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40歳からの「転職格差」 と 50歳SEの生き方 を読んだ

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40歳からの「転職格差」 まだ間に合う人、もう手遅れな人 #14

40歳からの「転職格差」 まだ間に合う人、もう手遅れな人

久松剛さんのブログでよく推薦図書としてでてきてたので読んでた。

この本は特にプログラマーとかSEとかに限った話じゃなくて、色んな職種がテーマになってる。

この書籍の特徴としては、一般的、平均的な40歳の転職について書かれてる感じ。
35歳定年説がなくなったとかの話は、その話の出どころに偏りがあるかもしれないので、冷静に見ましょうねってスタンスの話があった。

「35 歳限界説はもうなくなった」という論調は、事実であれば好ましいことなのですが、実数を見て冷静に判断する必要があると考えています。 35 歳限界説がなくなったという話は、多くの場合、エグゼクティブに強い人材紹介会社の方から発信されています。

とか

「企業は今、 40 代を求めている」「 40 代でも転職しやすくなった」といった印象を受けます。しかし、実際には 20 代、 30 代の若い人たちの需要が圧倒的多数なのは変わっておらず、「あまりにも採用が難しい職種だけは年齢基準を上げてみようか」というのが企業側のホンネであり、求人倍率が高まっている背景なのです。  この他にも、求人市場が活況になると、「これまで需要が低かった業種・職種」でも需要が改善します。そうした報道の裏で、「もともと需要が高かった業種・職種」はそれ以上に需要が急騰しており、平均した全体の数字を見ると、「これまで需要が低かった業種・職種」の実態以上に改善しているように見えるということも多々あります。

転職マーケットの市場規模

日本の転職、中途採用のマーケットは大体120万人ぐらいという話が面白かった。
職業別就業者数が6500万人ぐらいなので、意外と小さいマーケットなのかなと思った。

2030年の労働市場と人材サービス産業の役割」05.人材ビジネスの市場規模・事業展望|Works University 人材ビジネス講義|リクルートワークス研究所を見た感じの年間就職者数だと次のような感じ。(どっちもデータの出典は同じだけど、年度が違うっぽい)

  • 求人広告: 200 ~ 300万人
  • 職業紹介: 50 ~ 80万人
  • 派遣: 170 ~ 190万人
  • 請負: 77万人?255万人? (なんか実体がちゃんとつかめないらしい)

これは、新規就職とかも入ってると思う。

image

統計局ホームページ/労働力調査(詳細集計) 2021年(令和3年)4~6月期平均結果の年齢階級別転職者数及び転職者比率(エクセル:21KB)によると年間の転職者数はだいたい 200万 ~ 400万人ぐらい。
これは転職者数なので、転職市場規模とは異なるだろうけど、転職、中途採用のマーケットの120万人という話はどこ出典なのかよくわからなかった。

転職マーケットは結構小さく感じる。(1件の金額は大きいのだろうけど、人数的な意味で)
100万人前後だと、だいたい年間の出生数と同じぐらいの数値。

120万人の分類の話で、

人数で言うと、有料の求人広告で 30 万人、人材紹介(エージェントとか)で 10 万人、縁故で 25 万人、ハローワークで 25 万人、あとは自社のホームページ経由などで 10 万人ぐらい。これで合計100万人

縁故(リファラル)とホームページ経由って意外と多いんだなーとか思った。
最近だとYOUTRUSTとかMeetyとかよく見るようになったので、求人広告周りも変わってる感じがする。

Watntedlyとかの求人メディアとして曖昧な感じなところも、次の議論とかでどっちかに寄ってくる気がする。

反例

これは、なんかこの書籍はいろいろな反例として読むと面白いなと思った。

会社が成長しないために世代交代が進まず、「役職が上がらない」「給与が上がらない」といった不満がきっかけで転職を考え始める人は約 20%、5人に1人の割合です。   40 代転職者の転職後の年収を見ると、 10%以上上昇した人が 32・2%、 10%以上減少した人が 32・9%とほぼ同じです。ただ、 20 代、 30 代では、転職後に 10%以上年収が上がる人のほうが、 10%以上年収が下がる人よりも5~ 10%多いことを考えると、 40 代の転職では、年収が減少する可能性が高いと言える

  • こだわりを持ちすぎて転職に失敗するケースの話
    • 年収、役職、企業規模にこだわりすぎて失敗した事例
    • must条件とwant条件はちゃんと分けようみたいな話が面白かった
  • 2,3,2年みたいな転職を繰り返している人は、ネガティブな印象が持たれるかもという話
    • 例外として、金融、IT、コンサル系だと、そういう人も多いのでこの辺は許容されやすいという話

ブーメラン

 一般に、自分の故郷に帰る転職はUターン転職、ゆかりのない地方に行く転職をIターン転職と呼びます。また自分の故郷の方向ではあるが、途中の地方まで帰ることはJターン転職と言い

とか

 こうした人たちの多くは、介護していた親が亡くなると、故郷から東京などに戻り、再度転職をしています。介護のために故郷の企業に転職し、親が亡くなって戻ってきてまた転職する「介護ブーメラン転職」とでも呼ぶべき状況も生まれてきているのです。  

全然書籍の本筋とは関係ないけど、転職業界ってなんか回転する単語がやたらでてきて面白い

その他

最後の方は、
転職市場は、 35 歳、 40 歳、 45 歳、 50 歳、 55 歳と5歳刻みで求人数が半減していくので、
異業界、異職種への転職でも役立つポータルスキルも大事だよって話とかのアドバイス的な話だった。

現実の話の比重を置いている書籍だなと思った。

この本の反例にあたる50歳SEの生き方 #15 も一緒に読んで、比較しながら感想書いてみた。

50歳SEの生き方 #15

50歳SEの生き方 | 松山貴之, 牛島美笛 | 実践経営・リーダーシップ | Kindleストア | Amazon

こっちも久松剛さんのブログでよく推薦図書としてでてきてたので読んでた。

40歳からの「転職格差」 まだ間に合う人、もう手遅れな人 #14 と一緒に合わせて読んでいた。

40歳からの「転職格差」 まだ間に合う人、もう手遅れな人 #14 がちょっと暗めの話に対して、50歳SEの生き方は明るめな話が中心だった。

本書に載せる際に重視したことは、働いている本人が「幸せ」に感じているかどうかである。実際、取材したほとんどの人は、今の仕事にやりがいを感じている。役職などではなく、仕事そのものにモチベーション高く取り組んでいるのだ。自分から「幸せです」とはなかなかおっしゃらないが、「幸せ」といえるものばかりであった

50代(2020年前後)の人は、バブル期に未経験で一斉採用された人が多いというのが特徴的らしい。

SEの高年齢化が進む  厚生労働省の統計調査によると、SEの年齢構造は2000年を境に大きく変わっている。1990年代は 20 代と 30 代のSEが 90%以上を占めていたが、2000年を境に 40 代SEが増え続けている。5年前(2013年)の統計調査によると、 20 代と 30 代で併せて 60%、 40 代以上が 40%を占めている。5年前の時点で 45 歳以上のSEは約 25%を占めており、今(2018年)はその世代が 50 代になっていることから、現在、 50 代SEはおそらく 20%程度を占めていると思われる -- 高齢化するソフトウェア技術者の労働市場に関する実証

結構割合多いんだなーと思った。

インタビュー中心の内容

内容は50代SEの人にインタビューをして、その内容を中心にかかれている感じ

本書に載せる際に重視したことは、働いている本人が「幸せ」に感じているかどうかである。

というテーマ通り、読んでいて結構楽しかった。
「50歳SEの生き方」というタイトルなので、ちょっと暗そうな感じがしたけど、インタビュー中心でエッセイ的な感じなので軽く読めて面白い本だった。

特にAGC株式会社の三堀さんの話が良かった。

「ただし、会社員という就業形態を取っている以上、新しい技術を追求するばかりでは評価されない。「会社が欲しているのは技術ではなく、成果である」ということを前提に、「この技術を使えば会社にどのようなメリットを生み出すことができるか」を常に考えている。 「自分の中には、技術に対する興味の軸(『面白い』『あまり興味がない』)と、会社にとって役立つかどうか(『必要とされている』『必要とされていない』)という2軸があり、世の中の技術をこの座標上で考えています。理想は、『面白くて会社に必要とされる』技術です。あまり興味がなくても、会社が必要とするなら精いっぱい取り組みますが、できるだけ理想の仕事にするには、日頃から周囲に『こんな技術が面白い』『今、自分はこんなことができる』と話すことです。会社には、システム更新や新規事業の立ち上げなど、さまざまなタイミングがあり、そのタイミングが来てから技術を探していてはもう手遅れです。なので、普段からいろいろと調べておいて、ちょうどいいタイミングですぐできるように準備しておきます。そういう仕事はとても楽しいですね。自分の中では仕事は楽しいと思っていますが、大変なことが8割以上です。残りの2割くらいは楽しい要素を入れたいと思ってやってきました」

この辺の、欲しくなった段階で探すのはちょっと遅くて、日頃から触っておいて欲しいタイミングで使えるようにしてみるという話。
普段似たような行動してるきがする。

この本のインタビューで出てくる人は、部長とかそういう感じの役職の人が多かったので、
40歳からの「転職格差」 まだ間に合う人、もう手遅れな人 #14 だと35歳定年説の反例として扱われていた人が多いかも。
(でも、自分はジェネラリストと言う人が多かったかも)

あと、タイトルどおり"50 代に入って痛感する「体力」「気力」の減退"とか、更年期障害の話、定年、雇用延長と再雇用の違いとか、タイトルっぽい年齢向けの話が書かれて面白かった。(コラムで差し込んだりするのが面白い)

その他

ロールモデル不在で不安が募る 50 代SEたち  今ITの現場では、大量のシニア社員が余っているにもかかわらず、人手が不足しているというアンバランスが生じている。そういう状況にありながら「自分のやりたい仕事ができない」と嘆くベテランSEの声を多く聞くが、自分が何をやりたいのかを認識しているベテランSEは少なく、どこを目指していいかわからずに苦しんでいる状況にあるのだという。

このロールモデルがいないという話はどの年代でも聞くような気がするけど、逆にロールモデルがちゃんとイメージとしてある年代ってあるのかな?

WORK DESIGNでは女性のロールモデルの話があった。
実際にロールモデルとなる人を頻繁に見ることで、見た人への影響があったという話。
このロールモデルの介入効果は、実際にそのロールモデルにふれる機会がないと効果が出にくいと考えられている。
なので、役員会とか普段あんまり見えない人だと、実在はしてても介入効果が起きにくいのかもという話があった。

この辺のロールモデルの話は一般社団法人Waffleさんに寄付するときに調べてphilan.netのコメントに書いてた。


﨑山さんの話で、自分を変える能力はどんどん低下するので、周りの環境を変えましょう?という話がなんか面白かった。

『自分を変えようとしなくていい。自分を変える能力はどんどん落ちていますから、自分を受け入れてくれる人や自分にないものを持っている人を周りに置いてください』と言うのです。さらに『若い人に任せましょう』『苦手なことからは逃げましょう』と繰り返し話します。そういう環境を自ら作り出すことができれば、シニアになっても自分のやりたいことだけやることができます」

この書籍は、柔軟性(そう解釈した。この柔軟性の取り方が色々あると解釈)が大事だよって言ってる人が多かったかもしれない。
40歳からの「転職格差」 まだ間に合う人、もう手遅れな人 #14 では、こだわりを持ちすぎて転職に失敗するケースの話とかもあったので、そういうところも一緒に読むと面白いかもと思った。

#14 ではポータブルスキルの話だったけど、こっちでも一つの専門性だけだと辛いという話が最後の方ででてきた。
ダブルメジャー(複数専攻)だったり、ダブルワーク(今まで技術が8割だったら、それを6割とかに落として他の割合を増やす)、改めて基本的なビジネスマナーを学んでみてはという話があった。
この辺の異業界、異業種の話へ展開していくのは、40歳と50歳どっちの本もちょっと似た話をしているかも。