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モダンエルダー 40代以上が「職場の賢者」を目指すこれからの働き方 を読んだ

21 Mar 11:59
@azu azu
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#22

モダンエルダー 40代以上が「職場の賢者」を目指すこれからの働き方 | チップ・コンリー, 大熊 希美, 関 美和, 外村 仁 | 実践経営・リーダーシップ | Kindleストア | Amazon

メンターン: メンター + インターン

メンターンという話が面白かった。
著者はタイトルにあるように年長者であるけど、Airbnbに入ったときにITに詳しくなかったので、まるでインターン的に新しく知識を知る必要が色々あった。
一方でメンター(元CEOでもあるので)としてアドバイスを求められたりとかするって言う状態。
この状態を合わせてメンター + インターンのことをメンターンと読んでいた。

なんかこの文が色々面白い https://t.co/sGJUIQbASD pic.twitter.com/jGrdtglAOS

— azu (@azu_re) February 21, 2022

この状態は年長者から見れば若者にはITとかを教えてもらいつつ、一方で年長者は思考とかについてのアドバイスするって言う交換的にできる。お互いに何かを学ぶことができて、知恵の交換ができるし、互いにとっていいのではという話。
なので世代が下から上に教えることはあるし、上から下へ教えることもある。(そこに変に抵抗持つのは微妙じゃない?って話)

別のところで、若い人は家のIT管理者になってることが多くて、こういうITについて教えてるのに慣れてるだろうって話が面白い

これめちゃくちゃ面白い。
お家IT的なやつって世界共通なんだ pic.twitter.com/c84C7XhJRM

— azu (@azu_re) February 23, 2022

知恵と経験: モダンエルダー

だが「年寄り」と「年の功」は、そろそろ分けて考えたほうがいい。「年寄り」はこの地上に長く存在しているというだけだ。「年の功」は、そうして生きた年月のあいだに成し遂げた蓄積だ。長い経験から知恵を引き出すことなく、ただ生きている人は多い。だが年功者は自分が学んだことを深く考え、それを知恵に組み入れて若い世代に提供する。年寄りは老けていて社会に頼っていることも多く、若者とは切り離されている。だがそれとは逆に、社会はこれまで「年の功」に頼ってきたし、年功者は若者の役に立ってきた。しかも今では介護施設に移る人の平均年齢は81歳(1950年には65歳だった)にもなり、「年寄り」ではないけれど「年の功」がある人はものすごい数にのぼる。

「年寄り」とかはある種軽蔑な意味合いを持つようになったけど、QueerとかRedneckみたいに昔は否定的な意味合いで使われてたけど今肯定的な意味合いで使われるようになった単語もある。
そういう意味でエルダー(elder)という言葉も肯定的(「年寄り」ではなく「年の功」的)な意味合いを取り戻す必要があるという話があった。
これが書籍のタイトルの由来。

今、インターネットがあって、いろんなところから知識を得るのは結構簡単になってきたけど、知恵を得るにはある程度経験とか年齢が関わってくることが多い。
書籍だとナレッジワーカーじゃなくてウィズダムワーカーという話があったのもこの辺が関わってきそう。

年齢差別を打ち砕く方法

年長社員に対するよくある誤解をひたすら回答していく、この章が個人的には一番面白かった。

  1. パフォーマンスとエンゲージメントが低い
  2. 変化に対応できない
  3. 学習能力が低い
  4. 在職期間が短い
  5. コストがかかる
    • 給料はあなたの価値なのか #19 で基本的に給料は下がることに抵抗感を持つ人は多いという話しもあわせてみると面白いかも。
  6. 信頼関係が築けない
  7. 健康面に不安がある
    • 年長者の方が分かれて社員よりも欠勤率が低いという話し面白い
    • あとアメリカ?だと医療費は、健康保険の対象である扶養家族の人数がファクターのほとんどなので、子供が成人してる年長者は逆に健康保険のコスト低くなることもあるってがなんか面白い
  8. ワークライフバランスが取りづらい

の項目で、それぞれ間違いだったり、思い込みだったりということを指摘していってる。

多様性の科学でもそういう話があったけど、年齢も多様性があった方がパフォーマンスが出るというアトラシアンの話が出ていた。

この誤解は差別にもつながることはあって、 次の話が結構興味深かった。

中年期やそれ以降の人生についてあまり想像がつかないからかもしれない。多様性というなら、ジェンダーや人種の多様性について語るほうがかっこいいし、まずそっちを正したほうが政治的にも適切なように思えるからかもしれない。だって、そうだろう?年長者にはその昔活躍するチャンスがあったけれど、女性や有色人種にはなかったのだから。年齢差別は比較的新しい現象だし、まずはジェンダーと人種の構造的な偏りを解消するほうが先じゃないかと。これはゼロサム的な考え方だ。無意識の偏見はどのような形であれ放置すれば、がんのように増殖し、広がっていく。「自分と同じような人と働き、自分と同じような人を顧客にしたい」といった狭い視野でいれば、「この候補者はカルチャーフィットするか」という純粋な問いが瞬く間に、構造的な差別や排他を招くことになる。自分ひとりの会社で従業員がいないのならそれでもいいかもしれないが、そうでないのなら、あなたとあなたの会社はより広い包括的な視点を持つ必要がある。

「年寄り」の話でも出ていたけど、誰でも年をとって「年寄り」になるは避けられないこと。
なので、この差別に無頓着だとあんまりよくないだろうなーって感じはした。

これ書きながら、GPS捜査の裁判について書かれた刑事弁護人という本でプライバシーについて面白い話があったのを思い出した。(この書籍自体も結構読みやすいし、プライバシーの考え方的に色々面白かった)

「やましいことがなければ、監視されても困ることはないはずだ」よくある反論だ。だが、これは、プライバシーの意味をはき違えている。プライバシーは、やましいことを隠すためにあるのではない。プライバシーが「誰にも干渉されることなく、自分のアイデンティティを形成するプロセスを守るもの」であるからこそ、人が個人として生きていくうえで不可欠な、重要な権利だと言える。

また「刑事弁護人」がなぜ犯罪者の弁護をするのかという話で次のような話があった。

被害者や遺族の側からすれば、そのように思われるのは無理のないことだし、理解できる。
ただ、「刑事弁護人」という仕事の本質が、あまりにも社会から理解されていないようにも感じている。彼女の考え方にもっとも近いのは次の言葉だ。
罪を犯したと疑われている人の権利を守ることは、自分を守ることでもある。
自分が弁護をしている被疑者・被告人は、もしかしたら自分だったかもしれないという感覚がある。犯罪をしたと疑われて自分が逮捕され、起訴され、裁判にかけられたとする。その過程で、自分の行為が必要以上に捻じ曲げられるかもしれない。実態よりも過度に悪質だと判断されるかもしれない。いくら「真実」を語っても、聞く耳を持ってもらえないかもしれない。さまざまな方法で自白を迫られ、ありもしない「事実」を言わされるかもしれない。
...
この圧倒的な力の差を無視して、公平・公正な裁判などできない。そこで、憲法は被疑者・被告人に適正な手続きを受ける権利(第31条)、弁護人を依頼する権利(第37条)、黙秘権(第38条)を保障することで、両者を対等な当事者と位置づけようとする。対等な当事者として公平・公正な裁判が行われなければ、被告人に刑罰を科す判決の正当性が担保されないからだ。こうした手続きのなかで、刑事弁護人は被疑者・被告人に与えられた正当な権利に基づいて依頼される。被疑者・被告人に与えられた権利を最大限行使し、強大な国家権力である捜査機関と対峙する役割を担う。国家権力が適切に行使されているのかをチェックする
──それが刑事弁護人の重要な役割なのだ。

いつ自分が起訴されたり、裁判にかけられたりするというようなことが自身に起きるかはわからないので、
そういう問題が起きた時に公正な扱いがされるようにチェックするのも刑事弁護人の役割という話。
なので、他人事(犯罪者だけの問題)として捉えるべきではないという話しだった。

時間は大体の人にとって平等で、いつかは誰もが年をとるので、年齢による差別を他人事として捉えるのはよくないことなんだなーと思った。
ガラスの天井みたいな見えない年齢フィルター見たいな求人は実際にあるとは思うので、この年齢の差別の問題はもうちょっと深掘りすると面白そうだなと思った。

40歳からの「転職格差」 と 50歳SEの生き方 を読んだ · azu/book-reviewとかだと、5歳ごとに求人数が半減していくと書かれていた。
モダンエルダーの書籍だと、日本の例もあって多分FROM40の話な気がした。

その他

最後の章がポエトリーだけど、参考文献を文章として紹介してて面白かった(人柄が出てる感じがする)
あと解説者が、それはちょっと違うんじゃない?って話を書いてたのもよかった。

中盤の作者以外の話が退屈だったけど、最初の方と最後の方(年齢差別あたり)とかは面白かった。
(Wisdom at Workの方がコンパクトだったのかも)
最初に、末尾の解説を読んだ方がわかりやすい書籍だったのかもしれない。

この書籍はモダンエルダーになる人向けに書かれていた感じはするけど、それ以外の人が読んでも面白い部分はあったと思う。

測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか? を読んだ

19 Feb 14:13
@azu azu
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測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか? #20

測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?を読んだ。

iPadのKindleで画面読み上げで聞いてメモも音声で書いたので、聞いた話したが正しいかも。

 「もっとも正確に、もっとも簡単に測定できる開発プログラムがもっとも変革的ではないもので、もっとも変革的なプログラムはもっとも測定しにくいものだという開発理論の中心的な原則を無視する」
ジェリー・Z・ミュラー. 測りすぎなぜパフォーマンス評価は失敗するのか? (Japanese Edition) (pp.169-170). Kindle 版.

元は The Clash of the Counter-bureaucracy and Development | Center For Global Development らしい。

これ書籍中で一番印象に残った。(これ自体が引用の引用)

透明性について

この本の著者は透明性が高すぎると議論が難しくなるから、不透明の状態が必要だという話をしていた。
例えば、情報公開要求であらゆるものが要求されたり、国家間の繋がりも不透明の上に成り立っている的な部分があるよという話をしていた。
過程まで全て公開してしまうと、水面下での交渉とかが難しくなるので、交渉が成立した時だけ透明化した方がいいのではという感じの話。
(WikiLeaksとかのスノーデンの話も否定的だった)

給料はあなたの価値なのかでも公平性についてで少し関連した話があって、透明性が高くなれば短期的には不満をもつ人が出るといった問題はあるけど、結果的に格差の問題は起きにくくなるという話をしていた。
格差の問題というのは不透明な情勢から発生することがほとんどだから、逆に透明性が高いとその格差を是正(公平性)する議論が行えるようになる(慣性が働く)という話があったのを思い出した

どちらも、透明性と人間の感情の話ではあったなーと思った。

透明性が高いだけでは全ては上手くいくわけじゃないという話はみる気がする。

たとえば、Open Collectiveは透明性が高いけど、そこに溜まったお金を取り出すには収支報告(経費申請)が必要で、個人から見ると少しハードルか高く感じるという話を聞いたことがある。(これは透明性に対するコストの話と捉えることができる)
後は、SlackでPrivateなチャンネルは禁止してPublicチャンネルのみにしたときに、Publicなチャンネルで発言するのが怖いので発言しないという話とかも見る(これは透明性と心理的安全性みたいな話と捉えることができる)

内的動機と外的動機

この本は、自然科学や工学的なものに対しては測定することは重要で信頼性がある。
一方で、人間に関することを測定してもその測定結果の使われ方によって、人間がハックしてしまって意味ある測定にならない可能性があるよって話しだった。

人間が測定をハックするケースというのが色々紹介されていて、主に外的報酬(お金とか)が測定結果に関わってくると大体おかしくなるよって話しだった。(報酬と懲罰を測定に紐づけるとハックされるよという感じ)

一方で測定結果が人間の内的動機(好奇心、探求心、向上心など)を強化するのに役立つことはあるよという話をしていた。
また、測定したデータを評価するプロセスには現場のグループが参加した方が良いという話が面白かった。
測定のシステムが機能するのは、その測定される対象の人がその測定の価値を信じている場合に機能するということ(これも内的動機っぽい)。

透明性をもって意味ある測定するのは難しい

透明性だけを目的とすると人間はそれを回避する行動を取ったり、
外的報酬と測定を紐づけると人間はそれをハックする行動を取ったりと難しい。

機械的な作業に対するログ(行動)は透明性を高めにもっても良さそう。
一方でそのログ(行動)に人間が介在する場合は、微妙なことが起きるのかもという感じ。

Certificate Transparencyログとかの透明性の仕組みによって互いの説明コストを減らせたり、互いを評価して安全性を担保する仕組み(人間が介在するとこれをハックするという話でもあるけど…)とかみたいなバランスの良い仕組みがあるといいのかもしれないけど、このバランスが難しいなーと思った。(この辺についていい感じの書籍とか研究とかあってあるのかなー)

この書籍はThe Costs of Accountability - The American Interestという記事をベースにして書かれたとのことだった。
最後まで読んで(聞いて)、パフォーマンス評価とコストの話をしていたのは、説明責任に対するコストの記事がベースになってちょっとバランス悪かったなとおもった
(後書きにこれが書いてあってやっぱりそうなのかと思った。タイトルをそっちに寄せて欲しかった)

その他

大学卒業の賃金への影響とか透明性の話とか給料はあなたの価値なのかと微妙に被ってる領域の話があったので一緒に読むと面白い

あと、透明性の話で慈善団体に透明性だけ求めるとコスト削減的な話(寄付したものがどこにいくら使われたという数値化しやすいところに話が集中してしまう)になってしまうので、目的の課題の解決に注力できなくなるという話があった。これはPragmatic Philanthropyでも同じ話があって、慈善団体でも会社のように活動するというSocial enterprisesみたいな話がこれに対する考え方になってるので、合わせてみると良さそう。

給料はあなたの価値なのか を読んだ

17 Feb 15:11
@azu azu
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給料はあなたの価値なのか #19

給料はあなたの価値なのか――賃金と経済にまつわる神話を解く | ジェイク・ローゼンフェルド, 川添節子 | ビジネス・経済 | Kindleストア | Amazon

あなたの給料はなぜその額なのか?──『給料はあなたの価値なのか――賃金と経済にまつわる神話を解く』 - 基本読書がきっかけで読んだ。

給料の決定に関わる4要素

  • 権力(power)
  • 慣性(inertia)
  • 模倣(mimicry)
  • 公平性(equity)

この4要素が賃金の決定に関わる要素であるというのがこの本のポイントで面白いところだった。
1, 2章はこの辺のポイントが中心の話だったのでかなり面白かった。

何が給料に影響しているかというアンケートもとっていて(決める側、受ける側)、その回答とも比較していて面白い。

権力は、そのままでCEOの給料水準が高いとか、競業避止契約を後出ししてくるとか、免許保持者しか参加できない職業とかがこの権力の例。4つの中でこれが一番影響力が高い。

雇用主は交渉が終わってから、競業避止条項を持ち出すことが多いからだ。マークスによる電気技師の調査では、署名した人のうち、仕事のオファーといっしょに競業避止条項を提示された人は3分の1しかいなかった。半数近くの人は仕事をはじめるまで知らなかったという。ある人の経験が典型だろう。「事前に説明は一切なかった。出社初日に目の前に書類が並べられた。健康保険、401(k)、そして競業避止契約。署名して仕事をはじめるか、署名せずに去るかしかなかった」  それはあなたに対する権力である

権力の例だとこの話が特に良かった

この権力によってある程度給料が決まってくると、そういうものだという慣性が働き出して、給料は固定化される傾向があるという話だった。(交渉での振れ幅が小さくなる)

また、有名な組織がそういう賃金体系だからという感じで他の組織がこれを模倣して、業界全体で給料が固定されてくる。
これは、企業が別の企業の賃金調査をしてそれをまねる感じ。
アメリカだと50%が、前職の賃金を聞いてそれを新しい職場の初任給の交渉材料とされたというデータもあったりして、これも模倣の一種。(法的に禁止している州もある)
この模倣は、前職での格差も模倣してしまうので、差別による給料の格差を固定化してしまうことがあるというのがなるほどと思った視点だった。
この模倣は、他社がそうやっているからという感じで正当化に使いやすいので色々なときに起きているのだろうという話。

公平性という話が色々面白くて、人間の感情的なもの。
一つ例として面白かったのは、給料を下げるということは不公平感だと感じるため、下げる選択が現実ではあまり起きないという話。
本当に需要と供給によって給料が決まっているなら、給料が上がることがあれば、給料が下がることもあるという理論モデルが実際に起きる可能性がかなり少ない傾向があるという話が結構面白い。
需要が少なくなったサービスにおける賃金は下がるはずだけど、実際には下がらないで維持される。(経済用語では硬直というらしい)
これは、実際に下げてしまうと給料を受け取る側は奪われたという不公平感を感じるため、士気が下がったり敵を作ってしまうから、経営者は下げることを避ける傾向があるという話。

賃金は、需要と供給から決まるというのは理論的な話に留まっていて、実際には賃金の低下は硬直性におきにくくなっている。そのため、需要と供給の理論とは異なる動きになっているという話 面白いなーこれ。
これの背景には人間の感情的な要素が関わってくるのか https://a.co/38bGM1G
-- https://twitter.com/azu_re/status/1493598502206722056

あと同じく公平性の話で同じ仕事をしてるのに、地域によって物価が異なるので、地域によって給料に物価を反映させるとこれを不公平と思う人もいるという話もちょっとなるほどと思った。

この話を読んでいてGitLabとかの話を思い出した。
Location factorを給料に使ってる会社としてはGitLabが有名。(以前はLocation factor公開してたので、これを模倣してた会社もあったのが、模倣が要素ということを強調してる感じはした)

DHHがLocation factorは適正なのかという似たような話をしていた。こういうのを見てたので公平性が給料の要素に関わっていると言われてなるほどー思った。

権力(power)、慣性(inertia)、模倣(mimicry)、公平性(equity)の要素は、給料を固定化する方向じゃなくて、上げる方向にも関わってる。
たとえば、同じ業界で他の会社がこれぐらい出しているという情報を理由で給料交渉したりするのも慣性/公平性あたりからきている感じがする。

一方で、これは情報を知っていることで行動に移せるという前提があって、情報を知らないと多くの人が行動に移せない(その給料が妥当なのかどうかは判断できないから。給料について話をするのを禁止することを禁止する法律の話も面白い)

情報が公開されていれば、それを使って交渉が働くようになる。(慣性が上昇の方に働く)
給料に関する情報が公開されると、同じ仕事をしていて低めに設定されている人はそれを不公平だと思って辞める可能性があったり、透明性の高い企業は同じ利益水準でも平均給料が高い傾向があるので企業にとっては負担があったりはするけど、給料についての透明性を上げると給料の格差(ジェンダーや色々な問題による格差)が減るという話は結構興味深かった。

日本でこういう給料の透明性について動いてる組織/団体/業界ってあるのかなーというのが気になった(募集)

とかも似たような背景があるのかなーと考えてた。

公平性はやっぱり感情的な話になるので、一つの答えはない気がする。
ただ、透明性を上げると歪なものは形を保ちにくくなる圧力になるんだなーと思った(何が歪なのは主観的なものだとして)。

この辺の話が1,2,3章ぐらいで面白い本だった。
他にも、多くの人が個人の成果が給与額を決める主な要因だとしているけどそれが4要素に入ってない理由とか、大学卒業と給料の関係性の話、株価の最大化と格差の問題とか色々あって面白い。
本の後半はちょっとアメリカ特有の話題が多くなっていて、少し読みにくい感じがした。
ただ前半はかなり面白い書籍。

どこでもオフィスの時代 人生の質が劇的に上がるワーケーション超入門

29 Jan 13:19
@azu azu
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どこでもオフィスの時代 人生の質が劇的に上がるワーケーション超入門 #17

どこでもオフィスの時代 人生の質が劇的に上がるワーケーション超入門 (日本経済新聞出版) | 一般社団法人 みつめる旅, 山口周 | ビジネス・経済 | Kindleストア | Amazon

ワーケーションってなんなのかよくわからずにワーケーションしてたので、読んだ。

最近は、出社するかしないか、オンライン/オフラインとか自分自身で選択できるようになって、多くの人の自分で決める選択肢が増えたという話が面白かった。この自分で決めるの延長にワーケーションもあるという話だった。

「wantの発見」→「能動性の再起動」→「結果の引き受け」。この一連の流れが、「自分で決める」には埋め込まれているからこそ、

リモートワーク = 日常、ワーケーション = 非日常ぐらいの分類で、人によって何がワーケーションかは異なるねって話だった。

場所を選ぶことについて

よく考えてみると、どれも「過去の自分」が選択したものに基づいて「次の出会い」が決められています。 つまり、大げさな言い方に聞こえるかもしれませんが、「今の自分」がこれからやろうとすることがいちいち「過去の自分」の選択によって左右され、「未来の自分」が形づくられていくわけです。

レコメンドは基本過去の行動が元にされてるから、あんまり偶発性ないねって話。
この偶発性を求めて、完全に何も決めずにその場所に行くのはちょっと機会損失な部分もあるので、半分ぐらい調べて余白を持たせるのがちょうどいいよって話だった。

1週間以上の長期の場合だと、実際にそんな感じでワーケーションやってることが多かった。
通常の旅行みたいにスケジュールをキッチリやると結構疲れる。1日1つぐらいの目的を決めて行動するぐらいのイメージでやると余白があって、いいかなーって感じ。

ワーケーションにおいて、なぜそれほど「偶発性」が大切なのかについて、もう少し踏み込んで説明したいと思います。ひと言で言えば、その理由は、 旅の中にふんだんに「偶発性」を盛り込むことで、予期せぬ豊かな刺激と出会い、それにより人生の幅が押し広げられていく からです。つまり自分の中に染み込んだ「フォーマット」を脱ぎ捨て、「未来の自分」を生きていくための素地が作られていくのです。  では、具体的にどうやってワーケーションに「偶発性」を取り入れていけばいいのでしょうか。  例えば、スケジュールの組み方。車で1時間ほどの場所に行くのか、飛行機を乗り継いで何時間もかかるような場所まで足を延ばすのかによっても変わってきますが、1泊2日の弾丸スケジュールを組んだり、出発前からぎっしり旅程を詰めたりするのではなく、少なくとも3泊以上、できれば1~2週間ほど時間をたっぷり確保して、 旅先に着いてからある程度「出たとこ勝負」で過ごし方を決められるような「余白」を残しておく ことをおすすめ

この本だと偶発性は結構大事にしてる感じだった。
似たような時間のバランスでやっていたけど、想像よりは偶発的は起きにくいかもと思った。
これは調べる時に思っていたよりインターネットに寄ってしまう、偶発性が起きにくいかもと思った。
(現地の案内はいかにも観光が多かったり、出歩いてやるにも結局マップを見てしまったりする。)

自分の旅行とかは結構Googleマップペースで行く場所に 📍 を打っていって探すみたいなことをやってるので、もうちょっとランダムで新鮮な情報を取得する方法があるといいなー

ワーケーションにおける「WORK」には、大きく分けて次の3つがあります。 ①普段やっている仕事を同じようにする ②普段できない仕事をする ③次の仕事のネタを探す
...
もっと言えば、 ①の比重は必要最低限に抑えて、②と③に時間を割くことを意識した方が、「わざわざ出かけていった意味」を実感できるいいワーケーションになります。

これは実際そんな感じでやってた気がする。
何かやること(考えること)を事前にNotionとかで決めておいて、それをやってたりとかしてた。
あとは、歩きながら考えるみたいなことが多い。
この時にやるテーマとして、普段やれてなくて放置してたネタを選ぶことが多い。(実際に進みやすいという感覚がある)

大体寝る前に、翌日に観光的な候補を決めておいて、当日の天気でやるかを決めるみたいなパターンが多かった。

①普段やっている仕事を同じようにする は罪悪感とかもったいない感が出てしまうので、避けた方がいいというのは確かにそんな感じがする。何かを修正するみたいなやつよりも何かを新しく作るみたいなものを選んだ方が楽しい感じになる。
Meetingは比較的にやってても楽しい感じになることが多かったかもしれない。(けど基本は任意参加ぐらいにしておくといい感じ)

長期宿泊のホテルとかだと正午前後は掃除とかで部屋やラウンジが使えないことがあるので、朝出かけて観光してお昼ぐらいに帰ってきて、昼から夜は作業するみたいなルーチンが結構やっていてよかったなーって気がする。(夜出かけるタイプではなかったので)


書籍の後半は、会社の制度でやってる例とかそういう話だった。

40歳からの「転職格差」 と 50歳SEの生き方 を読んだ

17 Oct 15:14
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40歳からの「転職格差」 まだ間に合う人、もう手遅れな人 #14

40歳からの「転職格差」 まだ間に合う人、もう手遅れな人

久松剛さんのブログでよく推薦図書としてでてきてたので読んでた。

この本は特にプログラマーとかSEとかに限った話じゃなくて、色んな職種がテーマになってる。

この書籍の特徴としては、一般的、平均的な40歳の転職について書かれてる感じ。
35歳定年説がなくなったとかの話は、その話の出どころに偏りがあるかもしれないので、冷静に見ましょうねってスタンスの話があった。

「35 歳限界説はもうなくなった」という論調は、事実であれば好ましいことなのですが、実数を見て冷静に判断する必要があると考えています。 35 歳限界説がなくなったという話は、多くの場合、エグゼクティブに強い人材紹介会社の方から発信されています。

とか

「企業は今、 40 代を求めている」「 40 代でも転職しやすくなった」といった印象を受けます。しかし、実際には 20 代、 30 代の若い人たちの需要が圧倒的多数なのは変わっておらず、「あまりにも採用が難しい職種だけは年齢基準を上げてみようか」というのが企業側のホンネであり、求人倍率が高まっている背景なのです。  この他にも、求人市場が活況になると、「これまで需要が低かった業種・職種」でも需要が改善します。そうした報道の裏で、「もともと需要が高かった業種・職種」はそれ以上に需要が急騰しており、平均した全体の数字を見ると、「これまで需要が低かった業種・職種」の実態以上に改善しているように見えるということも多々あります。

転職マーケットの市場規模

日本の転職、中途採用のマーケットは大体120万人ぐらいという話が面白かった。
職業別就業者数が6500万人ぐらいなので、意外と小さいマーケットなのかなと思った。

2030年の労働市場と人材サービス産業の役割」05.人材ビジネスの市場規模・事業展望|Works University 人材ビジネス講義|リクルートワークス研究所を見た感じの年間就職者数だと次のような感じ。(どっちもデータの出典は同じだけど、年度が違うっぽい)

  • 求人広告: 200 ~ 300万人
  • 職業紹介: 50 ~ 80万人
  • 派遣: 170 ~ 190万人
  • 請負: 77万人?255万人? (なんか実体がちゃんとつかめないらしい)

これは、新規就職とかも入ってると思う。

image

統計局ホームページ/労働力調査(詳細集計) 2021年(令和3年)4~6月期平均結果の年齢階級別転職者数及び転職者比率(エクセル:21KB)によると年間の転職者数はだいたい 200万 ~ 400万人ぐらい。
これは転職者数なので、転職市場規模とは異なるだろうけど、転職、中途採用のマーケットの120万人という話はどこ出典なのかよくわからなかった。

転職マーケットは結構小さく感じる。(1件の金額は大きいのだろうけど、人数的な意味で)
100万人前後だと、だいたい年間の出生数と同じぐらいの数値。

120万人の分類の話で、

人数で言うと、有料の求人広告で 30 万人、人材紹介(エージェントとか)で 10 万人、縁故で 25 万人、ハローワークで 25 万人、あとは自社のホームページ経由などで 10 万人ぐらい。これで合計100万人

縁故(リファラル)とホームページ経由って意外と多いんだなーとか思った。
最近だとYOUTRUSTとかMeetyとかよく見るようになったので、求人広告周りも変わってる感じがする。

Watntedlyとかの求人メディアとして曖昧な感じなところも、次の議論とかでどっちかに寄ってくる気がする。

反例

これは、なんかこの書籍はいろいろな反例として読むと面白いなと思った。

会社が成長しないために世代交代が進まず、「役職が上がらない」「給与が上がらない」といった不満がきっかけで転職を考え始める人は約 20%、5人に1人の割合です。   40 代転職者の転職後の年収を見ると、 10%以上上昇した人が 32・2%、 10%以上減少した人が 32・9%とほぼ同じです。ただ、 20 代、 30 代では、転職後に 10%以上年収が上がる人のほうが、 10%以上年収が下がる人よりも5~ 10%多いことを考えると、 40 代の転職では、年収が減少する可能性が高いと言える

  • こだわりを持ちすぎて転職に失敗するケースの話
    • 年収、役職、企業規模にこだわりすぎて失敗した事例
    • must条件とwant条件はちゃんと分けようみたいな話が面白かった
  • 2,3,2年みたいな転職を繰り返している人は、ネガティブな印象が持たれるかもという話
    • 例外として、金融、IT、コンサル系だと、そういう人も多いのでこの辺は許容されやすいという話

ブーメラン

 一般に、自分の故郷に帰る転職はUターン転職、ゆかりのない地方に行く転職をIターン転職と呼びます。また自分の故郷の方向ではあるが、途中の地方まで帰ることはJターン転職と言い

とか

 こうした人たちの多くは、介護していた親が亡くなると、故郷から東京などに戻り、再度転職をしています。介護のために故郷の企業に転職し、親が亡くなって戻ってきてまた転職する「介護ブーメラン転職」とでも呼ぶべき状況も生まれてきているのです。  

全然書籍の本筋とは関係ないけど、転職業界ってなんか回転する単語がやたらでてきて面白い

その他

最後の方は、
転職市場は、 35 歳、 40 歳、 45 歳、 50 歳、 55 歳と5歳刻みで求人数が半減していくので、
異業界、異職種への転職でも役立つポータルスキルも大事だよって話とかのアドバイス的な話だった。

現実の話の比重を置いている書籍だなと思った。

この本の反例にあたる50歳SEの生き方 #15 も一緒に読んで、比較しながら感想書いてみた。

50歳SEの生き方 #15

50歳SEの生き方 | 松山貴之, 牛島美笛 | 実践経営・リーダーシップ | Kindleストア | Amazon

こっちも久松剛さんのブログでよく推薦図書としてでてきてたので読んでた。

40歳からの「転職格差」 まだ間に合う人、もう手遅れな人 #14 と一緒に合わせて読んでいた。

40歳からの「転職格差」 まだ間に合う人、もう手遅れな人 #14 がちょっと暗めの話に対して、50歳SEの生き方は明るめな話が中心だった。

本書に載せる際に重視したことは、働いている本人が「幸せ」に感じているかどうかである。実際、取材したほとんどの人は、今の仕事にやりがいを感じている。役職などではなく、仕事そのものにモチベーション高く取り組んでいるのだ。自分から「幸せです」とはなかなかおっしゃらないが、「幸せ」といえるものばかりであった

50代(2020年前後)の人は、バブル期に未経験で一斉採用された人が多いというのが特徴的らしい。

SEの高年齢化が進む  厚生労働省の統計調査によると、SEの年齢構造は2000年を境に大きく変わっている。1990年代は 20 代と 30 代のSEが 90%以上を占めていたが、2000年を境に 40 代SEが増え続けている。5年前(2013年)の統計調査によると、 20 代と 30 代で併せて 60%、 40 代以上が 40%を占めている。5年前の時点で 45 歳以上のSEは約 25%を占めており、今(2018年)はその世代が 50 代になっていることから、現在、 50 代SEはおそらく 20%程度を占めていると思われる -- 高齢化するソフトウェア技術者の労働市場に関する実証

結構割合多いんだなーと思った。

インタビュー中心の内容

内容は50代SEの人にインタビューをして、その内容を中心にかかれている感じ

本書に載せる際に重視したことは、働いている本人が「幸せ」に感じているかどうかである。

というテーマ通り、読んでいて結構楽しかった。
「50歳SEの生き方」というタイトルなので、ちょっと暗そうな感じがしたけど、インタビュー中心でエッセイ的な感じなので軽く読めて面白い本だった。

特にAGC株式会社の三堀さんの話が良かった。

「ただし、会社員という就業形態を取っている以上、新しい技術を追求するばかりでは評価されない。「会社が欲しているのは技術ではなく、成果である」ということを前提に、「この技術を使えば会社にどのようなメリットを生み出すことができるか」を常に考えている。 「自分の中には、技術に対する興味の軸(『面白い』『あまり興味がない』)と、会社にとって役立つかどうか(『必要とされている』『必要とされていない』)という2軸があり、世の中の技術をこの座標上で考えています。理想は、『面白くて会社に必要とされる』技術です。あまり興味がなくても、会社が必要とするなら精いっぱい取り組みますが、できるだけ理想の仕事にするには、日頃から周囲に『こんな技術が面白い』『今、自分はこんなことができる』と話すことです。会社には、システム更新や新規事業の立ち上げなど、さまざまなタイミングがあり、そのタイミングが来てから技術を探していてはもう手遅れです。なので、普段からいろいろと調べておいて、ちょうどいいタイミングですぐできるように準備しておきます。そういう仕事はとても楽しいですね。自分の中では仕事は楽しいと思っていますが、大変なことが8割以上です。残りの2割くらいは楽しい要素を入れたいと思ってやってきました」

この辺の、欲しくなった段階で探すのはちょっと遅くて、日頃から触っておいて欲しいタイミングで使えるようにしてみるという話。
普段似たような行動してるきがする。

この本のインタビューで出てくる人は、部長とかそういう感じの役職の人が多かったので、
40歳からの「転職格差」 まだ間に合う人、もう手遅れな人 #14 だと35歳定年説の反例として扱われていた人が多いかも。
(でも、自分はジェネラリストと言う人が多かったかも)

あと、タイトルどおり"50 代に入って痛感する「体力」「気力」の減退"とか、更年期障害の話、定年、雇用延長と再雇用の違いとか、タイトルっぽい年齢向けの話が書かれて面白かった。(コラムで差し込んだりするのが面白い)

その他

ロールモデル不在で不安が募る 50 代SEたち  今ITの現場では、大量のシニア社員が余っているにもかかわらず、人手が不足しているというアンバランスが生じている。そういう状況にありながら「自分のやりたい仕事ができない」と嘆くベテランSEの声を多く聞くが、自分が何をやりたいのかを認識しているベテランSEは少なく、どこを目指していいかわからずに苦しんでいる状況にあるのだという。

このロールモデルがいないという話はどの年代でも聞くような気がするけど、逆にロールモデルがちゃんとイメージとしてある年代ってあるのかな?

WORK DESIGNでは女性のロールモデルの話があった。
実際にロールモデルとなる人を頻繁に見ることで、見た人への影響があったという話。
このロールモデルの介入効果は、実際にそのロールモデルにふれる機会がないと効果が出にくいと考えられている。
なので、役員会とか普段あんまり見えない人だと、実在はしてても介入効果が起きにくいのかもという話があった。

この辺のロールモデルの話は一般社団法人Waffleさんに寄付するときに調べてphilan.netのコメントに書いてた。


﨑山さんの話で、自分を変える能力はどんどん低下するので、周りの環境を変えましょう?という話がなんか面白かった。

『自分を変えようとしなくていい。自分を変える能力はどんどん落ちていますから、自分を受け入れてくれる人や自分にないものを持っている人を周りに置いてください』と言うのです。さらに『若い人に任せましょう』『苦手なことからは逃げましょう』と繰り返し話します。そういう環境を自ら作り出すことができれば、シニアになっても自分のやりたいことだけやることができます」

この書籍は、柔軟性(そう解釈した。この柔軟性の取り方が色々あると解釈)が大事だよって言ってる人が多かったかもしれない。
40歳からの「転職格差」 まだ間に合う人、もう手遅れな人 #14 では、こだわりを持ちすぎて転職に失敗するケースの話とかもあったので、そういうところも一緒に読むと面白いかもと思った。

#14 ではポータブルスキルの話だったけど、こっちでも一つの専門性だけだと辛いという話が最後の方ででてきた。
ダブルメジャー(複数専攻)だったり、ダブルワーク(今まで技術が8割だったら、それを6割とかに落として他の割合を増やす)、改めて基本的なビジネスマナーを学んでみてはという話があった。
この辺の異業界、異業種の話へ展開していくのは、40歳と50歳どっちの本もちょっと似た話をしているかも。

97 Things Every Information Security Professional Should Knowを読んだ

28 Sep 12:19
@azu azu
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97 Things Every Information Security Professional Should Know #11

97 Things Every Information Security Professional Should Know

Information Securityについての97本。
97のInfoSec版がでてたので読んだ。マインド的な話も多いけど、それぞれ1ページぐらいなのでさっと読める感じ。

以下は気になった章。

16. Four Things to Know About Cybersecurity

https://learning.oreilly.com/library/view/97-things-every/9781098101381/ch16.html

サイバーセキュリティ 4つのこと

  • hacker is not attacker
  • 脆弱性開示ポリシーは防御を強化する
  • 燃え尽き症候群が本当のリスク
  • スキルアップの機会が重要

19. Insiders Don’t Care for Controls | 97 Things Every Information Security Professional Should Know

https://learning.oreilly.com/library/view/97-things-every/9781098101381/ch19.html

外部の攻撃者が防御システムを通過したあとは、内部(インサイダー)の脅威と何も変わらないため、インサイダー視点での組織の脅威モデルを実行する必要がある。

27. New World, New Rules, Same Principles | 97 Things Every Information Security Professional Should Know

https://learning.oreilly.com/library/view/97-things-every/9781098101381/ch27.html

世界やルールが変わっても、原則は変わらない

28. Data Protection: Impact on Software Development | 97 Things Every Information Security Professional Should Know

https://learning.oreilly.com/library/view/97-things-every/9781098101381/ch28.html

データには3つの状態があると考えて、それぞれを保護する話

  • Rest 保管
  • Transit 転送
  • Use 使用

https://github.com/slsa-framework/slsa でも似たような状態を考えると面白そうと思った

32. DevSecOps Is Evolving to Drive a Risk-Based Digital Transformation | 97 Things Every Information Security Professional Should Know

https://learning.oreilly.com/library/view/97-things-every/9781098101381/ch32.html
Code Security Is Becoming Simply “Security”

34. Security Is People | 97 Things Every Information Security Professional Should Know

https://learning.oreilly.com/library/view/97-things-every/9781098101381/ch34.html

これ本全体で一番よかったかも。
people are the weakest linkとよく聞くが、「人」「プロセス」「技術」では「人」がもっと重要であると考えることが大切。
組織は、セキュリティを実現するために存在しているのではなく、セキュリティは、組織を構成する人々によって実現される組織の目的を確保するために存在しているため。
セキュリティの解決策として強制的な制約や障害を人に持ち込むと、ただ反感を買う。なので焦点を当てるべきことは、セキュリティが個人にとって重要なのかを教えること。
受け入れられない人が出た場合は、その人が組織にあってないだけなのか、単にその対策に問題があるのかを再考する必要がある。その対策が人をどのように守るかが説明できないなら、それが必要なのかを考え直すべきである。

59. DevSecOps: Continuous Security Has Come to Stay | 97 Things Every Information Security Professional Should Know

https://learning.oreilly.com/library/view/97-things-every/9781098101381/ch59.html
恐怖の文化 → 意識の文化 → 測定の文化 へ移行すること

70. Threat Modeling for SIEM Alerts | 97 Things Every Information Security Professional Should Know

https://learning.oreilly.com/library/view/97-things-every/9781098101381/ch70.html

アラートの誤検知率が高くなってノイズとなる問題への対処

  • アラートを脅威モデル化
  • アラートの右側に何をターゲットとしているの名前を書く
  • 攻撃パスモデルでの可視化
  • アラートの対応へのプレイブック

87. Don’t Let the Cybersecurity Talent Shortage Leave Your Firm Vulnerable | 97 Things Every Information Security Professional Should Know

https://learning.oreilly.com/library/view/97-things-every/9781098101381/ch87.html
セキュリティエンジニアが足りないという問題。 これは教育機関では解決できない“経験“という問題があるため、既存のチームで満たす方法を考える必要がある。
ソフトウェア/ネットワークエンジニアをトレーニングする。
一番重要な教訓としてサイバーセキュリティエンジニアだけの人はいないということ。 優れたサイバーセキュリティエンジニアはソフトウェア開発やネットワークなどの経験がある。

読んだ本: 高次脳機能障害、脳のはたらき、The Missing README

24 Sep 02:39
@azu azu
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高次脳機能障害 どのように対応するか #1

高次脳機能障害 どのように対応するか PHP新書 | 橋本 圭司 | 医学・薬学 | Kindleストア | Amazon

行動変容法というアプローチの話が良かった。

基本的な対応として、まずは好ましくない行動に標的を定め、その行動を引き起こす要因、あるいは脱抑制の症状を激しくさせる要因を探します。それがわかったら、要因を減らす対策をたてる。そして、実行するというプロセスです。たとえば、ある男性が作業所で作業をしていると、いつも怒り出し、ほかの利用者に暴力をふるっているとする。まず、なぜ怒り出すのか、その要因を探す。観察したところ、いつも殴られているのは、どうも同じ利用者のAさんのようである。また、いつも再生紙のハガキをつくっているときに怒り出すことがわかった。この場合、脱抑制を増強する要因はAさんで、二人はハガキづくりの時間に隣同士で座っていることに気がついた。対応は簡単で、二人の席を離す、二人のあいだについたてを置く、二人の利用日を変える、などになります。
このように、問題行動に照準を合わせ、それを軽減していく手法を「行動変容法」といいます。

問題行動のおきるプロセスを見つけて、それを軽減していく行動変容法は、薬に頼らないアプローチとして使われている。

面白かった箇所:

  • リハビリによって低下した能力を戻すではなく、新しい自分を見つけることに
    • 戻すことを目標にするのは、歪みを生む
  • 易疲労性(覚醒の低下/いひろうせい)脳を損傷して間もない時期、患者さんはたくさん眠ったり、起きていても眠かったり、すぐに疲れてしまったりと、全体的にボーっとした状態になります。これらの症状は、急性期を過ぎても続いているケースが多く、何もしていなくても疲れてしまうことがあります。これらの症状を「易疲労性」、あるいは「覚醒の低下」と呼びます。
    • → 対処として天気の悪い日だからこそ動く癖をつけるなど

高次脳機能障害についてかなり読みやすく書かれて良い書籍だった。
リハビリへのアプローチ、遂行機能の話、行動変容法、易疲労性への対処法とかの具体例も多くて、この辺は障害関係なく普遍的に役立つ話だった

もともとMemory Noteを作っていて、脳の記憶に興味持ったので読んでいた。

The Missing README #2

The Missing README

新人ソフトウェアエンジニア向け書籍。
コード、設計、テスト、リファクタリング。 例外処理やログ、依存管理、コードレビュー、CI/CD、インシデント対応。 コミュニケーションやプロジェクト管理など幅広いことがすっきりとまとまってる。 章ごとにDo/Do Notや参考書籍がまとまっている。

もう少し詳しめのレビューを書いた。

脳を司る「脳」 最新研究で見えてきた、驚くべき脳のはたらき #3

脳を司る「脳」 最新研究で見えてきた、驚くべき脳のはたらき (ブルーバックス) | 毛内拡 | 科学・テクノロジー | Kindleストア | Amazon

実際に脳の研究してる人が書いたっぽいので読んだ。
この本もBrain BLAST!: 健康な脳のカギを握る脳の中のメタコミュニケーション - YouTubeみたいなアウトリーチの一貫として書き始めたらしい。

  • 脳、細胞、神経の動きについてどのように研究されてわかってきているのか、結構順序立てて書かれて面白かった。
  • 脳のシナプス、ニューロンの動き
  • 脳にはシナプスがびっしりというわけではなく脳にも「すきま」が存在して、そこに間質液と呼ばれる無色透明の体液が流れてる
  • いままでの研究手法だと、観測しようとしたときに間質液が蒸発?してしまって観測できてなかったのが原因で面白い
  • 電子顕微鏡の技術が発達したとことで、いままで認識できてなかったものが認識できるようになったという話
  • この間質液と脳脊髄液とが日に循環して交換されているという仕組みをグリンファティック・システムと呼ばれるやつがあるという予測があるけど、まだ観測されてないので不確定

脳にはニューロンの他にグリア細胞というのがあって、ニューロンとグリア細胞の比率は半々ぐらいと言われてる。
このグリア細胞の話が面白かった

一昔前まで、ヒトでは、ニューロンとグリア細胞の比が1:50と言われていたこともあり、少なくともグリア細胞がニューロンの10倍以上存在するという説は根強く存在しているようです。巷の本やテレビ番組で言われている「私たちは脳の10分の1しか使っていない」

ニューロンとグリア細胞の比率が、脳はn分の1しか使ってないという話の由来になっているのでは?という話が面白かった。

脳の中の流れとかは実際に生きた状態で観測する方法がなかったりして、まだ確定してないことがあるので、それを観測できるようになると今まで言われてたこととは実際は異なるかもねって感じで良かった。
(実際に今までの予測と事実は違うことがあったりはしてた話もでてきた)


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