Rangeの2.6以降の追加対応(===, cover?, include?, to_aまわりの整理)

[universato]

class Range (Ruby 3.0.0 リファレンスマニュアル)
上記のページに対する===, cover?, include?まわりのメソッドの整理、to_aメソッドの追加です。

主な修正1 ===, cover?, include?まわりのメソッドの整理

self === obj -> bool
cover?(obj) -> bool

上記のように一項目で説明されている部分を、===(obj)とcover?(obj)とcover?(range)に分離させました。
以下のような点からわかりにくい・誤っていると思い、分離させたかったからです。

• ===とcover?は、同じではない。
  • エイリアスでもなく、単純に===からcover?が呼ばれているわけでもない。
  • cover?にはRangeを引数にとる設計があるが、===にはない。
    今のままだと、===もRangeを引数にとって比較できるようにしか読めない。
  • ===は、cover?と同じように振る舞うように2.6で変わったが、文字列は2.6で変わらなかった。
    以下で、backportされるべきという意見もあるが、2.6では変わってない。
    https://bugs.ruby-lang.org/issues/14575
• ===が case文で使われる実例が載っていない。本家の英語版には例がある。
• まとまってると、===とcover?の説明が色々と混雑してくる。

その他の修正

• もともとcover?とinclude?の差異でTimeの例が載っていたが、今は同じ挙動であるため、
  下記で主張されていたような別の例に変更。
  Feature #14575: Switch Range#=== to use cover? instead of include? Ruby Issue Tracking System

require 'date'
p (Time.new(2014,1,3)..Time.new(2014,1,5)).include?(Time.new(2014,1,4,10,10,10)) 
#  "can't iterate from Time"
# 2.0までは上記のようなエラーがでてたが、2.1でエラーがなくなり、include?もcover?も同じような挙動となった。

• 始端と終端が数値であれば、 [[m:Range#cover?]] と同様の動きをします。
  これが英語版の訳だったが、「cover?がRangeを引数をとるが、<=>が取らないこと」を考慮できてなかったため、微修正。
  ↓
  始端・終端・引数が数値であれば、 [[m:Range#cover?]] と同様の動きをします。

主な修正2

2.6以降で、Range#to_aとして再定義されたようなので、to_aメソッドとその簡単な例を追加しました。

[znz]

行頭の === は見出しになるので避けてください。

[universato]

レビューありがとうございます。行頭の===がなくなるように修正しました。