オンライン授業の進行中、授業担当者は説明等に意識を集中させていることが多く、 トラブルの発生や受講者からの連絡などに気がつきにくい状況にあるため、 授業担当者を支援する体制を用意しておくことが有用です。
支援体制としてはいくつかの方法が考えられます。
- 授業担当者の端末とTAの端末の間で音の回り込みが起こらないように、TAはヘッドホンを利用するとともにマイクのミュートを行うこと
以下の情報は、少し高度な利用方法となるので、深い理解と習熟が必要となりますが、技術的には可能なので、紹介します。 ただし、Zoomの仕様変更により将来的に利用できなくなる可能性があることにもご留意ください。
Zoomでは、ミーティングルームに参加する方法として、Windows/Macの場合には次の3種類の方法が提供されています。 これらを組み合わせることにより、1台の端末で同時に複数のミーティングルームに接続することができます。
- Zoom Nativeアプリ - 1接続のみ : ミーティング用Zoomクライアント
- Zoom Chromeアプリ - 1接続のみ : chrome ウェブストアから入手
- Zoom Webブラウザ接続 (Chromeなど) - 同時複数接続可能、要ログイン
3は、それ自体で複数のウィンドウやタブを用いて同時に複数のミーティングルームに接続することが可能なので、必ずしも1や2と併用する必要はありません。 3の場合、Chrome等のブラウザからアクセスする際のURLを、
https://....zoom.us/j/....
から
https://....zoom.us/wc/join/....
に書き換えることで外部アプリを起動せずにミーティングルームに接続します。 なお、3の場合は、Zoomにサインインするためのアカウントが必要となります。
この利用形態では、以下の注意が必要です。
- 1、2、3は同時に起動できるため併用することが可能ですが、それぞれユーザインタフェースが微妙に異なることに注意が必要です。
- PandAからZoomを起動する場合は、通常は1のアプリが起動されるため、2や3の場合は、接続先情報を事前に確認しておき、 PandAからの連携機能を利用せずにミーティングルームに接続する必要があります。
- 発言が必要な場合は、ヘッドホンの使用と的確なミュート操作が必要になります(ミーティング間の音声混入防止のため)
- 2は1よりも操作可能な機能が制限されます。3は2よりもさらに操作可能な機能が制限されます。
授業担当者に対する支援事項(授業担当者のすべきこと全般)としては、最大限で以下のものが想定されます。 もちろん、これら全てが必要とされるわけではなく、必要最小限としては最初の「配信状況の確認」のみです。
これらのうち、授業中に対応が必要と考えられるものについては、授業担当者と事前に役割分担について相談のうえ、必要な対応をお願いします。 なお、これらの機能の多くは、「共同ホスト」等の権限が必要になります。
- 配信状況の確認(権限不要)
- オーディオ関連
- 音声が配信されていることの確認
- 音声品質の確認(声の大きさ、マイクの位置等の確認)
- エコー(音の回り込み)の有無の確認と解消のための指示や操作
- エコーは同じ部屋で複数の端末を接続している場合等に発生します
- 受講者のオーディオ接続状況の確認(マイクアイコンの有無)
- ビデオ関連
- カメラ映像の確認(カメラの位置、向き、ピント等)
- 画面共有の状態の確認(共有画面に付随する音声の確認を含む)
- オーディオ関連
- 安定した配信の支援(共同ホスト権限等が必要)
- 受講者マイクの遠隔ミュート操作
- ミュート解除やミュート解除制限も可能
- 受講者カメラ映像送信の遠隔停止操作
- 受講者マイクの遠隔ミュート操作
- 授業担当者の基本操作支援(共同ホスト権限等が必要)
- 画面共有の代行(ページめくり、ポインタ等の操作を含む)
- スポットライトビデオ設定(3人以上接続している場合に優先的に表示させたい参加者映像の指定)
- 複数カメラを利用する場合のカメラ切替
- 受講者とのインタラクション支援
- チャットの対応ととりまとめ
- 授業担当者でなくても解決できる質問や助言等への対応
- 授業担当者に伝えるべき内容の抽出
- 「挙手」や「チャット」による発言希望の把握
- 発言を許可したときの遠隔ミュート解除(解除制限している場合)
- 挙手のリセット
- チャットの対応ととりまとめ
- 授業記録支援
- レコーディングの事前設定確認
- レコーディングの開始と終了(共同ホスト権限等が必要)
- チャットの記録の保存
- 高度な機能を使用する場合の支援
- 「投票」の内容設定、投票開始、投票結果の共有表示、投票結果の保存
- ブレークアウトルームの操作(共同ホスト権限でなくホスト権限が必要)
- その他授業全般支援
- 出席確認(参加者が多い場合は、Zoomの参加者一覧の順送りが難しく確実な把握は困難)
- 授業前の注意事項の告知(セキュリティ、プライバシー、著作権等)
- PandA等、併用する他のツールのサポート
- セキュリティ対策対応
なお、「共同ホスト」(代替ホスト)としてアクセスする場合は、上記1、2の場合でもZoomにサインインしてからのアクセスが必要です。
TAと授業担当者との間のスムーズなコミュニケーションのためには、授業担当者側にそのための別の端末を用意しておくと良いですが、その準備の手間がさらにかかることが問題となります。
(最終更新:2020年4月20日)