縦書きに対応したテキスト #86
KobayashiToshi
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3.5 縦書きに対応したテキスト
縦書きにする場合,テキストの扱いで横書きといくらか異なった事項がある.そうした事項を,ここでは解説する.
3.5.1 縦書きの数字の表記
縦書きの数字は表記の方針としては,大きくは漢数字を使用する方法とアラビア数字を使用する方法があり,さらに,それぞれの表記方法でも,十,百,千,万等の単位語の使用でも複数の方法がある.最近では,アラビア数字を使用する方法が増えている.
どのような方針にするかは,原稿内容や執筆者の方針を考慮して選択し,整理する.なお,二酸化炭素,六価クロムのように横書きでも慣習として漢数字を使用する例があり,同一のテキスト内でも,表現する内容により複数の異なった数字の表記方法が採用されている例が一般的である.
3.5.2 アラビア数字の扱い
縦書きのアラビア数字は,以下のような3つの表示方法がある.
一般に1桁および3桁以上は最初の方法,2桁は最後の方法を選択する例が多い.
テキストとして,こうしたことへの対応が必要になる.以下の2つの方法がある.
なお,1(U+0031),2(U+0032),3(U+0033)のようなプロポーショナルなアラビア数字を使用すると,縦書きでは,通常は横倒して表示され,1(U+FF11),2(U+FF11),3(U+FF11)のようなfullwidthのアラビア数字を使用すると,縦書きでは,通常は正立して表示される.
なお,2桁のアラビア数字などについて縦中横の機能を利用し,正立する場合は,テキストとしては,プロポーショナルなアラビア数字を使用し,後の工程で指示を施すか,処理系の機能を利用し,縦中横の機能を利用し正立させる.
3.5.3 数字の桁を示す読点など
数字の桁を示す,または概略の数字を示す場合に読点を使用する例がある.この読点は,一般の読点と同様に読点の後ろの余白をそのままにする方法と,読点の後ろの余白を削除する方法がある.
例 一二三、〇〇〇円 二、三人
一二三、〇〇〇円 二、三人
読点の後ろの余白を削除する場合は,テキストでは,通常その処理はできないので,後の工程で余白を削除する読点に指示を施すか,処理系の機能を利用して,読点の後ろの余白を削除する.
3.5.4 小数点の扱い
アラビア数字を横倒しにする場合の小数点は,横書きの場合と同様にピリオド“.”(U+002E)を使用する.これに対し,漢数字または正立するアラビア数字の小数点には,中点“・”(U+30FB)を使うのが原則である.
したがって,漢数字または正立させるアラビア数字の小数点は,テキストでも中点にしておく.
なお,この小数点としての中点の前後の余白をそのままにする方法と,削除する方法がある.後者の方針の場合は,次のようにするといよい.
3.5.5 ラテン文字の扱い
ラテン文字は,原則としてアラビア数字と同じ扱いであり,次のようになる.
一般に1文字のラテン文字や,DNAのような頭字語は正立させる例が多い.
なお,A(U+0041),B(U+0042),C(U+0043)のようなプロポーショナルなラテン文字を使用すると,縦組では,通常は横倒して表示され,A(U+FF21),B(U+FF22),C(U+FF23)のようなfullwidthのラテン文字を使用すると,縦組では,通常は正立して表示される.
縦中横の機能を利用し,正立させる場合も,アラビア数字と同様である.
3.5.6 句読点
縦書きの読点には“、”(U+3001),句点には“。”(U+3002)を使用する.
なお,横書きの句読点では,欧文の使用が多いテキストなど,欧文にならい,欧文の句読点を使う次のような例がある.
こうしたテキストをコピーまたは流用する場合は,句点は“。”(U+3002),読点は“、”(U+3001)に直すようにする.
3.5.7 箇条書きの番号の後ろの句読点
縦書きの箇条書きの番号の後ろに句読点を付ける場合,一般に読点“、”(U+3001)を使用する.
なお,横書きの場合は,ピリオド“.”(U+FF0E)を使用する例が多い.こうしたテキストをコピーまたは流用する場合,ピリオド“.”(U+FF0E)をそのまま縦書きで使用する例もあるが,見た目のバランスがよくないので,ピリオドは削除し,一定のアキを確保するなどの方法を検討するのが望ましい.
3.5.8 人名表記での省略符
縦書きで人名を表記する場合,省略符の問題がある.
一般に縦書きで人名表記を表記する場合,省略符は使用しないで,区切りとして中点 “・”(U+30FB)を入れる方法が多い.
横書きでは,以下のような方式にする場合,
フランクリン・D. ルーズヴェルト
フランクリンD. ルーズヴェルト
H. C. アンデルセン
縦書きでは,次のようになる.この場合,1文字のラテン文字は,正立して表示する.
フランクリン・D・ルーズヴェルト
H・C・アンデルセン
ピリオドを使用した横書きのテキストをコピーまたは流用する場合には,注意が必要である.
3.5.9 括弧類
括弧類は,縦書き,横書きで共通して使用するもの(「」『』()[]〈〉など)が多い.しかし,ダブルミニュート〝(U+301D),〟(U+301F)は,主に縦書きで使用し,コーテーションマーク`(U+2018),’(U+2019),“(U+201C),”(U+201D)は,主に横書きで使用する.ただし,コーテーションマークを欧文中で使用し,横倒しにして配置する場合は,縦書きでも使用されている.
コーテーションマークを使用したテキストをコピーまたは流用して縦書きにする場合は,次のようにするとよい.
注 ダブルミニュートは,入力がやや面倒である.よく使用する場合は,かな漢字変換の単語登録機能を利用してもよい.
3.5.10 単位記号
数字には単位記号が付くことがある.縦書きでは,一般に,“メートル”のように片仮名で表記する例が多い.
なかには単位記号として縦書きでもSI,つまりラテン文字などを使用する場合がある.この場合,ラテン文字の扱いと同じである.正立させるのか,横転させるのか,縦中横機能で正立させるのか,方針を決めてテキストを準備するとよい.
SIでは,上付きが付く場合がある.この場合,横転させるのか,縦中横機能で正立させるのか,方針を決めてテキストを準備する.
なお,単位記号には,例に示すような合字またはそれに同類の記号がある.これらは,スペースがない場合など,特別な場合に使用するが,一般の表記では避けた方が望ましい.
例:㍍(U+FF0C),㎜(U+339C)
3.5.11 数式や化学式
数式や化学式が多いものは,縦書きにする必要性は少ないが,なかには縦書きで扱う例もある.この場合は,横書きと同様にテキストを準備し,数式や化学式は横倒しにして表示する.
なお,数式や化学式は,横書きでは,左右中央に配置する例が多いが,横書きでは,左右中央にしないで,行頭そろえとし,2文字程度の字下げをする例が多い.この処理も,後の工程で数式や化学式に指示を施し,字下げ処理を行うとよい.
数式や化学式は,文中に挿入する方法以外に,図版のようにボックスを作成し,その中に横書きで配置する方法もある.この場合は,図版と同じ扱いになる.
3.5.12 圏点
圏点は,テキストとして準備できない場合がある.この場合,後の工程で圏点を付けるテキストに指示を施し,圏点を付けることになる.
縦書きでは,一般に﹅(U+FE45,ゴマ点という)を付けるが,●(U+25CF)にする例もある.横書きでは,一般に●(U+25CF)を使う.
なお,横書きで﹅(U+FE45,ゴマ点という)を使用すると,見た目のバランスが良くないので,避けた方がよいであろう.
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