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[21] [DFN[JIS]] は、[[工業標準化法]]に基づき[[制定]]された[[日本国]]の[[工業標準]]です。
* 種別
[1] JIS には昔からの規格(標準)と、 TR (標準情報) (See [[JIS-TR]])
があります。普通 JIS というと、前者の事を指します。
(JIS TR は制度が出来て数年しか経っていないこともあって、
あまり知名度がありません。)
[2] JIS は Japan Industrial Standard (日本工業規格)
の略です。[[工業標準化法]]により規定される物で、
制定過程は大まかに、
= 原案委員会が原案を作成
= 日本工業標準調査会 ([[JISC]])
= 主務大臣が([[官報]])告示
= 規格票の発行 ([[日本規格協会]] JSA)
という手順をとります。
[3] JIS には日本独自のものと、 [[ISO]] や [[IEC]] の規格を
翻訳したものがあります。
[4] JIS といえば [[JISマーク]]が有名ですが、全ての規格で
適合製品に JIS マークが与えられるわけではありません。
例えば、 JIS の規格に従った[[ソフトウェア]]を作っても
JIS マークの認定はもらえません。
[5] JIS には一般に強制力はありません。ですから JIS があっても
それに従わない製品は巷に多く溢れています。また、
JIS がなくて業界標準や業界の慣習で動いている分野もあります。
工業標準化法などによれば[[日本国政府]]の機関は JIS
に適合しない製品より適合する製品を優遇しなければならない
はずですが、少なくてもソフトウェア分野においては、
そのようなことはあまりないでしょう。
[8] >>4 [[JISマーク]]には2種類あって、「指定商品に関する規格」
では見慣れた一重線の JIS マーク, 「指定加工技術に関する規格」
では二重線の JIS マークが使われます。 (JIS Z 8301:2000 附属書2備考3)
* JIS に関する概念
[FIG(short list)[ [38] [[JIS]]
- [[JISC]]
- [[JSA]]
- [[工業標準化法]]
- [[規格票]]
- [[追補]]
- [[要約JIS]]
- [[標準情報]]
- [[解説]]
- [[備考]]
- [[参考]]
- [[原案委員会]]
- [[公開レビュー]]
- [[JISマーク]]
- [[JISの著作権]]
- [[翻訳JIS]]
]FIG]
* JIS の規格番号
[22] 各 [[JIS]] [[規格]]には[[規格番号]]が割り当てられています。
[6] 規格番号を決める規格とかってあるんでしょうか?
それとも[[工業標準化法]]またはその関係規則([[政令]])で
決まってるのかなあ?
[7] >>6 工業標準化法本体には何も書いてありませんでした。
[[JISZ8301]]:2001 (規格票の様式)
も規格番号の様式は規定していません。
= jis = jis-standard / jis-tr
= jis-standard = 'JIS' SP category SP number [year]
- jis-ammendment = jis '/AMMENDMENT ' 1*DIGIT [year]
- jis-explaination = jis '/EXPL' ;; JSA が使ってる。
= jis-tr = 'JIS TR' SP category SP number [year]
= category = UALPHA
= number = 4DIGIT ["-" part-number]
= part-number = 1*DIGIT
= year = ":" 4DIGIT ["R"] / obs-year
= obs-year = "-" 4DIGIT ["R"]
同じ年に2度改正があったときは、2度目に "R" がつきます。
3度以上の改正は想定していないのでしょう。
(JIS Z 8301:2000 附属書2備考1)
- [19] [WEAK[2003-08-26 00:15:23 +00:00]] ''[[集]]'':
[20]
最近 part の下の section がある規格が出てる模様です。 JIS x xxxx‐x‐x:200x ってな。
([[名無しさん]] [WEAK[2004-03-29 12:34:59 +00:00]])
* 色々な JIS
[FIG(short list)[ [13] この[[ウィキ]]に記事のある [[JIS]] (と [[JIS]] ではないものたち)
- [[JIS A 0204]]
- [[JIS A 0205]]
- [[JIS P 0202]]
- [[JIS P 0138]]
- [[JIS X]]
- [[JIS Z 8000]]
- [[JIS Z 8201]]
- [[JIS Z 8202]]
- [[JIS Z 8204]]
- [[JIS Z 8206]]
- [[JIS Z 8207]]
- [[JIS Z 8208]]
- [[JIS Z 8209]]
- [[JIS Z 8301]]
- [[JIS Z 8305]]
- [[JIS Z 8312]]
- [[JIS Z 8314]]
- [[JIS Z 8321]]
- [[JIS Z 8401]]
- [[JIS Z 8903]]
- [[JIS Z 8906]]
- [[JIS Z 8905]]
- [[JIS Z 8904]]
- [[JISマーク]]
- [[JISコード]]
- [[NEC JIS]]
- [[K-JIS]]
- [[シフトJIS]]
- [[旧JIS]]
- [[新JIS]]
- [[JISフォント]]
- [[JIS漢字]]
- [[JIS鍵盤]]
]FIG]
* JIS の入手
[24]
[[JIS]]
は制定時に[[官報]]で[[公示]]されることになっていますが、
[[官報]]に掲載されるのは[[規格番号]]と題名だけで、
内容は含まれません。
[25]
[[日本の法令]]に基づき制定され、
時には[[法令]]や公的機関の指示で強制または半強制される公的な性質の文書であるにも関わらず、
[[日本]]の[[著作権法]]に基づき[[著作権]]の存在しない[[法令]]に準じたものではなく、
[[著作権]]が存在するものだと
[[JISC]]
は主張しています。
[SEE[ [[JISの著作権]] ]]
[26]
そのため[[日本の法令]]と比べると入手が難しくなっています。
-*-*-
[27]
[[JISC]]
は
[[Webサイト]]で
[[JIS]]
の本文を公開しています。
ただし古いものも新しいものもすべて[[画像]]データです。
[[著作権]]保護を名目に使いにくい独自システムでのみ閲覧できるとされています。
;;
[36] 昔は [[PDF]] で普通に [[Acrobat]] で表示されていたのに、
改悪されました。
;; [37]
一時期は
[[Chrome]]
で表示できない特殊な
[[PDF]]
を使っていましたが、
最近は
[[JPEG]]
の[[画像]]になりました。
[28]
[[画像]]データは[[視覚障害者]]の閲覧に支障があると批判があったのか、
音声読み上げ用と称した [[PDF]]
も閲覧できるようになりました。
この [[PDF]]
はテキストデータが入っているようですが、
画面には白紙しか表示されないものです。
[[ユニバーサルデザイン]]とは程遠いふざけた対応です。
[29]
しかも[TIME[令和2(2020)年12月][2020-12]]から[[ログイン]]が必要になるそうです。
今までは誰でも閲覧できていたのに、
閲覧者を管理する必要はどこにあるのでしょうか。
そのための開発費は当然[[税金]]から拠出されているのでしょうが、
現状問題なく動作しているものを改めることに、
どのような正当性があるのでしょうか。
[30]
[[解説]]は [[JIS]] の一部ではなく[[原案委員会]]などの[[著作物]]であるとみなされているようで、
[[JISC]]
の
[[Webサイト]]では公開されていません。
[[解説]]に本体を補足する重要な情報が含まれていることがあるにも関わらずです。
[[Webサイト]]公開以前は独立して配布されることが想定されていなかったためでしょう。
両者が独立したものだという立て付けなら、
[[解説]]から本体の[[参考]]に移すべきでしょう。
[31]
[[要約JIS]]の実質的な本体たる[[国際規格]]や、
[[機械可読]]形式で付属するファイルなど、
[[JIS]]
の本体であるにも関わらず
[[JISC]]
の
[[Webサイト]]で閲覧できないものもあります。
-*-*-
[32]
[[JIS]]
の正式な[[規格票]]は[[日本規格協会]] ([[JSA]])
が[[紙媒体]]や
[[Webサイト]]上で販売 ([[有料]]) しています。
[33]
[[一般財団法人日本規格協会]]は公的な性質の事業を独占的に行っていますが、
[[日本政府]]や [[JISC]] とは独立した民間団体の体を取っています。
[TIME[平成31(2019)年][year:2019]]から一部事業は傘下の[[株式会社]]に分離しましたが、
[[規格]]の販売は引き続き[[一般財団法人日本規格協会]]が行っているようです。
[34]
[[JSA]] は [[JIS]] を出版・販売して収入を得て、
[[JIS]] の開発事業を行うという昔ながらの[[標準化団体]]のビジネスモデルで運営されているようです。
[[JSA]] 以外が開発した [[JIS]] も [[JSA]] が販売しています。
[[JIS]] の[[著者]]に相当するのは [[JISC]]
のはずですが、
文献リストなどに
[[JSA]]
が[[著者]]とクレジットされることが多いのは、
事実上
[[JSA]]
からしか入手できないためでしょう。
[35]
[[JISC]] が [[JIS]] の[[著作権]]を根拠に[[国民]]に不便を強いているのは、
この [[JSA]] のビジネスにダメージを与えるわけにはいかないことと、
[[ISO/IEC]] の[[翻訳JIS]]の場合 [[ISO/IEC]]
がやはり [[JSA]] と同様のビジネスモデルで[[著作権]]保護を強硬に求めていることが背景にあるそうです。
-*-*-
- [10] [WEAK[2002-11-16 (土) 10:17]] ''[[名無しさん]]'': [[JISC]] の Web site から規格票 PDF を入手するのが、 ([[Mozilla]] なら上手く行くのに) [[WinIE]]5.5 だと謎のエラーが出て駄目だったのが、このたびの修正?の結果ちゃんと見れるようになりました。
- [11] [WEAK[2002-11-21 (木) 16:46]] ''10'': なおってなかった。気まぐれかなんかっぽい。
- [14] ''Draft Standard List'' <http://www.y-adagio.com/public/standards/std_lst.htm>
- [15] >>10-11 Mozilla でも意味の分からないエラーが出たり、何も反応なかったりしてうまく見れないことが多い。 JISC は早急に HTTP での一般的な方式で提供するのに改めると共に、 Ring Server のような公共の FTP サーバーでも提供するべきだ!
- [16] >>15 本当に JIS で標準技術を普及させる意思があるんだったら、それくらい当然だと思うんだけどね。独占の地位 (日本国内に他に公的工業標準体系はない。) にあぐらをかいてるんじゃないかね? そのうちネットワーク分野では [[IETF]] や [[W3C]] に押されて見向きもされなくなるだろうよ。
- [17] >>16 現に、 IETF や W3C の規格を、 JIS であることの威光が必要な分野で普及させるために一生懸命翻訳 (あるいは「要約」(藁)) して JIS や TR にしてるくらいだからね。
- [18] というか、標準技術を推進する立場にあるはずの JISC や JSA が独自技術バリバリで一般の WWW ブラウザでは見れない構成の Web サイトを公開しているのは一体何を考えているのでしょうかね?
* JIS の変更
[40] [[JIS]] は[[改正]]により変更されることがありますが、
それ以外でも[[規格票]]が書き換わることがあるようです。
[41]
[[規格票]]の出版された版ごとに、微妙に内容が変わったことが確認された例があります。
単独の[[規格票]]と[[JISハンドブック]]とで微妙に内容が変わったという例もあります。
[SEE[ [[JIS X 0208]] ]]
[42] 正誤票が公表されることがあります。
- [9] [WEAK[2002-11-10 (日) 18:22]] ''[[名無しさん]]'': 最近出た正誤表は <http://www.webstore.jsa.or.jp/webstore/JIS/html/jp/Errata.htm> から入手出来ます。
[43]
法改正により[[日本工業規格]]が[[日本産業規格]]に改称されました。
その後[[確認]]された[[規格]]は、
本文中の「日本工業規格」が「日本産業規格」に書き換えられ、
前文にその旨が追記されているようです。
またそれ以外の[[規格]]も、
[[JISC]]
の
[[Webサイト]]をみると改称された旨が挿入されているようです
([[JSA]] の元の[[規格票]]が改版されているのか、
表示の際に自動挿入しているのかは不明)。
* メモ
- 2002-10-12 (Sat) 15:49:07 ''[[名無しさん]]'' : JIS TR は[[工業標準化法]]には一言も触れられていない。
- [12] [WEAK[2002-12-27 18:50]] ''[[名無しさん]]'': ''JIS情報処理用語DB検索'' <http://www.jsa.or.jp/domestic/instac/y_search/index.htm>
[23] [CITE@ja[「工業標準化法に基づく登録申請手数料の額等を定める政令の一部を改正する政令」等の政令が閣議決定されました (METI/経済産業省)]]
([TIME[2019-06-25 10:20:10 +09:00]])
<https://www.meti.go.jp/press/2019/06/20190625001/20190625001.html>
[39] 一部の部だけ廃止された謎の事例:
[[JIS X 4181]]
[44] [CITE@ja[Yukihiro MatzさんはTwitterを使っています: 「@n727 JISやISOがあれば公的試験にも採用されるかも、という話を聞いたのですが、実際に採用されたのはJISもISOもECMAもないPythonだったのです。もうなにも信じない」 / Twitter]]
([TIME[2022-06-20T06:00:51.000Z]], [TIME[2022-06-21T05:23:05.233Z]])
<https://twitter.com/yukihiro_matz/status/1538724044807503873>
[45]
[CITE[[[戸籍法施行規則][戸籍法施行規則 (琉球政府)]]]]
[SEE[ [[戸籍法施行規則 (琉球政府)]] ]]
- [46] [CITE[R-1957-04-04-G.pdf]], [TIME[2020-11-09T06:55:00.000Z]], [TIME[2023-07-19T14:15:05.231Z]] <https://www3.archives.pref.okinawa.jp/GRI/searchs/img/kouhou//R-1957-04-04-G.pdf#page=1>
[47] >>46 [[用紙]]サイズとして[[日本工業規格]]が参照されています。
[48] [CITE[null]], [TIME[2023-09-17T16:08:09.000Z]], [TIME[2004-06-29T00:07:08.207Z]] <https://web.archive.org/web/20040629000230/http://www.jsa.or.jp/domestic/instac/review/>