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Ayame Otsuki edited this page Jan 13, 2019 · 26 revisions

2.1 目的

 本論文の目的は、OSMにおける効率的な建物外形の入力手法の検討にある。検討するにあたり、OSMに建物データを入力する際に、建物外形をより効率的に描くための編集ツールの仕様を研究した。提案する編集ツールとしては、近年のOSMの編集ツールの使用状況から、PCやスマートフォンなどのデバイスに依存しない、シンプルで直感的に操作しやすいユーザーインターフェースの実現を目指したウェブブラウザタイプの編集ツールを採用し、ツール名を「BCr.map」とつけた。また今回はGoogleが定める要素を備えたWebサイトである、Progressive Web Apps(以下PWA)という手法をとる。PWAを採用する理由は4つある。1つ目はタブレット端末や、スマートフォンで編集ツールを起動した際に、よりデザインがシンプルでディスプレイ上に余分な情報を表示させないためだ。2つ目はPWAがオフラインやプッシュ通知に対応するためのブラウザAPI(Service Workerなど)を利用しているため、オフライン環境でも動く編集ツールにすることができるからだ。3つ目はPWAを利用すると、モバイル端末のホーム画面にアイコンを設置することができ、ユーザーはアイコンをタッチするだけでWebサイトを開くことができるからだ。これはつまり、編集ツールを起動するためのストレスを極力解消するのが目的だ。PWAはPCの種類に依存するが、Apple社のMacOSの入ったPCではアプリケーションとしてアイコン表示が可能となっている。4つ目は既存のOSMの編集ツールと比較して、新規性のある編集ツールを提案するためだ。OSMに関連する先行研究の中にPWAを活用した事例は発見できなかったため、今回の研究手法として2017年にリリースされた比較的新しいPWAを活用する点にOSMにおける編集ツールの新たな可能性の開拓を目的とした。

2.2 実装

 実装方法としては、PWAを有効化させるために「GitHub Pages」を利用し、サイトのSSL化を実現し、"index.html"に"manifest.json"と"service-worker.js"を参照させた。また編集ツールの背景は、国土地理院が提供する航空写真を活用した。今回開発した編集ツールには大きく分けて4つの機能がある。1つ目は自分の現在位置を表示させ続ける機能だ。この機能には「leaflet」というWeb地図のためのJavaScriptライブラリの「Leaflet.Locate」というプラグインを使用した。2つ目の機能は、建物外形を追加、追加した建物外形の削除の機能だ。これにはleafleの「Leaflet.PM」というプラグインを使用したが、今回作成する編集ツールに必要な先述した機能以外は、JavaScriptで"function"を"false"にすることで実装させないようにした。3つ目は追加した建物外形の形状を編集させる機能だ。この編集機能では四角形の拡大・縮小、縦横比率の変更、回転、移動ができる仕様になっている。これにはleafleの「Leaflet.Path.Transform」というプラグインのJSONファイルを活用しつつ、"script.js"の中でポリゴンの編集機能を細かく指定した。4つ目は追加・編集した建物外形を「GeoJSON」形式のファイルでボタンをクリックしたらダウンロードできる機能だ。この機能は"index.html"の中にボタンを設置し、"script.js"の中でGeoJSONで建物外形を抜き出し、設置されたボタンをクリックするとダウンロードをするようにJavaScriptで記述した。

  • BCr.mapの全体のソースコードに関しては「GitHub」内に公開している。こちらがそのリンクである。 https://github.com/furuhashilab/BCr.map
  • 今回開発した編集ツールとしてのPWA、BCr.mapはこちらのリンクで開くことができる。 https://furuhashilab.github.io/BCr.map/
  • BCr.mapをiPhone8で起動した際のユーザーインターフェース GSIversion

2.3 仮説

 BCr.mapの起動に要する時間はウェブブラウザで開くため、PC用のスタンドアローンタイプのJOSMより短いことが予測した。また建物外形の入力作業において、建物入力のプラグインが備わっていないiD Editorより、BCr.mapの方が効率が良いと仮説をたてた。これらの仮説の概念図が下記の図である。 C_D

2.4 実験

 実験としては仮説を検証するために、iD Editor、JOSM、BCr.mapの3つの編集ツールを用いて建物外形を入力する作業を3分間(180秒)×3回行い、何個描けたかを調べた。今回の実験の条件は、各編集ツールを起動し実際の編集作業を行うまでの時間も含めた。また、JOSMにおいてはすでに最新版のJOSMにアップデートし、「building」のプラグインはインストールされた状態でJOSMを起動した。iD Editorにおいてはコピーアンドペーストで、同じ形状の建物外形を追加できる機能を使わないが、「エリア」の追加と「直角補正」のショートカットキーは使用するのが条件だ。追加する建物外形は、直角補正された四角形と限定した。

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