よだか配列は50音の行(あかさたなはまやらわ)を示すキーと段(あいうえお)を示すキーを同時押しすることによってかな文字を入力する日本語かな配列です。
- 現代日本語の入力に使われるかな文字は全て上段と中段のみを使って一動作で入力することができます。
- 50音の並びに基づいた配列となっていて、覚えやすくなっています。
- 文字キーの同時押しでかな文字を入力するため、親指シフト系の配列と異なり、キーボードを選びません。
- 使用頻度の高いかな文字は1打で入力でき、かなの約60%を単打で入力できます。
- 拗音(きゃ、しゅ、ちょ…)は三つのキーを同時押しすることで一動作(3打鍵)で入力できます。
- かん、しん、つん、といったカナと撥音の組み合わせを一動作(2打鍵)で入力できます。
- 中段の使用率が高く、指の移動量が比較的少ないはずです。
「あいうおえ」の5文字は、右手で中段のキーを打つことで入力できます。
H J K L ;
え お う い あ
使用頻度の低い「え」をやや打ちにくいHに配置したほかは、小指から、あ、い、う…の順に並んでいます。
左手で中段のキーを打って「かさたなは」の行を指定するのと同時に、右手で「あいうえお」の段を指定することで、「かさたなは」行の各かな文字を入力できます。
A S D F G H J K L ;
な か さ た は え お う い あ
左手は、濁音のない「な行」をAに配置したほかは、薬指から「かさた」順に並んでいます。
同時押し → カナ
A+; → な
S+L → き
D+K → す
F+J → と
G+H → へ
濁音を打つには、左手で清音の一つ上のキーを打ちます。ぱ行については、な行の上を打ちます。
Q W E R T
ぱ が ざ だ ば
H J K L ;
え お う い あ
同時押し → カナ
Q+; → ぱ
W+L → ぎ
E+K → ず
R+J → ど
T+H → べ
まやらわ行のかな文字を打つには、右手で上段のキーを打って「まやらわ」の行を指定し、同時に左手で中段を打つことで「あいうえお」の段を指定します。
まやらわ行だけ左手を段(あいうえお)の指定に使います。
Y U I O P
や ま ら わ
A S D F G
あ い う お え
同時押し → カナ
P+A → わ
O+S → り
I+D → む
U+F → よ
また、わ行う段に「ん」、や行い段に「っ」のかな文字を配置しています。
同時押し → カナ
U+S(や行い) → っ
P+D(わ行う) → ん
ただし、文字は右手下段の単打でも入力できます。
かなのうち、使用頻度の高い文字は、該当する行のキーや、その近くのキーを単打することでも入力することができます。
Q W E R T Y U I O P
に が じ で ば れ よ ま る を
A S D F G H J K L ;
の か し と は え お う い あ
Z X C V B N M , . /
な く す て わ っ ん 、 。 ー
- 基本的には、該当行のキーを単打すると、その行で一番使用頻度が高いかなが入力されます。
- 「ぱ」行はどの字も使用頻度が低いので、Qは「に」を単打入力できるようにしています。
- 左手下段のZXCVにはそれぞれなかさた行から頻度の高い「な」「く」「す」「て」を入力できるようにしています。
- 「れ」と「わ」は同時打鍵入力しにくいので、それぞれYとBに割り当てています。
- 右手下段の「NM,./」ではそれぞれ「っん 、。ー」が入力できます。「、。」の位置はローマ字入力と同じです。
拗音に使う小書きのかな「ゃ」「ゅ」「ょ」は右手中段の同手同時打鍵で入力します。
JK KL L;
ょ ゅ ゃ
左手で行を指定して同時打鍵することで、拗音を一動作で入力することもできます。
同時押し → カナ
S+J+K → きょ
E+K+L → じゅ
G+L+; → ひゃ
右手で行を指定する「ま行」と「ら行」については左手で「ゃ(AS)」「ゅ(SD)」「ょ(DF)」を指定します。
小書きの母音も同手同時打鍵で入力できます。
YU UI IO OP
ぉ ぅ ぃ ぁ
HJ JK KL L;
ぇ ょ ゅ ゃ
小書きの母音を使う外来音もある程度同手同時打鍵で入力できるよう定義してあります。
同時押し → カナ
G+O+P → ふぁ
E+H+J → じぇ
上記のパターンからは外れますが、Yと左手の同時打鍵で、外来音の「ヴァ」「ヴィ」「ヴ」「ヴェ」「ヴォ」も入力できるようにしています。
同時押し → カナ
Y+D → ヴ
Y+A → ヴァ
「いぇ」「うぃ」「うぇ」
同時打鍵で母音を指定する際に、中段の代わりに1つ下の下段のキーを打つことで、撥音を一動作で続けて入力するができます。
Z X C V B N M , . /
アン イン ウン オン エン エン オン ウン イン アン
同時押し → カナ
W+N → げん
F+/ → たん
左右両方の手で上段を同時打鍵することで一定の全角記号を入力することができます。あまり配置に納得していないので、あとで変更する可能性もあります。
同時押し→ 記号
R+Y → ‥
R+U → ・
R+I → …
R+O → (未設定)
R+P → ;
E+Y → 『』(カーソルが自動的に括弧中に移動します)
E+U → 「」
E+I → ()
E+O → 【】
E+P → 〈〉
W+Y → (未設定)
W+U → (未設定)
W+I → ,
W+O → .
W+P → /
よだか配列を快適に利用するためには、拗音の1動作入力ができる「文字キーの3つ同時押し」に対応したキーボードを使用するのが望ましいです。
多くのキーボードは「文字キーの3つ同時押し」は一部のパターンしか対応していません。この場合、対応しているパターンについてだけ、拗音の1動作入力を行うか、拗音の一動作入力を諦めて、2動作で拗音の入力を行う必要があります。
また、キーの同時打鍵(特に、同じ手での同時打鍵)には手の力を使うので、軽めのキーや、ノートパソコンのキーボードのように浅めのキーが向いているように思います。
私が使用した限りでは、以下のキーボードは文字キーの三つ同時押しに対応して拗音の動作入力が全パターンで可能でした(括弧内に打鍵感を併記しています)。
- Realforce108UDK(All 30g。良い。常用中)
- Happy Hacking Keyboard Professsonal JP2(良い。常用中)
- MacBook Airのキーボード(まあ良い)
- Truly Erogonomic Keyboard(茶軸。まあ良い)
- FILCO Majestouch 2(FICTL15。茶軸。重すぎる)
また、店頭で試用した限りでは、Surface Pro 4用のキーボードカバーも対応しているようでした。
- TypeMatrix 2030(とても良い。常用中)
格子状の配列がよだか配列と相性が良く、とても打ちやすいのですが、一部のパターン(主に「ぇ」が絡む外来音)については、3キー同時入力ができないパターンがあります。一部のパターンが使えないことには目をつぶって、常用しています。
- LenovoのUSB Thinkpadキーボード(SK-8855。良い。外出時に使用)
同じく、主に「ぇ」が絡む外来音を中心に、3キー同時入力ができないパターンがあります。トラックポイントが便利で打鍵感も悪くないので、一部のパターンが使えないことには目をつぶって、外出時に使用しています。
- MacBookのキーボード
Airより薄くなったMacBook(初代)のキーボードは店頭で確認した限り、文字キーの3つ同時押しに対応していないパターンがありました。
Windows用に、DvorakJの設定ファイルを準備しました。
Mac用にKarabinerの設定ファイルを準備しました。private.xmlの内容を自分のprivate.xmlに足し、private.xmlと同じフォルダにyodaka.xmlを入れて下さい。
ただし、Mac OS Sierra以降はKarabinerが使えません。また、このため、Mac向けのよだか配列設定ファイルのアップデートを中止しています。具体的には、「記号拡張」の設定は追加していません。
- つばめ配列:中段志向、行段的規則性と同じキーを子音と母音の両方で使うこと
- 新下駄配列:文字キー同時打鍵によるかな入力(と、同時打鍵による括弧類の入力)
- abj配列:母音省略システム
- 六点入力:多キー同時押しを恐れないこと
- AZIK:規則的な撥音拡張
(このREADMEは、よだか配列で書いています)