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RISC
Reduced Instruction Set Computer
最初の RISC マシンは,1975 年に IBM の John Cocke によって考え出された(John Cocke は 801 の貢献でチューリング賞やシーモア・クレイ賞を受賞している). この考えを元に Patterson らの Berkeley 版 RISC,Hennessy らの Stanford 版 RISC が同時期 (80年代初頭) に作られた. 代表的なプロセッサを挙げると,前者はSun SPARC,後者はMIPS.
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John Cocke, V. Markstein, "[http://domino.watson.ibm.com/tchjr/journalindex.nsf/0/22d06c5aa961e78085256bfa0067fa93?OpenDocument The evolution of RISC technology at IBM]," IBM Journal R&D, Vol.44, Num.1/2, pp.48-55, 2000.
- IBM RISC は 1974 年の電話交換機プロジェクトに端を発する.このプロジェクトでは 12 MIPS を目指した高速プロセッサを設計したが,実際に作られることはなかった.このプロジェクトで得た知見が,後の 801 に活かされている.基本的な考えは,よく使われる命令を高速化し,遅くなる原因の複雑な命令を削除し,1 CPI を実現する.
- ECL での実装,32 本の 32bit レジスタ,ハーバードアーキテクチャ,FPU なし,ユーザ/特権モードなし.
- 1977 年に 15 MIPS で動作するプロセッサが完成し,IBM 3090 の I/O プロセッサや IBM 9370 などに使われた.そして POWER アーキテクチャにも大きな影響を与えている.
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IBM 801 が RISC を形式化したのかもしれないけど,Jim ThorntonとSeymour Cray 氏によって設計された CDC 6600 (1965) がルーツとも言われる.
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David A. Patterson and Carlo H. Sequin, "RISC I: A Reduced Instruction Set VLSI Computer," Int'l Symp. on Computer Architecture, pp.443-457, 1981.
- プロセッサ全体を1チップ化するために,命令セットを縮小したら,なぜだか妙に速くなってしまったという感じの論文らしい.速くなった理由として,オーバラッピングレジスタウィンドウの効果が挙げられているが,根拠が薄い.
違いはレジスタウィンドウ?
ARMは英国生まれだよな.
Sun May 6 14:17:04 JST 2001 . RISCに関しては,Hennessy & PattersonのComputer Architectureが詳しい.
あと,昨日,Oh!Xの中森章氏の連載を読んでみた.リニューアル版は,余り興味をそそられる記事がなくて買ったまま放置していたけど,中森氏の連載は面白かった.ただ,連載のスパンが半年とか一年なんで(^^;),まとめて読んだ方がいい気はしたけど.
日本オリジナルのアーキテクチャであるNECのVシリーズの記事も面白かった. 個人的にはVシリーズというと98に搭載されていた80186のコンパチアーキテクチャというイメージが強いが(V30,いろいろ紆余曲折があったようだ. NECのVシリーズと日立のSHシリーズの比較 + 栄枯盛衰物語を読んでみたいなぁ.
なぜRISCは成功しなかったのか?
- [http://www.zdnet.co.jp/news/0106/26/e_compaq.html Compaq,AlphaからItaniumへ――そしてハードからサービスへと戦略転換] (ZDNet 2001-06-26)
- [http://www.igeek.com/?pathToFile=/articles/Hardware/Processors/&file=RISCorCISC.txt&article=1 RISC or CISC Which is better?] (iGeek 2002-11-24)
- RISC の歴史,ムーアの法則を背景にした CISC の発展(RISC とのハイブリッド化).RISC の哲学はよかったが,結局,クリティカルマスを越えることはできなかった.
とは言え、IAアーキテクチャも内部はMicroOPs化(つまりRISCなわけで)されており、RISCの考えを取り入れているし、RISCもCISC的考えを取り入れている。もはやCISC対RISCという比較は意味をなさなくなっている。
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