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Original file line number | Diff line number | Diff line change |
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@@ -0,0 +1,47 @@ | ||
# 6. 読みやすさとアクセシビリティ | ||
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## 6.1 読解の情報処理モデル | ||
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Editor's note: 論文調ではなく、もっと分かりやすく書いてくれというリクエストが木田さんからあり。 | ||
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読解の情報処理モデルとして有力なものとして、DRCモデル(the dual-route cascaded model)とトライアングル・モデルがある。これらのモデルは、ディスレクシアの研究にも影響を与えている([ディスレクシアの読字過程の認知モデルに関する考察](https://meisei.repo.nii.ac.jp/record/1329/files/kkNo07a08.pdf)を参照)。 | ||
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簡単にまとめると、これらのモデルにおける読解とは以下の処理からなる。 | ||
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1. 視覚情報から文字を検出する | ||
1. 文字から意味を得る | ||
1. 文字から音韻を得る | ||
1. 音韻から意味を得る | ||
1. 意味から音韻を得る | ||
1. 意味から文字を得る | ||
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これらの処理は、互いにからみあって行われる。視覚情報から文字を得て、文字から意味を確定するという単純なモデルではない。人間が文字をひとつずつ読んでいない証拠として[タイポグリセミア](https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%9D%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%82%BB%E3%83%9F%E3%82%A2)がある。まとまり読み(視線が一回停留する間に長い文字列をまとめて読むこと)が読みの上達のために重要であることが知られている | ||
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組版が影響する処理は1, 2, 3である。これらの処理を容易にするために、読みやすい組版、アクセシブルな組版が必要となる。 | ||
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どんな組版が処理1, 2, 3を助けるあるいは妨げるのかについて考えらえれることはいろいろあるが、それらは推測の域を出ない。例えば、拗音・促音の途中での改行が処理2を妨げるのかどうか、狭い字間が処理1, 2を妨げるのかどうかについて確固としたことは何も言えない。とくに、ディスレクシアなどのプリントディスアビリティを持つ人について何も言えない。 | ||
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確固としたことが言えないのにもかかわらず、読解の情報処理モデルにあえて言及するのは、組版の伝統に基づく読みやすさ以外の基準を持つためである。健常者優位主義に陥らずにアクセシビリティを追求するには、組版の伝統を疑ってかかる必要がある。 | ||
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## 6.2 ??? | ||
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敏先生「日本語組版の読みやすさ 」 [https://github.com/w3c/jlreq-d/issues/12](https://github.com/w3c/jlreq-d/issues/12) | ||
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## 6.3 組版に関係するアクセシビリティ機能 | ||
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電子書籍が備えるべきアクセシビリティ機能として列挙されているもののうち、組版に関係するものを以下に示す。 | ||
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1. 文字の拡大 | ||
1. 文字間の調整 | ||
1. 行間の調整 | ||
1. 読みやすいフォント | ||
1. 分かち書き | ||
1. 縦組・横組の変換 | ||
1. 前景色の設定 | ||
1. 背景色の設定 | ||
1. 単語へのルビの付与 | ||
1. ルビと親文字の距離 | ||
1. ルビの色 | ||
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これらが必要となる根拠として、[電子書籍が備えるべきアクセシビリティ](https://github.com/Japan-Daisy-Consortium/documents/wiki/電子書籍が備えるべきアクセシビリティ機能とその基盤となるデータ形式)を参照。 |