198.txt

[59] [[満州]]では、様々な時刻が用いられました。
現在は[[外満州]]では[[ロシアの標準時]]のいずれかが、
[[内滿洲]]では[[中華人民共和国の標準時]] [TZ[+08:00]] が使われています。

[240] [[中華人民共和国の標準時]] [TZ[+08:00]] は、
[[日本]]の[[中央標準時]]と[[時差]]が1時間あり、
[[日本]]が進んでいます。

* 変遷の概略

[FIG(table)[
[FIGCAPTION[
[158] [[満州の標準時]]の変遷の概略
]FIGCAPTION]

:d: 時期
:外: [[外満洲]]
:北: [[北満洲]] ([[鉄道][東清鉄道]])
:北付: [[北満洲]] ([[付属地][東省特別区]])
:北東: [[北満洲]] (東部)
:北西: [[北満洲]] (西部)
:南: [[南満洲]] ([[鉄道][南満州鉄道]]・[[付属地][満鉄附属地]]・[[関東州]])
:南地: [[南満州]] (その他)
:支那: [[支那]]方面連絡[[鉄道]]

:外: [[地方時]]
:北: [[地方時]]
:北付: [[地方時]]
:北東: [[地方時]]
:北西: [[地方時]]
:南: [[地方時]]
:南地: [[地方時]]
:支那: [[地方時]]

:d: [TIME[1902年][year:1902]]
:外: [[地方時]]
:北: [[地方時]]
:北付: [[地方時]]
:北東: [[地方時]]
:北西: [[地方時]]
:南: [[地方時]]
:南地: [[地方時]]
:支那: [TZ[+08:00]]
:notes: [[清国海関]][[海岸時]]制定

:d: [TIME[1903年][year:1903]]
:外: [[地方時]]
:北: [TZ[+08:23]]
:北付: [TZ[+08:23]]
:北東: [[地方時]]
:北西: [[地方時]]
:南: [TZ[+08:23]]
:南地: [[地方時]]
:支那: [TZ[+08:00]]
:notes: [[東清鉄道]]開通

:d: [TIME[1904年][year:1904]]
:外: [[地方時]]
:北: [TZ[+08:23]]
:北付: [TZ[+08:23]]
:北東: [[地方時]]
:北西: [[地方時]]
:南: [TZ[+08:12]]
:南地: [[地方時]]
:支那: [TZ[+08:00]]
:notes: [[日露戦争]]開戦

:d: [TIME[1905年1月8日][1905-01-08]]
:外: [[地方時]]
:北: [TZ[+08:23]]
:北付: [TZ[+08:23]]
:北東: [[地方時]]
:北西: [[地方時]]
:南: [TZ[+09:00]]
:南地: [[地方時]]
:支那: [TZ[+08:00]]
:notes: 日本軍用時改正

:d: [TIME[1905年8月1日][1905-08-01]]
:外: [[地方時]]
:北: [TZ[+08:23]]
:北付: [TZ[+08:23]]
:北東: [TZ[+09:00]]
:北西: [TZ[+08:00]]
:南: [TZ[+09:00]]
:南地: [TZ[+08:00]]
:支那: [TZ[+08:00]]
:notes: [[清国海関]]標準時制定

:d: [TIME[1907年5月16日][1907-05-16]]
:外: [[地方時]]
:北: [TZ[+08:23]]
:北付: [TZ[+08:23]]
:南: [TZ[+08:00]]
:北東: [TZ[+09:00]]
:北西: [TZ[+08:00]]
:南地: [TZ[+08:00]]
:支那: [TZ[+08:00]]
:notes: [[関東州]]標準時制定

:d: [TIME[1917-07-16]]
:北: [TZ[+09:23]]
:北付: [TZ[+09:23]]
:南: [TZ[+08:00]]
:北東: [TZ[+09:00]]
:北西: [TZ[+08:00]]
:南地: [TZ[+08:00]]
:支那: [TZ[+08:00]]
:notes: [[露西亜]][[夏時間]]開始

:d: [TIME[1918年][year:1918]]
:北: [TZ[+09:23]]
:北付: [TZ[+09:23]]
:南: [TZ[+08:00]]
:北東: [TZ[+08:30]]
:北西: [TZ[+08:00]]
:南地: [TZ[+08:00]]
:支那: [TZ[+08:00]]
:notes: [[中華民国]]標準時制定

:d: [TIME[1918年1月11日][1918-01-11]]
:北: [TZ[+08:23]]
:北付: [TZ[+08:23]]
:南: [TZ[+08:00]]
:北東: [TZ[+08:30]]
:北西: [TZ[+08:00]]
:南地: [TZ[+08:00]]
:支那: [TZ[+08:00]]
:notes: [[露西亜]][[夏時間]]終了

:d: [TIME[1919年6月18日][1919-06-18]]
:北: [TZ[+09:23]]
:北付: [TZ[+09:23]]
:南: [TZ[+08:00]]
:北東: [TZ[+08:30]]
:北西: [TZ[+08:00]]
:南地: [TZ[+08:00]]
:支那: [TZ[+08:00]]
:notes: [[シベリア]][[夏時間]]開始

:d: [TIME[1919年9月24日][1919-09-24]]
:北: [TZ[+08:23]]
:北付: [TZ[+08:23]]
:南: [TZ[+08:00]]
:北東: [TZ[+08:30]]
:北西: [TZ[+08:00]]
:南地: [TZ[+08:00]]
:支那: [TZ[+08:00]]
:notes: [[シベリア]][[夏時間]]終了

:d: [TIME[1924年][year:1924]]
:北: [TZ[+08:26]]
:北付: [TZ[+08:26]]
:南: [TZ[+08:00]]
:北東: [TZ[+08:30]]
:北西: [TZ[+08:00]]
:南地: [TZ[+08:00]]
:支那: [TZ[+08:00]]

:d: [TIME[1932年4月1日][1932-04-01]]
:北付: [TZ[+08:00]]
:北: [TZ[+08:26]]
:南: [TZ[+08:00]]
:北東: [TZ[+08:00]]
:北西: [TZ[+08:00]]
:南地: [TZ[+08:00]]
:支那: [TZ[+08:00]]
:notes: [[満洲国標準時]]制定

:d: [TIME[1932年11月17日][1932-11-17]]
:北: [TZ[+08:00]]
:北付: [TZ[+08:00]]
:南: [TZ[+08:00]]
:北東: [TZ[+08:00]]
:北西: [TZ[+08:00]]
:南地: [TZ[+08:00]]
:支那: [TZ[+08:00]]
:notes: [[東支鉄道]]新標準時採用

:d: [TIME[1937年1月1日][1937-01-01]]
:北: [TZ[+09:00]]
:北付: [TZ[+09:00]]
:南: [TZ[+09:00]]
:北東: [TZ[+09:00]]
:北西: [TZ[+09:00]]
:南地: [TZ[+09:00]]
:支那: [TZ[+09:00]]
:notes: [[満洲国]]および[[関東州]]標準時改正

:d: [TIME[1945年9月30日][1945-09-30]]
:北: [TZ[+08:00]]
:北付: [TZ[+08:00]]
:南: [TZ[+08:00]]
:北東: [TZ[+08:00]]
:北西: [TZ[+08:00]]
:南地: [TZ[+08:00]]
:支那: [TZ[+08:00]]
:notes: [TIME[1947年4月1日][1947-04-01]]標準時制定

:d: [TIME[1986-02-01]]
:北:   冬 [TZ[+08:00]] 夏 [TZ[+09:00]]
:北付: 冬 [TZ[+08:00]] 夏 [TZ[+09:00]]
:南:   冬 [TZ[+08:00]] 夏 [TZ[+09:00]]
:北東: 冬 [TZ[+08:00]] 夏 [TZ[+09:00]]
:北西: 冬 [TZ[+08:00]] 夏 [TZ[+09:00]]
:南地: 冬 [TZ[+08:00]] 夏 [TZ[+09:00]]
:支那: 冬 [TZ[+08:00]] 夏 [TZ[+09:00]]
:notes: [[中華人民共和国]][[夏時刻]]開始

:d: [TIME[1992][year:1992]]
:北: [TZ[+08:00]]
:北付: [TZ[+08:00]]
:南: [TZ[+08:00]]
:北東: [TZ[+08:00]]
:北西: [TZ[+08:00]]
:南地: [TZ[+08:00]]
:支那: [TZ[+08:00]]
:notes: [[中華人民共和国]][[夏時刻]]廃止

:d: [[tzdata]]
:北付: [CODE[Harbin][Asia/Harbin]]

:d: 現所属[[国]]
:外: [[ロシア連邦]]
:北: [[中華人民共和国]]
:北付: [[中華人民共和国]]
:南:   [[中華人民共和国]]
:北東: [[中華人民共和国]]
:北西: [[中華人民共和国]]
:南地: [[中華人民共和国]]
:支那: [[中華人民共和国]]

]FIG]

** 清國時代

;; [90] [[清]]国の[[皇帝]]は[[満州族]]で、[[満洲]]も当然[[清]]国領土でした。
[[満洲]]には元々[[満州族]]らが居住しており、[[支那]]の[[漢族]]とは分離されていましたが、
次第に[[漢族]]が入植をはじめました。[[蒙古]]でも同じようなことが起こっていました。

[55] [[外満州]]も[[内満州]]も内外[[蒙古]]も、
[[清]]国に属していた時代は[[近代的な標準時]]はなく、
[[地方時]]を使っていました。

[56] [[農暦]]は、[[北京]]基準で決定されたものが[[満州]]でも用いられたと考えられます。
[SEE[ [[農暦]]、[[中国の標準時]] ]]

** ロシア時代

;; [38] 西方から[[シベリア]]へと勢力を伸ばした[[ロシア]]は、
南下して[[満洲]]に侵入しました。
[TIME[1860年][year:1860]]、[[北京条約]]により[[外満州]]は[[ロシア]]領となりました。
以後[[外満州]]の[[標準時]]については[[ロシアの標準時]]および[[アジア大陸の鉄道標準時]]参照。
なお、[[露西亜]]もこの当時、[[近代的標準時]]を採用せず、
各地の[[地方時]]を使っていました。

;; [39] [[日清戦争]]により[[遼東半島]]は[[大日本帝国]]により[[占領]]され、
[TIME[明治28年/1895年5月8日][1895-05-08]]締結の[[下関条約]]により[[日本領]]となりました。

[111] [[日本]]統治下の[[遼東半島]]でどの[[時間帯]]が用いられたのかは不明です。

;; [112] しかし[[満州]]に勢力を伸ばしていた[[ロシア]]などによる[[三国干渉]]の結果、
[TIME[明治28年/1895年11月8日][1895-11-08]]締結の[[遼東還付条約]]により[[日本]]は[[遼東半島]]を[[清]]に返還しました。
[TIME[1898年3月][1898-03]]にはかわりに[[ロシア]]が[[関東州]]を[[租借]]し、
[[東清鉄道]] (後の[[南満州鉄道]]を含む。) の敷設権を取得しました。
当時[[ロシア]]は[[シベリア鉄道]]の建設を進めてきましたが、
建設の難航していた[[外満州]]区間を代替し短絡するのが[[北満洲]]
([[内満州]]北部) を通る[[東清鉄道]]本線でした。

[46] [[tzdata]] の [CODE[Asia/Harbin]] は元の[[地方時]]を
[TZ[+08:26:44]] としています [SRC[>>54]]。

[2] [[満洲]]近辺の[[露西亜]]の鉄道では[[標準時間]]と称して[[モスクワ]]の標準時が用いられていたといいます。
正確には当時の[[首都]]である[[サンクトペテルブルグ]]の[[標準時]]が使われていたとみられます。

[116] 1898年頃には[[京奉鐵路]]が[[支那]]から[[奉天]]に延伸しています。
[TIME[1902年][year:1902]]には[[清国海関]]が[[海岸時]] [TZ[+08:00]] を制定し、
[[京奉鐵路]]もそれを採用したといいます。
[SEE[ [[ロシアの標準時]]、[[中国大陸の標準時]]、[[アジア大陸の鉄道標準時]] ]]

;; [43] [TIME[1900年 (明治33年)][1900]]、[[ロシア]]は[[内満州]]に侵攻しました。

;; [108] [TIME[1903年][year:1903]]、[[東清鉄道]]が開通しました。

** 日露時代

;; [91] [[ロシア]]は全[[満州]]を勢力下に置くとともに、
[[日本]]の勢力下にあった[[大韓帝国]]にも干渉を続けました。
その結果、[TIME[1904年2月8日][1904-02-08]]、[[日露戦争]]が始まりました。
[TIME[5月][1904-05]]には、[[日本軍]]が[[朝鮮半島]]を経由して[[遼東半島]]に上陸しました。

[SEE[ [[朝鮮半島の標準時]]、[[日本軍の軍用時]] ]]

[207] [TIME[明治37年5月5日][1904-05-05]]、
[[日本軍]]は、
陸海軍各部隊に[[日時計]]と説明書を配布し、
[LAT[東経123度子午線][123E]]の時刻 = [TZ[+08:12]] を 
[TIME[5月25日][1904-05-25]]以降の「満韓地方の基準時」
とすることを通達しました [SRC[>>206]]。
これは主戦場の1つである[[遼東半島]]付近 ([[遼河]]) の時刻に当たります。

[151] 時刻を一定のものとするため、と説明されています。
それまでは部隊ごとに、あるいは現在地ごとに異なる時刻を使っていたのでしょうか。

[12] [[日本軍]]の[[野戦鉄道提理部]]は、接収した[[東清鉄道]]線などの運転を[TIME[1904年7月][1904-07]]に開始し、
順次延伸しています。ここでも [TZ[+08:12]] が使われたのかは、不明です。

[129] [[日露戦争]]開戦当時、[[韓国]]と[[遼東]]に[[平壌]]の時刻を適用する構想が[[日本]]の[[陸軍]]にあったらしい
[SRC[>>128]] といいます。これが [TZ[+08:12]] のことなのか、
また別のものなのかは不明です。
([[平壌]]はもっと東です。)

[105] [TIME[1904年][year:1904]]末頃、
[[朝鮮半島]]の[[鉄道]]や各国機関は [TZ[+09:00]] を採用しました。
[SEE[ [[李氏朝鮮の日時]] ]]

;; [215] [TIME[1905年1月1日][1905-01-01]]、[[旅順]]が陥落し、[[日本軍]]の支配下に入りました。

[109] [TIME[1905年1月8日][1905-01-08]]には、
[[日本軍]]部隊に対し、以後[[中央標準時]]を用いるよう指示されています
[SRC[>>208, >>209, >>210]]。多くの部隊が[[中央標準時]]を用いているものの、
特に規定されたものではなかったため、異なる[[時刻]]を採用されると混乱するおそれがある、
と指摘されていました [SRC[>>208]]。[[鉄道]]時刻の誤解のおそれにも言及があるので、
[[野戦鉄道提理部]]も[[中央標準時]]を使っていたものと推測されます。

[213] 「満韓地方の基準時」は[[日時計]]で計測するよう指示がありましたが [SRC[>>206]]、
[[中央標準時]]は[[電信]]で[[同期][時刻同期]]する [SRC[>>208]] とされていました。
[[関東州]]の主要都市が完全に[[日本軍]]の管理下に入り、現地インフラから安定した[[時刻]]を得られるようになったのでしょう。
「満韓地方の基準時」を使うよう指示されていたはずの各部隊がいつの間にかなし崩し的に[[中央標準時]]を採用し、
これまで[[標準時]]を定めていなかった [SRC[>>209]] ことになっていたというのも、
そうした事情と関係しているのでしょうか。
[[鉄道]]に言及があることから推測できるように、
[[京釜鉄道]]が全通し[[京城]]以北[[南満州]]方面の軍用鉄道も建設が進みつつあり、
[[鉄道]]の運行と利用者である[[日本軍]]のため共通の[[時刻]]が必要となったことも、
[[時刻]]統一の大きな理由と思われます。

[HISTORY[

[205] [[Wikipedia]] は、
[TIME[1904年][year:1904]]に[[支那]]海岸部、
[[朝鮮]]、[[満州]]で[[グリニッジ子午線]]基準の[[標準時]]が採用された [SRC[>>420]]
としていますが、出典要検証とされています。

[23] 
[[Time Changes]] の [[CHINA, PEOPLE'S REPUBLIC OF]] は、
[TIME[1904年12月1日][1904-12-01]]から
[[Chosen]] (今の [[Korea]]) と [[Manchuria]] が[[標準時]] [TZ[+09:00]]
としていました [SRC[>>1256]]。
根拠は不明です。

[263] 
こうした情報は、
[[朝鮮半島]]で
[TIME[12月][1904-12]]頃に[[中央標準時]] [TZ[+09:00]]
が採用されたことが拡大解釈された可能性が高いとみられます。
[SEE[ [[李氏朝鮮の日時]] ]]

]HISTORY]

[73] [[日露戦争]]の[[日本海海戦]] ([TIME[1905年5月27日][1905-05-27]] -
[TIME[28日][1905-05-28]]) で[[バルチック艦隊]]は[[ハルビン]]の[[時刻]]を用いており、
[[満洲]]の[[ロシア]]勢力圏内で広く使われていたとの推測があります
[SRC[>>92]]。戦史の開戦時刻の比較から、露西亜側時刻は [TZ[+08:22]]
と思われるとし、[CITE[満鉄史夜話]] [SRC[>>92]]
はそれが[[哈尓浜時間]] [TZ[+08:26]] が使われていた根拠としています。

;; >>69, >>201 は[CITE[満鉄史余話]]を[[引用]]。

[193] [[日本海海戦]]について、日本側史料から執筆されたであろう 
[[Wikipedia]] [[日本語版]] [SRC[>>191]] とロシア側史料から執筆されたであろう 
[[Wikipedia]] [[ロシア語版]] [SRC[>>192]] は、いずれもどのような時刻か明記しておらず、
全般的に異なる立場からの説明となっていて比較が難しいのですが、
例えば次のような時刻を示しています。

[FIG(table)[
:e: 出来事
:j: 日本語版
:r: ロシア語版
:d: 時差

:e: 日本軍連合艦隊から東京大本営へ打電
:j: 06:21
:r: 06:04
:d:    17

:e: 日本軍Z旗掲揚
:j: 13:55
:r: 13:25 頃
:d:    30

:e: 日本軍敵前大回頭 (トーゴー・ターン)
:j: 14:05 - 14:13
:r: 13:45 -
:d:    20

:e: 砲撃戦開始
:j: 14:08 頃
:r: 13:49
:d:    19

:e: ロシア軍白旗掲揚
:j: 10:34
:r: 10:34
:d:     0

:e: ロシア軍機関停止
:j: 10:53
:r: 10:53
:d:     0

]FIG]

[194] ロシア軍の降伏時刻が同時刻となっている一方で、
日本軍の打電のようなロシア側で当時知り得なかった情報に異なる時刻が示されています。
[[Wikipedia]] またはその出典の著者が時刻を変換したり、しなかったりした情報が混ざっているのでしょう。
孫引きでかつ要約された情報から結論を導くのは危険ですが、
[[日本時間]]より20分程度遅れた時刻を使って記述された文献があるとは言えそうです。
[[浦塩]]の[[地方時]]の [TZ[+08:44]] を使ったのかもしれませんし、
[[ロシア軍]] ([[バルチック艦隊]]) がこの近辺の[[経度]]に合わせた[[船内時]]を用いたという可能性もあります。

[196] [CITE[満鉄史夜話]] [SRC[>>92]] がいう日本側開戦時刻は14:08です。
これをロシア側で13:30と記録されていることから、38分の時差があったとしています。
しかし[[ロシア語]]版 [[Wikipedia]] の記述を信じるなら、これは日本側 14:08
と同時刻とは言えません。
そもそもの問題として、戦史記載の時刻が作戦や記録で当時実際に用いられた時刻なのかどうかは不明ですし、
実際用いられたものだとしても[[満洲]]で広範に通用したと結論付けるのは早計とも思われます。

-*-*-

[47] [TIME[1905年8月1日][1905-08-01]]、[[清國海関]]が[[標準時]]を制定しました。
[[満州]]は [TZ[+08:00]] と [TZ[+09:00]] に分けられました。
これが[[満州]]でどの程度実効性を持っていたのかは不明です
(実質的に[[標準時]]は[[電信局]]や[[鉄道]]のような近代設備でしか意味がありませんが、
この時点でほとんど[[ロシア]]のものしかなかったとも思われます)。

[[露]][[朝][朝鮮]][[国境]]に近い[[滿洲]]の[[都市]][[琿春]]は、
[TZ[+09:00]] と明記されていました。
[SEE[ [[中国の標準時]] ]]

;; [250] 
[TIME[1905年11月5日][1905-11-05]]、
[[朝鮮半島]]の[[京城]]・[[新義州]] [WEAK[([[安東]]の対岸[[朝鮮]]側)]]
間の鉄道[[京義線]]が開通しました。



;; [41] [TIME[明治38年/1905年11月25日][1905-11-25]]発効の[[ポーツマス条約]]により、
[[関東州]]は[[日本]]の[[租借地]]となりました。
[[南満州鉄道]]は[[ロシア]]から[[日本]]に譲渡されました。
これにより[[南満州]]は[[日本]]の勢力圏内となりました。
一方で、[[日本軍]]が占領できなかった[[北満洲]]は引き続き[[ロシア]]の強い影響下にありました。


;; [628] 
[TIME[1905年12月15日][1905-12-15]]、
[[安東]]・[[奉天]]間の[[安東軽便鉄道]]が開通しました。


[10] [[日露戦争]]後[[満洲]]では [TZ[+09:00]] が使われた [SRC[>>6]] ともいわれます。
[[鐡道]]や[[軍政]]で軍標準時である[[中央標準時]]が用いられ、
現地の[[日本人]]もそれに従ったものと思われます。
[[南満州]]の支那人や露西亜人がどうしていたのかは不明です。
[[北満洲]]では引き続きハルビン時間が使われたと思われます。

;; [251] 
[TIME[明治39年9月1日][1906-09-01]]、
[[安奉軽便線]]は[[臨時軍用鉄道監部]]から[[野戦鉄道提理部]]に移管されました。


[110] [[新民屯]]で[[野戦鉄道提理部]]の[[軽便鉄道]]は[[清国]]の[[京奉鉄路]]に接続しており、
当時ここで清国の時刻に切り替えたとの記録があります [SRC[>>92]]。
鉄道時刻の [TZ[+09:00]] と [TZ[+08:00]] の境界だったと思われます。

[156] [TIME[1906年4月21日][1906-04-21]]付け[[日本政府]]発表によると [[Newchwang]] ([[営口]])
[[海関]][[報時球]]の時刻が改正されており、[[英国水路部]]は詳細不明なれど
[TZ[+08:00]] が[[営口]]の[[標準時]]となったのであろうとしています。 [SRC[>>155]]

;; [157] [[新民屯]]や[[営口]]は、[[地理的]]には[[支那]]と[[満州]]の境界付近の[[満州]]側に属します。
[[営口]]は[[日露戦争]]時に[[日本軍]]の支配下に入った後、
事実上の[[租界]]が設置され、
[TIME[1923年][year:1923]]には[[満鉄附属地]]に編入されています。
このように[[日本]]の強い影響下にあったため、[[報時球]]が[[日本政府]]の管理下にあったようです。
[[日露戦争]]前は[[地方時]]を使っていたようですが、
この時 [TZ[+09:00]] ではなく [TZ[+08:00]] が採用されたのがどのような事情かは不明です。

[11] 
[TIME[1907年4月1日][1907-04-01]]に[[野戦鉄道提理部]]から引き継いで鉄道運行を開始した[[南満州鉄道]]は、
当初[[日本中央標準時]] [TZ[+09:00]] を採用していました [SRC[>>64, >>201]]。

[212] [TIME[明治40年/1907年5月16日][1907-05-16]]以後、
[[関東州]]および[[満鉄附属地]]では[[西部標準時]]
[TZ[+08:00]] が[[標準時]]となりました [SRC[>>211, >>118, >>132]]。
[[南満州鉄道]]も同時に0時より [SRC[>>64, >>201]]
[[鉄道時刻]]をこれに改めました [SRC[>>64, >>63, >>132]]。

;; [106] [[朝鮮半島]]の[[鉄道]]や各国機関は [TZ[+09:00]] を使っていましたが、
この[[滿洲]]の[[標準時]]變更によって1時間の[[時差]]が生じました。

;;
[264] 
[TIME[1908年][year:1908]]、[[大日本帝国保護領大韓帝国]]の[[標準時]]が
[TZ[+08:30]] に改められ、[[時差]]は30分に縮小しました。
[SEE[ [[大韓帝国の日時]] ]]

[186] [TIME[明治42年10月][1909-10]]の[[日本軍]]の
「二十九日 午前一時 安東縣發」の文書は、
「二十九日午前七時五分旅館出發七時三十五分新義州出發 (韓國時間八時五分)」
のように記載しています [SRC[>>187]]。[[安東]]は[[清領満州]]の[[都市]] 
[WEAK[(現[[中華人民共和国]]領)]]、[[新義州]]は[[大日本帝国保護領大韓帝国]]の[[都市]]
[WEAK[(現[[朝鮮民主主義人民共和国]]領)]] で、
[[川]]の対岸にあります。[[朝鮮半島]]と[[満鉄]]を結ぶ[[安奉線]]が[[国境]]を超えていました。
[[安東]]側の[[日本軍]]は[[関東州の標準時]] [TZ[+08:00]] を使っていたのでしょう。
[[国境]]を超えて[[新義州]]でもこれを使っていたのか、
[[安東]]側部隊からの文書なので[[安東]]時刻を主として記述したのかは不明です。
[[韓國時間]]は、[[大韓帝国]]の[[標準時]] [TZ[+08:30]] と思われます。


;; [74] [TIME[1912年/民国元年/大正元年]]に、[[中華民国]]が成立しました。
[[農暦]]にかわり[[グレゴリオ暦]]が採用されました。

;; [42] [TIME[大正元年/1912年][1912]]あるいは[TIME[大正4年/1915年][1915]]に、
[[関東州]]は[[中華民国]]からの[[日本]]の[[租借地]]となりました。

[48] [TIME[民国7年/1918年][1918]]、[[中華民国]]が[[標準時]]を制定しました。
[[満州]]は [TZ[+08:00]] と [TZ[+08:30]] に分けられました。
[[南満州]]ではこれは[[日本]]側の標準時 [TZ[+08:00]] と一致していましたが、
[[北滿洲]]では[[ロシア]]側の標準時 [TZ[+08:23]] と若干の相違があり、
実効性があったのかどうかは定かでありません。
[SEE[ [[中国の標準時]] ]]

[160] [TIME[1917年1月][1917-01]]の[[満鉄]]発行の案内書によると、[[満鉄]] [TZ[+08:00]]
に対して[[長春]]以北の[[東清鉄道]]は [TZ[+08:23]] を用いていました [SRC[>>161]]。

[195] [TIME[大正6年6月][1917-06]]に[[在奉天日本總領事館]]がまとめた文書では、
[[奉天]]の[[経度]]は[LON[東経123度23分][123.23E]]、
[[時差]]は約1時5分となっています [SRC[>>197]]。

[198] [[東京]]を [TZ[+09:00]] とすると、[[奉天]]は約 [TZ[+07:55]] ということになります。
しかし[[経度]]の[[地方時]]は [TZ[+08:13:32]] で、かなり異なります。
[[北京]]の[[地方時]] [TZ[+07:45:54]] とも少し異なります。
[[南京]]の[[地方時]]は約 [TZ[+07:55]] でほぼ同じですが、
[[支那大陸]]沿岸部と[[南満州]]で広く [TZ[+08:00]] が使われていたのに、
[[中華民国]]中央政府所在地とはいえ遠く離れた[[南京]]の時刻が[[奉天]]でも使われていたとするのは不自然に思えます。
[[奉天]]は[[南満州鉄道]]沿線で、市内でも[[鉄道時]] [TZ[+08:00]] 
が使われていそうなものですが、
一体どのような事情があるのでしょうか。


[166] [TIME[大正6年7月16日][1917-07-16]]より、
[[東清鉄道]]と[[鳥蘇里鉄道]]は ([[露国]]?) [[臨時政府]]の指示で従来より1時間早い時刻に移行しました [SRC[>>167]]。

;; [25] [[ロシア]]は1917年6月30日-7月1日 (おそらく[[ユリウス暦]]) に[[夏時間]]に移行したようです
[SRC[>>117]]。[TIME[大正6年7月16日][1917-07-16]]は[[ユリウス暦]]3日に当たります。

;; [165] [TIME[1917年9月13日][1917-09-13]]の報告によると、
[[露国臨時政府]]は[TIME[1917年10月14日][1917-10-14]]夜に[[標準時]]に復帰しました。
[SEE[ [[ロシアの標準時]] ]]

[19] [TIME[大正7年1月11日][1918-01-11]]以後[[東清鉄道]]において従来より1時間遅れた時間
(本来の[[哈爾浜]]の[[地方時]] [TZ[+08:23]]) が採用されたといいます [SRC[>>18]]。
[[ロシア]]では1917年12月28日に[[夏時間]]終了とされています
[SRC[>>117]] ([[ロシアの標準時]]参照)。
これが[[ユリウス暦]]の[TIME[12月28日][julian:1917-12-28]]だとすると、
[[グレゴリオ暦]][TIME[1月10日][1918-01-10]]に当たりますから、
ちょうどこれと一致します。

[75] [TIME[大正7年/1918年2月][1918-02]]まで、[[ロシア]]は[[ユリウス暦]]を使っていました。
[[東清鉄道]]も、同年までそれに従っていました。 [SRC[>>69]]

[169] [TIME[大正7年4月5日][1918-04-05]][[公布]]・[[施行]]の[[日本]]の大正7年勅令第66号
[CITE[關東都督府觀測所官制中改正ノ件]]は、
[[関東都督府観測所]]の業務に「標準時ノ觀測事務」を追加しました [SRC[>>168]]。
[WEAK[([[関東都督府観測所]]本所は[[大連]]にありました。)]]

[119] [[東清鉄道]]は、[TIME[大正8年/1919年6月17日][1919-06-17]]から[TIME[18日][1919-06-18]]に[[夏時間]]
[TZ[+09:23]] への切り替えを行い、
[TIME[大正8年9月23日][1919-09-23]]と[TIME[24日][1919-09-24]]の間に [TZ[+09:23]] 午後24時から 
[TZ[+08:23]] 午後11時への切り替えを行いました。
これは[[シベリア]]地域を当時支配していた政府の指示に従ったものでした。

[93] これ以後の年の[[ロシア]] ([[ソ連]]) の[[夏時間]]に[[東支鉄道]]が従ったのかどうかは不明です。
少なくても[TIME[大正10年/1921年][year:1921]]の[[鳥蘇里鉄道]] ([[外満州]]) の [TZ[+09:23]] 移行時には、
[[東清鉄道]]は [TZ[+08:23]] を維持していたようです。
[TIME[1919年7月][1919-07]]の[[第一次カラハン宣言]]で[[ソ連]]は[[東支鉄道]]を放棄しました (その後撤回)。
1919年から1922年には日米等の[[連合国鉄道管理委員会]]が[[東支鉄道]]の経営に干渉しています。
1920年頃、[[中華民国]]は鐡道付属地の行政権を順次回復しています。
従ってこの時期は[[夏時間]]を実施しなかった可能性が高そうです。

[189] [TIME[1919年][year:1919]]に[[日本]]で出版された案内では、[[長春駅]]で20分の「時計調整」
が必要と説明されていました [SRC[>>188]]。

;; [120] 1920年頃、[[モスクワ]]の[[ソビエト政府]]が[[ロシア]]全域を支配下に置きました。
1919年に制定された[[グリニッジ標準時]]からの整数[[時差]]の[[標準時]]は、
その支配地域拡大に従い[[ロシア]]全域に広がったものと思われます
(が[[東支鉄道]]には適用できなかったと思われます)。

[94] [TIME[民国10年][year:1921]]の[[支那国有鉄路]]の規則には、
[[支那国有鉄路]]と[[東支鉄道]]で23分の時差があることが記述されていました。
[SEE[ [[アジア大陸の鉄道標準時]] ]]

[99] 大正11年出版の >>98 には、[[東支鉄道]] [TZ[+08:23]]、
[[南満州鉄道]] [TZ[+08:00]] などとあります。

[152] [TIME[大正12年/1923年3月30日][1923-03-30]]の >>88 には、[[ハルビン]]時間 [TZ[+08:23]] 
とあります。

[70] [[大正時代]]の[[満鉄]]のポスター [SRC[>>69 215ページ, >>200]] には、
[[長春駅]]のホームで23分の時差のある2つの時刻を4本の針で同時に示した[[時計]]が描かれています。

[71] [TIME[大正13年9月25日][1924-09-25]]発行の[CITE[南満洲鉄道旅行案内]]には、
[[滿洲]]と[[支那]]が[[支那時刻]]が[[内地]]・[[朝鮮]]より1時間遅れ、
「[[長春]]、又[[哈爾賓]]、[[満洲里]]以東、[[浦鹽]]間」
は[[哈爾賓時刻]]で[[支那時刻]] + 26分との記述があります [SRC[>>162, >>69 もこれを引用]]。

[97] [TIME[大正14年][year:1925]]出版の >>96 は、
[[南満州鉄道]]より[[東支鉄道]]が23分進んでいるとしています。

[163] [TIME[大正14年][year:1925]]の[[鉄道省]]時刻表 (の翻刻版) には、
「時差 支那沿岸時刻及南滿洲時刻ハ日本内地時刻及朝鮮時刻ヨリ1時間遅ク哈爾濱時刻ヨリ26分遅シ」
とあります [SRC[>>164]]。

[123] 1927年出版の >>122 は、[[南満州鉄道]]より[[東支鉄道]]が23分進んでいるとしています。

[29] 昭和初期 (3年-) の時点で、[[東支鉄道]]、
すなわち満州里-浦塩や長春-ハルビンはハルビン鐡道時
[TZ[+08:26]] でした [SRC[>>28, >>80, >>81, >>82]]。[[満鉄]]の[[満洲]]内の鐡道路線は [TZ[+08:00]]
でした [SRC[>>80, >>81, >>82]]。

;; [84] 昭和10年版 [SRC[>>83, >>83 コマ509]] には哈爾賓標準時廃止の注記があります。

[101] [TIME[1929年][year:1929]]出版の >>100 には、[[長春]]で[[満鉄]]から[[東支鉄道]]に乗り換えるとき
26分進めて[[北滿時間]]とするよう注意しています。
(>>100 コマ179にも同内容の説明があります。)

[121] このように大正時代には[[東支鉄道]]は [TZ[+08:23]] を使っていましたが、
昭和時代には [TZ[+08:26]] になっています。この変更が意図的なものなのかどうか、
いつ誰の判断で行われたのかは不明です。[[ハルビン]]の位置は [TZ[+08:26]]
に近いようです。
[[ロシア革命]]の混乱により、あるいはロシアの[[標準時]]実施の影響によるとも考えられなくはありませんが、
確証はありません。1924年の[[満鉄]]の案内書 (>>71) で [TZ[+08:26]]
となっているので、それ以降で [TZ[+08:23]] としている一般書
(>>97、>>123) は古い情報と思われます。

-*-*-

[216] [TIME[大正13年8月][1924-08]]、
[[関東州]]の[[商工会議所]]から[[夏時刻]]の提案があったものの、
具体的な動きにはつながらなかったようです [SRC[>>211]]。

[214] [TIME[昭和4年3月][1929-03]]には[[関東州]]各地の[[商工会議所]]からの陳情があり、
[[夏時刻]]の採用が検討されましたが、
[[満鉄]]の運行や[[支那]]との調整に影響を及ぼすとして、
[TIME[5月][1929-05]]に実施見送りが決まりました [SRC[>>211]]。

;; 大連商工会議所 >>228

;; [217] この当時欧米各国で[[夏時刻]]制の導入が進んでいました。
[[日本]]本国でも独立して[[夏時刻]]実施が検討されていました。
[SEE[ [[日本の標準時]] ]]

[154] [TIME[1930年][year:1930]]の[[新聞]]記事は、
[TIME[前年][year:1929]]話題になった[[夏時刻]]導入が今年は話題にならない [SRC[>>153]]、
と述べていました。[TIME[前年][year:1929]]の失敗で推進派も断念してしまったのでしょうか。
しかしこの記事は、当時の社会の課題であった「合理化」
には[[夏時刻]]で[[夏]]の昼間を有効に活用するべきだと主張していました。
更には、[[夏]]の[[昼]]が長い時期に[[学校]]が[[夏休み]]となるのももったいないと主張していました。

-*-*-

;; [219] [TIME[1928年][year:1928]]、
[[中華民国南京国民政府]]は[[北京]]に進攻し ([[北伐]])、 [[北京政府]]は滅亡しました。

[220] [TIME[翌年][year:1929]]から[[中華民国]]の[[農暦]]は [TZ[+08:00]] 
で計算されるようになりました。
[SEE[ [[農暦]]、[[中国大陸の標準時]] ]]


[30] [[Time Changes]] の [[CHINA, PEOPLE'S REPUBLIC OF]] は、
[TIME[1928年][year:1928]]の[[中華民国]]の[[時間帯]]で[[滿洲]]各地を
[TZ[+08:30]] または [TZ[+08:00]] の[[標準時]]としていました [SRC[>>1256]]。
[SEE[ [[中国大陸の標準時]] ]]

[221] [[Shanks]] は [[CHINA]] のうち[[滿洲]] (#4, #9) を
[TIME[1928年1月1日0時0分][1928-01-01T00:00]]より [TZ[+08:30]] (それ以前は[[LMT]]) 
としていました [SRC[>>222]]。

[49] [[tzdata]] の [CODE[Asia/Harbin]] は、
[TIME[1928年][year:1928]]を境に [TZ[+08:30]] 
としています (それ以前は [[LMT]]) [SRC[>>54]]。

[249] これらの情報の根拠は不明です。
実際何らかの動きがこの年始にあったのか、
[[北伐]]あるいは[[農暦]]の改正の情報が歪んで伝わったものか不明です。

-*-*-

[27] [RUBY[[[齊々哈爾]]][[[チチハル]]]]市内では、 [TZ[+08:56]]
が使われていた
[SRC[>>69 (その出典は[TIME[昭和8年/1933年][year:1933]]版[CITE[旅程と費用概算]]), >>81 コマ405, 410, >>82 コマ437, 439]]
ともいいます。

[85] [[齊々哈爾]]の方が[[哈爾賓]]より西なのですが ([TZ[+08:15]] 付近)、
なぜか[[時刻]]は進んでいたことになります。
ただし現時点で[CITE[旅程と費用概算]]以外の出典が見つかっていません。
[[齊々哈爾]]は[[黒龍江省]]の省都で[[北満洲]]の主要都市でしたが、
[[東清鉄道]]本線の駅から離れていて、市内に付属地は無かったものと思われます。
(露西亜や日本の[[領事館]]はありました。またかつてチチハル城内にも露西亜軍が駐屯していたようですが、
この時期には既に撤退していたと思われます。)
ですからハルビン鉄道時と異なる時刻を用い(られ)た可能性はあるのですが、
それが [TZ[+08:56]] だというのは奇妙です。
ハルビン時間から30分ではなく、満洲時間 ([[昂齊鉄道]]の時刻) から30分で
[TZ[+08:30]] ([[長白時区]]) だとすればまだ納得感あります。

[124] [[東支鉄道]]と、その駅から[[齊々哈爾]]市内を結ぶ[[斉昂軽便鉄路]]は、
[[ハルビン時間]] [TZ[+08:26]] を用いていました [SRC[>>81 コマ407, >>82 コマ422]]。

[126] [[齊々哈爾]]付近を走る[[齊克線]]、[[洮昻線]]、[[四洮線]]では [TZ[+08:00]] が使われていました
[SRC[>>69 (その出典は[TIME[昭和8年/1933年][year:1933]]版[CITE[旅程と費用概算]]), >>81 コマ405, 410, >>82 コマ437, 439, >>87]]。

[125] [[齊々哈爾]]を発って[[齊克線]]で移動する行程の注記には、
南満時刻なので30分戻すよう指示があります [SRC[>>81 コマ409, >>82 コマ422]]。
どこで時計操作するべきなのか曖昧ですが、[[龍江駅]] ([[齊々哈爾]]市内からの最寄り)
乗車前と解釈するのが自然です。とすれば市内は [TZ[+08:30]] ということになります。
この行程は >>124 の続きなのですが、入市時に4分進める指示はありません。
わずかだから省略した (または見落とした) のか、戻すべき30分が実は概数なのかは不明です。

;; [127] >>27 と >>125 はわずか2ページ隣の記述ですが、矛盾しています。
本当に [TZ[+08:56]] なら、30分戻しても [TZ[+08:26]] でしかなく、[[南満時刻]]にはなりません。

[REFS[
- [206] [CITE[日時計を使用し標準時を遼河経過の子午線と定むるの件 兵站総監、陸海軍大臣、軍司令官]] ([[アジア歴史資料センター | Japan Center for Asian Historical Records]]著, [TIME[2019-02-05 16:38:19 +09:00]]) <https://www.jacar.archives.go.jp/aj/meta/image_C06040631500>
-- 旧: [CITE[国立公文書館 アジア歴史資料センター 日時計を使用し標準時を遼河経過の子午線と定むるの件 兵站総監、陸海軍大臣、軍司令官]] ([TIME[2015-10-20 13:30:26 +09:00]] 版) <http://www.jacar.go.jp/DAS/meta/image_C06040631500>
- [150] [CITE[出征軍隊に日時計及同使用法送付の件 兵站総監、第1軍司令官]] ([[アジア歴史資料センター | Japan Center for Asian Historical Records]]著, [TIME[2019-02-05 16:40:10 +09:00]]) <https://www.jacar.archives.go.jp/aj/meta/image_C06040641800>
-- 旧: [CITE[出征軍隊に日時計及同使用法送付の件 兵站総監、第1軍司令官]] ([TIME[2016-06-09 10:02:32 +09:00]]) <http://www.jacar.go.jp/DAS/meta/image_C06040641800>
- [208] [CITE[38.1.8 発長岡次長 宛総参謀長外 本邦標準時刻採用通知に関する件]] ([[アジア歴史資料センター | Japan Center for Asian Historical Records]]著, [TIME[2019-02-05 16:54:11 +09:00]]) <https://www.jacar.archives.go.jp/aj/meta/image_C06040284000>
-- 旧: [CITE[国立公文書館 アジア歴史資料センター 38.1.8 発長岡次長 宛総参謀長外 本邦標準時刻採用通知に関する件]] ([TIME[2015-10-20 13:35:41 +09:00]] 版) <http://www.jacar.go.jp/DAS/meta/image_C06040284000>
- [209] [CITE[38.1.8 発大島兵站総監部参謀長 宛長岡次長 時刻統制に関する件]] ([[アジア歴史資料センター | Japan Center for Asian Historical Records]]著, [TIME[2017-08-14 20:15:20 +09:00]]) <https://www.jacar.archives.go.jp/aj/meta/image_C06040284100>
-- 旧: [CITE[国立公文書館 アジア歴史資料センター 38.1.8 発大島兵站総監部参謀長 宛長岡次長 時刻統制に関する件]] ([TIME[2015-10-20 13:38:06 +09:00]] 版) <http://www.jacar.go.jp/DAS/meta/image_C06040284100>
- [210] [CITE[38.1.8 発長岡次長 宛次官 出征軍の使用時刻統制に関する件]] ([[アジア歴史資料センター | Japan Center for Asian Historical Records]]著, [TIME[2019-02-05 16:54:44 +09:00]]) <https://www.jacar.archives.go.jp/aj/meta/image_C06040284600>
-- 旧: [CITE[国立公文書館 アジア歴史資料センター 38.1.8 発長岡次長 宛次官 出征軍の使用時刻統制に関する件]] ([TIME[2015-10-20 13:38:56 +09:00]] 版) <http://www.jacar.go.jp/DAS/meta/image_C06040284600>

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[155] [CITE@en[Page 4235 | Issue 27923, 19 June 1906 | London Gazette | The Gazette]]
([TIME[2016-07-28 02:11:00 +09:00]])
<https://www.thegazette.co.uk/London/issue/27923/page/4235>
]FIGCAPTION]

> No. 601.—NORTHERN CHINA—LIAIT
> RIVER,
> Newchwang—Beacon Removed in Approach^ Time
Signal Altered.
> The Japanese Government has given notice,
dated 21st April, 1906, that the surveying beacon
(New Beacon) on the eastern bank of Liau River,
formerly situated at a distance of 3 cables
S. 40° E. from Nodding Tommy Beacon, is no
longer in existence.
> Also, that the time ball at the Custom House
Flagstaff, Newchwang, is dropped every day at
Oh. Om. Os. Mean Time of the 120° of east
longitude, or 16h. Om. Os. G.M.T., instead of on
Saturdays at Oh. Om. Os. Local Mean Time as
formerly. Further particulars in regard to this
signal are not given, but it is presumed that
Standard Time of the 120th meridian of eist
longitude has been adopted at Newchwang for
general use.
> Approximate position, Custom House F.'agstaff
on Chart No. 2894, lat 40° 43' 25" N., long.
122° 15' 55" E.
> [Variation 4° Westerly in 1906.]
> This Notice affects the following Admiralty
Chart:—Liau River, No. 2894. Also,- List of
Time Signals, 1904, page 78; and China Sea
Directory, Vol. Ill, 1904, pages' 645, 649*-

]FIG]

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[252] 
[CITE[讀賣新聞]] [TIME[明治四十年五月十一日][1907-05-11]],
朝刊 二面
]FIGCAPTION]

>
[BOX(vertical)[
[BOX(center)[
[B[大連電報]]
]BOX]

[SNIP[]]
(十日午前發)
[SNIP[]]

[BOX(indent)[
'''滿鐵標準時の改正'''(同上)
]BOX]

[RUBY[滿鉄][まんてつ]][RUBY[標準時間][へうじゆんじかん]]は十六日より[RUBY[西部標準時][せいぶへうじゆんじ]]に[RUBY[據][よ]]
ることに[RUBY[改正][かいせい]]せり

]BOX]

]FIG]

- [128] [CITE[關東州の標準時]] (地学雑誌 Vol. 18 (1906) No. 6 P 425b, [TIME[2016-05-02 17:38:57 +09:00]]) <https://www.jstage.jst.go.jp/article/jgeography1889/18/6/18_6_425b/_article/-char/ja/>

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[118] [CITE@ja[国立国会図書館デジタルコレクション - 官報. 1907年05月22日]] ([TIME[2016-04-30 18:04:04 +09:00]] 版) <http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2950512/1>
]FIGCAPTION]

>
[BOX(vertical)[
關東都督府告示第三十五號

關東都督府管内ノ標準時ハ明治四十年五月十六日ヨリ帝國西部標準時ニ據ル

[BOX(indent set)[
[BOX[
明治四十年五月十四日
]BOX]

[BOX[
關東都督 男爵大島善昌
]BOX]
]BOX]

]BOX]

]FIG]

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[211] [CITE[夏時制実施に関する件]] ([[アジア歴史資料センター | Japan Center for Asian Historical Records]]著, [TIME[2017-08-14 20:56:42 +09:00]]) <https://www.jacar.archives.go.jp/aj/meta/image_C04016885600>
([CITE[国立公文書館 アジア歴史資料センター 夏時制実施に関する件]] ([TIME[2015-10-20 13:53:16 +09:00]] 版) <http://www.jacar.go.jp/DAS/meta/image_C04016885600>)
]FIGCAPTION]

>關東都督府管内標準時
> 明治四十年五月十四日 告示第三十五號
>關東都督府管内ノ標準時ハ明治四十年五月十六日ヨリ帝國西部標準時ニ據ル
]FIG]

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[64] [CITE[南満洲鉄道株式会社二十年略史 - Google ブックス]] ([TIME[2016-04-30 17:01:31 +09:00]] 版) <https://books.google.co.jp/books?id=-7sjtmCOmwEC&pg=frontcover#v=onepage&q&f=false>
85ページ
]FIGCAPTION]

> 標準時の變更 會社の標準時刻は當初日本内地中央標準時に據つたが明治四十年五月十六日午前零時を期し本邦西部標準時に據ることに變更して從前の時刻から一時間後るゝことゝなつた尚朝鮮鐡道の標準時刻は元内地中央標準時と西部標準時との中間に介在し共孰れにも三十分を前後したが明治四十五年一月一日から中央標準時に據ることに變更したので會社標準時とは一時間の差異を見ることゝなつた
]FIG]

- [63] [CITE@ja[南満洲鉄道(株)『満鉄四十年史』(2007.11) | 渋沢社史データベース]] ([TIME[2016-03-30 22:48:12 +09:00]] 版) <http://shashi.shibusawa.or.jp/details_nenpyo.php?sid=12370&query=&class=&d=all&page=5>
- [132] [CITE[關束州西部標準時採用]] (地学雑誌 Vol. 19 (1907) No. 6 P 433, [TIME[2016-05-02 18:16:20 +09:00]]) <https://www.jstage.jst.go.jp/article/jgeography1889/19/6/19_6_433/_article/-char/ja/>
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韓駐丙第三三六○號  
明治四十二年十月二十九日
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- [117] [CITE@ru[ウィキペディア - ロシアの時間]] ([TIME[2016-04-30 20:05:22 +09:00]] 版) <https://ru.wikipedia.org/wiki/%D0%92%D1%80%D0%B5%D0%BC%D1%8F_%D0%B2_%D0%A0%D0%BE%D1%81%D1%81%D0%B8%D0%B8#.D0.98.D0.B7.D0.BC.D0.B5.D0.BD.D0.B5.D0.BD.D0.B8.D0.B5_.D0.B2.D1.80.D0.B5.D0.BC.D0.B5.D0.BD.D0.B8_.D0.B2_.D0.9C.D0.BE.D1.81.D0.BA.D0.B2.D0.B5_.D1.81_1917_.D0.B3.D0.BE.D0.B4.D0.B0>
- [167] [CITE[23.東清鉄道鳥蘇里鉄道ノ時計前進ノ件 同七月]] ([TIME[2016-08-18 16:32:14 +09:00]]) <http://www.jacar.go.jp/DAS/meta/image_B12081037400>

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[18] [CITE[国立公文書館 アジア歴史資料センター 43.東清鉄道庁ノ哈爾賓地方標準時採用ノ件 同一月]] ([TIME[2015-10-20 12:07:35 +09:00]] 版) <http://www.jacar.go.jp/DAS/meta/image_B12081039400>
]FIGCAPTION]

> 東清鉄道廳ハ一月十一日以降従来ヨリ一時間遅レタル時間即チ本来ノ哈爾賓地方標準時
(午前十一時二十三分=日本時刻正午)
ヲ採用スヘキ旨告示セリ
]FIG]

- [197] [CITE[管内事情 第一巻ノ上 2]] ([TIME[大正6年6月][1917-06]], [TIME[2017-03-30 21:39:01 +09:00]]) <https://www.jacar.archives.go.jp/aj/meta/image_B03050398500>
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-- 「時差二十三分」
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1927年
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-- [77] [CITE@ja[近代デジタルライブラリー - 旅程と費用概算. 昭和3年版 改訂増補]] ([TIME[2016-04-27 19:45:03 +09:00]] 版) <http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1186567/276>
-- [76] [CITE@ja[近代デジタルライブラリー - 旅程と費用概算. 昭和5年版]] ([TIME[2016-04-27 19:31:58 +09:00]] 版) <http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1027860/345>
-- [79] [CITE@ja[近代デジタルライブラリー - 旅程と費用概算. 昭和6年版]] ([TIME[2016-04-27 20:01:59 +09:00]] 版) <http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1179677/314>
- [100] [CITE@ja[国立国会図書館デジタルコレクション - 南満洲鉄道旅行案内]] ([TIME[2016-04-29 02:01:11 +09:00]] 版) <http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1915520/210>
[TIME[1929年][year:1929]]
- [81] [CITE@ja[近代デジタルライブラリー - 旅程と費用概算. 昭和7年版]] ([TIME[2016-04-27 20:07:35 +09:00]] 版) <http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1179695/382>
[TIME[昭和7年8月20日][1932-08-20]] ([[満州国]]の記述あり)
- [82] [CITE@ja[近代デジタルライブラリー - 旅程と費用概算. 昭和9年度版]] ([TIME[2016-04-27 20:29:41 +09:00]] 版) <http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1180065/413>
- [83] [CITE@ja[近代デジタルライブラリー - 旅程と費用概算. 昭和10年度版]] ([TIME[2016-04-27 20:33:52 +09:00]] 版) <http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1179724/461>
- [87] [CITE[国立公文書館 アジア歴史資料センター 標題:昂齊鉄道関係一件]] ([TIME[2016-04-28 01:06:39 +09:00]] 版) <http://www.jacar.go.jp/DAS/meta/image_B10074719000>
昭和4年
- [89] [CITE@ja[国立国会図書館デジタルコレクション - 大陸を歩みて]] ([TIME[2016-04-28 02:51:26 +09:00]] 版) <http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1175539/52>
昭和6年
-- [[長春]]で「東支鉄道の時間」に時計を直して[[東支鉄道]]に乗り換える記述あり
(帰路では言及なし)
- [228] [CITE@ja[国立国会図書館デジタルコレクション - 大連商工会議所事務報告書. 昭和8年度]] ([TIME[2015-11-21 22:42:46 +09:00]] 版) <http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1114199/50>

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[153] [CITE[新聞記事文庫 : 満州日報 1930.6.2]]
( ([TIME[2016-05-12 02:36:18 +09:00]]))
<http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/ContentViewServlet?METAID=10029888&TYPE=HTML_FILE&POS=1&LANG=null>
]FIGCAPTION]

> 五月も過ぎ六月に入った。例のサムマータイム、今年は問題にならぬようであるが、日の永くなったことは確実である。
[SNIP[]]
すなわち時代は急スピードを以て走るけれどもわれらは依然として遅々、時を合理的に利用するまでに至って居らぬのである。サムマアタイムの利用の如き、いろいろの支障の派生することは、これを否まぬ。併しながら、夏の日の永きを喞つのみにして、更にこれを利用せんともせぬのは、抑も何の故ぞや。例の産業合理化の如きも、結局、当然に時の利用をも敢てせぬならば、決して完全ということは出来ぬのである。 

]FIG]

- [222] [[Shanks]] (2003)

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[35] [CITE@ja[満州国の時差についてご存知の方がおられたら教えてください。残っ... - Yahoo!知恵袋]]
([TIME[2016-02-18 22:03:42 +09:00]] 版)
<http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1387884833>
]FIGCAPTION]

> 残っている満鉄の資料によると、ハルビン時間は日本時間と1時間単位ではなく+23(または26)分という半端な時差があったようです。

]FIG]

- [191] [CITE@ja[日本海海戦 - Wikipedia]] ([TIME[2017-03-05 16:43:20 +09:00]] 版) <https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%B5%B7%E6%B5%B7%E6%88%A6>
- [192] [CITE@ru[Цусимское сражение — Википедия]] ([TIME[2017-03-25 00:45:34 +09:00]] 版) <https://ru.wikipedia.org/wiki/%D0%A6%D1%83%D1%81%D0%B8%D0%BC%D1%81%D0%BA%D0%BE%D0%B5_%D1%81%D1%80%D0%B0%D0%B6%D0%B5%D0%BD%D0%B8%D0%B5>
- [201] [CITE@ja[【満州文化物語(46)】30年続いた「満州時間」 日本に「時差」があったとき - 産経ニュース]] ([[SANKEI DIGITAL INC.]] 著, [TIME[2017-04-02 12:01:29 +09:00]] 版) <http://www.sankei.com/premium/print/170402/prm1704020010-c.html>
-- [200] [CITE@ja[【満州文化物語(46)】30年続いた「満州時間」 日本に「時差」があったとき(1) - 産経ニュース]] ([[SANKEI DIGITAL INC.]] 著, [TIME[2017-04-02 12:01:33 +09:00]] 版) <http://www.sankei.com/premium/photos/170402/prm1704020010-p1.html>
- [420] [CITE@en[Universal Time - Wikipedia]] ([TIME[2017-05-14 10:19:16 +09:00]]) <https://en.wikipedia.org/wiki/Universal_Time#Adoption_in_various_countries>
]REFS]

[33] [SEE[ [[アジア大陸の鉄道標準時]] ]]

** 満州国時代

;; [44] [TIME[1931年9月][1931-09]]、[[満州事変]]が起こりました。

;; [37] [TIME[大同元年/1932年 (昭和7年) 3月1日][1932-03-01]]、[[満州国]]が建国されました。
[TIME[昭和7年/1932年][1932]]に[[関東州]]は[[満州国]]からの[[日本]]の[[租借地]]となりました。

[7] [[満州国]]では建国以来 [TZ[+08:00]] が使われた [SRC[>>5]]
と一般には言われているようです。厳密に言えば、
建国から1ヶ月は[[標準時]]の規定がなかったと思われますが、
[[南満州]]ではおおよそ [TZ[+08:00]] が使われていたと思われます。

[104] >>102 は、1932年の標準時制定まで
[TZ[+08:00]] と [TZ[+08:30]] が使われていたとしていますが、
根拠は不明です。 >>102 は[[満洲国]]の[[中央観象台]]に関する書籍ですが、
標準時制定時点で[[中央観象台]]は未設立ですから、伝聞情報かもしれません。
([[満洲国]]建国前から[[関東州]]や[[満鉄附属地]]では[[日本]]の観測機関がありましたが、
[TZ[+08:00]] を使っていたと思われます。)
>>140 は各地で異なる時刻を用いていると述べていますが、
具体的には何も挙げていないので、統一前に何通りあったのかは不明です。

-*-*-

[143] [TIME[大同元年4月1日][1932-04-01]]国務院令第四號は、
国内各地で時刻が統一されていないとして、以後「[[新京]]の時刻」
を「公務執行時刻」の「標準」と定めました [SRC[>>140]]。
これを受けて8日には[[東省特別区]]の[[訓令]] [SRC[>>142]]、
15日には国務院令 [SRC[>>141]] で、政府各局や「一般人民」
への周知が指示されました。

[103] [TIME[1932年3月31日][1932-03-31]]の[[満洲国]]の[[国務院]]の決定で
[SRC[>>102, >>130]]、
[TIME[4月1日][1932-04-01]]から [TZ[+08:00]] 
([[長春時間]] [SRC[>>135]]) を採用することとした [SRC[>>102]]
([TIME[4月1日][1932-04-01]][[執政府]]発表 [SRC[>>135]]) といいます。

[144] [[満洲国]]の[[官報]]に掲載された文書の限りでは、
あくまで政府機関の用いる時刻を定めたもので、厳密には[[標準時]]とは異なるように思えますが、
民間への周知も含めて実質的に[[標準時]]の制定と捉えられているようです。
なお、後の改正時 (>>8) には[[標準時]]と明記された[[勅令]]が制定されていますが、
元の国務院令が[[標準時]]を定めるものではないためか、
廃止の手続きは取られていないように見えます。

[21] [[東省特別区]] ([[ハルビン]]その他[[東支鉄道]]付属地) では、
その後もしばらくは [TZ[+08:26]] が使われ続けていました。

- [139] [[東省特別区]]は [TZ[+08:00]]
と26分の時差がありましたが、「4月1日国務院連第4號」により [TZ[+08:00]]
を採用した [SRC[>>20]] といいます。
- [136] (11月?) 15日には、「[[哈爾賓]]を中心とする地方」
でも [TZ[+08:00]] を「励行」することとなった [SRC[>>135]] ようです。
- [131] 当時の雑誌記事には、
([[滿洲]]には[[大連時間]]、[[ハルビン時間]]などがあり、そのうち)
[[ハルビン]]には「3つの標準時間ができて時ならぬ時の争いまで演じた」としています
[SRC[>>130]]。
- [137] [[東支鉄道]]にも [TZ[+08:00]] の採用を交渉した結果 [SRC[>>20]]、
[[ウスリー鉄道]]及び[[ザバイカル鉄道]] (どちらも[[外満州]]の路線)
との接続に関する準備の後 [SRC[>>135]]、[TIME[11月17日][1932-11-17]]0時には
[TZ[+08:00]] を採用しました [SRC[>>135, >>20]]。

;; [145] >>139 は、 >>140 のことを指しているのでしょうか。
4月1日文書により時差が解消されたとはいっても、
[[東支鉄道]]が旧時刻のままだったということは、
市内の実態は旧時刻が使われていたのかもしれません。
それで新時刻を「励行」することになったのでしょう。
>>131 は、3つのうち2つは [TZ[+08:26]] とおそらく [TZ[+08:00]] でしょう。
もう1つが何を指すかは不明です。

[146] [[東支鉄道]]の [TZ[+08:00]] 採用により、
[[満洲国]]の時刻はすべて統一されました [SRC[>>135, >>20]]。



[58] [TIME[昭和7年6月][1932-06]]、
[[天文学者]]の[[山本一清]]は、
[[満州国の標準時]]が [TZ[+08:00]] と定められたことについて、
非常に残念だとコメントしました。
山本は、[[満州国]]西端の [TZ[+08:00]] のみならず東端の [TZ[+09:00]]
も不自然ではなく、[[欧州]]で導入が進む[[夏時刻]]のように [TZ[+09:00]]
を採用する方が賢明であり、
[[日本]]の[[中央標準時]] [TZ[+09:00]]
と一致させる便利さは自明であるから、
[TZ[+09:00]] を[[満州国の標準時]]として採用するべきだと提案しました。
[SRC[>>57]]

[134] [[満州国]]は、「建國の際」、
[[天文学者]]の[[山本一清]]に[[標準時]]を
[TZ[+08:00]]、[TZ[+09:00]] のいずれとするべきか意見を求め、
山本は [TZ[+09:00]] とするべきと力説した [SRC[>>133]]
といいます。
おそらくは制定後の提案と同様の内容を[[満州国]]政府からの照会に対しても回答していたのでしょう。

;; [147] 後述の通り、結局は山本の提案に[[満州国]]も從うこととなりました。


[HISTORY[
[31] [[Time Changes]] の [[CHINA, PEOPLE'S REPUBLIC OF]] は、
[[Heilungkiang]], [[Jehol]], [[Kiangsu]], [[Kirin]], [[Liaoning]],
[[Manchuria]] が[TIME[1932年3月1日10時][1932-03-01T10:00]]から[[標準時]] [TZ[+08:00]]
としていました [SRC[>>1256]]。

;; [[朝鮮]]もこの時刻に変更されたとしていました。[[朝鮮半島の標準時]]参照。

[223] [[Shanks]] は [[CHINA]] のうち[[滿洲]]について、
[TIME[1932年3月1日10時0分][1932-03-01T10:00]]から [TZ[+08:00]]
としていました [SRC[>>222]]。

[50] [[tzdata]] の [CODE[Asia/Harbin]] は、
[TIME[1932年3月][1932-03]]を境に
[TZ[+08:30]] から [TZ[+08:00]] へとしています [SRC[>>54]]。

[40] これらは[[満州国]]の建国日に基づく根拠の薄い情報と思われます。
]HISTORY]

[REFS[

- [138] [CITE@ja[満州国政府公報日訳]] ([[独立行政法人国立公文書館 | NATIONAL ARCHIVES OF JAPAN]]著, [TIME[2017-11-05 14:41:00 +09:00]]) <https://www.digital.archives.go.jp/das/image/F1000000000000069304>
-- [225] [CITE[満州国政府公報日譯 大同元年4月・5月分(第1号~第10号)]] ([TIME[2016-05-13 22:01:53 +09:00]]) <http://www.jacar.go.jp/DAS/meta/image_A06031008700>

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[140] >>138 コマ43
]FIGCAPTION]

> 
[BOX(vertical)[
院令第四號

[BOX(center)[
[FENCED[][ [LINES[各省長][興安局總長][東省特別區長官]] ][}]] ニ令ス
]BOX]

公務執行時刻ハ從來各省各開港不統一ナルヲ以テ之ヲ統整スルヲ要ス爾今必ス新京ノ時刻ヲ以テ一律ニ標準ト爲スヘシ當該省長總長長官ハ夫々轉命遵奉セシメラレ度

[BOX(indent)[
大同元年四月一日
]BOX]

[BOX(right)[
國務總理 鄭孝胥
]BOX]

]BOX]

]FIG]

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[141] >>138 [DEL[コマ45]] 44ページ
]FIGCAPTION]

> 
[BOX(vertical)[
國務院訓令第十號

[BOX(center)[
民生部總長各部總長中東鐵路督辯ニ令ス
]BOX]

公務執行時間ハ各省區ニ於テ區々トナリ居ルモ爾今一律ニ新京時刻ヲ標準トシ統一スル様轉令和成度尚各省長ヲシテ管下一體ニ布告ヲ貼付セシメ一般人民ニ週知セシムル様取計ハレ度

[FENCED[(][ [LINES[各部總長][督辯]]宛 統一スル様所属一體ニ轉令ノ上遵守セシメラレ度 ][)]]

[BOX(indent)[
大同元年四月十五日
]BOX]

[BOX(right)[
國務總理 鄭孝胥
]BOX]
]BOX]

]FIG]

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[142] >>138 コマ72
]FIGCAPTION]

> 
[BOX(vertical)[
東省特別區長官公署訓令第四七三號

[BOX(center)[
所屬各機關ニ令ス
]BOX]

國務院ノ令ヲ率スルニ云フ官公署執務時間ハ各省埠區々タリシヲ以テ今後ハ務メテ新京時刻ヲ以テ標準トナシ一律ニ歸セシム尚該長官ヨリ轉名遵守セシメヨト右令達致スニ付遵照スヘシ此ニ令ス

[BOX(indent)[
大同元年四月八日
]BOX]

[BOX(right)[
東省特別區長官 張景恵
]BOX]
]FIG]

- [135] [CITE[時間関係雑纂 4.満州国ノ時間統一ニ関スル件]] ([TIME[2016-05-13 21:15:15 +09:00]]) <http://www.jacar.go.jp/DAS/meta/image_B04011418700>
- [20] [CITE[国立公文書館 アジア歴史資料センター 満洲国標準時間の件]] ([TIME[2015-10-20 13:16:06 +09:00]] 版) <http://www.jacar.go.jp/DAS/meta/image_C04011489200>
- [130] [CITE[滿洲國の標準時]] (地学雑誌 Vol. 44 (1932) No. 5 P 298, [TIME[2016-05-02 17:46:14 +09:00]]) <https://www.jstage.jst.go.jp/article/jgeography1889/44/5/44_5_298/_article/-char/ja/>
- [57] [CITE[新しい滿洲國の標準時制について (時の紀念號)]] 
([[山本一清]]、[TIME[1932-05-25]]、[TIME[2012-11-22 18:05:00 +09:00]] 版) 
<http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/161980/1/tnk000134_205.pdf>

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[95] [CITE@ja[国立国会図書館デジタルコレクション - 官報. 1932年11月22日]] ([TIME[2016-04-28 23:04:50 +09:00]] 版) <http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2958241/9?viewMode=>
]FIGCAPTION]

> 
[BOX(vertical)[
在外公館報告

◉滿洲國時間統一

本件ニ關スル本月十七日著在滿洲武藤特命全權大使電報左ノ如シ (外務省)

>
滿洲時間ハ四月一日ヨリ 新京時間ニ統一サレ居タル處哈爾賓ヲ中心トスル地方ニモ
十五日ヨリ之ヲ勵行スルコトヽ爲レリ尤モ
東支鐡道ハ[U(double)[ウスリー]]及[U(double)[ザバイカル]]線トノ聯絡上其準備ニ時間ヲ要シタルタメ
十七日午前零時ヨリ新京時間ニ變更スルコトヽ爲リ茲ニ
全滿洲時間ノ劃一實現セリ

]FIG]

- [149] [CITE@ja[近代デジタルライブラリー - 満洲国時憲書. 大同3年]] ([TIME[2016-05-13 23:13:54 +09:00]]) <http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1146622>
- [133] [CITE[Kyoto University Research Information Repository: 倉敷天文臺より]] 
([TIME[1934-11-25]],
水野, 千里,
[TIME[2012-12-25 18:03:06 +09:00]]) <http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/handle/2433/166918>
-- [236] ([TIME[2018-03-23 14:40:35 +09:00]]) <https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/166918/1/tnk000164_075.pdf>


[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[102] [CITE[旧満州国中央観象台史]], [[出淵重雄]], [TIME[1988-12]]
]FIGCAPTION]

> [TIME[4月1日][1932-03-31]] [TIME[3月31日][1932-03-31]]の国務院会議において, 
[TIME[4月1日][1932-04-01]]より満洲国においては[LON[120°Eの子午線][120E]]を以て標準時とすることに決定した。
従来は[LON[127°30'][127.30E]]及び[LON[120°E][120E]]等の標準時が使われていたが, 
今回[LON[120°E][120E]] (大連時間) に統一したものである。

]FIG]

]REFS]

-*-*-

[185] 
[TIME[昭和8年/大同2年9月1日][1933-09-01]]の[[満洲電信電話会社]]の規定は、
[[報時]]に用いる[[時刻]]を[[西部標準時]]とし、
[[関東庁]]観測所により提供されたものを用いると定めていました [SRC[>>194]]。

[148] [[満洲国]]として初めて発行された[[暦]]である、
[TIME[大同2年][year:1933]]発行の[TIME[大同3年][year:1934]]の[[暦]]には、[[凡例]]で
「凡満洲國時刻[[平時]]即用[LON[東經一百二十度之子午線][120E]]為標準」 [SRC[>>149]]
とあります。

;; [202] [TIME[昭和10年/1935年][year:1935]]、日満ソ3国間の条約により、
[[北満鉄路]]は[[満洲国]]に[[買収]]されました。

[HISTORY[
[203] [[北満鉄路]]の[[ハルビン時間]]について、
「満州国がソ連から同線を買収、満鉄に運営を委託する直前に解消」 [SRC[>>201]]
されたとするものもありますが、根拠は不明です。

;; 1932年は1935年の「直前」ではないとは思いますが...
]HISTORY]

[247] 
[[満州]]の[[安東]]と[[朝鮮][大日本帝国朝鮮]]の[[新義州]]は、
[[国境]]の河を挟んで隣接する街でした。
[[満州]]と[[朝鮮][大日本帝国朝鮮]]で[[時差]]があった頃、
両方の住民が参加する会合では、
どちらで実施されるかにより、相手方での[[昼食]]が
11時になったり、13時になったりする、と互いにこぼし合っていたそうです
[SRC[>>248]]。

[REFS[
- [184] [CITE@ja[国立国会図書館デジタルコレクション - 満洲電信電話会社規定聚]] ([[満洲電信電話株式会社総務部]]著, [TIME[昭和9][year:1934]]) <http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1112391/323>
- [248] [CITE[照明サロン: 夏時刻をめぐる誌上リレー座談會]],
[CITE[照明學會難誌]] 第32巻第2號,
[TIME[昭和23年6月][1948-06]]
<https://www.jstage.jst.go.jp/article/jieij1917/32/2/32_2_42/_pdf/-char/ja>
]REFS]

-*-*-

[1] [TIME[康徳4年/1937年 (昭和12年) 1月1日][1937-01-01]]、[[満州国の標準時]]は[[日本中央標準時]]と同じ [TZ[+09:00]] に変更されました [SRC[>>5, >>6]]。

[8] [[満州国]]の[TIME[康德三年八月六日][1936-08-06]][[勅令]]第一百三十三號
[CITE[關於標準時之件]]により定められました [SRC[>>17]]。

[9] 移行の[[時刻]]は、
[[満州国]]の[TIME[康德三年十二月五日][1936-12-05]]國務院佈告第三號
[CITE[關於新舊標準時相差時間之件]]により、
[TIME[12月31日23時][1936-12-31T23:00+08:00]]をもって
[TIME[1月1日0時][1937-01-01T00:00+09:00]]とすると定められました [SRC[>>230]]。


[3] [[関東州]]および[[満鉄附属地]]の[[標準時]]も、
[[満州国]]と同時に [TZ[+09:00]] に改正されました [SRC[>>15, >>14, >>107]]。

[233] [[標準時]]改正に伴い、官庁執務時間も改正されました [SRC[>>232, 改正前 >>231]]。
基本的には表示上の時刻がそのまま (実質1時間繰り上げ) でしたが、
冬季間のみ表示上の時刻が1時間繰り下げられた (実質無変更の)
ため、 [[標準時]]改正をまたいだ年末年始で[[時刻]]は1時間遅れとなったものの、
執務の時間はそのままとなったようです。

[229] [SEE[ [[大東亜の標準時]] ]]

;; [13] 
[[沖縄県]]の一部と[[台湾総督府]]の管轄下で用いられた[[西部標準時]]も、
半年後に[[満州国]]に追随して[[廃止]]され、[[中央標準時]]に統一されました。

;; [245] 
[TIME[1937年][year:1937]]、
[[満鉄附属地]]は[[満州国]]に返還されました。

-*-*-

[72] [[満鉄]]の時刻について、[[平井環]]の証言 [SRC[>>92]] によると、
元々[[大連]][[若草山観測所]]の[[報時]]によっていたところ、
“[[奉天]]に[[鉄道総局]]が置かれた頃”に[[関東軍]]の[[報時]]に切り替えられたようです。
[TIME[1933年3月1日][1933-03-01]]に[[奉天]]に[[鉄路総局]]が、
[TIME[1936年10月1日][1936-10-01]]に[[鉄道総局]]が設置されたようですが、
この切り替えの時期は不明です。 

[171] [[日本]]の[TIME[昭和13年10月20日][1938-10-31]]勅令第705号[CITE[關東氣象臺官制]]は、
旧[[関東観測所]]を改組して[[関東気象台]]を設置するものでした。
元の[[報時]]業務を引き継ぎ、「時ノ測定及報時」
の事務を行うことが定められていました。 [SRC[>>170]]

;; [172] [[関東気象台]]の測候所の設置範囲は[[関東州]]内でしたから、
[[報時]]業務の対象地域も[[関東州]]内のみで、その他の[[満洲国]]内は[[満洲国]]の機関の担当だったと思われます。

[178] [[満洲国]]の[CITE[中央観象台官制]]には、[[中央観象台]]の業務として
「曆書編製」と「時間之測定、報時之鐘錶之檢定」(「時ノ測定、報時及時計ノ檢定」)
が挙げられていました [SRC[>>179]]。 

[235] 
[[満州国]]の[[官報]]に掲載された気象記録は、
[[標準時]]改正前まで[TIME[午前11時][11:00]]の結果となっていましたが、
改正後から[TIME[午前12時][12:00]]に切り替わりました。
また[[降水量]]について[TIME[午前5時][05:00]][[日界]]の24時間分とありましたが、
改正後は[TIME[午前6時][06:00]]に変わりました。 [SRC[>>234]]
改正に際して特に注釈はありませんが、
気象観測における[[日]]となる24時間と觀測のタイミングは変更しないまま
([[時刻]]としては1時間繰り下げて) 継続されたようです。

[239] 
[TIME[1904年][year:1904]]から
[TIME[1945年][year:1945]]の[[満州]]の気象情報データベースの凡例は、
「極力原文のまま」としつつ、
[[標準時]]は [TZ[+09:00]]、
[[気温]]と[[降水量]]の[[日界]]は[TIME[24時][24:00]]、
[[蒸発量]]の[[日界]]9は[TIME[10時][10:00]]としています [SRC[>>227]]。
[[官報]]掲載分と[[降水量]]の[[日界]]が異なりますが、
いずれかの時点で再計算されたのでしょうか。

[241] 
[[日本政府]]の[CITE[中央気象台年報]]には、
[[明治時代]]から、[[関東州]]や[[滿洲]]、
[[支那]]のいくつかの観測地点の情報が掲載されていました。
[CITE[中央気象台年報]]は基本的に観測時は[[中央標準時]]とし、
例外として[[西部標準時]]の観測地を示しています。
[TIME[[LINES[明治45][大正元]]年][year:1912]]から[TIME[昭和11年][year:1936]]は[[西部標準時]]とされており、
[TIME[大正13年][year:1924]]から[[旅順]]のみ[[中央標準時]]とされていました。
[SEE[ [[中央標準時]]の気象観測の項 ]]

[242] 
この説明を信じると[TIME[明治40年][year:1905]]の[[西部標準時]]採用から5年間は[[中央標準時]]のまま残ったことになりますが、
[[南京]]などの[[滿洲]]外の[[支那]]の観測点にも同様に注記がなく、
これらの観測点の時刻は検証が必要でしょう。
[[関東州]]の[[旅順]]だけ途中で[[西部標準時]]から[[中央標準時]]に変更されたことになりますが、
[TIME[大正13年][year:1924]]に[[関東州]]でだけ時刻を変更する合理的な理由も見当たらず、
[TIME[大正13年][year:1924]]以前の[[旅順]]の時刻も要検証でしょう。

[HISTORY[

[51] [[Shanks]] (2003) は [[CHINA]] のうち[[満州]] (#4, #9) について、
[TIME[1940年1月1日0時0分][1940-01-01T00:00]]から [TZ[+09:00]] としています [SRC[>>222]]。
[[tzdata]] の [CODE[Asia/Harbin]] は[TIME[1940年][year:1940]]を境に
[TZ[+09:00]] としています [SRC[>>54]]。
根拠は不明です。1940年代頃に変更されたという情報があるが時期不明だった、
といったところでしょうか。 [[Shanks]] は [[CHINA]] のうち [TZ[+05:30]]
だった地域が同時に [TZ[+05:00]] となったとしていますが、関連は不明です。

]HISTORY]

[68] [TIME[1942年][year:1942]]に出版された随筆 [SRC[>>67]] は、
[[内地]]から[[満州]]を訪問し、[[標準時]]と[[太陽時]]とのずれに戸惑い、批判しています。
改正からわずか5年しか経過していませんが、「改正の理由を一向に知らない」とも述べています。
5年も前のことなど覚えていなかったのか、あるいは[[内地]]では大して話題にならなかったのでしょうか。

[REFS[


[45] [CITE[滿洲國の標準時いよいよ改まる! (日食特輯號)]]
([[山本一清]], [TIME[1936-05-25]], [TIME[2012-12-26 18:03:35 +09:00]] 版)
<http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/167246/1/tnk000182_289.pdf>

[53] >>45 より
[FIG(list)[
- 満州国標準時改正が[TIME[1936年5月14日][1936-05-14]]にニュースになった。
- 1934年から山本もこれを主張していた。
- 満鉄、鉄路総局、満州航空会社など交通関係機関が推進していた。
- 1935年の山本の訪満により促進された。
- 新京中央観象台が中心に調整し改正がまとまった。
- [[台湾]]はこれで「唯一の異端者」なので、はやく改正するべきであると山本は考える。
- これまでの[[安東]]での時差調整が不要となる。
- 満州からソ連への移動も便利になる。
]FIG]


[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[17] 勅令第一百三十三號 (政府広報 第七百十五號 康徳三年八月六日 [SRC[>>16 70ページ]] 所収)
]FIGCAPTION]

>
[BOX(vertical)[
朕経諮問參議府裁可關於標準時之件著卽公布

[BOX(indent)[
御名御璽

[BOX(indent)[
康德三年八月六日
]BOX]
]BOX]

[BOX(right)[
國務總理大臣 張景惠

實業部大臣 丁鑑修
]BOX]

[B[勅令第一百三十三號]]

[BOX(indent)[
[B[關於標準時之件]]
]BOX]

東經一百三十五度子午線之平均太陽時定爲國內一般之標準時

[BOX(indent)[
附則
]BOX]

本令自康德四年一月一日施行

]BOX]

]FIG]

- [16] [CITE@ja[満州国政府公報日訳]] ([[独立行政法人国立公文書館 | NATIONAL ARCHIVES OF JAPAN]]著, [TIME[2017-11-05 15:08:58 +09:00]]) <https://www.digital.archives.go.jp/das/image/M2006052220051428954>
-- [CITE[国立公文書館 アジア歴史資料センター 標題:満州国政府公報日譯 康徳3年8月分(第711号~第736号)]] ([TIME[2015-10-20 11:43:36 +09:00]] 版) <http://www.jacar.go.jp/DAS/meta/image_A06031000700> 70ページ-71ページ
- [6] ([TIME[2012-12-26 09:03:35 +09:00]] 版) <http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/167246/1/tnk000182_289.pdf>
- [5] [CITE[神戸大学 電子図書館システム --一次情報表示--]] ([TIME[2014-08-30 08:21:49 +09:00]] 版) <http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/jsp/ja/ContentViewM.jsp?METAID=00475112&TYPE=HTML_FILE&POS=1>
- [15] [CITE[国立公文書館 アジア歴史資料センター 標題:関東局管内標準時改正ニ付通牒]] ([TIME[2015-10-20 11:28:52 +09:00]] 版) <http://www.jacar.go.jp/DAS/meta/image_A06050772300>
- [180] [CITE@ja[公文類聚・第六十編・昭和十一年・第五十七巻・地理・土地・都市計画・観象、警察・治安警察・雑載]] 関東局管内標準時改正ニ関スル件ヲ移牒ス ([[独立行政法人国立公文書館 | NATIONAL ARCHIVES OF JAPAN]] 著, [TIME[2016-10-24 01:54:59 +09:00]] 版) <https://www.digital.archives.go.jp/DAS/meta/listPhoto?KEYWORD=&LANG=default&BID=F0000000000000007165&ID=M0000000000001764777&TYPE=&NO=>
-- [14] [CITE[国立公文書館 アジア歴史資料センター 関東局管内標準時改正ニ関スル件ヲ移牒ス]] ([TIME[2015-10-20 11:26:28 +09:00]] 版) <http://www.jacar.go.jp/DAS/meta/image_A01200730900>
- [24] [CITE@ja[国立国会図書館デジタルコレクション - 官報. 1936年10月07日]] ([TIME[2015-11-19 03:17:03 +09:00]] 版) <http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2959413> 4コマ

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[22] [CITE[新聞記事文庫 : 満州日日新聞 1936.11.11]]
([TIME[2015-11-15 03:28:29 +09:00]] 版)
<http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/ContentViewServlet?METAID=00475112&TYPE=HTML_FILE&POS=1&LANG=null>
]FIGCAPTION]

> 日満標準時の統一に伴う全満ダイヤの改正については、内地及び朝鮮との輸送機関連絡、通学列車の時刻等各方面に重大影響を及ぼすので鉄道総局輸送関係では満鉄、鮮鉄、その他関係船会社等と連繋を保ち慎重審議を重ねているが、この改正案によれば先ず第一に日満標準時統一によって満洲側は一時間繰り上げられるが、満洲における日出、日没の関係で実際上従来通りの時刻を維持するため、ダイヤを一時間繰下げる、即ち全ダイヤに一時間加算するというのである、例えば正午発の列車は標準時統一によって満洲の時間も一時間繰上げられて午前十一時となるが、ダイヤは一時間繰下げ午後一時として始めて従来通りの時間と相一致することとなる

]FIG]


[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[230] [CITE@ja[満州国政府公報日訳]] ([[独立行政法人国立公文書館 | NATIONAL ARCHIVES OF JAPAN]]著, [TIME[2018-09-03 15:26:07 +09:00]]) <https://www.digital.archives.go.jp/das/image/M2006052220075228958>
58ページ (本文89ページ)
]FIGCAPTION]

>
[BOX(vertical)[
[B[國務院佈告第三號]]

[BOX(indent)[
關於新舊標準時相差時間之件
]BOX]

爲佈告事査關於康德三年勅令第一百三十三號之施行茲定以康德三年十二月三十一
日午後十一時爲康德四年一月一日午前之零時合亟佈告周知此佈

[BOX(indent)[
康德三年十二月五日
]BOX]


[BOX(right)[
國務總理大臣 張景惠
]BOX]

]BOX]

]FIG]


- [231] [CITE@ja[満州国政府公報日訳]] ([[独立行政法人国立公文書館 | NATIONAL ARCHIVES OF JAPAN]]著, [TIME[2018-09-03 15:56:44 +09:00]]) <https://www.digital.archives.go.jp/das/image/M2006052219452628926>
PDF 174ページ
- [232] [CITE@ja[満州国政府公報日訳]] ([[独立行政法人国立公文書館 | NATIONAL ARCHIVES OF JAPAN]]著, [TIME[2018-09-03 15:57:35 +09:00]]) <https://www.digital.archives.go.jp/das/image/M2006052220075228958>
PDF 111ページ
- [234] [CITE@ja[満州国政府公報日訳]] ([[独立行政法人国立公文書館 | NATIONAL ARCHIVES OF JAPAN]]著, [TIME[2018-09-03 16:12:09 +09:00]]) <https://www.digital.archives.go.jp/das/image/M2006052220083728959>
- [107] [CITE@ja[国立国会図書館デジタルコレクション - 官報. 1937年01月19日]] ([[大蔵省印刷局 '''['''編''']''']]著, [TIME['''['''1964''']'''-][year:1964]]) <http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2959493/3>

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[36] ([TIME[2013-01-08 18:03:31 +09:00]] 版)
<http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/167658/1/tnk000205_213.pdf>
]FIGCAPTION]

> 隣邦支那は,衆知の如き大きい地域を含む國であるから,標準時制の上から
言へば,可なり多くの問題を持ってるる土地柄である.之れとても,昔しは,
只,各地め地方時を用みるのみで,不便を感じない時代もあったわけである
が,近時,共和國となって,國民生活を合理化する立場から,玄葦に3種類の標
準時が制定せられるに至った.帥ち,其れはノ
>  1.グリニチ東維120。を標準とする“東部標準時”,
>  2。グリ=チ東経105。を標準とする“瀧蜀部標準時”,
>  3.グリ=チ東経900を標準とする“彊藏部r隼時”
> である.
>  三二は,地理上,上記の“束:部標準時”を用みてみたので,昭和7年に浦洲
帝國として三三後も,暫くは,この束維120。の子午線に擦る時刻を元のま曳用
みてみた.ところが,筆者は,地回學上,國民繧濟生活上,叉,日満爾國相互
の交通通信の關係上,満洲國が一刻も早く標準時制を改めて,東経135。の子午
線を新しV・標準となすべき事を,昭和7年以卒主張し績けた結果,途に昨昭和
12年に至り,この改正が實施せられるに至った・

]FIG]

- [170] [CITE@ja[国立国会図書館デジタルコレクション - 官報. 1938年10月31日]] ([[大蔵省印刷局 '''['''編''']''']]著, [TIME['''['''1964''']'''-][year:1964]]) <http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2960040/1>
- [67] [CITE@ja[近代デジタルライブラリー - 思索の手套 : 科學隨想]] ([TIME[2016-04-18 20:13:28 +09:00]] 版) <http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1085848/8>
[TIME[1942年][year:1942]]
- [179] [CITE[満洲国法令輯覧追録 第87号]] ([TIME[2016-08-27 12:23:04 +09:00]]) <http://www.jacar.go.jp/DAS/meta/image_A06033528600> コマ94

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[401] [CITE@ja[【満州文化物語(46)】30年続いた「満州時間」 日本に「時差」があったとき - 産経ニュース]] ([[SANKEI DIGITAL INC.]] 著, 
文化部編集委員 [[喜多由浩]],
[TIME[2017-04-02 12:01:29 +09:00]] 版) <http://www.sankei.com/premium/print/170402/prm1704020010-c.html>
]FIGCAPTION]

> この決定によって、内地、満州、朝鮮、台湾は同じ中央標準時を使うこととなり「時差」はなくなった。なぜ、こうした政策は採られたのだろうか。
> 昭和12年満洲弘法協会発行の「満洲国現勢」によれば、時差撤廃の目的について、それまでの「西部標準時」では生活の活動開始時間および停止時間が、日の出、日没時間に対して遅すぎる▽電信電話など通信事業従事者に多大な便宜がもたらされる-ことなどが挙げられている。
> ただ、最大の狙いは有事を見据えてのことではなかったか。日露戦争がそうであったように、同じ日本軍が違う時間が戦っていては作戦も立てにくい。
]FIG]

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[227] [CITE@ja[気象表および略表の記載事項の凡例 | 北東アジア気象データベース]]
([TIME[2018-06-15 18:59:32 +09:00]])
<http://yamaharu-nds.jp/neamdb/legend/>
]FIGCAPTION]

>
【凡例】(極力原文のまま記載しています。)
>
本編は満州国中央観象豪観象機関に於ける六回気象観測成績及び其れに基き調査した
る気象概況を記し、尚十時一回観測に依る国内簡易気象観測成績をも掲げたり
>
本編の記載注意事項下の如し
>
観測時 満州標準時(東経百三十五度の平時)に據り夜半を日界とする二十四時間制
を用ふ、但し日照時数は真太陽時に據る
[SNIP[]]
>
温度 [SNIP[]] 最
高最低気温は二十四時を日界とする値を掲ぐ
[SNIP[]]
>
降水量 粍(mm)を以て示し二十四時を日界とする日量なり
>
蒸発量 粍(mm)を以て示し十時を日界とする値なり [SNIP[]]

[NOTE[
[238] 対象データは

>
- 対象期間:1904(明治37)年~1945(昭和20)年
- 満洲(関東州を含む):満洲気象月報、満洲国気象略図等に掲載されている観象
台・観象所(最大で48カ所)

... とのことだが、この「凡例」は出典は不明。
]NOTE]

]FIG]

]REFS]

** ソ連時代-中華人民共和国時代

;; [114] [TIME[昭和20年/1945年][year:1945]]、[[ソビエト連邦]]および[[外蒙古]]が[[内滿洲]]、
[[東蒙古]]、[[関東州]]に進攻しました。
[[関東州]]は[[中華民国]]からの[[ソビエト連邦]]の[[租借地]]となりましたが、
1950年代に[[中華人民共和国]]に返還されています [SRC[>>113]]。

[61] 当時在[[満州国]]だった[[日本人]]の記録によると、[[鞍山]]では[TIME[1945年9月30日][1945-09-30]]に[[中国標準時]]
[SRC[>>60]] ([TZ[+08:00]]?) に切り替えられました。

[175] [[中華民国]]は[TIME[9月30日][1945-09-30]]で[[夏時間]]を終了しました ([[中国大陸の標準時]]参照)。
[[鞍山]]も[[中華民国]]も、30日のいつ時刻を切り替えたのかは分かりませんが、
[[中華民国]]の指示で[[支那]]と[[滿洲]]の全域で一斉に切り替えた可能性があります。

;; [176] 1946年、[[中共]]傘下の[[東北行政委員会]]が成立しました。

[62] [[東北政聯行政委員會]]は、 [TIME[1947年4月1日][1947-04-01]]、
[TZ[+08:00]] を[[標準時]]としました。 [[満州]]の[[中共軍]]もこれを採用しました。

[173] [[中華民国]]は1946年から1949年の大陸支配時代に[[夏時刻]]を実施していますが、
[[滿洲]]はほぼ[[ソ連]]や[[中共]]の支配下だったようですから、
初期にかろうじて一部支配できていた時期を除き、
[[夏時刻]]は実施されなかった可能性が高そうです。

[159] 以後[[内満州]]・[[東蒙古]]は[[中華人民共和国]]の支配下にあり、
その[[標準時]] [TZ[+08:00]] (時期によっては[[夏時刻]] [TZ[+09:00]])
が用いられています。
[SEE[ [[中国大陸の標準時]] ]]

[224] [[Shanks]] (2003) は、
[TIME[1966年5月1日0時0分][1966-05-01T00:00]]から [[CHINA]] のうち[[滿洲]]の西部
(#9) は [TZ[+08:00]]、 東部 (#4) は [TZ[+08:30]] としています [SRC[>>222]]
(それまでいずれも [TZ[+09:00]])。
[[tzdata]] の [CODE[Asia/Harbin]] は
[TIME[1966年5月][1966-05]]を境に [TZ[+08:30]] としています [SRC[>>54]]。
根拠は不明です。

[52] [[Shanks]] (2003) は、
[TIME[1980年5月1日0時0分][1980-05-01T00:00]]から [[CHINA]] のうち[[滿洲]]
(#4, #9) を [TZ[+08:00]] としています [SRC[>>222]]。
[[tzdata]] の [CODE[Asia/Harbin]] は
[TIME[1980年5月][1989-05]]を境に [TZ[+08:00]] としています [SRC[>>54]]。
根拠は不明ですが、 [[Shanks]] はこの時点で [[CHINA]] 全体 
([[香港]]、[[澳門]]、[[台湾]]を除く。) を [TZ[+08:00]] に移行としています。

;; [32] [TIME[1997年][year:1997]]の中露条約により、
[[ロシア]]の統治下にあった[[ハサン]]は[[ロシア]]領で確定し、
[[洋館坪路堤]]付近の一部が[[ロシア]]領から[[中華人民共和国]]領に変更されました。

[REFS[

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[60] [CITE[1940年代後半の鞍山日本人社会に関する歴史年表 一『鞍山回想録石川義助先生を憶う』, 『鉄都鞍山の回顧』を中心に一]] 
([[松本俊郎]], [TIME[2016-08-04 21:43:10 +09:00]]) <http://ousar.lib.okayama-u.ac.jp/files/public/4/41618/2016052804283565911/oer_028_1_147_174.pdf#page=15>

;; 旧 [CITE[1940年代後半の鞍山日本人社会に関する歴史年表]] ([TIME[2016-03-30 22:35:10 +09:00]] 版) <https://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:6r1CWw01DlEJ:ousar.lib.okayama-u.ac.jp/file/41618/oer_028_1_147_174.pdf>
]FIGCAPTION]

> 9月30日 時計を中国標準時に変更(Y)。
]FIG]

- [113] [CITE[満洲の歴史--地理学の視点から]] ([TIME[2012-01-16 16:59:00 +09:00]]) <http://hit-u.ac/excursion/09manchuria/column/history/index.html#ch6>
-- [174] 旧 [CITE[満洲の歴史--地理学の視点から]] ([TIME[2012-01-16 07:59:05 +09:00]] 版) <http://econgeog.misc.hit-u.ac.jp/excursion/09manchuria/column/history/#ch6>
- [1256] [[Time Changes]] (1982)
]REFS]

* 蒙古

[86] [[蒙古の標準時]]、[[中国大陸の標準時]]を参照。

* 識別子

[115] [[tzdata]] は [DFN[[CODE[Asia/Harbin]]]] を定義してはいますが、
1970年以前の違いは無視するとの採録方針のため、
[CODE[Asia/Shanghai]] の別名としています。一応は別名としない定義も含まれてはいますが、
本項で示した通りどの都市の実際の[[時間帯]]とも一致しておらず、
いずれにしても1970年以前は不正確なものです。

* 満洲国臨時政府

[218] 自称[[独立国]]である[[満洲国臨時政府]]は、
[[満州国]]の[[勅令]]に基づき、 [TZ[+09:00]] を[[標準時]]と定めています
[SRC[>>204]]。

;; [226] もっともこの団体は[[亡命政府]]としての正統性も疑わしく、
単なる[[ミクロネーション]]風[[政治団体]]といったところでしょうか。

[254] [[満洲国臨時政府]]の発行する[[カレンダー]]には[[農暦]]による[[祝日]]が記載されているようです。
[[農暦]]計算の根拠となる[[時刻]]は不明です。
[SEE[ [[農暦]] ]]

[REFS[

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[204] [CITE@ja[満洲国臨時政府公式ホームページ]]
([TIME[2018-06-04 03:54:18 +09:00]])
<http://www.manchukuo.net/>
]FIGCAPTION]

> 2017年10月19日	 
> 最近、台湾は標準時をUTC+9に変更する議論があります。我が政府はわざと我が満州国の時間帯に関する政策を声明します。
> 我が満洲国では康徳三年八月六日勅令第百三十三号に基づき、康徳四年(1937年)一月一日より、東経135度子午線の平均太陽時をもって国内一般の標準時と定めています。これは協定世界時(UTC)+9時間で、日本の標準時と同じになります。
[SNIP[]]
> 時間帯	
> 我が国では康徳三年八月六日勅令第百三十三号に基づき、康徳四年(1937年)一月一日より、東経135度子午線の平均太陽時をもって国内一般の標準時と定めています。これは協定世界時(UTC)+9時間で、日本の標準時と同じになります。

]FIG]

]REFS]

* メモ

[REFS[
- [54] [CITE@en[tz/backzone at master · eggert/tz]] ([TIME[2016-03-16 17:26:17 +09:00]] 版) <https://github.com/eggert/tz/blob/master/backzone#L452>
- [34] ([TIME[2014-11-29 01:53:18 +09:00]] 版)
<https://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/files/public/34601/20141016202831108367/AjiaShakaiBunka-Kenkyu_14_1.pdf>
]REFS]

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[65] ([TIME[2015-05-19 00:11:18 +09:00]] 版)
<http://www.japanradiomuseum.jp/chinaradio.html>
]FIGCAPTION]

> 国土が広く、時差があるために現地で製作された番組はいったん録音したものを放送することが多かった。このため、中国国内には音源が保存されているという。

]FIG]


[66] [CITE[新聞記事文庫 : 京城日報 1937.1.1]]
([TIME[2016-04-18 20:09:20 +09:00]] 版)
<http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/ContentViewServlet?METAID=00475115&TYPE=HTML_FILE&POS=1&LANG=null>


[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[177] [CITE[新聞記事文庫 : 満州日報 1930.6.2]]
([TIME[2016-08-27 11:49:21 +09:00]])
<http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/ContentViewServlet?METAID=10029888&TYPE=HTML_FILE&POS=1&LANG=null>
]FIGCAPTION]

> 一方、いろいろな社会生活に、合理化の提唱せられつつあるに、時刻の方の合理化が一向、徹底せぬは如何のものであるか。時間の励行などということも、随分、久しい間の問題であるが、大連には大連時間あり、旅順には旅順時間ありという風で時間の歓迎の深刻でないことも、今さらながら遺憾とせらるるところである。 

]FIG]

;; [237] 当時[[関東州の標準時]]が実施されちたはずであるので、ここでいう
「大連時間」や「旅順時間」というのは[[地方時間]]か。


[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[181] [CITE@ja[満州国 - Wikipedia]]
([TIME[2016-12-15 22:07:55 +09:00]])
<https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BA%80%E5%B7%9E%E5%9B%BD>
]FIGCAPTION]

> 満州国版図では日露中の支配域ごとに異なる標準時が用いられていたが、満州国は東経120度を子午線とし、+8:00を標準時として統一した。 1937年1月1日に日本に合わせて+9:00に変更された'''['''52''']'''。

]FIG]


[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[182] [CITE@zh-TW[「北京時間」是怎麼來的? - 壹讀]]
([TIME[2016-12-29 22:34:52 +09:00]])
<https://read01.com/JMx80P.html>
]FIGCAPTION]

> 值得一提的是,1931年 「九一八」事變後,日本侵占我國東三省,1932年3月1日成立偽滿洲國,強令在東北使用日本本土採用的東經135度標準時。抗戰期間,淪陷區的日偽華北政權也曾試探使用東經135度標準時,但最終沒敢這麼做,還是使用中華民國正統的中原時。

]FIG]


[183] [CITE@en[Remove many invented abbrs in 'africa', 'backzone']]
([[eggert]]著, [TIME[2017-02-21 05:08:46 +09:00]])
<https://github.com/eggert/tz/commit/87f960b0458754d83a15ab7f444e9ce1a2e5d168>

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[199] [CITE[丹東旅行]]
([TIME[2017-03-14 14:23:37 +09:00]])
<http://www.ken-san.jp/burabura/ryokou/tantou.htm>
]FIGCAPTION]

> 丹東は以前の安東、鴨緑江の畔北朝鮮の新義州と国境を接する観光都市である。瀋陽が奉天といった昔、この間を安奉線が走り、私も子供の頃何回か通った。ここで時計の針を一時間ずらして、時差の調整をしたのを微かに覚えている。

]FIG]






[4] [CITE[気象資料提出の件]]
([[アジア歴史資料センター | Japan Center for Asian Historical Records]]著, [TIME[2018-09-27 00:41:25 +09:00]])
<https://www.jacar.archives.go.jp/aj/meta/image_C01003257000>

[26] [CITE[気象資料提出の件]]
([[アジア歴史資料センター | Japan Center for Asian Historical Records]]著, [TIME[2018-09-27 00:43:27 +09:00]])
<https://www.jacar.archives.go.jp/aj/meta/image_C01003275600>

[243] [CITE[気象資料提出の件]]
([[アジア歴史資料センター | Japan Center for Asian Historical Records]]著, [TIME[2018-09-27 00:46:05 +09:00]])
<https://www.jacar.archives.go.jp/aj/meta/image_C01003445400>

[244] [CITE@ja[ラヂオ年鑑. 昭和9年 - 国立国会図書館デジタルコレクション]]
([[日本放送協会]]著, [TIME[昭和6-10][year:1935]])
<http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1260086/235>

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[246] [CITE[#時刻表にみる日満間航空連絡の完成]]
([TIME[2011-08-28 12:26:31 +09:00]])
<http://www.tt-museum.jp/tairiku_0075_jat1932.html>
]FIGCAPTION]

> 日満航空連絡時間表
> 1932(昭7)年11月
> 日本航空輸送

]FIG]


[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[253] [CITE@ja[満洲国臨時政府公式ホームページ]]
([TIME[2019-02-07 02:54:15 +09:00]])
<http://www.manchukuo.net/>
]FIGCAPTION]

> 満洲標準時2018年7月27日午前10時現在、我が政府の公式フェイスブックページは削除された状態となっております。現在、我が政府は対策について研究中です。

]FIG]


[255] [CITE[神戸大学経済経営研究所 新聞記事文庫 : 京城日報 1937.1.1 (昭和12)]]
([TIME[2019-02-11 21:20:04 +09:00]])
<http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/ContentViewServlet?METAID=00475115&TYPE=HTML_FILE&TRUE_TYPE=HTML_FILE&POS=1&LANG=JA&AID=6&HISTORY=null>

[256] ([TIME[2019-02-11 21:52:12 +09:00]])
<https://www.jstage.jst.go.jp/article/jgeography1889/31/9/31_9_504/_pdf/-char/en>

[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[257] [CITE[滿鐡會報 - Google ブックス]]
([TIME[2019-02-12 19:29:58 +09:00]])
<https://books.google.co.jp/books?id=olg0AQAAIAAJ&q=%E6%A8%99%E6%BA%96%E6%99%82>
]FIGCAPTION]

> そういう体制の中で世界標準時を受容する襯念が息吹き得たかは頗る疑わしい。
> ところがここに一つの注目すべき出来事がある,それは一八七二年、中国の科学史に燦
> く明末の大官徐光啓の住地であった上海の徐家滙に、天主堂に付属して近代的な
> 天文台が ...
> バルチック艦隊の標準時に付て多少の疑問を抱く人があるかも知れないが、口シャの棰
> 東艦隊の根拠地は旅順にあつたのだから、極東水域で作戦するパルチック艦隊が哈爾
> 浜時間に依って行動したとする私の推定は間違っていないと思う。日露戦争は陸でも ...
> 時遨喾というのは政府が作つた暦のことであるが、これは国家としての標準時が制定
> されてなければ編成できない性質のものである。従つてその公刊以前に満洲国の
> 標準時は定まっていたものと見られるが、その実体はいうまでもな 4 東籽一二 0 度
> 基準時一 ...

]FIG]


[FIG(quote)[
[FIGCAPTION[
[258] [CITE[鞍山日本人鉄鋼技術者たちの留用問題 ―中国東北鉄鋼 業の戦後復興―]]
(松本, 俊郎 1997-03 [TIME[2018-03-16 18:29:18 +09:00]])
<https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/48489/1/79_235.pdf#page=9>
]FIGCAPTION]

> 鞍山では撤去作業が進行していた 1 94 5年 9 月 3 0日に,標準時間が日本のそれから中国のそれ へと切り替えられた(松本 [ 1 996 J 161 ペ ー ジ ) 。 上 記 の 諸 資 料 の 聞 に 見 ら れ る 交替 時 間 の1 時 間のズレは,このことを反映していたのかもしれない。 7
> [SNIP[]]
> 7) 1945 年 当 時 , 満 洲 国 は 日 本 標 準 時 を 採 用 し て い た が , 鞍 山 ( 東 経122 度50 分 ) の 日 出 入 時 は 奉 天 (東経 1 2 3度 2 4分)のそれに近かった(岩崎茂の松本宛 1 9 9 6年 9月 1 8日付私信)。ちなみに撤去作業が 進行していた時期の奉天の日出入時は,日本時間で 9月 2 4日は 6時 3 4分, 18 時16 分 , 12 月8 日 は8 時 O 分 , 17 時15 分 で あ っ た ( 金 丸 精 哉 『 満 洲 歳 時 記 J 1943 年 , 博 文 館 , 411 ペ ー ジ ) 。 標 準 時 の 問 題 に つ いては,岩崎茂に注意を喚起された。 8)
> [SNIP[]]
> 松本俊郎 [ 1 9 9 6 ]. 「資 料紹介 : 1940 年代 後 半 の 鞍 山 日 本 人 社 会 に 関 す る 歴 史年 表 一 『 鞍 山 回 想 録 石 川 義助先生を憶う J, r 鉄都鞍 山 の 回 顧 』 を 中 心 に J (r 岡 山 大 学 経 済 学 会 雑 誌 J 第 2 8 巻第 1 号 )

]FIG]

[259] 
[CITE[滿洲國標凖時 變更正式發表]] 
<http://www.nl.go.kr/nl/search/bookdetail/online.jsp?contents_id=CNTS-00093655000> <http://viewer2.nl.go.kr:8080/main.wviewer?cno=CNTS-00093655000>

[260] 
[CITE[滿鐵同樣の標凖時に近く北鐵でも時刻改正せん]] 
<http://www.nl.go.kr/nl/search/bookdetail/online.jsp?contents_id=CNTS-00109488487> <http://viewer2.nl.go.kr:8080/main.wviewer?cno=CNTS-00109488487>

[261] 
[CITE[日滿標凖時統一 一日부터 實行키로]] 
<http://www.nl.go.kr/nl/search/bookdetail/online.jsp?contents_id=CNTS-00094816038> <http://viewer2.nl.go.kr:8080/main.wviewer?cno=CNTS-00094816038>

[262] 
[CITE[日本標準時間대로 滿洲國時間改正 明年一月一日부터]] 
<http://www.nl.go.kr/nl/search/bookdetail/online.jsp?contents_id=CNTS-00093641191> <http://viewer2.nl.go.kr:8080/main.wviewer?cno=CNTS-00093641191>


[265] [CITE@ja[みり女子たんさんのツイート: "戦いの記録を読む時、現地と本国との時差だったり、交戦国同士の標準時の時差があったりするよね。他にも、日本海海戦の時、日本艦隊が明石の標準時、バルチック艦隊が真太陽時(太陽南中時刻)を使っていたために日露で砲戦開始時間が19分ずれているように、標準時以外のズレもあるから注意がいるね"]]
([TIME[2019-02-24 12:41:56 +09:00]])
<https://twitter.com/milijo_bot/status/1099492079476953088>

[266] [CITE[Kyoto University Research Information Repository: 鮮・滿・支の旅行記(II) : 天界176號の續き]]
([TIME[2018-03-23 14:44:02 +09:00]])
<https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/handle/2433/167694>

[267] [CITE[Kyoto University Research Information Repository: 東亞の標準時政策を論ず]]
([TIME[2018-03-23 14:43:56 +09:00]])
<https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/handle/2433/167658>