強調の方法 #97
KobayashiToshi
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強調の方法
#97
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3.〓 強調の方法
日本語においてテキストのある部分を強調する方法は,いいろいろとある.しかし,強調する内容と強調の方法との組合せについては,明確に確立された慣行はない.また,強調の度合いも異なってくるが,どれが強い強調かも,一概にはいえない.しかし,ある種の表現では,比較的に多く採用され,慣例といってもよい方法もある.いくつか例を示しておく.なお,ここでは,主たるテキストと差をつけて示す,あるいは強調ではないが,補足や引用などの方法も解説しておく.
重要な語句,あるいは索引に拾われている用語など,特別に意味を持っている語句を示すために,その語句のフォントを変える.明朝体が主たるフォントであれば,該当の語句をゴシック体にする.
ある用語なり言葉の意味が,一般的でない,あるいは,このテキストの中では特別な意味を持っていることを示すためにカギ括弧でくくる.日本語には“括弧に入れる”という表現がある,つまり特別な意味を持っていることを示す.
英語を日本語に翻訳する場合,英文中のイタリックを使用して示した書名は,それの翻訳書名を日本語で表記する場合は,斜体にしないで,一般に『』(縦組または横組)や“”(横組)でくくって示す.雑誌の論文名は「」や‘’(横組)でくくって示す.
英語の場合,行の中で強調や外来語由来の語句をイタリックで示す例があるが,このような場合,日本語では,該当する語句に圏点を付ける,その語句を山括弧〈〉でくくる,なかには,その語句をゴシック体にしている例もある.いずれにしても,イタリックにならい斜体とする方法は,通常は採用されていない.
注 日本語で用いる仮名と漢字には、ラテン文字におけるイタリック体という書体様式は存在しない。他方で、日本語で用いる文字を、傾斜させる方法として「斜体」が用いられる場合がある。ただし、ラテン文字におけるイタリック体が、独立した手書きの様式が活字に転用され、それが現代のデジタルフォントでも用いられているのに対して、「斜体」は明朝体やゴシック体などの通常の書体を、光学的・電子的あるいは計算によって、傾斜させるように変形する操作である。「斜体」は主に見出しや広告などで使われるデザイン上の特殊効果であり、その用途はラテン文字のイタリック体の用途とは異なる。
ラテン文字でも、同様の傾斜をかける変形をする(これを「スランテッド」や「オブリーク」などという)場合や、あらかじめそのような変形を施した書体も存在するが、それらは多くの場合、イタリック体の代用として用いられる。日本語で用いる文字には、イタリック体は存在しないため、イタリック体の代用として「斜体」を用いることは通常しない。また、原文がラテン文字で書かれた文献を日本語に翻訳する場合に、原文中にイタリック体が用いられ、その対応する日本語の訳語の文字もまた原文と同様に差別化して表記する必要がある場合には、上に述べた理由から、「斜体」とは異なる差別化・強調の方法(圏点、傍線など)を用いる。(注は,ここまで)
補足説明,あるいは追加情報を示すために,それらを丸括弧でくくる.この方法は英文とほぼ同じである.丸括弧でくくった箇所の文字サイズを変えない方法と,くくった箇所の全部または一部を1段階小さくす方法とがある.なお,丸括弧でくくるテキストを挿入する形式には,次の2つがある.Aは丸括弧でくくったテキストを文中に挿入する方法であり,Bは文から独立した形で挿入する方法である.通常は,A方式では,後ろの括弧の直前には句点を入れないが,B方式では句点を入れる方法が多い.
注 この括弧と句点の関係は,かぎ括弧を使用した場合も同様である.ただし,丸括弧を使用した場合,法令などでは,A方式でも後ろの括弧の直前には句点を入れており,後ろの括弧の直前に句点を入れる方法がある.また,かぎ括弧を使用した場合,B方式でも後ろの括弧の直前には句点を入れない方法がある.句点を入れないのは,末尾のかぎ括弧が区切りを示しているというのが理由である.また,B方式では,後ろの括弧の直前ではなく,括弧の直後に句点を入れる方法もある.
丸括弧でくくる内容が入れ子になった場合,(□(□(□)□)□)のように丸括弧だけを使用する方法と[□{□(□)□}□]のように括弧の種類を種類を変える方法がある.
丸括弧でくくるかわりに,2倍ダーシでくくる,または文末で2倍ダーシで始める方法がある.この用法は英語の全角ダーシまたは二分ダーシで文をくくる用法と似ている.
文中に引用文を挿入する場合は,かぎ括弧または,横組でコーテーションマークでくくる.引用文を段落を変えて示す場合,一般に字下げなどを行い,執筆者のテキストと区別している.最近はフォントを変える例もある.なお,かぎ括弧または,横組でコーテーションマークは会話文をくくる場合にも使用する.
かぎ括弧の内容が入れ子になった場合,一般に「□『□「□」□』□」のようにする.なお,かぎ括弧と二重かぎには,行送り方向の長さを短くした“小かぎ”と呼ばれる括弧がある.引用などで,原文のかぎ括弧と二重かぎ括弧を小かぎのかぎ括弧と小かぎの二重かぎ括弧に替え,原文の形式を生かしたまま入れ子にできる.
注 引用者が引用文の注記・補足 引用者が引用文に注記・補足を示す場合,ブラケット[]を使う方法は英語とほぼ同じである.ただし,キッコウ〔〕はブラケット[]に似せて日本で作成された括弧なので,縦組で主に使用されている.翻訳書では,引用の補足として原著者のものはブラケット[],翻訳者の場合はキッコウ〔〕と使い分けている例もある.このブラケットなどの使用は,凡例等で説明して使用している場合と,説明しないで使用している例がある.したがって,この用法は,ほぼ確立されているとはいえるが,明確に確立された方法とまではいえない.
なお,参考までに,強調の方法の例を以下に示しておく.
なお,ルビが付いた文字列に圏点で強調するという場合があるが,見た目のバランスもよくなく,また,ケースによっては,行間を変更する必要が出るときもあり,望ましいものではない.以下のような代替的な方法が考えられる.
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