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MS_WirelessLAN

nishi_74322014 edited this page Aug 3, 2026 · 1 revision

無線LAN

概要

IEEE 802.11(無線LAN)の主にWi-Fiの話。

Wi-Fi(無線LANの規格)

  • Wi-Fi : Wireless Fidelity
  • Wi-Fi Allianceにより IEEE 802.11 の規格に準拠した無線通信規格として確立
  • 通信端末がWi-Fi対応であることを表示するためには、Wi-Fi Alliance の Wi-Fi認証を受ける。

AP : Access Point

  • 以下の様にも呼ばれる。
    • Wireless LAN access point
    • 親機、基地局、ステーション
  • 機能
    • 無線LANルータ機能
    • 無線LANブリッジ機能(ルータ機能をOFFにしたブリッジ・モードがある)
  • 様々なAP
    • モバイルWi-Fiルータ
      LTEやモバイルWiMAXなどの高速無線アクセス網へのアクセス手段として使用されるAP(≒ 無線LANルータ)
    • モバイル・ホットスポット
      無線LANクライアントをソフトウェアレベルでAP化する

IEEE 802.11

Wi-Fi準拠品であることの認定は

それぞれ個別に行われる。

11a

  • 周波数帯域5.2GHz帯を使用した通信規格
  • 最大速度は54Mbpsと通信速度が速い。
  • 電子レンジとは違う周波数帯域を利用し、影響を受けない。
  • しかし、
    • 障害物による遮蔽に弱い欠点があり、
    • 法令で「屋外利用不可」と定められている。
  • 通信の変調方式は11gと同様「OFDM」が用いられている。

補足: 「屋外利用不可」は 5.2GHz 帯(W52)についての規定。 5.6GHz 帯(W56)は気象レーダ回避(DFS/TPC)を条件に屋外利用が認められている。 また、W52 は 2019年の制度改正で一定の条件下(登録局など)の屋外利用が可能になった。

11b

  • 周波数帯域2.4GHz帯を使用した通信規格
  • 最大速度は11Mbpsと比較的低速。
  • 殆どの無線LAN機器が対応しており安価。
  • 屋外での利用が可能で、伝送距離が比較的長い。
  • 電子レンジの周波数帯域と重なり干渉による速度低下の恐れがある。
  • 通信の変調方式は「DSSS」を利用

11g

  • 周波数帯域2.4GHz帯を使用した通信規格
  • 11bと互換性があり特徴も似ている。
  • 最大速度は54Mbpsと11bと比べ5倍程度も速い。
  • 通信の変調方式は11aと同様「OFDM」が用いられている。

11n

  • 周波数帯域2.4GHz帯と5GHz帯の両方を使用した通信規格
  • 速度は300Mbps〜450Mbpsまで高速化
  • 通信距離が長く、障害物があっても高い安定性を持つ
  • 5GHz帯を使用すれば、電子レンジによる干渉もない。
  • 特徴
    • 高い互換性の維持
    • チャネルボンディングという、チーミング、
      リンクアグリゲーション的な高速化技術が規定されている。
      • 2.4GHz帯は同時使用チャネル数が1〜13(非推奨)
      • 5GHz帯は同時使用チャネル数が9つ

11ac

  • 周波数帯域5GHz帯を使用した通信規格
  • 433Mbps〜約7Gbpsの高速データ通信
  • アンテナを複数使用したMIMO(MU-MIMO)を駆使する。

11i

  • WEPの脆弱性に対応するための通信規格
  • IEEE 802.1X認証機能の追加
  • WEP → IEEE 802.11i → WPA と言う流れ。

移行メモ: 厳密には WPA が IEEE 802.11i のドラフトの先行実装WPA2 が 802.11i の正式版に対応する。 順序としては WEP → WPA(802.11i ドラフト)→ 802.11i 策定 → WPA2 が実態。

補足(最新化): 元 Wiki は 11ac までの記載。以降、

  • Wi-Fi 6 / IEEE 802.11ax(2.4/5GHz、OFDMA・MU-MIMO・TWT。最大 9.6Gbps)
  • Wi-Fi 6E(6GHz 帯を追加。日本では 2022年に制度化)
  • Wi-Fi 7 / IEEE 802.11be(320MHz 幅、4096-QAM、MLO=マルチリンク動作)

が追加されている。セキュリティは Wi-Fi 6 以降 WPA3 が必須

変調方式

  • OFDM
    • OFDM : Orthogonal Frequency Division Multiplexing
    • 直交周波数分割多重方式
    • 特長
      • 狭い周波数帯に複数の搬送波を詰めこんで送信できること。
      • 占有周波数帯域をそれほど肥大化させることなくマルチキャリア化できること。
      • 部品点数でもチャネル占有数でも最小のコストで最大の転送速度が狙える。
    • 以下に強く安定性が高いという利点があり、地上デジタル放送にも利用されている。
      • マルチパス(複数伝送経路間で発生する反射)
      • フェージング(電波レベルの変動)
    • 地上デジタル放送は、
      • 13に分けられたOFDMセグメントを5,617本の副搬送波で伝送する「モード3」という運用をしている。
      • これを64QAM(直交振幅変調)で伝送し、約16.8Mbpsの情報レートを維持している。
      • 1〜12までの固定セグメントにテレビ信号が乗せられているが、
        13番目のセグメントには携帯電話用のテレビ信号が乗せられる。
      • 携帯電話専用に1つのセグメントを専用しているため
        「ワンセグメント」つまり「ワンセグ」という名称で呼ばれ普及している。
  • DSSS
    • DSSS : Direct Sequence Spread Spectrum
    • 直接拡散型スペクトラム拡散方式
    • OFDMと対極をなす
      • 周波数選択性の妨害に対して強くなる
      • 乱反射条件下のシンボル間干渉に対して強くなる
      • 盗聴が難しくなる

移行メモ(正誤): 用語の綴り・訳を次のとおり整えた。

  • OFDM の訳「直交波周波数分割多重方式」→ 直交周波数分割多重方式
  • 64QAM の訳「直角位相振幅変調」→ 直交振幅変調(Quadrature Amplitude Modulation)
  • DSSS の展開「Direct Sequence Spectrum Spreading」→ Direct Sequence Spread Spectrum

動作モード

IEEE 802.11 無線LANの動作モード

  • インフラストラクチャー・モード
    • 端末に設置された無線LANのアダプタが、APを介して通信し、互いに直接通信しない形態
    • AP同士を有線LANで結んでネットワークを拡張可能。
    • CSMA/CA方式に加え、PCF(Point Coordination Function)を使って
      APがアクセス管理を行うため、アドホック・モードと比較すると効率が良い。
  • アドホック・モード
    • それぞれの端末のアダプタが、互いに直接通信をする形態
    • アダプタに設定するESS-ID(Extended Service Set Identifier)を一致させておく必要がある。
    • 個々の端末が互いに衝突を調整するため、インフラストラクチャー・モードと比較すると効率が悪い。
    • バケツリレー方式で繋ぐと、無線の到達範囲を超えて通信できる(マルチホップ通信)。

セキュリティ規格

SSID

SSID : Service Set Identifier

  • APを識別する名称
  • 無線LANのユーザ認証に用いられる
  • APは、周囲に存在を知らせるビーコン信号発信機能を持つ。
  • ステルスSSID(ESS-IDステルス)機能はビーコン信号でのSSID通知を停止する。
  • ANYやID空欄による接続も可能だが、拒否設定も可能。
  • 単にSSIDといえばESS-IDを指す(下記参照)。

補足: ステルスSSID は、プローブ要求/応答から SSID が読み取れるため セキュリティ対策としては有効ではない(総務省の手引きでも過信しないよう注意喚起されている)。

BSSとESS

  • BSS(Basic Service Set)
    • 1つのAPと配下のクライアントで構成されるネットワーク
    • インフラストラクチャ・モードで構成される最も単純なネットワーク
    • BSS-ID(Basic SSID)
      • APを識別するためのID
      • MACアドレスをそのまま用いる(48ビットの数値)
  • ESS(Extended Service Set)
    • 複数のBSSで構成されるネットワーク
    • APが識別名を発信し、端末が接続先を選択できるようにしている。
    • ESS-ID(Extended SSID:拡張SSID)
      • AP(ネットワーク)のIDで、最大32文字までの英数字
      • 同一のネットワーク中に同じESS-IDの複数のAPを設置可能
      • ESS-IDが同じAP配下の端末同士が通信することができる。

移行メモ(正誤): 原文は BSS-ID を「配下のクライアントを識別するためのID」と していたが、BSSID は AP(正確にはその無線インターフェイス)を識別する ID で、 通常 AP の MAC アドレスが使われる。

マルチSSID

1つのAPで複数のSSIDが使える機能で、以下の二方式がある。

  • マルチESS-ID(ESS-IDを複数設定できる)
    • それぞれのAPで別々の設定ができる。
    • 特に、セキュリティ方式を分けることができる。
  • マルチBSS-ID(BSS-IDを複数設定できる)
    • 複数ネットワークを1台の無線APで上位スイッチに接続。
    • 物理構成によらない柔軟な(仮想的な)設定が可能になる。
      • BSS-IDを同一のSSIDに所属させ、1ネットワークとして利用
      • BSS-ID毎にSSIDグループを分割し、ネットワーク分割することも可能

※ マルチBSS-IDについては、バッファロー製品仕様を参考にした。
 BSS-IDはMACを使うので、無線HUB的な製品仕様のように思われる
 (でインテリジェントスイッチに接続してVLANを実現するなど)。

ゲストSSID

来客向けのインターネット提供SSID

  • インターネットのみを提供
  • 企業・自宅内のネットワークにはアクセスできない。
  • APのモバイル・ホットスポット的な。

ローミング

  • 無線LANクライアントが異なるAP間を渡り歩けるようにする機能。
  • インフラストラクチャ・モードのAPのESS-IDが同じであることが前提(チャネルは自動検出)。
  • セッションを切らないようセルを10〜15%オーバーラップさせる(自動調整)

WEP / WPA

  • WEP : Wired Equivalent Privacy
  • WPA : Wi-Fi Protected Access

WEP

  • 共通鍵による暗号化(RC4)を行う。
  • 共通鍵には固定されたWEPキーと自動生成のIV(初期化ベクタ、24bit)を使用。
    • WEPキー : 40bit(IVと合わせて 64bit)
    • WEPキー : 104bit(IVと合わせて 128bit)
    • WEPキー : 128bit(IVと合わせて 152bit)
  • 後に容易に解読できることが判明したため廃れた。
    • 認証機能が弱い
      • デバイスを認証していない。
      • ユーザを認証していない。
    • 暗号処理の脆弱性
      WEPキーとIVが割れると同じキーストリームが生成される、ここで、
      ある平文が推定できると他の平文も推定できる(復号化ではない)。
      • WEPキーは固定で、40bitの場合、短い
      • IVは平文で送信され、サイズも小さい(トラフィックが多い場合1日で巡回)
    • ICVの脆弱性
      • 誤り検出用のデータ
      • CRC32を使用しているが、入力が出力にどう影響するか予測可能。
      • ICVの改ざんが可能(ビット・フリッピング攻撃)

移行メモ(正誤): 原文は「WEPキー : 40 bit, IV : 64 bit」のように書かれていたが、 IV は常に 24bit で、64 / 128 / 152 は WEPキー + IV の合計(=「鍵長」として表記される値)。 表記を「WEPキー nbit(IVと合わせて mbit)」に改めた。

WPA

  • WPA-PSKの導入
    • PSK : Pre-Shared Key
    • 8〜63文字の事前共有鍵を使用して暗号化。
    • 暗号化標準
      • WPA-PSK(TKIP)… TKIP(秘密鍵をパケット単位で変化させる)の採用が義務化
      • WPA-PSK(AES)… RC4から、さらに高い安全性を持つAES(CCMP)の採用も可能。
  • 上記以外の変更点
    • IVのサイズを48bitに。
    • 暗号鍵 = Hash関数(PSK、IV、MACアドレス)で生成
    • MIC(Message Integrity Code)によるチェック
    • 2つのモードが利用可能になった。
  • 脆弱性
    ファームウェアのアップグレードができるので、そこを攻撃されるケースがある。

移行メモ(正誤): 原文の「TKIP(秘密鍵を 10,000パケット毎に 更新する)」は不正確。 TKIP は パケット単位 でキーミキシングを行い、 加えて MIC 失敗が 60 秒内に 2 回発生すると対抗措置として鍵を更新する。 また「WPA-PSK(事前共有鍵)のサイズを128bitに」とあるのは、 PSK そのものではなく、そこから導出される 暗号鍵(TK)が128bit という意味。

WPA2

  • 暗号化標準
    • WPA2-PSK(AES)… AESが義務化
    • WPA2-PSK(TKIP)… TKIPも使用可(使用不能としている場合もある)。
  • 脆弱性
    KRACK(Wi-Fiの脆弱性の総称)に含まれるWPA2の4-way ハンドシェイクにおける鍵再利用の脆弱性。

WPA3

  • キー・エクスチェンジ・プロトコル(SAE)を実装し、オフラインディクショナリー攻撃を防ぐ。
  • 新しいハンドシェイクを搭載しWPA2のKRACKの問題に対応している。
  • OWE : Opportunistic Wireless Encryption
    オープン ネットワークでも端末ごとに異なる暗号化を行う技術の採用

※ 元 Wiki には「2019年後半には全てのWi-FiルータにWPA3の実装が必須になる予定」とあった。
実際には Wi-Fi 6(802.11ax)以降の Wi-Fi CERTIFIED 取得に WPA3 が必須という形で義務化された。

モード

WPAから導入されている。

  • Personal
    • WPA/WPA2-Personal
      個人宅や小規模の会社向けに設計されたパーソナルモード。
      ユーザがすべて同じPSK(事前共有鍵)を使用し、認証サーバを必要としない。
    • WPA3-Personal
      PSKに替わり、Dragonflyとも呼ばれるハンドシェイクの方式である
      「SAE(Simultaneous Authentication of Equals)」を採用している。
  • Enterprise
    • WPA/WPA2-Enterprise
      • ユーザ認証に IEEE 802.1X を利用
      • RADIUSサーバが必要になる。
    • WPA3-Enterprise
      • 暗号アルゴリズムの強度を128ビットから192ビットに強化
      • 一貫性のある保護の提供と統合管理が可能。

WPS

WPS : Wi-Fi Protected Setup

  • セットアップ技術。Wi-Fi Allianceが策定
  • 無線LAN端末を容易に認証し、接続設定を行うための機能を示した仕様。
    • WPS対応機器同士の情報を交換し紐付ける(ID、IPアドレス、パスワード、暗号キー)。
    • 方式として以下の方式がある。
      • プッシュボタン方式
        一定時間内に無線LAN機器からアクセスされた場合、紐付け。
      • PINコード方式
        発行されるPINコードを子機に入力した場合、紐付け。
      • USBメモリ方式
        USBメモリに設定情報を登録して子機に受け渡した場合、紐付け。
  • 脆弱性
    WPS の PINコード方式 には総当たりで PIN を解読できる脆弱性があり、
    現在は PIN 方式を無効化するのが推奨。WPA3 では後継として DPP(Wi-Fi Easy Connect)がある。
  • その他
    • バッファロー社 … AOSS : AirStation One-Touch Secure System
    • NEC社 … らくらく無線スタート

参考


Tags: IT国際標準, インフラストラクチャ, セキュリティ, 暗号化, 通信技術

NetDevInfraWiki

マイクロソフト系技術情報 Wiki
Open 棟梁 Wiki

(未着手)

開発基盤部会 Wiki

移行管理: DONETODO

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