EV3onRulesはToppers/EV3RT上で動作するルールベースフレームワークであり、EV3onRulesを使うことでEV3wayを制御するための複雑なプログラムを機能ごとに切り分けて実装することができます。
EV3onRulesでは、EV3wayを動作させるために最低限必要となる動作プログラムをフレームワークとして実装しており、これ以外に必要となる機能をルールとして実装する方式を採用しています。
これにより、プログラム開発者は個々の場面に対応するためのルールを実装するだけでよくなり、機能実装や制御アルゴリズムに集中してプログラムを開発することができます。
また、制御動作の変化をルールチェインとして実装しますので、動作の変更や機能の再利用も容易となっています。
EV3onRulesはWindowsのcygwinとMax OS Xで動作確認をしています。
おそらく、Linuxでも動作すると思います。
EV3onRulesはToppers/EV3RT上で動作します。
- Toppers/EV3RTのWebサイトからEV3RTの開発環境をダウンロードしてください。
- EV3onRulesをダウンロードしてください。
対応するEV3RTのバージョンに注意してください。
Toppers/EV3RTのWebサイトからダウンロードしたファイルを展開し、EV3RTでアプリケーションを開発できる環境を整えてください。 開発環境の構築方法はToppers/EV3RTのWebサイトにしたがってください。
次に、ダウンロードしたEV3onRulesのアーカイブを任意のディレクトリに展開します。 このアーカイブを展開したディレクトリ内でプログラムを開発することになります。
展開したファイルの中に「Makefile」が含まれています。
この「Makefile」内の変数EV3RT_DIRにToppers/EV3RTのソースファイル(hrp2)のパスを設定します。
例えば、/opt/hrp2以下にEV3RTのソースファイルを展開している場合、Makefileの10行目は以下のようになります。
EV3RT_DIR := /opt/hrp2
上記の設定を行い、makeコマンドを実行すると「何もしないアプリケーション」が構築されます。
もし、アプリケーションの構築に失敗した場合、ここまでの設定のどれかが間違っていますので、修正してください。
プログラムを作成し、アプリケーションを構築します。
プログラムの作成方法については、WikiのチュートリアルやAPIドキュメントを参考にしてください。
次に、作成したプログラムをコンパイルし、アプリケーションを構築します。
cygwin-terminalなどのコマンド入力画面からmakeを実行してください。
makeに成功すると、アプリケーションファイル「app」が生成されます。
これはEV3RTアプリケーションとなっていますので、Toppers/EV3RTのWebサイトにある説明に従ってLEGO Mindstorms EV3にインストールしてください。
% make
perl /workspace/EV3onRules/util/list.pl
perl /workspace/EV3onRules/util/factory.pl
perl /workspace/EV3onRules/util/include.pl
perl /workspace/EV3onRules/util/config.pl
make[1]: Entering directory '/workspace/EV3onRules/build'
CFG[1] module_cfg.h
CFG[2] module_cfg.h
make[1]: Leaving directory '/workspace/EV3onRules/build'
make[1]: Entering directory '/workspace/EV3onRules/build'
CC module_cfg.c
CC ev3api_cfg.c
CXX ../src/app.cpp
CXX ../src/Controller.cpp
...
LD app
make[1]: Leaving directory '/workspace/EV3onRules/build'
cp -f build/app app
EV3onRulesのライセンスはGPL2.0となります。
EV3onRulesの開発者及び配布者は、EV3onRulesを使用することによって生じるいかなる損害に対しても一切責任を負いません。
EV3onRulesは東北学院大学個別研究「物理シミュレータと自律ロボットを活用したソフトウェア開発教育に関する研究」の成果物の一部です。