macOS Mojave

[yasunari]

こんばんは，夜分に失礼致します。TeX Liveを再Installしましたところ，Hiraginoを使えなくなってしまいました。さっそく@doraTeXに相談しましたところ，

• cjk-gs-integrateがまだMojaveに対応しておらず，Mojave用のフォントデータベースが存在しない
• cjk-gs-integrateのMojave対応を待つしかない

と教えて下さいました。ただ，Releaseされる秋までHiraginoを使えないというのは，身勝手ながら耐えることができません。

この間，newpxtext.styが二重拡張子で使えなくなっていたときには，@norbusanに迅速に対応して頂いて助かったことがありましたので，Issuesにて助けを求めることに致しました。

Japanese TeX Development Communityの皆様，どうぞよろしくお願い致します。

[doraTeX]

とりあえず High Sierra 用のデータベースを流用するために，お手元の cjk-gs-integrate-macos.pl の

    } elsif ($macos_ver_minor==13) {
      $addname = "highsierra";
    }

を

    } elsif ($macos_ver_minor==13 || $macos_ver_minor==14) {
      $addname = "highsierra";
    }

にしてみれば動く可能性があります（フォント構成が変わっていなければ）。とりあえず試してみてはいかがでしょう。
（自分は Mojave Beta をまだ入れていないので未確認です。）

（ cjk-gs-integrate.pl は /System/Library/Assets 以下を再帰サーチするので，Mojaveの
/System/Library/Assets/com_apple_MobileAsset_Font5 も自動的にサーチされるはずです。）

[yasunari]

とりあえず試してみてはいかがでしょう。

成功しました，ありがとうございます。Pull requestしても良いですか。

[doraTeX]

Pull Request はもちろん自由ですが、mergeはMojaveのフォント構成がHigh Sierraと完全に同一であるかどうかを精査してからの方がよいでしょう。

[yasunari]

こちらのMacでHigh SierraのFont構成を知る方法はありますか。

[doraTeX]

High Sierra のフォント構成というのは cjkgs-macos-highsierra.dat のことです。和文フォントに関しては私の調査結果がありますが，何にせよ，ファイル名のみならず TTC index まで完全に一致しているかどうかを，MojaveのTTCを1つ1つ分解して確認する必要があります。

[yasunari]

可能な範囲で貢献したいですが，時間がかかる作業になりそうですね。手動でやるしかないのでしょうか。

[doraTeX]

一応，この方法で一括調査できますが，データファイルの準備や結果の読み取りにはある程度知識が必要になるでしょう。

[doraTeX]

また，macOSはBeta版と最終リリース版でフォント構成が変わることもあり，Public Beta の現状でデータベース作りをしても二度手間になる可能性がありますので，仕様が固まるまで待った方が無難でしょう。

[yasunari]

御意。とりあえずヒラギノは使い続けられそうですから，ある程度知識がある皆さんが動くのを待つことにします。

[aminophen]

データベースの作り方についてですが，情報共有のつもりで書いておきます。（この情報だけでデータベースが作れるとは考えにくいですが…。）

• 個人的にフォントを追加したいだけなら，「自分が使いたいフォントだけを書いたデータベース」を書けば十分です。やり方は，既存の cjkgs-ホゲホゲ.dat を真似れば大体うまくいきます。（macOS 用のものは中身が複雑なので，例えば kozuka とかシンプルな物の方が真似やすいでしょう）
• ただ，「全ユーザ向け」となると結構な知識と配慮が要ります。例えば「仮に macOS High Sierra でも，もし別途 OTF 版のヒラギノを購入されている場合」は OTF 版を使った方がトラブルが少ないので，そっちを優先するようにしています。

一応，この方法で一括調査できますが，データファイルの準備や結果の読み取りにはある程度知識が必要になるでしょう。

私が当時書いたスクリプトは

• fontlist_mac.sh … macOS に存在するフォントファイル名のリスト（サイズ情報込み）を出力
  • Mojave では，com_apple_MobileAsset_Font5 を追加する必要がありますね。
• fontquery.sh … フォントファイル名のリストを読み込むと，その全ての (1) PSName（TTC の場合は全 indexの分） (2) 対応言語 (3) 形式（OpenType か TrueType か）を出力

に保管してあります（fontconfig のインストール必須）。コメント行に使い方や注意点を一応書いておきましたが，結構な手作業が必要です。

＃ もっと上手いやり方もあると思いますが，「CJK フォントかどうか」を調べる万能な手段が無いことがネックになります。 #27 にも書きましたが，データベース作成作業の簡略化は issue です。

＃ さらに，先述の「全ユーザ向け」を意識した配慮は，結局のところ，ローカルな環境だけにいては完成し得ないので，多くの人の協力が必要です。

[yasunari]

list.txt

[aminophen]

@Yasunari15 （なんだかフォントが少ない気がしますが，ヒラギノはありそうなのでまあいいや）

今度は fontconfig の「fc-query」コマンドが利用できる状態にして，fontlist.txt に対して

$ fontquery.sh fontlist.txt

を実行してください。

[yasunari]

fontquery.txt

[aminophen]

ヒラギノに関して言えば，Mojave 10.14 の構成が「High Sierra のデータベース」と一致していることを確認できました。ただ @Yasunari15 から頂いた list.txt には凸版文久などの日本語フォントを拾えていなかったので dac2a0b で fontlist_mac.sh スクリプトを作り直しました。すみませんがもう一度お願いします。

[yasunari]

list.txt

[aminophen]

fontquery.sh fontlist-a.txt をお願いします。

[yasunari]

fontquery2.txt

[aminophen]

ざざーっとしか見ていませんが，現行データベースと明らかに違っていたのは

• WeibeiSC-Bold.otf (Weibei-SC-Bold → WeibeiSC-Bold)
• WeibeiTC-Bold.otf (Weibei-TC-Bold → WeibeiTC-Bold)

でした（フォント自体の増減についてはチェックできていません）。ただ，この変化は今回の Mojave ではなく，Sierra → High Sierra で起きたらしく，見落としだったようです。のちほどデータベースを改修します。

[aminophen]

Weibei

これは中国語フォントなのですが，そもそも cjk-gs-integrate.pl スクリプト自体が「ファイル名は全く同じなのに PSName が違う」というケースをきちんと考慮しているかどうか不安になってきたので，データベースより先にそちらを調べ始めました…。少し時間がかかります。

[aminophen]

4aa6618 で cjk-gs-integrate-macos コマンドに Mojave 対応を入れました。当該リビジョンをダウンロードして，適当な場所で展開したのちそのディレクトリに入って

$ sudo perl cjk-gs-integrate.pl --link-texmf --cleanup
$ sudo perl cjk-gs-integrate-macos.pl --link-texmf

とすれば全て正常化するはずです。TeX Live / TLContrib への反映は，もう少しテストしてからなので待ってください。（反映されれば perl [スクリプト名] としなくても直接コマンドを叩けるようになります）

[aminophen]

Released 20190303.0.

今は CTAN と TeX Live / TLContrib への反映待ちです。