1日目です。方針を説明したり、vg
を使う準備をしたりします。
- ゲノムグラフを扱うツールはいくつかありますが、基本的には
vg
コマンドの紹介とその出力を理解するために必要な知識の説明です。 - 2019年11月の最新のバージョン(v.1.20.0)の
vg
は合わせて59個ものサブコマンド群から構成されています。すべては紹介できないので、経験上動かす頻度が高そうなサブコマンドを中心に紹介します。 - ゲノムグラフ研究会のリポジトリにおいてありますが、ほぼワンオペです。時々、助っ人が登場します。
- ゲノムグラフ研究会の資料の蓄積があるため、いい感じの資料がある場合はそこへのリンクを貼ってすませます。
- 紹介する前のコマンドを断りなしに使うことがあるかもしれません。
- Done is better than perfect.
などを参考にしてください。
まずは、vg
を手元で動かせるようにします。
Linuxだとビルド済みのstatic binaryが置いてあるので、それをダウンロードして実行権限をつければいいのですが、MacだとREADME.mdに
Note that static binaries cannot yet be built for Mac.
と書いてあるので、頑張ってビルドするところから始めます。(Dockerコンテナを動かすならビルドしなくてOK)
パソコンのスペック
MacBook Pro (13-inch, 2017, Two Thunderbolt 3 ports)
プロセッサ 2.5 GHz Intel Core i7
メモリ 16 GB 2133 MHz LPDDR3
OS
macOS Mojave 10.14.6(18G103)
コンパイラ
$ clang -v
Apple LLVM version 10.0.1 (clang-1001.0.46.4)
Target: x86_64-apple-darwin18.7.0
Thread model: posix
InstalledDir: /Library/Developer/CommandLineTools/usr/bin
まずはソースコードを取得する
wget https://github.com/vgteam/vg/releases/download/v1.20.0/vg-v1.20.0.tar.gz
tar xfvz vg-v1.20.0.tar.gz
cd vg-v1.20.0
続いて、お清めの時間
brew bundle
export PATH="/usr/local/opt/coreutils/libexec/gnubin:/usr/local/bin:$PATH"
brew link bison --force
export LIBTOOL=glibtool
export LIBTOOLIZE=glibtoolize
export LD_LIBRARY_PATH=/usr/local/lib:$LD_LIBRARY_PATH
export LIBRARY_PATH=$LD_LIBRARY_PATH
ようやくビルド。そこそこ時間がかかります。
. ./source_me.sh
make -j 4
だいたい20分くらいで終了。ビルドが終わったら、動かしてみましょう。
./bin/vg
vg: variation graph tool, version not-from-git
usage: ./bin/vg <command> [options]
main mapping and calling pipeline:
-- construct graph construction
-- index index graphs or alignments for random access or mapping
-- map MEM-based read alignment
-- augment augment a graph from an alignment
-- pack convert alignments to a compact coverage index
-- call call or genotype VCF variants
-- help show all subcommands
For more commands, type `vg help`.
For technical support, please visit: https://www.biostars.org/t/vg/
うまくビルドできたようです。
今回は運良く一発で通りましたが、だいたいは◯◯というライブラリが足りない、bisonのバージョンが古いなどと怒られるので、その度に修正して、makeして、を繰り返します。
忍耐が求められます。。
今後
を使うので、手を動かしたい場合はあらかじめインストールしておいてください。
明日はファイルフォーマットの説明をします。
昔の記憶をたどったり、他の人にビルドしてもらって出てきたエラーをまとめます。
エラーの例↓
CMake Error at /usr/local/Cellar/cmake/3.15.5/share/cmake/Modules/FindPackageHandleStandardArgs.cmake:137 (message):
Could NOT find BISON: Found unsuitable version "2.3", but required is at
least "3" (found /usr/bin/bison)
Call Stack (most recent call first):
/usr/local/Cellar/cmake/3.15.5/share/cmake/Modules/FindPackageHandleStandardArgs.cmake:376 (_FPHSA_FAILURE_MESSAGE)
/usr/local/Cellar/cmake/3.15.5/share/cmake/Modules/FindBISON.cmake:296 (FIND_PACKAGE_HANDLE_STANDARD_ARGS)
CMakeLists.txt:33 (FIND_PACKAGE)
解決策:vgteam/vg#1915
bisonにパスを通しましょう。
export PATH="/usr/local/opt/bison/bin:$PATH"
clangを使いましょう。