WSL(Windows Subsystem for Linux) は Windows10 上で Linux を動作させるシステムである。
WSL1 と WSL2 があるが、この記事では WSL1 を扱う。
基本的にはインターネット上で「wsl インストール」などと検索すれば記事が出てくるのでそれに従えばよいが、GUI ソフトを使う際にいくつか注意事項がある。
PC 内のファイルで重要なものがある場合はクラウドストレージにバックアップしておくこと。
- Windows 10 を更新するなどを参照し、 Windows を更新する。
- オプションの品質更新プログラムなどもインストールする。
Windows の検索ボックスから「PowerShell」と入力すると PowerShell が出るので、右クリックで管理者権限で起動する。
PowerShell で以下のコマンドを実行する。
dism.exe /online /enable-feature /featurename:Microsoft-Windows-Subsystem-Linux /all /norestart実行結果は以下の通り。
展開イメージのサービスと管理ツール
バージョン: 10.0.19041.844
イメージのバージョン: 10.0.19042.1202
機能を有効にしています
[==========================100.0%==========================]
操作は正常に完了しました。 ここでPCを再起動してから、次の手順に進むこと。
Linux ディストリビューション Ubuntu18 LTS をMicrosoft Storeからインストールする。
Microsoft Store も PowerShell のときと同じで Windows の検索ボックスから「Store」と検索すれば出てくる。Microsoft Store で「Ubuntu」と検索し Ubuntu18.04 LTSを選択する。
インストール時にマイクロソフトアカウントを要求されるが、キャンセル（アカウント入力画面を「x」ボタンで閉じる）すればそのままインストールできる。
起動方法は一般的な Windows のプログラムと同じでスタートボタンから起動できる。
起動後はユーザ名とパスワードを設定する。エラーメッセージが出て、以下のようにならない場合は PC を再起動してみること。
Installing, this may take a few minutes...
Please create a default UNIX user account. The username does not need to match your Windows username.
For more information visit: https://aka.ms/wslusers
Enter new UNIX username: oit
Enter new UNIX password: # 文字を入力しても表示はされない。正確に入力すること。
Retype new UNIX password: # 文字を入力しても表示はされない。正確に入力すること。
passwd: password updated successfully
Installation successful!
To run a command as administrator (user "root"), use "sudo <command>".
See "man sudo_root" for details.
oit@MyComputer:~$VcXsrvのページで Download ボタンを押し、ダウンロードしてインストールする。インストール時のオプションはデフォルトのままで良い。
PC のデスクトップにファイル名「config.xlaunch」というファイルを保存する。
説明画像の後に「config.xlaunch」ファイルへのリンクがあるので、手順通り保存すること。
リンク（説明画像の後に記載されている）をクリックし、出てきたページで「Raw」ボタンを押す。
するとテキストそのものが表示されるので、ブラウザの機能（右クリック）などで保存する。
- 拡張子に注意すること。保存ファイル名は「
config.xlaunch」 である。 - Chrome ブラウザの場合、保存時に自動的に拡張子
txtが付くことがある。すると保存ファイル名がconfig.xlaunch.txtとなって、正常に動作しない。
config.xlaunch<- 上記の注意を読んでデスクトップに保存する。
config.xlaunchをダブルクリックする。
Windows のタスクトレイ右下の「^」マークをクリックし X のアイコンが一つだけ出ていれば OK。
X のアイコンが 2 つ以上出ていたときは右クリック->Exit で全て終了させて再度 1 回だけ起動する。
WSL1 を起動し、以下のコマンドを実行する。
ここで$がある行が入力するコマンドを示す。ただし$は入力プロンプトなので、入力不要。
それ以外の行はコマンドの実行結果である。
コピー＆ペーストで良いが、一行ずつ実行すること！
$ sudo apt install -y x11-apps x11-utils x11-xserver-utils dbus-x11
[sudo] password for oit: # パスワードを入れる。
Reading package lists... Done
Building dependency tree
Reading state information... Done
x11-utils is already the newest version (7.7+3build1).
dbus-x11 is already the newest version (1.12.2-1ubuntu1.1).
The following additional packages will be installed:
cpp cpp-7 gcc-7-base libisl19 libmpc3 libxcursor1 libxkbfile1 xbitmaps
Suggested packages:
cpp-doc gcc-7-locales mesa-utils nickle cairo-5c xorg-docs-core
The following NEW packages will be installed:
cpp cpp-7 gcc-7-base libisl19 libmpc3 libxcursor1 libxkbfile1 x11-apps x11-xserver-utils xbitmaps
0 upgraded, 10 newly installed, 0 to remove and 0 not upgraded.
Need to get 10.2 MB of archives.
After this operation, 30.0 MB of additional disk space will be used.
Get:1 http://archive.ubuntu.com/ubuntu bionic-updates/main amd64 gcc-7-base amd64 7.5.0-3ubuntu1~18.04 [18.3 kB]
Get:2 http://archive.ubuntu.com/ubuntu bionic/main amd64 libisl19 amd64 0.19-1 [551 kB]
Get:3 http://archive.ubuntu.com/ubuntu bionic/main amd64 libmpc3 amd64 1.1.0-1 [40.8 kB]
# 省略
Processing triggers for libc-bin (2.27-3ubuntu1) ...
Processing triggers for man-db (2.8.3-2ubuntu0.1) ...以下も実行する。
$ cd
$ echo 'export DISPLAY=localhost:0.0' >> ~/.bashrc
$ echo 'export LIBGL_ALWAYS_INDIRECT=0' >> ~/.bashrc
$ source ~/.bashrc終了後、xeyesコマンドを実行して次のようなウィンドウが開けば OK。
$ xeyes
一旦 PC を再起動する。
- デスクトップ上の
config.xlaunchをダブルクリックする。 - 完了したら再び
xeyesコマンドで GUI の動作確認をする。
以降、PC 起動後はこの手順で VcXSrv を起動する。