勉強会に参加したときに前でしゃべってるつよつよエンジニアを見かけて、「登壇できたらなぁ・・・」と考えたことはありますよね。その第一歩として、LT会は最適です。まずは、自分の興味あるテーマを扱うLT会を探して、「登壇者」として参加するボタンを押してみましょう。ネタはあとから考えればOKです!
では、なぜ初めて登壇にLTがよいのでしょう?もちろんいくつか理由があります。それぞれ簡単に説明しましょう。具体的なネタ出しの方法、スライドの作り方などは、他の章にもありますのでそちらを参照してくださいね。
LT会でのトークは、Lightning Talkというだけあって、一人当たりの持ち時間は5分程度です。したがって、一回の登壇あたりでしゃべるネタは基本的にひとつのネタです。したがって、今自分が興味ある事、LT会のトピックスの中で今の自分が話せること、などから選ぶため、テーマの選定が非常に楽です。
今/過去に困ったこと、自分の経験、やったこと、このあたりをトピックスに持ってくると、内容を組み立てやすいでしょう。まえがきにもあるように、本書はLT会でのトークのネタをもとに作った本です。1章1章がひとつのLTだと思ってください。もちろん文章化するにあたって追加した話、削った話、話の順番を入れ替えたりと再構成している面はありますが、そうはいっても、おおむね1章1ネタで構成されています。
一番話したいことを伝える、そう考えてネタを組み立ててみるとよいでしょう。あるいは、自分が話せることって何だろう?一番困ったことってなんだろう?・・・LT会のテーマに関連することで、自分の中にあるものを取り出してみましょう。
ほら、ネタが決まりました。
さて、ネタが決まったとして、これってニーズあるんだろうか?と思うかもしれませんね。誰も聞いてくれなかったら・・・そんなことはないですよ。あなたが困ったことは、他の人だって同じように困ってることかもしれません。あなたがやって楽しかったことを話すと、「楽しそうだな、やってみようか」と思う人はきっといます。
繰り返しになりますが、1ネタ5分です。LTスライドの組み立て方はいくつかありますが、それでも、5枚~10枚程度1のスライドになるでしょうか。イラストを入れたりしても、スライドの絶対数が少ないので、準備は楽です。
準備が楽であるというところは、登壇のハードル四天王2のうちの一つを倒す(倒した)ことに他なりません。
また、時間が限られているので、例えば歴史的な前提などは本当に最低限になります。何ならいきなり核心から入ることの方が多いでしょう。そういった部分の準備をすっとばせることで、内容の組み立てが楽になります。自分が話したいことだけを的確に述べる。これはこれでテクニックのいる面もありますが、前提をいくつも説明するための準備をするのは非常に大変です。
公募式のLT会は、たいてい初心者も歓迎されます。誰にだって初めての登壇はあります。それは、ある日、手を挙げたときから始まりました。
つよつよエンジニアだって、みんな初めての登壇はありました。最初から登壇慣れした人なんていません。
LT枠がすぐ埋まるLT会もありますが、そういったところは実質的には先着順だったりして、エントリーしたら即採用になったり。あるいは選考が入るにしても、短時間なので枠が多いので採択される可能性も高いですしね。
同じ理由で、大規模カンファレンスにおいても、LT枠は比較的採用されやすいでしょう。レギュラーセッションが40分1枠だったとして、5分×6枠のLTがあったら、単純に枠の数で行くと採用されやすさは6倍です。
LT会のハードルは比較的低いものです。一番大変なのは、最初の一歩ですよね。でも、一度登壇してしまえば、「登壇したことのある人」にジョブチェンジできます。
時には、「この前のLT会で聞きましたよ。おもしろかったです!」と言ってくれる人に出会えるかもしれません。
次のステップのアウトプットは、執筆(雑誌記事や技術同人誌、商業誌などなど)、レギュラーセッションへの登壇、など様々あります。少しブラッシュアップして他のコミュニティで話してみる、というのもいいですね。LT会でのフィードバックをもとに、トピックスの取捨選択、小ネタを入れてみる、話し方を工夫する。etc
そういった、さまざまなアウトプットの前段階のステップとして、LT会でしゃべってみるというのをおススメします。
ほら、この前の勉強会で見かけたつよつよエンジニアまでの道が開けるかも・・・
Footnotes
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高橋メソッドを使う場合はもう少し増えますが、それでも限度はあります。 高橋メソッド:http://www.rubycolor.org/takahashi/ ↩
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ハードル四天王は、①ニーズがない(という思い込み) ②ネタがない(思い込み) ③誰も聞いてくれない(思い込み) ④準備が大変 です。諸説あります。 ↩