて、夏というのは日照時間が非常に長いということもあり、二〇二〇年に向けてどのようなことができるか、ゆう活の充実も含めて検討してまいりたいと思います。
>
○中村(裕)分科員 加藤大臣、大変議論を聞いていただきましてありがとうございます。
> もし加藤大臣の方で、働き方改革を進める上で、私は企業内だけの取り組みでは不十分だと思っているんです。やはり社会全体がチェックし合えて、なおかつ個人個人が豊かな生活を、金銭的ももちろんですけれども、生活スタイルとしても豊かな生活ができるような社会の変革が必要だと思っていまして、それには非常にサマータイムというのは有効な手段だというふうに思っています。
[SNIP[]]
>
○加藤国務大臣 実は、私、官房副長官のころ、ゆう活を議論させていただきました。そのときに、やはり、今委員御指摘のオリンピック、特に、ちょうど日本のすごく暑い時期であります、そういうときにサマータイムを導入することによって、もう少し早朝の、それほど暑くないときから競技が開催できるのではないか、そんなような声も聞かせていただきました。
> ただ、今、政府側から説明を申し上げましたように、やはり、例えば沖縄を考えたときに、サマータイムを導入すると暗い時期から学校に行かなきゃいけないとか、そういったようなこともあるので、それよりは、まずはゆう活をやっていくべきか。
> そして、もう一つは、委員御指摘のように、フレックスタイムもそうでありますけれども、やはり豊かに生きていく。人生をどう、働くことだけではなくて、より自分の趣味や生きがいに合った形で使っていくのか、そういったことを問い直す機会という意味においても考えていくべきであろう、それは全くそのとおりだと思っております。
> したがって、サマータイムという形がそのままかどうかは別として、委員御指摘のように、より国民一人一人がその人生を、あるいは一日一日をいかに有意義に過ごしていくためには、どういう仕組みやどういう形の啓発も含めてやっていくべきなのか、また、特に、先ほどありましたオリンピックというものもあります、そういったものに対してどう対応すべきなのか、個々具体的な御指摘をいただきました。
> したがって、サマータイムとして議論するかというのは直ちにお答えできるわけじゃありませんけれども、今おっしゃられた視点に沿っては、政府においてしっかりと、例えばオリンピックでいえば丸川大臣のところも含めて、また、働き方ということにつながれば私のところを含めて、議論をしていくべきそうした課題だろう、こういうふうに思います。
;;
[[中村裕之]]: [[自民党]]の[[衆議院議員]] ([[北海道]]選出)。
;;
[[加藤勝信]]: [[働き方改革]]担当[[国務大臣]]。[[自民党]]。
;;
[[吉田幸三]]: [[内閣官房]]内閣参事官。
;;
[[栗田照久]]: [[金融庁]]総務企画局参事官。
]FIG]
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[27] [CITE[[[衆議院]]会議録情報 第196回国会 環境委員会 第5号]] ([TIME[2018-05-03 01:00:04 +09:00]]) <http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/196/0017/19604170017005c.html>
]FIGCAPTION]
>
○中村(裕)委員
[SNIP[]]
> その徹底した省エネルギーを推進するのであれば、我が国が第一に取り組まなければならない政策としては、サマータイムを導入することであろうと思います。
> 世界の先進国ではサマータイムの導入は常識となっていると思いますけれども、OECD加盟国におけるサマータイムの導入状況について伺いたいと思います。
>○森下政府参考人 お答えいたします。
> 公表情報を確認をいたしましたところ、現在、OECD加盟国三十五カ国中三十一カ国がサマータイムを採用しているものと承知をしてございます。
> ○中村(裕)委員 三十五カ国中三十一カ国で導入されている。アイスランドなどの、白夜のような、夏場の日の長いところは必要がないわけでありますから、導入していない国というのはごく限られているわけであります。
> サマータイムは、兵庫県の明石市の標準時を一時間ないし二時間進めることで、明るい時間帯、涼しい時間帯を有効に活用する取組であります。我が国でもサマータイムの導入を検討したことがあるということは承知をしておりますけれども、どのような検討がなされてきたのか、お伺いしたいと思います。
>○森下政府参考人 お答え申し上げます。
> まず、サマータイム導入に関する我が国での近年の議論でございますけれども、平成十年から十一年にかけまして、有識者や経済界、労働界などの関係者から成る地球環境と夏時間を考える国民会議、これが開催をされ、検討されたことがございます。
> この会議の取りまとめを受けまして、法制化についても検討がなされましたけれども、サマータイムの社会的評価が分かれる状況にありまして、協議がまとまらず、法制化に至らなかったというふうに承知をしてございます。
> その後、平成十九年十二月に開かれました中央環境審議会及び産業構造審議会の合同会合におきまして、京都議定書の目標達成計画に盛り込まれました対策、施策の進捗状況の評価、見直しがなされた際に、サマータイムについても議論がなされたことがございます。
> その審議会における議論でございますけれども、サマータイム導入により、省エネ、それからCO2の削減につながる、夕方の時間帯の有効活用につながるというメリットがある一方で、コンピュータープログラムの変更、航空、鉄道等のダイヤ変更、信号機の調整等の手間、コストが大きい、残業時間の増加につながる可能性がある、九州、沖縄などでは日の出が遅いなどの懸念があるという点も指摘をされてございます。
>○中村(裕)委員 十年ほど前に検討され、メリット、デメリットが整理をされたということであります。
> その検討の際に、我が国が導入した場合に、省エネ効果も試算をされているのではないかと思いますけれども、どのような数字であったのか、お伺いしたいと思います。
>○森下政府参考人 お答えいたします。
> 先ほど、地球環境と夏時間を考える国民会議が平成十一年の五月に発表した報告書によりますと、サマータイムの導入によりまして、原油換算で約五十万キロリットルの省エネ効果があると試算をされてございます。
> これは、四月から十月までの間、標準時を一時間進めるという設定でございまして、その場合、家庭用照明や業務用の冷房等の節約によりまして、原油換算にして約八十六・八万キロリットルの省エネ効果が得られ、他方で、余暇需要の拡大等によりまして約三十九・一万キロリットルほどのエネルギー需要の増加が見込まれるということで、差引き約五十万キロリットルの省エネ効果という試算結果となってございます。
> ちなみに、我が国の地球温暖化対策計画や長期エネルギー見通しにおきまして、二〇三〇年度に約五千三十万キロリットルの省エネを実現するとの目安を掲げておりますので、このサマータイムの省エネ効果と試算されました五十万キロリットルは、その約一%に相当するということになります。
> また、サマータイムには、こうした省エネ効果も含めて、国民生活や経済活動にさまざまな影響を及ぼすものと受けとめてもございます。
>○中村(裕)委員 プラスマイナスをそれぞれ見ると五十万キロリットルということですけれども、私の手元には、平成十九年の中央環境審議会に提出された民間委員の資料があります。これの試算では、九十一万キロリットルの省エネ効果があるということが示されていまして、これはどのぐらいの数字かというと、全国のパチンコ業界が使用するエネルギーの八五%という数字です。確かに、目標の一%というと小さいように思うかもしれませんが、確実に効果が上がる政策だというふうに思っております。
> こうした試算を見ても、大臣所信で表明された、我が国が脱炭素化を牽引するという決意であれば、世界の先進国で常識となっているサマータイムを日本でも取り入れるべきであります。
> 確かに、先ほど、沖縄の方で日の出が遅いというお話がありましたけれども、小学校の登校ですとかそうしたことが懸念されると思うんですが、例えば、本日の那覇市の日の出時刻は六時五分、十月三十一日、一番遅いときでも六時三十七分という日の出の時間であります。一時間時計を早めることが私は許容される範囲だというふうに思っております。
> また、文部科学省に確認をさせていただきましたところ、小学校の始業時間は設置者がそれぞれ決めることができるということでありますので、こうした日の出の時間、南北に長い日本列島の特性の中で、学校の始業時間ですとか、そうした意味での日の出の時間の差というのは、私はいかようにも対応できる内容ではないかと思っております。
> また、システムの改修について言及がありましたけれども、既に我が国のグローバル企業は世界の各システムともつながっており、航空でも金融でも投資でもそうでしょうけれども、全て世界のシステムとつながっていて、各国のサマータイムの切りかえに対応している状況であります。我が国の企業もグローバルなネットワークでグローバルなお仕事をしているわけですから、このシステムの切りかえが障害になるとは私は思えないわけであります。
> そうした観点でいうと、やはり長時間労働につながるのではないかという懸念が最も強かったのではないかというふうに私は感じています。
> そうした中で、今、働き方改革を進めようとしていて、そうしたことがこの長時間労働の懸念の払拭につながるのであれば、これはぜひサマータイムを我が国で再度検討していく必要があるのではないかと私は思っています。
> 環境問題のエキスパートでもあります中川大臣、ぜひそうしたことを検討していただきたいと思いますけれども、所見を伺いたいと思います。
>○中川国務大臣 サマータイムにはさまざまな課題がございまして、もちろんメリットもあるわけでございますけれども、現時点で、国民の総意として、サマータイムを導入するという議論にはなっていないというふうに認識しております。
> 現在、中央省庁では、平成二十七年度から、七月、八月をワークライフバランス推進強化月間と定めまして、勤務開始と終了の定時をともに一時間早める、ゆう活を展開しているところでございます。
> ゆう活のコンセプトは、仕事を早く終えることにより生まれる夕方の時間で生活を豊かにするということでございまして、サマータイムにより期待できる日中時間の有効活用について、できるところから始める取組でございます。
> また、民間企業におきましても、ゆう活の取組は徐々に浸透してきておりまして、厚生労働省が平成二十七年に行ったアンケート調査によりますと、回答を得た企業の半数以上が、始業、終業時間の前倒し、終業後の労働時間を始業前へシフトさせる働きかけ等を実施しているとのことでございます。
> 政府としては、ゆう活をまずやっていくということであり、その上で、サマータイムの導入につきましては、さまざまな課題があり、国民的合意を得なければならない問題であろうというふうに考えております。
>○中村(裕)委員 ありがとうございます。
> 先ほど御紹介した平成十九年の民間調査機関の資料によりますと、二〇〇七年の当時ですけれども、サマータイム制度の導入について、国民の、国民って、調査範囲にもよりますけれども、五七%が賛成、二九%が反対、そういう調査結果も審議会の方に提出をされているところであります。
> ゆう活等で夕方以降の退社後の時間の有効活用を図るという取組も進められているわけですけれども、これが、役所だけじゃなくて、大手民間企業だけじゃなくて、中小企業や、例えばインバウンドで来るお客様の活動にもつながっていきますので、そうした意味では、ゆう活の今の取組状況、一生懸命されている取組状況と、このサマータイム導入のインパクトの違いというのは、明らかに大幅な違いがあると私は思っています。
> 政府の中ではサマータイム制度を検討する機関が今置かれていないわけでありまして、国としての検討が一時今フリーズされているというのは私も存じています。しかし、パリ協定のもと、環境先進国として我が国が省エネに取り組んでいく上で、世界の先進国各国が取り組んでいるこのサマータイムを日本としてもできるだけ早く検討して、例えば、四月から十月までの七カ月、一時間前倒しをするというだけで、パチンコ屋さんが使うエネルギーの分が丸々に近いぐらい省エネされるということは私は大きい話だと思っていますし、まさに、仕事が終わってからの活動が活発になる。
> このことは、例えば、職場と家庭の行ったり来たりだけをしているという、電通の女性のような、そういう生活スタイルを変える、社会の変革につながって、職場と家庭以外の外部の人と接する機会がふえることによって、精神的なストレスの解消ですとか、また、周辺の目がその方の会社の労働時間の様子に少しでも触れるようなことになって、私は、社会変革が起こり、また、そうした過労死などの予防にもつながるというふうにも思っていて、大きなメリットがあると思っています。
> しかし、一番これを進めていただけるのが中川環境大臣だと私は勝手に思っていますので、ぜひ大臣、これから検討していただけるようにお願いを申し上げたいと思います。
[SNIP[]]
>
○中村(裕)委員 [SNIP[]]
> その意味では、中川大臣、くどいようですけれども、サマータイムは、私、こだわりがありまして、今本当に政府にそういった検討をする機関もないということ自体が、私、いかがなものかと思っていますので、ぜひ、閣僚間でもそうした議論をしていただける場をつくっていただいて、我が国のサマータイムについてこれからもお力添えをいただくことをお願いしたいと思います。
[SNIP[]]
>
○生方委員
[SNIP[]]
> 私も、今、中村委員がおっしゃったように、サマータイムは賛成でございます。夏の朝四時ごろ明るいのは本当に無駄だなというふうに思いますので、これはヨーロッパでもアメリカでも取り入れられているので、何とか日本でも本当に、せめて検討する機関をちゃんとつくっていただきたいなと。
[SNIP[]]
;;
[[中川雅治]]: [[環境大臣]]。[[自民党]]。
;;
[[生方幸夫]]: [[立憲民主党]]の[[衆議院議員]]。
]FIG]
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[25] [CITE@ja[[[サマータイム]] | 中村裕之オフィシャルWEBサイト]] ([TIME[2019-08-15 11:53:41 +09:00]]) <https://www.hiro-nakamura.jp/?tag=%E3%82%B5%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A0>
]FIGCAPTION]
>サマータイムはOECD35カ国のうち31カ国が実施しており、日本だけが後れをとっている。国民生活への影響は軽微で効果は明らかだ。質問したことにより賛同の声も複数あり、今後も連携して働きかけを行っていくことを確認した。
]FIG]
]REFS]
[80]
[TIME[平成30(2018)年6月20日][2018-06-30]]、
[[国民の祝日]]のうち3つを[[東京五輪]]の年に限り、
[[東京五輪]]会期中に移動させるとの[[法律]]が成立しました。
[[東京五輪組織委員会]]が[[夏時刻制度]]と共に提案していたもので、
[[夏時刻制度]]に触れられなくなった後も[[国会議員]]間の調整が進められていました。
[[五輪]]というほとんどの国民には関係しない1イベントのためだけに、
[[国民の祝日]]の趣旨を無視して1年限りで強引に移動させる、
問題の多い政策といえますが、
ほとんど話題ともされないまま法制化されてしまいました。
[SEE[ [[日本の祝日]] ]]
[[祝日]]の変更は[[日時制度]]の中でも最も影響の軽微な部類とはいえ、
無理が通れば道理が引っ込むという言葉そのままであって、
この調子で[[夏時刻制度]]でも何でも実現できると思ってしまったとしても不思議ではありません。
* 猛暑到来
[1128]
[TIME[平成30(2018)年7月][2018-07]]、
[[日本]]は[[平成最後]]の記録的な[[猛暑]]に見舞われました。
[[Twitter]]
などでは[[サマータイム]]の導入を提案する人も現れました。
ただし、
[[時計]]をずらす[[夏時刻制]]を主張する意見も多少は見られますが、
大半は単なる[[夏季営業時間]]や[[時差出勤]]のことを言っているようです。
どこまで本気の提案かは不明ながら、
12時間の変更 (昼夜逆転) で比較的涼しい夜間に活動するべきとの意見もかなり多く
(同時多発的に) 広まっているように見えます。
;; [1129]
猛暑対策の意味では従来提案されてきた1時間の[[夏時刻]]など[[焼け石に水]]ですし、
[[時計]]をずらすことにも意味がないのでしょう。
[[夏季営業時間]]は[[企業]]や[[個人]]の単位で事情に合わせていつでも導入できるので、
採用が増えているようにもみえます。
[[夏季営業時間]]を導入して繰り上げた結果終業時間にまだ暑く帰宅し辛い、
結局元の終業時間 (またはそれ以降) まで残業してしまうといった体験談も見られます。
[41]
それでも、この後訪れる騒ぎに比べれば静かな盛り上がりで、
真剣に提案していた人がどれだけいたのかも疑問です。
ほとんどは暑さを紛らわす愚痴のようなつぶやきに過ぎなかったでしょう。
[1125]
[TIME[2018年7月18日][2018-07-18]]、
[CITE[中日新聞]]の[[米国]]駐在記者[[白石亘]]は、
[[プレミアムフライデー]]を批判し、
[[米国]]同様の[[夏時刻]]の導入を提案しました [SRC[>>1123]]。
[TIME[同じ日][2018-07-18]]、
[CITE[産経新聞]]は、
やはり[[プレミアムフライデー]]よりも[[夏時刻]]を導入するべきと提案しました
[SRC[>>1124]]。
似たような主張ですが、同じ日に記事として公開されたのは偶然でしょうか。
もっとも[[米国]]の記者は夜まで[[猛暑]]が続く[[日本]]の事情を体感していないためか、
「仕事が終わった後、家族で公園にピクニック」 [SRC[>>1123]]
などと呑気なことを書いています。
どちらの記事も、[[プレミアムフライデー]]より[[夏時刻]]が好ましいとしながら、
その理由をろくに説明できていません (そもそも比較対象として正しいのかどうか)。
いつもの調子で舶来贔屓に軽い政府批判の与太話の程度のつもりで書いたのかもしれません。
[REFS[
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[1123] [CITE@ja[ワシントン お得で楽しい夏時間 | 中日旅行ナビ ぶらっ人]] (2018年07月18日 [TIME[2018-07-19 21:35:23 +09:00]]) <http://tabi.chunichi.co.jp/from-the-world/180523washington.html>
]FIGCAPTION]
> ワシントンに赴任して、うれしいことの一つは日が長いことだ。[SNIP[]] 米国では3月11日から夏時間(サマータイム)になり、時計の針を1時間進めた。いま日本の日没は東京で午後6時半ごろだから、同じようにサマータイムを導入すれば、日没は同7時半ごろになる。消費を盛り上げようと、日本政府が金曜日の早帰りを呼び掛けた「プレミアムフライデー」は不発気味。サマータイムのほうがよほど効果が大きいし、みんなに喜ばれると思うのだが。 (白石亘)
]FIG]
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[1124] [CITE@ja[【浪速風】猛暑対策で一案、サマータイム導入を まだ涼しい朝の有効活用を(7月18日) - 産経WEST]] (2018.7.18 15:05 [[SANKEI DIGITAL INC.]]著, [TIME[2018-07-19 11:32:41 +09:00]]) <https://www.sankei.com/west/news/180718/wst1807180065-n1.html>
]FIGCAPTION]
> 以前、タイを旅行して、バンコクの公園でまだ薄暗いうちから朝食をとる人たちが多いのに驚いた。家から持参の家族もいるが、公園の内外にはいろんな屋台が出ている。日中はたまらぬ暑さだが、朝はまだ涼しい。食べ歩き気分で屋台をはしごをすると満腹になり、一日が長く、豊かに感じた。
> サマータイムを導入してはどうだろう。これまで何度か検討されては、日本にはなじまないと見送られた。だが、こうも猛暑が続くと、比較的気温が低い朝の時間帯を有効活用するのも一案ではないか。もちろんアフター5も楽しめる。プレミアムフライデーより歓迎されると思うが。
]FIG]
;; [42] [[経度]]だけで考えれば[[バンコク]]は15分の[[通年夏時刻]]、
[[東京]]は-20分なので、[[バンコク]]の方が30分くらい早く感じたのでしょう。
もちろん気候の違いはいろいろあって単純比較はできません。
]REFS]
* はじまり
[1133]
[TIME[2018年7月27日][2018-07-27]]、
[[2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会]]会長の[[森喜朗]]
[SRC[>>1132, >>1134, >>1137, >>1146]] と事務総長の[[武藤敏郎]]
[SRC[>>1135, >>1137]] は、
[[日本政府]]の[[内閣総理大臣]]の[[安倍晋三]]に対し、
[[東京五輪]]の暑さ対策のため [SRC[>>1132, >>1134, >>1135, >>1137]]
および[[低炭素社会]]実現のため [SRC[>>1135, >>1137]]、
2020年限定であっても [SRC[>>1135]]
1時間ないし2時間の [SRC[>>1134, >>1135, >>1137]]
[[夏時刻]]を実施することを提案しました [SRC[>>1132, >>1134, >>1135, >>1137]]。
組織委員会からの[[夏時刻]]の初めての正式な提案でした [SRC[>>1135]]。
[[安倍晋三]]は、「1つの解決策かも」 [SRC[>>1132, >>1134]] あるいは
「その方が解決するかもしれない」 [SRC[>>1137]] と答えたものの、
具体的な回答はなかった [SRC[>>1135]] といいます。
[1136] [[武藤敏郎]]は、従来[[森喜朗]]が[[東京五輪]]のため[[夏時刻]]を提案していたのは[[低炭素社会]]実現のためで、
暑さ対策は主目的ではなかったと説明しました [SRC[>>1135]]。
しかしこれは暑さ対策のため導入したいとする当時の報道と矛盾しており、
武藤の今回の説明が正しくないか、
森の以前の説明が正しく報道されなかったということになります。
以前の提案の詳細は公開されておらず、
真相は不明です。
[1139]
この報道に対する反応は、
[[Twitter]]、
[[2ch]]、
[[まとめブログ]]、
[[はてなブックマーク]]、
[[Yahoo!ニュース]]、
[[ニコニコニュース]]などどこを見てもかなり不評なようです。
背景には[[東京五輪]]実施のために様々な不便を強いる発表が相次いでいたこと
([SEE[ [[東京五輪]] ]])
への不満が大きいようです。
[1142]
[TIME[2018年7月30日][2018-07-30]]、
[[日本政府]]の[[官房長官]]の[[菅義偉]]は、
[[夏時刻]]導入について、国民生活への影響を鑑み慎重な姿勢を示しました
[SRC[>>1140, >>1141]]。
菅はこの後も度々政府見解を尋ねられ、その度にこれを繰り返しました。
[45]
「政府高官」の何度も検討して難しいと回答しているとのコメントも報道されており
[SRC[>>1163]]、
これ以前の非公式な提案で却下してきた (>>24)
ものを[[森元]]らが再度正式に持ち出してきたとみられます。
[50]
菅の否定コメントで、
一旦はこのままこれまでの提案のごとく立ち消えになり収束するかとも思われましたが、
少しずつ雲行きが怪しくなってきました。
[51]
[TIME[8月2日][2018-08-02]]、
[[日本政府]]の[[内閣総理大臣]]の[[安倍晋三]]が[[東京五輪]]のための[[夏時刻]]実施に
「前向きな考え」
を示し、
[TIME[翌年][year:2019]]試験実施する案が政府内で検討されており、
否定コメントを出した菅とも「考えを擦り合わせた」
とする報道が流れました。
[SRC[>>1220]]
[52]
かつて提案者の[[森元]]自身が[TIME[2017年][year:2017]]内に決めなければ間に合わない
(>>21) と述べていた [WEAK[(といってもその見積もりの根拠も怪しい)]]
のが[[東京五輪]]2年前になって蒸し返されているだけでも大問題であるのに、
既に1年を切った翌夏にも実施するなどという暴論は、
にわかに信じがたいものでした。
[54]
[TIME[8月3日][2018-08-03]]、
[[日本政府]]の[[国務大臣]] (東京オリンピック・パラリンピック競技大会担当)
の[[鈴木俊一]]は、
[[夏時刻制度]]は国民生活に大きな影響を与えるもので、
[[東京五輪]]まで時間が無いとして、
否定的な見解を示しました。 [SRC[>>1226]]
[55]
[TIME[8月3日][2018-08-03]]、
[[東京都知事]]の[[小池百合子]]は、
[[夏時刻制度]]を「一つの考え方ではないか」
としつつも、朝涼しいとしても「夕方の時間に響いてくる」
ことや実施費用が大きいことを指摘しました。
しかし全国の話だから国が検討するべきだとして、
([[東京五輪]]の当事者の1人でありながら)
賛否を明確にしませんでした。
[SRC[>>1222]]
小池は以前の[[夏時刻]]推進運動に対して[[国務大臣]]としてどちらかといえば否定的な見解を示していましたが、
やはり賛否を明確にはしていませんでした。
[SEE[ [[日本標準時改正案]] ]]
[[夏時刻制度]]に対して明確な意思を持たない日和見的な立場なのでしょうか。
[[森元]]ら[[東京五輪組織委員会]]との確執を報じる[[媒体]]もあり、
その真偽はともかくとしても、
保身のため賛否を明かさなかった可能性は考えられます。
しかし曖昧な態度を取ったため
「一つの考え方ではないか」
と肯定的な部分を切り取って取り上げる者があり、
推進派の1人として [[Twitter]]
などで叩かれることになりました。
[56]
[TIME[8月6日][2018-08-08]]、
[[日本政府]]と[[自民党]]が「本格検討に入った」
と複数の報道がありました。
[SRC[>>1239, >>1255, >>1254]]
「複数の政府・与党関係者」
によると次のように検討されていました。
[SRC[>>1239]]
- [57] 国民生活に直結するので、超党派の[[議員立法]]とする。
-- [58] 盆明けにも制度設計に入る。
-- [59] 秋の[[臨時国会]]に法案を提出することを目指す。
- [60] 2年間の限定実施となる「公算が大きい」。
-- [61] [TIME[翌年][year:2019]]試験導入する。
-- [63] [TIME[翌々年][year:2020]] ([[東京五輪]]の年) 本格導入する。
- [65] 6月-8月を軸に数ヶ月間実施する。
- [67] 2時間繰り上げ [TZ[+11:00]] とする。
[68]
かなり具体的な内容が報じられ、
しかも翌年から2年間限定、
かつ2時間もずらすという衝撃的なものであり、
ここに来て多くの人にとって無視できない大問題であるとの認識が
[[Webサイト]]や [[SNS]]
を中心に広がっていきました。
[[内閣総理大臣]]の[[安倍晋三]]をはじめ政府・自民党が前向きと報じられていましたが、
[[安倍晋三]]は安定した政権運営を続けており、
重要法案を次々と成立させていましたから、
このままでは報道通りの内容で法案が成立する可能性が高いとの危機感がありました。
[1243]
[[日本政府]]の[[官房長官]]の[[菅義偉]]は、
政府見解は従来 (>>1142) 通りと繰り返していましたが、
[[安倍晋三]]に説得されたとする説 (>>51)
や[[自民党]]の検討にはコメントせず、
政府として''決定は''していないとしていました。
[SRC[>>1242, >>1241, >>1240]]
[76]
矛盾した情報から、
表向きは否定しつつ[[観測気球]]を上げているのではないかという見方もありましたが
[SRC[>>1245, >>1246]]、
菅が虚偽の説明はしていないとしても、
実際報道の通り政府や自民党の内部で導入に向けた検討が進められているのではないか、
と懐疑的に捉える人も増え、
疑心暗鬼となっていました。
[46]
[[日本共産党]]の書記局長の[[小池晃]]は、
最初の報道の直後の[TIME[7月30日][2018-07-30]]、
[[五輪]]は「朝だけやるわけではない」
と当然の事実を指摘をし、システム変更など国民に負担を強いる[[夏時刻制度]]に反対しました。
[SRC[>>1173, >>1147, >>1145]]
[1148]
[[立憲民主党]]の幹事長の[[福山哲郎]]は、
最初の報道の直後の[TIME[7月30日][2018-07-30]]、
[[夏時刻制度]]は五輪関係者の
「負担を考えると一考の余地がある」
と主張しました [SRC[>>47, >>1147]]。
ただし[[東京五輪]]のため一年限りの導入は「あり得ない」とし、
[[地球温暖化]]防止のため各国で導入されており[[日本]]でも議論するべきだ、
[[安倍政権]]が積極的でないのが残念だ、
と批判しました [SRC[>>47]]。
[[福山哲郎]]はかつての[[民主党]]の[[夏時刻]]推進派の中心人物でした。
[SEE[ [[サマータイム制度推進議員連盟]] ]]
;; [48] 「[[地球温暖化]]防止」目的で実施している国が実在するのかは不明です。
[53]
[[立憲民主党]]の代表の[[枝野幸男]]は、
[TIME[8月2日][2018-08-02]]、
[[夏時刻]]を実施するとあらゆる[[家電]]の時刻の修正が必要となり、
生活への負担に見合う効果があるのかと疑問を呈しました
[SRC[>>1221]]。
枝野は以前の[[夏時刻]]推進運動でも反対を表明しており、
[[日本政府]] ([[民主党]]政権) の[[官房長官]]だった
[TIME[2011年][year:2011]]にも[[夏時刻制度]]の実施を否定していました。
[SEE[ [[サマータイム議連]]、[[日本標準時改正案]] ]]
[49]
[TIME[8月2日][2018-08-02]]に最初に報道されたところによると、
[[第一生命経済研究所]]の[[首席エコノミスト]]の[[永浜利広]]は、
[[夏時刻]]により年間7000億円の経済効果があるとしました。
[SRC[>>1218]]
永浜は
2005年にも同様の試算を行い、
1兆2000億円の経済効果があるとしました。
[SRC[>>1218]]
この「経済効果」はその後の報道でも度々取り上げられました。
[43]
報道機関で事実の伝達に留まらず言及した事例として早いものは
[TIME[7月30日][2018-07-30]]の
[CITE[熊本日日新聞]]のコラム [SRC[>>1144]]
があり、反対と明言しないまでも懐疑的でした。
[75]
[[夏時刻制度]]への対応のために必要となるシステム改修は極めて大規模と予想され、
その範囲を見積もることすら容易でないことを、
[[Twitter]] などで多くの技術者らが指摘しました。
極めて膨大な費用負担が予想され、
改修特需どころか経済効果を軽く打ち消すに違いないという予想や、
翌年に控えた[[改元]]や、
[[消費税]]の増税と[[軽減税率]]導入のための改修が控えており、
時間と人員が不足していることも懸念されました。
日本の技術者のほとんどにとって経験のない[[夏時刻制度]]対応の改修で社会システムに致命的な影響を及ぼす不具合が生じることや、
[[東京五輪]]を控え[[サイバーテロ]]に格好の標的となる脆弱性をうみかねないことなど、
性急な[[夏時刻制度]]導入の悲観的な予想が次々と語られ始めました。
[SRC[>>1244]]
[69]
[[立命館大学]]の[[教授]]で[[情報科学]]の専門家である[[上原哲太郎]]は、
早くから [[Twitter]]
などで懸念を表明していました。
[SRC[>>1244]]
[70]
一方で情報技術者の中にも、
きちんと作られたシステムなら変更は容易などと楽観論を述べる者がいました。
[SRC[>>1244]]
[78]
中にはシステム改修特需を狙う経済界や [[SIer]] 業者が推進しているのではないかとの主張も見られましたが
[SRC[>>1245]]、
現場の技術者と見られる人々のほとんどは1年か2年で[[夏時刻制度]]対応などどうにも無理という見解のようであり、
経済団体などの動きも積極性をうかがわせるものはなく、
[[陰謀論]]の域を出ないものです。
[79]
[[経団連]]が[[自民党]]に働きかけたとする説も早い時期から囁かれ続けていましたが
[SRC[>>1246]]、
過去の[[夏時刻制度]]や[[夏季業務時間制度]]の推進の他には根拠といえるものは提示されておらず、
やはり[[陰謀論]]レベルに過ぎないようです。
[[経団連]]は以前の[[夏時刻制度]]の主張を近年は続けていなかったようですが、
はっきり方針転換の総括をしてもいなかったようなので、
身から出た錆ではあります。
* 経緯
[REFS[
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[1132] [CITE@ja[安倍晋三首相、サマータイム導入が「解決策かも」 東京五輪暑さ対策、森喜朗元首相の提案に - 産経ニュース]] (2018.7.27 18:44 [[SANKEI DIGITAL INC.]]著, [TIME[2018-07-27 19:22:53 +09:00]]) <http://www.sankei.com/politics/news/180727/plt1807270020-n1.html>
]FIGCAPTION]
> 安倍晋三首相は27日、2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長と官邸で面会し、暑さ対策のため、夏季に標準時を繰り上げて明るい時間を有効利用するサマータイム制導入の提案を受けた。森氏によると、安倍首相は「それが1つの解決策かもしれない」と応じた。森氏が面会後、記者団に語った。
]FIG]
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[1134] [CITE@ja[東京五輪にサマータイム? - FNN.jpプライムオンライン]] (2018年7月27日 金曜 午後7:09 [TIME[2018-07-29 14:18:52 +09:00]]) <https://www.fnn.jp/posts/00397346CX>
(消滅確認 [TIME[2019-08-15T06:54:10.600Z]])
]FIGCAPTION]
> 東京五輪組織委・森会長は「抜本的な暑さ対策を考えないと」、「政府として取り組める一番やりやすい、やってほしいのはサマータイムだと」と述べた。
> 森会長は27日、安倍首相と会談し、猛暑が予想される2020年の東京オリンピックの暑さ対策の1つとして、夏に限り、標準時を1時間から2時間程度進める、サマータイムを導入するよう提案した。
]FIG]
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[1135] [CITE@ja-JP[東京五輪にサマータイム導入を 猛暑対策で安倍首相に申し入れ - スポーツ - SANSPO.COM(サンスポ)]] (2018.7.27 19:17 [TIME[2018-07-27 19:28:18 +09:00]]) <https://www.sanspo.com/sports/news/20180727/oly18072719170006-n1.html>
]FIGCAPTION]
> 武藤総長は「抜本的な暑さ対策として政府に考えていただきたいと申し上げた」とした。
[SNIP[]]「マラソンを、もう1時間早めるためには、スタッフは真夜中に準備を始めなければならない。選手も未明に起きなければならず、アスリートファーストとしてどうなのか。現実的には7時が限度」と武藤総長。社会全体で1~2時間早まれば問題なく実現できるとした。
> 申し入れは20年だけでもという形。武藤総長は「サマータイム自体、G7で導入していないのは日本だけ。国民の理解を得られて、その後も実施されれば、低炭素社会実現の上でもレガシー(遺産)になる」とした。
> サマータイム自体は組織委員会発足当初から森会長が提案していたが、趣旨は低炭素社会実現だった。「そのころ、暑さという点は、そこまで深刻にとらえられていなかった」という武藤事務総長は「まさか、暑さ対策がここまで重要なポイントになるとまでは考えていなかったが、現実に40度を超えて深刻さが強く認識された。(40度超えに)背中を押された」と説明した。安倍首相は森会長らの説明に真剣な表情で耳を傾けていたが、具体的な回答はなかったという。
]FIG]
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[1137] [CITE@ja[暑さ対策で夏時間導入要請=組織委、今夏の猛暑踏まえ-東京五輪:時事ドットコム]] ([TIME[2018-07-29 14:06:38 +09:00]]) <https://www.jiji.com/jc/article?k=2018072701213&g=spo>
(消滅確認 [TIME[2019-08-15T06:57:25.400Z]])
]FIGCAPTION]
> 森氏が「抜本的な暑さ対策を考えないといけない。首相の決断でやってほしい」と求めたのに対し、首相は「その方が解決するかもしれない」と応じた。会談に同席した組織委の武藤敏郎事務総長は「五輪は国家的なプロジェクト。抜本的な対応として、政府によく考えて検討していただきたい」と述べた。
[SNIP[]]
> 開幕まであと2年しかなく、導入となれば競技日程の修正や経済活動に影響する課題もある。20年春から秋までの限定的な運用が現実的だが、武藤事務総長は「これが低炭素社会への一つのきっかけになればレガシー(遺産)になる」と語った。(2018/07/27-21:10)
]FIG]
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[1138] [CITE[【報ステ】東京五輪に夏時間?総理「1つの解決策」]]
(2018/07/27 23:30 [TIME[2018-07-29 14:37:01 +09:00]]) <http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000132780.html>
(消滅確認 [TIME[2019-08-15T06:57:19.400Z]])
]FIGCAPTION]
>森会長によると、安倍総理は「なるほどね。それが1つの解決策かもしれないね」と答えたという。
]FIG]
[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[1143] [CITE@ja[暑さ対策、夏時間しかない=東京五輪パラ組織委・森会長:時事ドットコム]] ([TIME[2018-07-30 22:02:45 +09:00]]) <https://www.jiji.com/jc/article?k=2018072800373&g=spo>
(消滅確認 [TIME[2019-08-15T06:57:10.300Z]])
[CITE@ja[暑さ対策、夏時間しかない=東京五輪パラ組織委・森会長:[[時事]]ドットコム]] ([TIME[2019-08-15 15:56:52 +09:00]]) <https://web.archive.org/web/20180729112753/https://www.jiji.com/jc/article?k=2018072800373&g=spo>
]FIGCAPTION]
> 2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長は28日、福井市内で開かれた会合で、五輪期間中(7月24日~8月9日)の暑さ対策としてサマータイム(夏時間)を挙げ、「これしかない」と改めて導入の必要性を訴えた。
> 森氏は、安倍晋三首相に導入を要請したことを説明。「(今年は)異常な暑さだ。来年も再来年もこうだと、世界(各国)が『東京五輪は少し(時期を)ずらしてくれ』と言い出しかねない」と述べ、大会日程への反発に懸念を示した。 (2018/07/28-17:32)
]FIG]
- [1140] [CITE@ja[平成30年7月30日(月)午前-内閣官房長官記者会見 - 政府インターネットテレビ]] ([TIME[2018-07-30 19:00:11 +09:00]]) <https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg17465.html>
2:51 頃から