信号インデックスの自動計算

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ATC に対応するにあたって、「制限速度区間の手前 (別のパートファイル) で ATC の信号を下げることができる」ようにするためにパートファイルを終着駅から始発駅に向かって読み込むようにした (#3)。この副作用として、閉塞を設置する際にその先にある閉塞の位置が分かるようになった。これまではその場その場で固定の信号インデックスの組合せを使用していたが、これからは先にある閉塞の位置に基づいてより適切な信号インデックスを動的に選ぶことができそうである。具体的にどうすればよいか?

課題: 信号インデックスを自動で計算したとして、その閉塞で取りうる信号インデックスの組合せに応じて自動で信号の灯数を選ぶのはとても難しそう。ただし常に五灯式にしておけば大きな問題はない。

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n 個先の閉塞の開始位置が d_n [m] 先であるとする。2.5 [km/h/s] の減速度で減速していって d_n - 30 [m] の位置までに停止できれば良いとすると、現在位置を通過できる速度の上限 v_n [km/h] は何か? 等加速度運動の公式に従えば、

v_n = 3.6 √(2 (2.5 / 3.6) (d_n - 30)) = √(18 (d_n - 30))

さて、信号インデックス i の制限速度を l_i [km/h] とする。最終的に求めたいのは、 l_i ≤ v_n を満たす最大の i である。これを求めるには l_i ≤ v_n を満たし 0 より大きい i がいくつあるか数えればよい。ここで、 l_i ≤ v_n の時に 1 となりそれ以外の時に 0 となる式 D(i, n) があれば、それを全ての i について足し合わせることで、求めたかった信号インデックスが求められる。

その D(i, n) であるが、v_n ≥ 0, l_i > 0であるから、 D(i, n) = min(1, floor(v_n / l_i)) とすればよい。さらに、 v は高々数千 [km/h] だから、 D(i, n) = ceil(floor(v_n / l_i) / 65536) とでもしておけば十分である。

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進行信号は二段階あって、見た目は同じだが次が進行か進行以外かで信号インデックスが違う。これに対応するには、ある閉塞を設置したときの信号インデックスを変数に覚えておいて、その一つ手前の閉塞を設置するときにそれを参照するとよい。(ただし、これは ATC では行わなくてよい)

先行列車が n 個先の閉塞にいるときの現在閉塞の信号インデックス (上の D(i, n) の和) を c_n とする。そして先行列車の位置が同じ時での一つ先の閉塞の信号インデックスを f_n とする。現在閉塞と一つ先の閉塞とで連続した進行信号となるときを考慮した現在閉塞の信号インデックスを h_n とすると、これは以下のように求められる。

h_n = c_n + floor(f_n / m)

ただし m は進行信号の信号インデックスである。ここでは m が 2 以上の整数であるという仮定を用いた。

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さらに、進行信号の次にいきなり警戒信号や停止信号が出てきたら面食らうので、隣り合う閉塞の信号インデックスの差は 2 以下に抑えることにする。そのために、ある閉塞を設置したときの信号インデックスを変数に覚えておいて、その一つ手前の閉塞を設置するときに差が大きくなり過ぎないように抑える。 (ただし、これは ATC では行わなくてよい)

信号インデックスの差が大きくなり過ぎないように抑えた信号インデックスを j_n とすると、

j_n = min(h_n, f_n + 2)

なお

min(x, y) = (x + y - abs(x - y)) / 2

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CS-ATC の場合は、信号インデックスが一閉塞づつずれる。

例えば、n 番目の閉塞に先行列車がいる場合、n - 1 番目の閉塞の信号インデックスは 10 (= ATC 01 信号) となる。自車が n - 1 番目の閉塞に進入したときに n 番目の閉塞より手前で止まれる上限の速度を v [km/h] とすると、n - 2 番目の閉塞の信号インデックスは対応する速度が v 以下の最も大きな信号インデックスとなる。それは、ATC でない路線において n - 1 番目の閉塞に設定される信号インデックスに等しい。